校長挨拶(定時制)

  グローバル化は我々の社会に多様性をもたらし、また、急速な情報化や技術革新は人間生活を質的にも変化させつつあり、社会的変化の影響が、身近な生活も含め社会のあらゆる領域に及んでいます。こうした予測できない未来に対応するためには、社会の変化に受け身で対処するのではなく、主体的に向き合って関わり合い、その過程を通して、一人一人が自らの可能性を最大限に発揮し、よりよい社会と幸福な人生を自ら創り出していくことが重要です。
 工業とは、「人が人として幸せに生きていくために必要なものをつくること」であり、工業高校で学ぶ、知識や技術は、自分のためだけでなく、人のため、社会のため、世界や地球のために、役立たせるためのものであると考えています。専門的な知識や技術の先には、それを利用する「人」がいます。いかに高度な技術を駆使したものであっても、それを使う人への、思いやりや配慮、気遣いがなければ、決して受け入れられることはありません。相手の気持ちや、立場に立って考えること。行動すること。つくり上げること。その基本は「優しさ」です。
 そして、優しくあるためには、「心の強さ」が必要です。心が強くなければ、優しさは甘さや弱さになりかねません。心が強くなければ、人や社会を優しく包むことはできません。どのようなことがあっても挫けることのない強い心。たゆまぬ努力を重ね、前に進もうとする強い心。本当の優しさは強い心に宿ります。
 本校の原点である定時制は、校訓「至誠一貫」「質実剛健」のもと、心豊かな人間を育成し、生徒の夢を実現する学校づくりに取り組んでまいります。

 

令和2年4月1日
埼玉県立大宮工業高等学校長 清水雅己

 

 

 

 

 

 

 

 


令和2年度 第2学期始業式 式辞(要旨)

皆さんこんにちは。
夏休み中、事件・事故の報告は入っていませんので、新型コロナウイルスの感染防止対策をしっかり講じながらも、皆さん元気で楽しい夏休みを過ごしたのではないかと思います。

そして、1学期の終業式で、皆さんにお願いした「死ぬな! ケガするな! 悲しませるな!」を守り、みんな揃って、今日の始業式を迎えられたことに、まずもって感謝したいと思います。ありがとうございます。

今年の夏休みは、8月1日から昨日までの24日間という、例年の半分ちょっとの短い夏休みでした。
この間、連日の猛暑に加え、新型コロナウイルスの感染が広がっていましたので、気を抜けない夏休みであったと思います。

そのような中でも、昼間は仕事に励み、そして、夕方からは学校に登校し、熱心に部活動や補習に参加する何人もの生徒の姿がありました。

うわさには聞いていましたが、大宮工業高校の生徒の皆さんは、そのうわさの通り、本当に凄い生徒たちだな、そして、凄い学校だなと素直に思います。


さて、夏休み中も新型コロナウイルス感染拡大の勢いは衰えず、各都道府県の知事が不要不急の外出などについて自粛を求めていました。
皆さんもそれに従い、不要不急の外出を控えたのではないでしょうか。

そのような中で、8月1日、夏休みに入った初日のニュースがとても気になりました。
覚えている人も多いと思いますが、新型コロナウイルスに感染したため病院に入院していた40代の男性の行方が分からなくなったというニュースです。この男性は、感染者専用の病棟の鍵を壊して病院を抜け出し、自宅、職場を経て、県内の温泉施設に滞在、その後、警察に保護されたというものです。この行動により、この温泉施設は営業を止め、館内消毒したようですが、その後も、風評被害にもさらされたとのことです。

当事者の男性は、「長期の入院生活が耐えられなくなり早く退院したかった」「仕事をしないと業績悪化の恐れがあった」などと話しているようですが、本人の身勝手な行動により、多くの人が危険にさらされたり、不快な思いをしたり、大きな迷惑を被るなど、与えた影響はとても大きなものであったと思います。

