校長挨拶(全日制)

  グローバル化は我々の社会に多様性をもたらし、また、急速な情報化や技術革新は人間生活を質的にも変化させつつあり、社会的変化の影響が、身近な生活も含め社会のあらゆる領域に及んでいます。こうした予測できない未来に対応するためには、社会の変化に受け身で対処するのではなく、主体的に向き合って関わり合い、その過程を通して、一人一人が自らの可能性を最大限に発揮し、よりよい社会と幸福な人生を自ら創り出していくことが重要です。
 工業とは、「人が人として幸せに生きていくために必要なものをつくること」であり、工業高校で学ぶ、知識や技術は、自分のためだけでなく、人のため、社会のため、世界や地球のために、役立たせるためのものであると考えています。専門的な知識や技術の先には、それを利用する「人」がいます。いかに高度な技術を駆使したものであっても、それを使う人への、思いやりや配慮、気遣いがなければ、決して受け入れられることはありません。相手の気持ちや、立場に立って考えること。行動すること。つくり上げること。その基本は「優しさ」です。
 そして、優しくあるためには、「心の強さ」が必要です。心が強くなければ、優しさは甘さや弱さになりかねません。心が強くなければ、人や社会を優しく包むことはできません。どのようなことがあっても挫けることのない強い心。たゆまぬ努力を重ね、前に進もうとする強い心。本当の優しさは強い心に宿ります。
 埼玉県を代表する本校は、校訓「至誠一貫」「質実剛健」のもと、人間性豊かな、地域産業を担う職業人の育成に努めてまいります。

 

埼玉県立大宮工業高等学校長 清水雅己

 

 

 

 

 

 

 

   

 


令和3年度第1学期終業式 式辞(要旨)

おはようございます。速いもので、今日で1学期も終了です。
この1学期間、いろいろなことがありましたが、改めて、皆さんの凄さ、素晴らしさに感心しています。
それは、先ほどの表彰式での、合格証書や賞状の数にも表れていると思います。
本来であれば、もっと多くの生徒皆さんにこの場に来ていただく予定でしたが、時間の都合もあるため、今回は代表者に来ていただくことになりました。合格証書及び賞状を手渡すことができなかった皆さん。
申し訳ありませんでした。そして、おめでとうございました。

これだけ多くの合格証書や賞状を授与される生徒が在籍する学校は、他に類を見ないものであり、とても誇りに思うことです。
皆さんの常日頃のたゆまぬ努力に敬意を表するとともに、これからも、さらなる高みを目指して、頑張ってくれることを期待しています。

そして、もう一つ、いつも誇りに思っていることがあります。
それは、皆さんは本当によく、気持ちの良い挨拶をしてくれるということです。
挨拶なんて、「当たり前じゃないか」という人もいるかも知れませんが、当たり前のことを、当たり前に、自然にできるということは、とても素晴らしいことです。
誰でもそうだと思いますが、挨拶をしてもらえると、気分が良くなったり、心地よい雰囲気に包まれます。

本校には学校関係者だけではなく、企業の方や大学、専門学校の方など、驚くほど多くのお客様が来訪されますが、きっと、お客様も同じように感じられているのではないかと思います。

そのためか、来訪されたお客様には、「大宮工業高校の生徒さんの活躍をよく耳にしますので、訪問するのがとても楽しみでした。実際に学校訪問させていただいて思うのは、生徒さんは、本当によく挨拶をしてくれますね。校内がきれいですね。」ということ言われます。

御来訪いただいたお客様が、皆さんの挨拶により、気分が良くなり、また、校内視察を通して、「大宮工業高校の生徒は、挨拶ができ、清掃もしっかりできる生徒たちなんだな。」と好感を持ってお帰りになられていると思います。

挨拶や清掃がしっかりできる。
当たり前のことを当たり前にできる。
これはとても大切なことであり、本校の魅力であり誇りだと思います。
ぜひこれからも継続していってもらいたいと思います。


さて、今日は就職・採用に関する話をしたいと思います。
就職を希望する多くの3年生は、就職希望先を1社に絞り込み、夏休み中に企業訪問を行い、その後、9月16日から始まる採用試験に臨むことになります。

大学や専門学校に進む人、1・2年生も、将来は必ず働くことになりますので、耳を傾けていただきたいと思います。

就職を希望する皆さんも真剣だと思いますが、企業の方も真剣です。
その大きな理由は、「企業は人なり」、「人こそが企業の財産である」と言われるように、企業の継続的・持続的な成長のためには、優秀な人材の採用と育成が必要不可欠だからです。

しかし、企業にとって人を雇うということは簡単なことではありません。
まず、人を雇うには、多額な経費が必要になります。
具体的には、採用するために必要な経費。そして、高校を卒業したばかりの人でも、給与だけでなく、手当や保険、福利厚生などを含めると、一人に支払う給与の3倍から4倍もの経費が必要になると言われています。当然、経験や年齢が高くなればなるほど高額になっていきます。

しかし、企業は経営が厳しくなったからと言って、簡単に社員をクビにすることはできません。
だからこそ、企業は慎重に人を選び、必要最小限の優秀な人財を採用しようとします。

その重要な採用に関わる判断を企業の方は、学校訪問と皆さんの企業訪問、そして、たった一日二日の採用試験で判断しなければなりません。
ですから、採用担当者は、よっぽどのことがない限り危険な綱渡りはせず、より安全な方に舵を切ります。


その上で、皆さんに伝えたいことは、「人は見かけで判断される」ということです。

世間一般的には、「人は見かけで判断してはいけない」と言われていますが、採用試験、特に面接試験においては、当然のことながら人は見かけで判断されます。

この「人は見かけで判断される」ということについて、埼玉県出身の芸人、カズレーザーさんが、あるインタビューの中で、「人を見た目で判断するのはごく自然なこと」と述べています。そして、その理由について、こう分析しています。

一瞬で得られる情報が多いことから、生き物は、視覚情報である見た目で物を判断するように進化している。
音とか匂いとかよりも目で見た情報っていうのは、1秒あたりに伝わる情報量が圧倒的に多い。
見た目で判断するというのは、本能的にあるもの。
外見っていうのは、すべてが表れるものだから。
もし「こういうイメージを持ってほしい」って思うなら、それにのっとった格好をするべき。
真面目に思われたいんだったら、真面目に思われる格好をするべき。