また、東京都が発行している感染防止徹底宣言ステッカー、いわゆるレインボーマークですが、感染防止対策を講じていないにもかかわらず、ダウンロードして貼っているお店があるとの報道がありました。本来、安全・安心を知らしめるためのステッカーが、何の意味を持たないものになってしまいました。

残念ですが、このような倫理観が、かなり低いと言わざるを得ない、人やお店、企業があるのは事実です。

少し大きく捉えますが、倫理観とは、「しなければいけないことをしっかり行い、禁止されていることは絶対に行わない。しなければいけないと決められているわけではないが、行った方が良いと思われることは積極的に行い、禁止されているわけではないが、行わない方が良いと思われる行動は厳に慎む」ことです。

皆さんも耳にしたことがあるかもしれませんが、残念ながらこのような倫理観に欠ける行いは、個人に限らず、企業でも、これまで、たくさん報じられています。

例えば、指示された加工方法による加工を行わず、安全性が損なわれた製品を納品した結果、危うく大惨事になりかけたり、地盤が軟弱な土地に家を建てる際に、建物を支えることができる地盤や地層まで達する杭を打たずにマンションを建てた結果、マンションが大きく傾いてしまったり、鉄筋コンクリートの鉄筋の本数を減らしたり、生産地を偽って、本来使用すべき食材を使わなかったり、不正な会計処理行い虚偽の決算報告を行ったり、バレなければいいとか、見えない部分は手を抜いたり、誰かの利益を優先させたり、その結果、人の命にかかわるような事故が発生したり、大きな社会問題になった事例もあります。

このようなことは、今に始まったことではなく、私利私欲や自己保身、自己正当化、不要な忖度、プレッシャーなど、倫理観の欠如や人の心の弱さに所以しています。

「倫理観の低い企業は伸びない」「倫理観のない企業は潰れる」などと言われます。個人でも企業、組織、集団でも「倫理観」はとても大切なものです。特に工業高校で学ぶ皆さんだからこそ、ものづくりに関する知識や技術だけでなく、「倫理観」や「職業倫理」というものをしっかり身に付け、そして、高めていってもらいたいと思います。

第1学期の始業式と入学式に皆さんに伝えましたが、工業とは、ただ ものをつくる のではなく、「人が、人として、幸せに生きていくために必要なものをつくること」であり、皆さんが、本校で学ぶ知識や技術は、自分のためだけでなく、人のため、社会のため、世界や地球のために、役立たせるためのものであるということ。専門的な知識や技術の先には、それを利用する「人」がいるということ。いかに高度な技術を駆使したものであっても、それを使う人への、思いやりや配慮、気遣いがなければ、決して受け入れられることはないということ。相手の気持ちや、立場に立って考えること。行動すること。つくり上げること。
そして、先ほど話した、しなければいけないことをしっかり行い、禁止されていることは絶対に行わない。しなければいけないと決められているわけではないが、行った方が良いと思われることは積極的に行い、禁止されているわけではないが、行わない方が良いと思われる行動は厳に慎むこと。

その精神こそ、本校の校訓「至誠一貫」「質実剛健」であり、皆さんの心に深くとどめておいてもらいたい言葉「優しくあれ! 心強くあれ!」が持つ意味でもあります。
この精神は、如何に社会が大きく変化しても、技術が高度化しても、情報化が進んでも、決して変わることはありません。繰り返しになりますが、工業高校で学ぶ皆さんには、ものづくりに関する知識や技術だけでなく、「倫理観」をしっかり身に付け、そして、高めていってもらいたいと思います。ぜひ、「倫理観」というものを常に意識して行動してください。


次に、お願いです。
新型コロナウイルス感染拡大の勢いはいまだ衰えていません。新型コロナウイルス感染症に感染しないためにも、校内で蔓延させないためにも、①検温や健康チェックを欠かさないこと。②こまめに、手洗い、手指消毒をすること。③咳エチケットを徹底すること。④「密集」「密接」「密閉」の3密を避けること。⑤熱中症予防を図りながら、基本的にはマスクを着用すること。⑥そして、皆さんもわかっていると思いますが、会食時に感染が拡大しているとのことですので、昼食をとる時は、向かい合わず、会話をしないようにするなど、できる限りの感染防止対策を講じてください。

併せて、決して、冗談でも新型コロナウイルスに乗じて人を揶揄したり、誹謗中傷しないよう気を付けてください。「至誠一貫」「質実剛健」、「優しくあれ! 心強くあれ!」の精神を持ち続けてください。


結びに、2学期は、体育祭や宮工祭をはじめ、勉強にスポーツにと皆さんが、さらなる成長を遂げる大切な学期です。気を緩めることなく、自らをさらに高められるよう努めてもらいたいと思います。

そして、夏休み中にも準備を進めていただきましたが、4年生にとっては、進路実現に向けて、最も重要な学期となります。就職、進学ともに、4年生全員が第1希望の進路実現が叶うよう、怠ることなく、準備を進めてもらいたいと思います。

夏休みが終わり、いよいよ今日から2学期です。この2学期が皆さんにとって、充実した学期となることを期待して、私の話を終ります。それでは、2学期も頑張っていきましょう!

令和2年8月25日
埼玉県立大宮工業高等学校長 清水雅己

 


令和2年度 第1学期終業式 式辞(要旨)

皆さんこんにちは

6月22日に通常登校となって今日で40日。とても短い時間ですが、いろいろなことがありました。その短い時間の中で、嬉しく感じたことと、2つのお願いをしたいと思います。

まず嬉しく感じたことですが、それは、皆さんは、本当によく挨拶をしてくれるということです。
私が皆さんの前で話をしたのは、6月22日の始業式と入学式の時だけで、私の顔を覚えている人も少ないと思いますが、その状況の中で、ちゃんと挨拶をしてくれる。きっと、他の先生方にも、お客様などにも同じように挨拶をしているのだろうと思います。
明るく元気の良い挨拶ができるということは、周囲の状況をしっかり見ているということ。周りへの気配りができているということ。挨拶が習慣化されているということです。これからも、元気に挨拶することができる生徒の皆さんであり続けてもらいたいと思います。

次に1つ目のお願いです。
先ほど、皆さんは、挨拶することが習慣化されていると言いました。この習慣化という言葉は、工業高校で学ぶ皆さんにとって、とても大切なキーワードです。
皆さんの教室や実習室には、「宮工5S活動」というポスターが掲示されていると思います。この「宮工5S活動」のポスターには、ローマ字表記で「S」で始まる「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」の5つの活動と、その活動の要旨が書かれています。

習った人や知っている人もいると思いますが、簡単に説明させてもらうと、「5S」とは、製造業やサービス業などの職場環境の維持改善で用いられるスローガンで、生産性や品質の向上などを目的に、各職場において徹底されるべき事項を5つにまとめたものです。
皆さんが将来就職すると、徹底的に叩き込まれると思います。

まず、1つ目の「整理」は、不要なものを捨てる。ということです。
2つ目の「整頓」は、必要なものをすぐに取り出せるようにする。ということです。
3つ目の「清掃」は、身の回りを掃除する。ということです。
4つ目の「清潔」は、きれいな状態を保つ。ということです。
最後、5つ目の「躾」は、決められたルールを守る。ということです。

今日は5Sの講義の時間ではありませんので、5Sについての説明はここまでにしますが、ここには、「習慣」という文字は直接書かれてはいません。

それでは、ここで質問です。

「習慣」は、この5つの活動の中のどれと関係性が深いと思いますか?
手を挙げてもらいたいと思います
・1つ目の「整理」だと思う人、手を挙げてください。
・2つ目の「整頓」だと思う人、手を挙げてください。
・3つ目の「清掃」だと思う人、手を挙げてください。
・4つ目の「清潔」だと思う人、手を挙げてください。
・5つ目の「躾」だと思う人、手を挙げてください。