このように、見た目で得られる情報量が多いからこそ、「人は見た目で判断される」というのがカズレーザーさんの分析です。

話を元に戻します。
面接試験は特別な日です。
その特別な日に、身だしなみや言葉遣いができていないなど、「見た目」や第一印象が悪ければ、当然採用されることはありません。

服装や頭髪をはじめとする身だしなみや言葉遣いを含め、「見た目」はその時だけ繕っても繕うことができるほど簡単なものではなく、日頃の生活の中で徐々に培われ、じわじわとにじみ出てくるものです。

校則だからとか、親や先生がうるさいからとかではなく、自分自身の将来ために、常日頃から、身だしなみや言葉遣いに注意を払い、自分自身の「見た目」を高めていってもらいたいと思います。

皆さんには、自然に気持ちの良い挨拶をすることができるというアドバンテージがあります。
そのアドバンテージに、「見た目」が加われば、さらに大きなアドバンテージとなり、皆さん自身の大きな魅力になると思います。

そして、来たるべき採用試験を迎えてもらいたいと思います。


最後に連絡です。
明日7月21日から10月末まで、HR棟の西側のすべてトイレは、改修工事のため使用することができなくなります。
また、それに伴い夏休み中は、西側の階段も使用することができなくなりますので、注意してください。


それでは、9月1日に、全員そろって、笑顔で会えることを楽しみにしています。
令和3年度1学期間、たいへんお疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。
有意義で楽しい夏休みとなることを祈っています。

令和3年7月20日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清水 雅己

 


令和3年度 入学式 式辞(要旨)

やわらかな、春の日差しの中、若い命が躍動する希望あふれる季節がめぐってまいりました。

ただ今、入学を許可いたしました 267名 の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
教職員、在校生を代表して、皆さんの入学を、心から歓迎いたします。

本来であれば、御来賓と保護者の皆様にも御臨席いただき、令和3年度の入学式を挙行するところですが、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、このように規模を縮小しての入学式にさせていただきましたこと、許していただきたいと思います。


さて、本校は、大正14年、大宮町立工業学校として、大宮の地への設置が認可され、この95年の間に、校訓である「至誠一貫」「質実剛健」のもと、生徒たちの力を引き出し、鍛え、常に日本の工業界をリードする人財を育ててまいりました。

新入生の皆さんには、本校で、確かな学力に加え、社会人としての豊かな教養、そして技術者としての、高い技術力を身につけてもらいたいと思います。

本校での学校生活は、皆さんの生涯の中でも、極めて大切な時間になるものと思います。
そこで、入学にあたり、心に留めておいていただきたい、三つのことをお話しいたします。


一つ目は、「夢を持て!」ということです。

その夢は、先の長い生涯をかけての夢でも、少し努力すれば手が届きそうな、目標でも構いません。

人は、常に夢や目標を持ち、それに向かって努力することで、一回りも、二回りも、成長することができます。
幸いにも、本校には、日本を代表するほどの充実した施設・設備があり、そして何よりも、素晴らしい指導者である先生方がいます。

毎日の授業はもちろん、いろいろな資格取得やコンテスト、そして、部活動など、他に類を見ないたくさんのチャンスがあります。
このチャンスに、自ら積極的に挑戦して、そして、夢を掴んでください。

すべては夢を持つことから始まります。
「夢を持て!」、そして、その夢や目標に向かって、たゆまぬ努力を重ねていってください。


2つ目は、「失敗を恐れるな!」ということです。

先ほども、申し上げましたとおり、本校には、他に類を見ないたくさんのチャンスがあります。
そのチャンスに対して、たくさん挑戦すれば、たくさん失敗するのは当たり前です。
大切なことは、その失敗をどう捉えるか、そして、失敗しないためにどうすべきか、ということです。

まず、失敗をどう捉えるか。

わたしは、今までに一度も失敗をしたことがない。電球が光らないという発見を、今まで、2万回したのだ

これは、あの偉大な発明家、トーマス・エジソンの言葉です。

エジソンは、上手くいかなかった結果を「失敗」ではなく、「これでは上手くいかないという発見」と捉え、その結果を分析し、さらに研究に邁進したのです。

また、

失敗とは単に、もう一度始められるチャンスのことだ。今度は、もっと賢く行うことができる。ただ1つ、本当の失敗とは、そこから何も学ばないことだ

これは、アメリカの自動車会社、フォードの創業者、ヘンリー・フォードの言葉です。
エジソンは、「失敗」を「これでは上手くいかないという発見」に、フォードは、「次はもっと賢く行えるチャンス」と捉えました。

このように、失敗は必ず何かを学ぶチャンスでもあります。

また、この学びは、挑戦しなければ絶対に得ることができない貴重な経験でもあります。
高校生だからこそ、失敗を恐れることなく、たくさん挑戦して、たくさん失敗してください。
そして、その失敗を、発見やチャンスなど、前向きに捉え、「挑戦と失敗」「トライアル & エラー」を繰り返して、その先にある「成功」にたどり着いてください。

そして、失敗しないためにどうすべきか。

たったひとりしかいない自分を、たった一度しかない人生を、ほんとうに生かさなかったら、人間、生まれてきたかいがないじゃないか。

これは山本有三の「路傍の石」の中にある言葉です。あまりにも有名な言葉なので、知っている人も多いことでしょう。

そして、この「路傍の石」には、このような言葉も書かれています。

人間はな。 人生という砥石で、ごしごしこすられなくちゃ、光るようにはならないんだ。

この人生という砥石には、目の粗い砥石、細かい砥石、仕上げの砥石など様々なものがありますが、皆さんにとって、この高校生活における砥石とは、学校であり、先生であり、先輩であり、後輩であり、仲間であり、地域や社会の方々であり、そして、何よりも自分自身であると思います。