正解は、5つ目の「躾」です。身を美しくと書く「躾」です。

でも、「躾」と聞くと、皆さんはどのように感じるでしょうか?きっと、「させられる」とか、「強制される」という、あまり良いイメージを持っていないのではないかと思います。

「躾」の意味を辞書で調べてみると、「礼儀や作法を教え込むこと」「人間社会や集団の規範、規律や礼儀作法など、慣習に合った立ち振る舞いができるようにすること」などと書かれているので、やはり、「させられる」とか、「強制される」というイメージが強くなると思います。

では、学校での5Sにおける「躾」には、どのような願いが込められているでしょうか?そこには、社会に出る前の皆さんを、組織としてのルールやマナー、決まり事を、特に意識することなく自然にできるよう、習慣化できるようにして、社会に羽ばたかせたいという強い願いが込められています。

「躾」の目的は、今の状態よりもよりよくするために「習慣化」することです。そして、自分を自分自身が躾け、習慣化することです。
このことから、5Sの「躾」は、「習慣」の「S」だと思ってもらいたいと思います。

先ほど、嬉しく感じたことの1つに挨拶が習慣化されているという話をしました。でも、まだ習慣化されていない人もいると思います。そこで、挨拶を習慣化できるようにするための参考になればと思い、挨拶に関する標語を1つ紹介します。

それは、「挨拶が笑顔の花の水となる」「挨拶が笑顔の花の水となる」と言う言葉です。
皆さんも経験があると思いますが、挨拶されると気持ちがよくなり、自然と笑顔になります。挨拶は相手を笑顔にし、周囲を明るくすることができます。そして、挨拶は、その人自身の見え方をも変える魔法の言葉だと思います。これからも、できれば相手より早く、率先して元気に明るく挨拶するようにしてもらいたいと思います。

2つ目のお願い、そして、私の話の結びです。
40日が経って、ようやく「学校が動き出した」と感じられるようになりましたが、早くも明日から夏休みが始まります。しかし、新型コロナウイルス感染症の脅威は依然衰えず、長引く梅雨のため、様々な活動が制限を強いられています。夏休みになっても、新型コロナウイルス感染症の影響により、晴れ晴れとした気持ちにはなれないかもしれませんが、長い休みは、どうしても、緊張感が薄れ、気持ちが開放的になり、それに伴い生活が乱れたり、行動も軽くなりがちです。

夏休みを迎えるにあたって、私からの2つ目のお願いは、「死ぬな! ケガするな! 悲しませるな!」ということです。もう一度言います。「死ぬな! ケガするな! 悲しませるな!」ぜひこれを守ってください。

特に4年生にとっては、進路実現に向けて、そして、高校生活の集大成となる大切な夏休みでもあります。くれぐれも身体に気を付けてください。

それでは、夏休み明けの8月25日に、皆さんの元気な笑顔に会えることを楽しみにしています。楽しく、充実した夏休みを過ごしてください。

1学期間ありがとうございました。

令和2年7月31日
埼玉県立大宮工業高等学校長 清水雅己

 

 


 令和2年度 入学式 式辞(要旨)

 新入生の皆さん、入学おめでとうございます。教職員、在校生を代表して、皆さんの入学を、心から歓迎いたします。
 本来であれば、2か月前に、御来賓の皆様と、保護者の皆様にご臨席いただき、令和2年度の入学式を挙行する予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、このような形での入学式とさせていただきましたこと、許していただきたいと思います。