その砥石を大切にし、磨き磨かれ、自分自身を光り輝かせてください。

そして、墨彩画家の ひろはま かずとし さんが執筆した「生きつづけてこそ」の中に、

あなたが、あなた自身を信じなくては、輝けるわけがありませんよ

という言葉があります。自分自身を信じること、自信を持つということは、とても難しいことです。

しかし、自信がなければ、就職試験も大学受験も、心配であり、実力を発揮することはできません。ましてや、試合やコンテストなどで、優秀な成績を収めることはできません。

それでは、自信を持つためにはどうするか。
それは、準備をする以外に方法はありません。
そして、準備は自信につながるだけでなく、嘘をつかない自分を築き上げるためにも、最善の行いです。

その準備をするときは、いつか。
それは、今、この時、これから始まる、この高校生の時です。
「失敗を恐れるな!」、怠ることなく準備を進め、信じられる自分、光り輝く自分を築き上げてください。


3つ目は、「優しくあれ! 心強くあれ!」ということです。

私は、工業とは、ただ ものをつくる のではなく、「人が、人として、幸せに生きていくために必要なものをつくること」だと考えています。皆さんが、本校で学ぶ知識や技術は、自分のためだけでなく、人のため、社会のため、世界や地球のために、役立たせるためのものです。

専門的な知識や技術の先には、それを利用する「人」がいます。いかに高度な技術を駆使したものであっても、それを使う人への、思いやりや配慮、気遣いがなければ、決して受け入れられることはありません。相手の気持ちや、立場に立って考えること。行動すること。つくり上げること。その基本は「優しさ」です。

クラスの友人、学科や部活動の先輩、先生方をはじめとする多くの人との触れ合いの中で、心を磨き、鍛え、人としての「優しさ」を身につけていってください。

そして、優しくあるためには、「心の強さ」が必要です。心が強くなければ、優しさは甘さや弱さになりかねません。心が強くなければ、人や社会を優しく包むことはできません。どのようなことがあっても挫けることのない強い精神(こころ)。たゆまぬ努力を重ね、前に進み、たどり着こうとする強い精神(こころ)。本当の優しさは強い精神(こころ)に宿ります。

この「優しくあれ!」は、真心をもって何事にも立ち向かうこと。誠意を貫き通すこと。という本校の校訓「至誠一貫」に通ずる言葉であり、
「心強くあれは!」は、中身が充実して飾り気がなく、心身ともに強くたくましいさま。という本校のもう一つの校訓「質実剛健」に通ずる言葉です。

皆さんには、本校の校訓「至誠一貫」「質実剛健」とともに、この「優しくあれ!心強くあれ!」という言葉を、心に深くとどめ、それぞれの夢や目標に向かって、挫けることなく、怠ることなく、邁進していってもらいたいと思います。

結びに、希望あふれる新入生の皆さんの前途を祝し、式辞といたします。


令和3年4月8日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清水 雅己


令和3年度第1学期 始業式 式辞(要旨)

おはようございます。
いよいよ、今日から令和3年度が始まります。
今年度も、正々堂々、明るく元気に、そして、楽しく学校生活が送れるよう努力してもらいたいと思います。

2年生は学校の中核となって活動する中堅の年次であり、学校の顔となるべき年次です。
3年生は最高学年であるとともに、自らの進路実現を果たす極めて重要な年次です。
まずは、そのことをしっかり自覚するとともに、常に意識して生活してもらいたいと思います。
そして、今日の午後入学する後輩に対して立派な先輩として、本校の良き伝統を伝え、さらに良い学校を築き上げていくための「良き手本」となるよう努めてもらいたいと思います。

さて、年度が改まっても、相変わらず新型コロナウイルス禍にあり、今年度も様々な対応が迫られるのではないかと思いますが、一方で国際競争の激化や人工知能、IoTなどの先端技術が目覚ましい勢いで発達し、社会状況が大きく変化しています。
そのような時代に大切なことは、繰り返しになりますが、3学期の終業式にもお願いした、

・夢や目標、高い志を持つこと。
・辿り着くまで諦めない強い心を培うこと。
・様々な角度から見たり考えたりする力を養うこと。
・自分を自分自身で鍛えること。レベルアップすること。
・さらなる高みを目指し、何事にも好奇心・向上心を持って、自主的に、そして、主体的に取り組むこと。

を実践してもらいたいと思います。

すべては夢を持つことから始まります。
新しい年度を迎えた今日、改めて夢や目標を定めてください。もしくは再設定してください。
そして、忘れないためにも、常に意識し続けるためにも、この後配られる生徒手帳の23ページに、その夢や目標を丁寧に書き込んでおいてください。


さて、今日は、令和3年度のはじめにあたり、1つだけ話したいと思います。
それは、「能ある鷹」についてです。
皆さんも聞いたことがあると思いますが、「能ある鷹は爪を隠す」という諺があります。
有能な鷹は獲物に気づかれないように、悟られないように、普段は爪を隠し、いざ獲物を捕らえる時だけ鋭い爪を出すことから、転じて、「才能や実力のある者は、軽々しくそれを見せつけるようなことはしない」という意味を持っています。
日本人の美意識からすると、自分の才能をひけらかすことは恥ずかしいこととされ、「能ある鷹は爪を隠す」は、美徳ともされている姿です。

確かに、慢心して得意がって見せつけたり、見せびらかしたり、自慢したりする姿は、卑しく見えたりもします。また、慢心は、人を不快にするばかりでなく、自分の成長も止めてしまうこともあります。

しかし、慢心からではなく、自分の知識や技術を磨き、鍛え、自分に力をつけるためには、日頃から爪を出すことはとても大切なことです。
能ある鷹も爪を出すことをしない日々が長くなれば、感覚が鈍り、いざという時にその爪を出すこと、実力を発揮することができなくなります。ましてや、能ある鷹にまでは至っていない修行中の鷹であればなおさらです。

そして、競争相手が多くなればなるほど、生き抜いていくことが難しくなり、獲物を捕ることができなくなります。言うまでもなく、ここで言う、能ある鷹とは、実社会の第一線で活躍している人のような能力のある人、力のある人のこと。修行中の鷹とは、皆さんのことです。

先ほども話したとおり、国際競争の激化や人工知能、IoTの目覚ましい発達などにより、社会状況が大きく変化するこれからの時代にあっては、「能ある鷹になるため爪を研げ!」「能ある鷹は爪を出せ!」という姿勢が大切になります。
自分の知識や技術を磨き、鍛え、自分に力をつけるためにも、失敗を恐れず、何事も成し遂げるまで諦めず、果敢にチャレンジする姿勢が大切になります。

とは言っても、皆さんの心の中には、仲間の前で真剣に、真面目に取り組んだりすることを恥ずかしい思ったり、失敗を恐れチャレンジすることに躊躇する心が潜んでいるかも知れません。

大宮工業高校は工業の専門高校です。専門分野のことを真剣に学び、日本を支えることができる力をつけることを目的とする学校です。
真剣に、真面目に取り組むことは当たり前の姿であること。逆に、それができないことは恥ずかしいことであり、哀れなことであるという意識を持ってください。

そして、失敗を恐れチャレンジすることに躊躇する心を追い払うために、いくつかの言葉を紹介します。

世の中に、失敗というものはない。
チャレンジしているうちは失敗はない、諦めた時が失敗だ。

有名な言葉なので知っている人も多いと思いますが、この言葉は、京セラや現在のauなどを立ち上げ、日本航空を再生したことで知られる 稲盛和夫さん の言葉です。

また、現在のパナソニックを一代で築き上げた 松下幸之助さん も、

失敗の多くは、成功するまでに諦めてしまうところに、原因があるように思われる。
最後の最後まで諦めてはいけないのである。
失敗すればやり直せばいい。
やり直してダメならもう一度工夫し、もう一度やり直せばいい。

 

失敗したとこでやめてしまうから失敗になる。
成功するところまで続ければ、それは成功になる。

と、稲森和夫さん と同様の言葉を残しています。

皆さんは、修行中の鷹です。高校生だからこそ、失敗を恐れることなく、何事も成し遂げるまで諦めず、果敢にチャレンジしてください。
それでは、令和3年度が、皆さんにとって充実した有意義な一年となることを祈念して、式辞といたします。

1年間どうぞよろしくお願いいたします。

 

令和3年4月8日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清水雅己


令和2年度 第3学期終業式 式辞(要旨)

令和2年度も、今日で終わりとなります。
今年度は、緊急事態宣言の発令に伴う臨時休業から始まり、2度目の緊急事態宣言の解除に至るまで、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた、例年とは異なる様々な対応が迫られる辛く厳しい1年間となりました。
その意味でも、令和2年度の1年間、本当にお疲れ様でした。

新型コロナウイルスへの対応は、ワクチンの接種も始まり、暗く長かったトンネルの先に、ようやく一筋の光が見え始めたところですが、まだまだ世界中が混乱しており、経済や生活に大きな影響を与えています。

今後、このまま収束に向かうのか、第4波となってしまうのか、わかりませんが、予断の許さない日々が続くと思います。
皆さんには、引き続きマスクの着用や手指消毒をはじめ、感染拡大防止に努めてもらいたいと思います。


さて、今日は、「学ぶこと。考えること。」について話したいと思います。

3年前、皆さんが中学1・2年生の頃に放送されたテレビコマーシャルで、印象に残っているコマーシャルがあります。
そのコマーシャルは、皆さんも見たことがあると思いますが、au三太郎シリーズの中のコマーシャルの1つです。

菅田将暉さんが演じる鬼ちゃんが、鈴木福君が演じる長男の赤鬼に、「お前、将来どうするんだ?」と聞くと、赤鬼は、家族が多く家計を気にしてか、「お父さんの電気屋さん手伝うよ」と答えます。

すると、鬼ちゃんは、「生意気言うな!」と言った後、「学んだことは、誰にも奪われないから!」と優しく、学ぶ道に進むことを勧める場面がとても印象的でした。
感動の一言ですが、言い換えると、「学んだ知識や技術は自分のものになる。自分の力になる。」ということだと思います。

棍棒や刀をもって相手と戦う時代ではありませんが、変化の激しい時代だからこそ、自分の知識を高め、技術を磨き、自分をとことん鍛え、自分の力を高めていくこと。自分をレベルアップすることが大切だということを教えてくれていると思います。

自分を鍛え、得られた力や誇り、自信は、どんな時代にあっても、どんな苦境に立たされても、必ず自分を助けてくれます。

皆さんはこれから先、学校生活の中では考えられないほどの、比べものにならないほどの、嫌なことや辛いこと、理不尽なことに必ず直面します。
そのため、どんな壁にぶつかっても、逃げずに、諦めずに、乗り越え、走り続けられるよう、自分を鍛えていかなければなりません。

この「自分を鍛える」ということについては、アメリカの牧師・著作家の ジョン・トッドは、次のような言葉を残しています。

およそのものは権力で手に入れたり、お金で買えたりするが、知識だけは勉強して手に入れる以外に方法はない。

そして、「最も貴重な知識とは、自分の力で導きだしたものだ。」と言い、その上で、「知識を蓄えるだけでなく、考える力を鍛えなさい。」とも言っています。

すなわち、「自分を鍛える」とは、「考える力を鍛える」ことであるということです。

そして、この「考える力を鍛える」については、アメリカの詩人のエラ・ウィーラー・ウィルコックスが、「運命の風」という詩の中で次のような言葉を残しています。

同じ風を受けていながら、ある船は東に進み、またほかの船は西に進む。 行くべき道を決めるのは疾風ではなく帆のかけ方なのだ。 海の風は運命の風のよう。 生涯という海路を辿るとき、ゴールを決めるのは凪か嵐ではなく、それは魂の構えである。

ここで言う「風」とは、それぞれの人のおかれた環境や状況であり、順風もあれば、逆風もある。順調な時もあれば、逆境・苦境に立たされる時もあるということ。
「帆のかけ方」とは、テクニックとしてではなく、見方や考え方であり、一方向だけでなく、様々な角度から見たり考えたりすること。今、自分が持っている知識や技術を総動員して考えること。
そして、「魂の構え」とは、将来どんな事をしたいか、何を成し遂げたいかという夢や目標を定め、それに向かって努力する情熱や姿勢。何があっても、あきらめず辿り着こうとする強い心。志(こころざし)のこと。