 緊急事態宣言が解除され、徐々に経済活動も再開されていますが、まだまだ世界中が混乱しており、予断の許さないピンチの状況であると言えます。一方で、ICTを活用した様々な仕組みや仕事、これまでになかった仕事も生まれはじめています。きっと、皆さんの中にも、自粛生活の中で、「こんなものがあったらいいな」とか、「こんな仕組みがあったらいいな」などと考えた人もいたのではないでしょうか。
 このように大きな社会問題が起こったときには、必ず社会が大きく変わります。そして、社会が大きく変わる時には、たくさんのチャンスが訪れます。皆さんも耳にしたことはあるかともいますが、「ピンチはチャンス」でもあります。これから先も、このようなピンチは、突如起こることでしょう。
 しかし、このようなピンチを悲観するのではなく、チャンスとして捉えることができるかどうか、訪れているチャンスに気がつくかどうか、それは、皆さん次第です。また、チャンスに気が付いても、自分自身に力がなければ、そのチャンスを逃してしまいます。チャンスをものにするために必要なことは、備えること、力を蓄えること以外に方法はありません。これから始まる大宮工業高校での生活は、その力を備え、蓄える大切な時間です。
 皆さんには、本校の校訓「至誠一貫」「質実剛健」の精神(こころ)で、好奇心を持って、様々なことを見つめ、学び、その力を備え、蓄えて行ってもらいたいと思います。そのためにも、皆さんには、工業高校ならではの学びを通して、「わかる」ということを おもしろがってもらいたいと思います。そして、「できる」ということを 楽しんでもらいたいと思います。

 さて、本校への入学式にあたり、皆さんの心に深くとどめておいてもらいたい言葉を1つだけ紹介します。それは、「優しくあれ! 心強くあれ!」という言葉です。
 私は、工業とは、ただ ものをつくる のではなく、「人が、人として、幸せに生きていくために必要なものをつくること」だと考えています。皆さんが、本校で学ぶ知識や技術は、自分のためだけでなく、人のため、社会のため、世界や地球のために、役立たせるためのものです。専門的な知識や技術の先には、それを利用する「人」がいます。いかに高度な技術を駆使したものであっても、それを使う人への、思いやりや配慮、気遣いがなければ、決して受け入れられることはありません。相手の気持ちや、立場に立って考えること。行動すること。つくり上げること。その基本は「優しさ」です。クラスの友人、学科や部活動の先輩、先生方をはじめとする多くの人との触れ合いの中で、心を磨き、鍛え、人としての「優しさ」を身につけていってください。
 そして、優しくあるためには、「心の強さ」が必要です。心が強くなければ、優しさは甘さや弱さになりかねません。心が強くなければ、人や社会を優しく包むことはできません。どのようなことがあっても挫けることのない強い精神。たゆまぬ努力を重ね、前に進み、たどり着こうとする強い精神。本当の優しさは強い精神に宿ります。
 この「優しくあれ!」は、真心をもって何事にも立ち向かうこと。誠意を貫き通すこと。という本校の校訓「至誠一貫」に通ずる言葉であり、「心強くあれは!」は、中身が充実して飾り気がなく、心身ともに強くたくましいさま。という本校のもう一つの校訓「質実剛健」に通ずる言葉です。皆さんには、本校の校訓「至誠一貫」「質実剛健」とともに、この「優しくあれ!心強くあれ!」という言葉を、心に深くとどめ、それぞれの夢や目標に向かって、挫けることなく、怠ることなく、邁進していってもらいたいと思います。

 皆さんは、縁あって、本校で、夜学ぶという強い決意をしました。しかし、夜学ぶということは、容易なことではありません。時には、自信をなくし、学ぶことを断念しようと思うことがあるかもしれません。どうか、その時には、今の強い決意を思い出し、くじけそうな自分の心を奮い立たせてください。その経験は、きっと、何ものにも代えがたい、自信と勇気につながっていくと思います。そのためには、心身の健康は、とても大切です。充実した高校生活を送るためにも、くれぐれも、健康に留意してください。

 結びに、希望あふれる新入生の皆さんの前途を祝し、式辞といたします。

令和2年6月11日
埼玉県立大宮工業高等学校長 清水雅己

 