この「魂の構え」「志」がなければ、辛いことや嫌なこと、理不尽なことがあると、人は逃げたり、あきらめたりします。あたかも被害者のように装ったり、人のせいにしたりします。噓をつきます。言い訳をします。
そのような人には決してならないでください。
逃げたり、あきらめたり、人のせいにしたり、噓をついたり、言い訳をしない人間になってください。至誠一貫・質実剛健であってください。

そのためにも、夢や目標、高い志を持ってください。
辿り着くまで諦めない強い心を培ってください。
様々な角度から見たり考えたりする力を養ってください。
自分を鍛えてください。
レベルアップしてください。
さらなる高みを目指し、何事にも好奇心・向上心を持って、自主的に、そして、主体的に取り組んでいってください。

皆さんは、学校で、毎日のように、誰にも奪われない力をいっぱい蓄える機会を与えられています。その機会を捨てないでください。無駄にしないでください。学びに真摯に向き合ってください。
新年度を迎えるにあたって、「魂の構え」「志」の源となる、夢や目標について考えください。
この大宮工業高校に学ぶ皆さんなら絶対にできるはずです。


最後に、お願いです。
いつも学期の終わりに言っていることですが、春休みを迎えるに当たり私の願いは一つ。
「死ぬな!ケガするな!悲しませるな!」ということです。


それでは、4月8日には、全員そろって、笑顔で会いましょう!
令和2年度の1年間、たいへんお疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。

 

令和3年3月24日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清水雅己


令和2年度 卒業証書授与式 式辞(要旨)

 

ただいま、卒業証書を授与いたしました卒業生の皆さん、御卒業おめでとうございます。心よりお祝いを申し上げます。

本来であれば、この春のよき日に、多くの御来賓の皆様と、保護者の皆様の御臨席を賜り、令和二年度卒業証書授与式を盛大に挙行するところでしたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、例年と異なる規模を縮小しての卒業証書授与式となってしまいましたこと、まずもってお詫び申し上げます。

きっと、皆さんの御家族も、この日が来ることを待ち望んでいたことと思います。
家に帰ったら、必ず、家の方に卒業証書を見せて、胸を張って卒業したことを報告するとともに、「これまでありがとうございました」という心からの感謝の気持ちを伝えてください。


さて、皆さんは入学してから今日まで、本校の校訓「至誠一貫」「質実剛健」のもと、夢を持ち、失敗を恐れず、学校生活に一生懸命に取り組んできました。

本校での三年間は、勉強はもちろんのこと、学校行事や部活動、資格取得、各種コンテストなど、さまざまな夢や目標に向かって挑戦してきました。

強歩大会や体育祭、宮工祭、修学旅行などの行事では、クラスや学科、あるいは生徒会や部活動などを中心に取り組み、仲間との強い絆を築くとともに、人間性を磨いてきました。

資格取得では、数多くの国家資格に合格するとともに、ジュニア・マイスターの称号を取得するなど、他に類を見ない大きな成果をあげてきました。

部活動では、仲間とともに暗くなるまで練習に励み、休日も返上して汗を流し、本校が文武ともに極めて優れた学校であることを証明してくれました。

このような日々を送る中では、さぞかし辛いこともあったと思います。
惜(お)しくも敗れ、流した悔し涙、そのつらさを乗り越え、目的を達成したときの歓び、その経験こそ、これからの人生の最高の宝物になるはずです。

その経験や思い出を、いつまでも大切に、胸に刻んでおいてください。

そして、いつも皆さんを見守り、励まし、支えてくださった、家族や先生方、仲間、後輩たちがいたことを忘れないでください。

皆さんの高校生活の最後の1年間は、新型コロナウイルスとの闘いでした。例年とは異なる様々な対応が迫られる辛く厳しい1年間であったと思います。

新型コロナウイルスへの対応は、ワクチンの接種も始まり暗く長かったトンネルの先に、ようやく一筋の光が見え始めたところですが、まだまだ世界中が混乱しており、経済や生活に大きな影響を与えています。
今後どのような状況になるか予断の許さないピンチの状態が続くと思いますが、このような大きな社会問題が起こったときには、必ず社会が大きく変わります。
そして、社会が大きく変わる時には、たくさんのチャンスが訪れます。まさに「ピンチはチャンス」です。

これから先も、このようなピンチは突如起こることでしょう。
そのピンチをチャンスとして捉えることができるかどうか、訪れているチャンスに気がつくかどうかは、皆さん次第です。
また、チャンスに気が付いても、自分自身に力がなければ、そのチャンスを逃してしまいます。
チャンスをものにするために必要なことは、備えること、力を蓄えることです。

高校を卒業したからといっても、皆さんはまだまだ未熟です。
これから先も、好奇心を持って様々なことを見つめ、学び続け、力を蓄えていってください。

皆さんが、溢れる希望を胸に抱(いだ)き、本日をもって、大宮工業高校から、新たなる社会へ、羽ばたいていくことに、大きな寂しさを禁じ得ません。
今ここに、万感の思いを込めて、そして、皆さんのこれからの長い人生における一つの人生訓として生かせるよう、皆さんへのはなむけの言葉を贈ります。

自分には自分に与えられた道がある。天与の尊い道がある。どんな道かは知らないが、ほかの人には歩めない。自分だけしか歩めない、二度と歩めぬかけがいのないこの道。広い時もある。せまい時もある。のぼりもあればくだりもある。坦々とした時もあれば、かきわけかきわけ汗する時もある。
この道が果たしてよいのか悪いのか、思案にあまる時もあろう。なぐさめを求めたくなる時もあろう。しかし、所詮はこの道しかないのではないか。
あきらめろと言うのではない。いま立っているこの道、いま歩んでいるこの道、ともかくもこの道を休まず歩むことである。自分だけしか歩めない大事な道ではないか。自分だけに与えられているかけがいのないこの道ではないか。
他人の道に心をうばわれ、思案にくれて立ちすくんでいても、道はすこしもひらけない。道をひらくためには、まず歩まねばならぬ。心を定め、懸命に歩まねばならぬ。
それがたとえ遠い道のように思えても、休まず歩む姿からは必ず新たな道がひらけてくる。深い喜びも生まれてくる。

この言葉は、パナソニック株式会社の創業者、松下幸之助さんが残された「道(道をひらく)」という言葉ですが、まさに本校の校訓や校歌の意味そのものであると思います。
しかし、自分の定めた道を信念を持って歩んでいても、長い人生では、必ず良いときと悪いときがあります。

人は良いときは調子にのり、その幸運を自分の実力だと勘違いします。
そして、知らず知らずのうちに「高慢」になったりもします。
そのようなときは、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」のことわざにあるように、良いときほど人は謙虚に、そして、感謝の気持ちを忘れてはなりません。

逆に何をやってもうまくいかないときが必ずあります。
理不尽なことや想定外なことに必ず直面するときがあります。
そのような状況になったとき、人は挫けたり諦めたりします。
そのような状況のときには、見方や角度を変えて見てください。
アメリカの詩人、ウィルコックスの詩「運命の風」に、このような一節があります。

ある舟は東に進み、またほかの舟は同じ風で西に進む。
ゆくべき道を決めるのは疾風ではなく帆のかけ方である。
海の風は運命の風のよう。
生涯という海路を辿るときゴールを決めるのは凪か嵐ではなく魂の構えなのだ。

このように、順風ならばそれを追い風に、逆風ならば帆のかけ方を変え追い風にする。すなわち、逆風は現状を変える絶好のチャンス、大きな飛躍への契機にもなります。
まさに「ピンチはチャンス」なのです。
このことを含めて、皆さんには、自分の定めた道を信念を持って歩んでいってもらいたいと思います。

 いよいよ本日をもって皆さんは、大宮工業高校から新たなる社会に羽ばたいていきます。皆さんは、時流に乗る人、追いかける人ではなく、本校のDNAが宿る「新しい時代を創る人たち」です。社会の変化や技術の進歩をしっかり見つめ、新しい時代を切り拓く、健康で人間性豊かな社会人となることを心から期待しています。

結びに、本日ここに、御卒業される卒業生の皆さんが、前途洋々たる人生を正々堂々、そして、楽しみながら歩んでいくことを心より祈念いたします。本校の生徒でいてくれてありがとう。御卒業おめでとうございます。

令和3年3月12日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清水雅己


令和2年度 第3学期始業式 式辞(要旨)

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

新年早々ですが、大切なことなので式辞の前に、昨日、1都3県に発出された緊急事態宣言に伴う埼玉県及び学校の対応について話したいと思います。

まず、埼玉県の県立学校における学校運営の基本方針は、「感染防止対策を徹底しながら、教育活動を継続する」ということです。
これに基づき、学校における対応は大きく3点。

1点目は、「感染予防のさらなる徹底」です。

  • 登校前に必ず検温及び健康観察を行ってください。もし、風邪の症状があったり、体調がすぐれない場合には登校しないようにしてください。
  • 常にマスクを着用してください。
  • 3密を回避するよう行動してください。
  • こまめに手洗いや手指消毒をしてください。
  • 対面での食事はしないでください。また、食事中は会話をせず、会話は食事後にマスクをつけてからにしてください。食事をはじめマスクを外している時が感染リスクが極めて高くなりますので、感染しないためにも、させないためにも、必ず守ってください。

2点目は、「登下校時の3密の回避」です。

  • 公共交通機関の過密状態を避け登下校するよう工夫してください。
  • このため、登校時刻を1時間繰り下げ9時40分とし、授業は40分の6時間短縮授業とします。

3点目は、「部活動の中止」です。

  • 部活動については、原則中止とします。
  • 対外運動競技等に出場する場合には、その2週間前から活動が認められていますので、顧問の先生の指示に従い活動してください。

以上3点です。詳細については、担任の先生や顧問の先生の指示に従ってください。

この他、土日など、学校が休みの日は、不要不急の外出を避け、ステイホームというせっかくのチャンスなので、自宅でしっかり勉強してください。
工業高校の生徒である皆さんには、こんな時だからこそ何が必要か、こんなものがあったらいいな! こんな仕組みがあったらいいな! など、ぜひ考えてみてください。そして、できれば絵にしてみてください。さらに、できればプロトタイプをつくってみてください。
頭の中のイメージを絵にしたり形にすることは、皆さんの成長にとって、とても大切なことです。ぜひチャレンジしてみてください。
加えて、学校だけでなく、自宅でも5Sを徹底してみてください。このピンチの時をチャンスに変え、自分自身を高められるよう努めてください。
まだしばらくは、多くの制約の中で生活することになります。窮屈かもしれませんが、気を緩めることなく生活してください。


それでは、式辞に戻ります。
冬休み中、事故等の報告は入っていませんので、皆さんは新型コロナウイルスの感染防止に努めながらも、きっと有意義な冬休みを過ごせたのだろうと思います。
まずは、「死ぬな! ケガするな! 悲しませるな!」を守り、元気に登校してくれたことに感謝します。ありがとうございます。

私自身は、比較的穏やかに年末年始を過ごすことができました。
特に元旦は、初詣を控え、ステイホームに徹していたため、時間に余裕があったので、新聞を何紙か購入して、新聞の読み比べと、新聞広告の読み比べをしていました。

2学期の終業式の式辞の中で、昨年の1月1日の そごう・西部 の広告の話をしましたが、毎年1月1日には、多くの企業が、新聞一面を使って、印象的なキャッチコピーと文章からなる広告を掲載しています。
今年も多くの企業が広告を掲載していましたので、まずは、その中から特に印象に残った8つのキャッチコピーを紹介したいと思います。

  • おもしろい未来は、自分たちで、つくろう。(講談社)
  • 今日から、進年。(集英社)
  • 想像力が明日をつくる(岩波書店)
  • 私たちは、動く。(日本自動車車体工業会)
  • つくるを、つくり変えろ。(大林組)
  • 変われ、変わり続けろ。未来が、そう言っている。(FUJITSU)
  • 新しい世の中は、あなたのアタマの中からひねりだせ。(社会情報大学院大学)
  • 世の中に「問題」があるときこそ、マーケティングとクリエイティブの出番です。(宣伝会議)