令和2年度 第1学期 始業式 式辞(要旨)

 皆さん、こんにちは。4月1日に大宮工業高校の校長として着任した 清水雅己 です。どうぞ、よろしくお願いします。
 本来であれば、2か月前に、2年生から4年生までの生徒が一堂に会しての、令和2年度第1学期の始業式行う予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、このような学年毎の始業式とさせていただきました。
 いよいよ来週から授業が始まりますが、皆さんには、引き続き、マスクの着用や手洗いを基本とする感染予防及び感染拡大防止に努めながら、しっかりと学んでいってもらいたいと思います。

 緊急事態宣言が解除され、徐々に経済活動も再開されていますが、まだまだ世界中が混乱しており、予断の許さないピンチの状況であると言えます。一方で、ICTを活用した様々な仕組みや仕事、これまでになかった仕事も生まれはじめています。きっと、皆さんの中にも、自粛生活の中で、「こんなものがあったらいいな」とか、「こんな仕組みがあったらいいな」などと考えた人もいたのではないでしょうか。
 このように大きな社会問題が起こったときには、必ず社会が大きく変わります。そして、社会が大きく変わる時には、たくさんのチャンスが訪れます。皆さんも耳にしたことはあるかともいますが、「ピンチはチャンス」でもあります。これから先も、このようなピンチは、突如起こることでしょう。
 しかし、このようなピンチを悲観するのではなく、チャンスとして捉えることができるかどうか、訪れているチャンスに気がつくかどうか、それは、皆さん次第です。また、チャンスに気が付いても、自分自身に力がなければ、そのチャンスを逃してしまいます。チャンスをものにするために必要なことは、備えること、力を蓄えること以外に方法はありません。これから始まる大宮工業高校での生活は、その力を備え、蓄える大切な時間です。
 皆さんには、本校の校訓「至誠一貫」「質実剛健」の精神(こころ)で、好奇心を持って、様々なことを見つめ、学び、その力を備え、蓄えて行ってもらいたいと思います。

 さて、第1学期の始業式にあたり、皆さんの心に深くとどめておいてもらいたい言葉を1つだけ紹介します。それは、「優しくあれ! 心強くあれ!」という言葉です。
 私は、工業とは、ただ ものをつくる のではなく、「人が、人として、幸せに生きていくために必要なものをつくること」だと考えています。皆さんが、本校で学ぶ知識や技術は、自分のためだけでなく、人のため、社会のため、世界や地球のために、役立たせるためのものです。専門的な知識や技術の先には、それを利用する「人」がいます。いかに高度な技術を駆使したものであっても、それを使う人への、思いやりや配慮、気遣いがなければ、決して受け入れられることはありません。相手の気持ちや、立場に立って考えること。行動すること。つくり上げること。その基本は「優しさ」です。クラスの友人、学科や部活動の先輩、先生方をはじめとする多くの人との触れ合いの中で、心を磨き、鍛え、人としての「優しさ」を身につけていってください。
 そして、優しくあるためには、「心の強さ」が必要です。心が強くなければ、優しさは甘さや弱さになりかねません。心が強くなければ、人や社会を優しく包むことはできません。どのようなことがあっても挫けることのない強い精神。たゆまぬ努力を重ね、前に進み、たどり着こうとする強い精神。本当の優しさは強い精神に宿ります。
 この「優しくあれ!」は、真心をもって何事にも立ち向かうこと。誠意を貫き通すこと。という本校の校訓「至誠一貫」に通ずる言葉であり、「心強くあれは!」は、中身が充実して飾り気がなく、心身ともに強くたくましいさま。という本校のもう一つの校訓「質実剛健」に通ずる言葉です。皆さんには、本校の校訓「至誠一貫」「質実剛健」とともに、この「優しくあれ!心強くあれ!」という言葉を、心に深くとどめ、それぞれの夢や目標に向かって、挫けることなく、怠ることなく、邁進していってもらいたいと思います。