このように、今年は全体的に、「変革」「想像・創造」「実現」をテーマとしたものが多かったように思います。

この中から、特に勇気をもらったなと感じる2のキャッチコピーとその文章を紹介したいと思います。


1つ目は、「つくるを、つくり変えろ。」というキャッチコピーの文章です。

つくるを、つくり変えろ。

人類の歴史は、つくることの歴史だ。
制約、常識、願望。
人は、つくることによって、
さまざまなことを乗り越えてきた。
時代が大きく変わろうとしている今。
私たちは、つくること そのものを つくり変えてゆこうと思う。
形あるものだけが、ものづくりか。
人間のためのもの だけが、すべてか。
常に問いかけながら、可能性を拓き続けようと思う。
世界は不確かで、複雑さを増している。
でも、だからこそ。
これまで培ってきた力が、
まだ見たことのないものを 実現する原動力になるはずだ。
なぜならいつだって、つくることは、何かを超えることなのだから。

これは、俳優の佐藤健さんを起用した、建設大手、スーパーゼネコンの大林組の広告です。
時代の変化に対応し、自らが大きく変わろうとしている決意と、培ってきた力が原動力となるんだ という自信を感じさせる広告であると思うと同時に、力を高め、力を蓄えることの大切さを教えられたように思います。

 

2つ目は、集英社の「今日から、進年。」というキャッチコピーです。
集英社は毎年1つのキャッチコピーで、新聞社毎に異なる主人公で、異なる文章の広告を掲載していますが、今年は、

  • 読売新聞 ONE PIECEのルフィーをはじめとする少年ジャンプの主人公たち
  • 産経新聞 SPY×FAMILYのアーニャ
  • 日本経済新聞 女優・ファッションモデルの新木優子さん
  • 朝日新聞 元SKE48の松井玲奈さん
  • 毎日新聞 走っている5人の子どもたち

を起用した広告が掲載されていました。

この中から、読売新聞に掲載された ONE PIECEのルフィーを起用した広告の文章と毎日新聞に掲載された 走っている5人の子どもたちを起用した広告の文章を紹介したいと思います。

ONE PIECEのルフィーを起用した広告の文章です。

今日から、進年。

何があっても止まらない。
どんな時でも進み続ける。
その強い意志こそが、いつだって世の中を動かしてきた。

それぞれの物語を通して、
ヒーローたちが教えてくれているのは、
いかなる困難も乗り越える
人間の無限の可能性。

さあ、新年だ。
心のページをめくって、
新しい白紙に
君の未来を書きこもう。
立ち止まらず、振り返らず、
次の時代に向かって、飛び出していけ。

 そして、走っている5人の子どもたちを起用した広告の文章は、

今日から、進年。

みらいへ進む君たちへ。

きっと忘れることはないだろう。
学校に突然行けなくなったあの日を。
友だちと会えず外に出られなかった、長い時間を。
当たり前は当たり前じゃなくなることがあると、
たぶん初めて知った一年を。

だけど、もう一つ忘れないでほしいことがある。
それは、「あの時は大変だったな」と
笑い話をしあう日も、いつか必ず来るということ。

世界は、みんなが望む
もっといい世界に、人の力で変えることができる。
その力を、僕らは想像力と呼んでいる。

今日から素敵な未来へ走り出そう。
僕たちみんなで一緒に。

 先ほども少し触れましたが、今の状況だからこそ、今年は、変革の時であることを告げ、その変革に対応する力や次代を思い描く「想像力」、創り上げていく力「創造力」や「構想力」、そして、必ず形にしようとする力「実現力」や「行動力」をテーマとしたものが多かったように思います。これらは、まさにこれからの時代を生きる皆さんに必要となる力だと思います。

令和3年1月。世界は新型コロナウイルス禍の中で、もがいていますが、一方で大きく変わり始めています。

2学期の終業式で話した通り、混乱期ではありますが、間違いなく黎明期でもあります。
このチャンスを逃さないためにも、次代を思い描き、創り上げていく力、必ず形にしようとする力、ゴールに辿り着こうとする力を培ってください。

そして、何事にも誠意と真心をもって取り組み、それを貫き通すことができる心身ともにたくましい生徒になってください。
努力してください。チャレンジしてください。あきらめないでください。自分の力を高めてください。力を蓄えてください。そして、信じられる自分になってください。

期待しています。
本年もどうぞよろしくお願いします。

令和3年1月8日
埼玉県立大宮工業高等学校長  清 水 雅 己


令和2年度第2学期終業式 式辞(要旨)

おはようございます。
新型コロナウイルス禍の中での終業式ということで、今回も全校が一堂に会することはできずネットによる終業式となりました。

8月25日からスタートした、例年よりも少し長かった2学期も今日で終了します。
2学期を振り返ると、新型コロナウイルスの脅威にも屈せず、皆さんは協力して、体育祭や宮工祭、そして、2年生はインターンシップなどの大きな行事をはじめ、専門分野での学び、部活動などに、真摯に取り組んでくれました。

そして、特に3年生は、人生の岐路に立ち、採用試験や入試に、悩みながらも、それぞれの進路実現を果たすために頑張ってくれました。
まだまだ、採用試験や入試は続いていますが、その真摯に取り組む姿勢に改めて敬意を表したいと思います。
しかし、進路が決まったことはゴールではなく、新たな生活へのスタートです。4月からの新たな生活が始まるまでの間に、さらに自分の力を高め、力を蓄え、十分な助走がつけられるよう努力してください。

毎年12月14日に、日本漢字能力検定協会が「今年の漢字」を発表していますが、今年の漢字は何であったか覚えていますか?
皆さんも予想していたのではないかと思いますが、今年の漢字は「密」でした。

これは、新型コロナウイルス感染拡大防止のために、「密閉」「密集」「密接」を指す3つの密、「3密」が掲げられたことからも予想しやすかったのではないでしょうか。


皆さんは、この1年を漢字一文字で表すとすると、どんな漢字が思いつくでしょうか?

私が最初に思いついたのは、「迷惑」の「迷:まよう」と「惑:まどう」という漢字でしたが、その後、惑ったり、迷ったりしたことで、様々なことを様々な角度から常に考えていたことから、私にとっての今年の漢字は「考:かんがえる」としました。

たまには、このような観点で、1年を振り返るのもよいのではないかと思いますので、皆さんも、ぜひこの1年を振り返り、自分にとっての今年の漢字を考えるとともに、この1年でどのような成長があったかを自分なりに確認し、新年を迎えてもらいたいと思います。


さて、今日は2学期の終業式にあたり、1つの話と1つのお願いをさせていただきたいと思います。

もう1年前になりますが、今年の1月1日に発刊された新聞広告の文章を紹介します。

大逆転は、起こりうる。
わたしは、その言葉を信じない。
どうせ奇跡なんて起こらない。
それでも人々は無責任に言うだろう。
小さな者でも、大きな相手に立ち向かえ。
誰とも違う発想や、工夫を駆使して闘え。
今こそ自分を貫くときだ。
しかし、そんな考え方は馬鹿げている。
勝ち目のない勝負は、あきらめるのが賢明だ。
わたしはただ、なす術もなく、押し込まれる。
土俵際、もはや絶体絶命。

これは、幕内最小力士と言われている炎鵬(えんほう)関を起用した 株式会社そごう・西武 が、今年1月1日に発刊した朝刊の新聞広告の文章で、そのままではとても気が滅入る文章です。

しかし、この広告の下には、小さな文字で、「ここまで読んでくださったあなたへ。文章を下から上へ、一行ずつ読んでみてください。逆転劇が始まります。」と書かれていました。

土俵際、もはや絶体絶命。
わたしはただ、なす術もなく、押し込まれる。
勝ち目のない勝負は、あきらめるのが賢明だ。
しかし、そんな考え方は馬鹿げている。
今こそ自分を貫くときだ。
誰とも違う発想や、工夫を駆使して闘え。
小さな者でも、大きな相手に立ち向かえ。
それでも人々は無責任に言うだろう。
どうせ奇跡なんて起こらない。
わたしは、その言葉を信じない。
大逆転は、起こりうる。

このクリエイティブな広告は、絶体絶命のピンチの時に、そこで諦めるか、それをバネにして乗り越えようとするか、見方考え方ですべてが変わることや自分の力を信じる大切さを教えてくれています。
今思えば、これから起こる新型コロナウイルスの猛威を予感し、それに立ち向かう勇気を与えてくれている言葉であるかのようにも感じます。

本校の校歌の歌詞を覚えていますか?
本校の校歌は、難しい言葉がたくさん使われていますが、とても素晴らしい歌詞が綴られています。
校歌についてはいずれどこかで触れたいと思いますが、一番の校歌の冒頭に、「淳樸神を敬えば、黎明の幸渥からん(じゅんぼく かみをうやまえば、れいめいのさち あつからん)」とあります。

ここに書かれている「黎明」には、「あけがた。夜明け。」という意味があり、転じて、ある事柄が形になる前の始まりの時を意味しています。
今は、新型コロナウ

校長室より

至誠一貫

【校長室より】より快適な学び舎へ

夏休みから10月末日までを工期にHR棟西側1階から4階まですべてのトイレの大規模改修工事が始まりました。トイレはそこで生活するすべての人にとって、とても大切な空間です。そして、温水洗浄便座を装着した洋風トイレにより、学校はより快適な学び舎になるものと思います。
生徒や先生方だけではなく、体験入学や学校説明会をはじめ、ご来訪いただいた皆様にご不便をおかけいたしますが、将来の快適な環境づくりのために欠くことのできない改修工事ですので、皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
なお、来年度はHR棟東側1階から4階まですべてのトイレの大規模改修工事が予定されていますので、お含みおきください。

HR棟西側3階トイレ前に設置された防音壁

【校長室より】授業の様子が新聞で報じられました

7月9日(金)に、岩埼工業株式会社様と株式会社新和測機様にご協力いただき行われたドローンを用いた授業の様子が 埼玉建設新聞 で大きく報じられました。
この取組も「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」というDX(Digital Transformation)の定義に基づいたもので、近い将来、当たり前に行われる授業になると思います。
生徒たちにとっては、短い時間でしたが、DXによる新しい時代のものづくりに関わる仕事の一端を楽しく学ぶことができたのではないかと思います。
授業に御協力いただきました岩埼工業株式会社様と株式会社新和測機様に心より御礼申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

岩埼工業株式会社様のHPはこちらをご覧ください。
株式会社新和測機様のHPはこちらをご覧ください。

【校長室より】校長室の宝物(学科マスコットキーホルダー)

昨日に続き、校長室の生徒作品に新たな仲間が加わりました。今回展示作品の仲間に加わったのはレーザー加工機で製作された「学科マスコットキーホルダー」です。このキーホルダーは、これから行われる体験入学などに参加してくれた中学生に記念品として配布することを目的につくられたものです。各学科のイニシャル(機械:「M」Machine,電子機械:「R」Robot,電気:「E」Electric,建築:「A」architecture)を抱えるキャラクターがかわいらしい作品に仕上がっています。ぜひ多くの中学生に手にしていただきたいと思います。製作してくれたラジオ部の古橋さんに心より感謝します。すばらしい作品をありがとうございました。

【校長室より】校長室の宝物(ミニ行燈)

校長室には数多くの生徒作品が展示されています。今回展示作品の仲間に加わったのはレーザー加工機で製作された「ミニ行燈」です。四面に桜・花火・月、雪が描かれた、とても風流で皆様の枕元に置いていただきたい作品に仕上がっています。

製作してくれたラジオ部の大月君に心より感謝します。すばらしい作品をありがとうございました。

【校長室より】DXによる新しい時代のものづくり体験

7月21日(水) 本校を会場に、「泰平中学校チャレンジスクール」が行われました。テーマを「3Dプリンタを使ってみよう」とし、本校電気科に設置されている3Dプリンタによるものづくりにチャレンジしてもらいました。
はじめは緊張していた中学生も、パソコンに向かい3Dプリンタが動き出す頃には、笑顔があふれ、ものづくりを楽しんでくれている様子でした。
短い時間でしたが、DXによる新しい時代のものづくりの一端を楽しく体験していただけたのではないかと思います。
チャレンジスクールに参加した中学生の皆さん、御指導いただいた本校電気科の先生方、生徒の皆さん、お疲れ様でした。そして、このような素晴らしい機会を与えてくださった鈴木校長先生をはじめ、泰平中学校の関係者の皆様には、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。