 結びに、年度の始まりが2か月遅くなりましたが、皆さんには、工業高校ならではの学びを通して、「わかる」ということを おもしろがってもらいたいと思います。そして、「できる」ということを 楽しんでもらいたいと思います。それでは、充実した1年にしていきましょう。

令和2年6月11日
埼玉県立大宮工業高等学校長 清水雅己

 

校長室より

至誠一貫

【校長室より】「前へ、そして、さらなる高みへ」

今日(10/22)、6時間目のLHRの時間に校長室と全HR教室をリモートで結び、夏から今日までの間に行われた大会において優秀な成績を収めた生徒たちの表彰式と全国大会と関東大会に出場する選手たちの壮行会を行いました。
全国大会に出場する宮本選手、関東大会に出場する中山選手と菊田選手には、これまでの努力と熱い思いを遺憾なく発揮して、自分自身が納得できる最高の成果を収めてもらいたいと思います。

壮行会で述べた「激励の言葉」は以下のとおりです。

 


激励の言葉

陸上競技部 宮本 嶺 選手 全国高等学校陸上競技大会2020への御出場おめでとうございます。
そして、自転車競技部 中山 拓海 選手、菊田 龍史 選手 関東高等学校新人自転車競技大会への御出場おめでとうございます。
心よりお祝い申し上げます。

皆さんは、新型コロナウイルス禍の中で充分な練習ができない日々を乗り越え、宮本選手は全国大会に、中山選手と菊田選手は関東大会に出場されることを心より嬉しく思うとともに、大宮工業高校の誇りに思います。
それぞれの大会では、これまでの努力と熱い思いを遺憾なく発揮して、自分自身が納得できる最高の成果を収めてもらいたいと思います。

全国大会、そして、関東大会に臨む皆さんに、私からは激励の言葉として、
「前へ、そして、さらなる高みへ」
という言葉を贈ります。
とにかく前へ! ひたすら前へ! 粘り強く前へ!
前へ前へと粘り強く進もうとする力に勝るものはありません。
そして、皆さんしか観ることができない景色が観られるよう、さらなる高みを目指してもらいたいと思います。

これまで、ひたむきに努力してきた皆さんは、自分を信じ、精いっぱい、力いっぱい、納得のいく競技ができ、必ずやどんな困難にも打ち勝ってくれると信じています。皆さんの健闘を祈ります。

令和2年10月22日
埼玉県立大宮工業高等学校長 清水雅己

【校長室より】「宮工祭」準備着々

今朝学校に到着すると、正門から生徒昇降口までのアプローチに大きなブルーシートで何かが覆われていました。これは、10月31日(土)11月1日(日)に開催する宮工祭でお客様をお迎えするためのウエルカムアーチの基礎。毎年建築科の課題研究の1つのテーマとして製作しています。今年は就職試験の解禁日が10月16日に変更されたことから、進路活動と並行してこのウエルカムアーチの製作に取り組んでいます。今年のウエルカムアーチのテーマは『「直線line」と「弧arc」』。幾何学模様のような美しいアーチの完成がとても楽しみです。今年の宮工祭は、新型コロナウイルスの影響により、人数制限等をお願いすることになりますが、多くの皆様にこの美しいウエルカムアーチをご覧いただきたいと思います。

ウエルカムアーチの説明資料や「チ組立アニメーション」「完成予想アニメーション」は、こちらをご覧ください
  https://omiya-th.spec.ed.jp/gakushuuseika-kentiku

また、建築中のウエルカムアーチの左手(北側)の欅の木の根元には、太陽光パネルが設置され、その頭上からLEDイルミネーションが放射線状に装飾されています。これは、電気科の課題研究の一環として製作されたもの。夜になると昼間太陽光パネルからバッテリーに蓄電された電気をエネルギー源に青いLEDが点灯し幻想的な空間を演出してくれます。

10月31日(土)11月1日(日)の学習成果の発表の場「宮工祭」の開催に向け、着々と準備が進められています。


※定時制の「宮工祭」は、11月21日(土)22日(日)に開催される予定です。

【校長室より】まさに工業高校ならではの光景

中間考査が終わりはじめての土曜日。雨の日にもかかわらず多くの生徒が部活動に励んでいます。そして、昨日に引き続き全日制・定時制あわせて約20名の生徒が就職試験に臨んでいます。採用試験に臨む生徒たちには、慌てず焦らず自分を信じ持てる力を十分に発揮してもらいたいと思います。皆さんからの吉報を待っています。

そして、今日学校では、「令和2年度市北区避難所運営訓練」と18歳以上の建築科の生徒を中心とする「小型車両系建設機械」の特別講習が行われています。
避難所運営訓練は、災害発生時に重要な役割を果たす避難所の運営において、さまざまな事態が想定されることから、区と地域の避難所運営委員会が協力し訓練することで、地域住民、避難所担当職員、施設管理者との連携を図り、防災意識の高揚と地域防災力の向上を目的としています。今回は、新型コロナウイルスの影響により、3密を避けるため参加人数を制限するとともに内容を変更した訓練となりました。そのような中でも参加者された地域の皆さんの意識は高く、真剣に情報交換や意見交換をされている姿がとても印象的でした。

小型車両系建設機械とは、機体重量3トン未満の車両系建設機械で、小型車両系建設機械の運転業務に従事するには、法律により特別教育を修了することが義務付けられています。講習会の内容は、7時間の学科(走行に関する装置の構造及び取扱の方法に関する知識、作業に関する装置の構造、取扱及び作業方法に関する知識、運転に必要な一般事項に関する知識、関係法令) と6時間の実技教育です。小雨が降る中、生徒たちは真剣に講習に臨んでいました。まさに工業高校ならではの光景です。生徒たちには健康に留意し風邪をひかないように頑張ってもらいたいと思います。

【校長室より】全員の合格を

新型コロナウイルスの影響で1か月遅れとなっていた高校生の就職採用試験が明日(10/16)から始まります。初日となる明日、採用試験に臨むのは全日制3年生の約3分の1、全日制・定時制あわせて約90名に及びます。中には、新型コロナウイルスの影響により、会社見学も採用試験もすべてリモートでという会社もあり、これまでなかった対応に学校としても緊張が走ります。

きっと採用試験に臨む生徒たちは、今まさに緊張が最大レベルに達しているのではないかと思います。「落ち着いて!」といっても難しいかもしれませんが、少しでも気持ちに余裕を持たせ、慌てず焦らず採用試験に臨んでもらいたいと思います。受験する生徒全員の合格を心より祈っています。頑張ってください。


《参考》厚生労働省
令和3年3月新規高等学校卒業者の就職に係る採用選考開始期日等の変更について

【校長室より】「社会を動かす力」を

埼玉県県民生活部消費生活課事業者指導担当の荏原様の指導のもと、定時制4年生の選択科目「政治経済」において特別授業が行われました。この授業は、埼玉県教育委員会の生涯学習課が主催する学校地域WIN-WINプロジェクトの一環として行われたもので、高校生にメディアリテラシーを切り口とした不当表示広告等の消費者問題について学習してもらうことと、学習後、情報提供ボランティアとして不当表示広告調査に協力してもらい、高校生の力で消費者被害を防ぐという「社会を動かす力」を実感してもらうことをねらいとした授業です。
生徒たちの身近な話題やクイズ形式の授業に生徒たちも積極的に授業に参加し、とても充実した時間となりました。この後、生徒たちには情報提供ボランティアとして「社会を動かす力」を発揮してもらいたいと思います。
ご指導いただきました県民生活部消費生活課事業者指導担当の荏原様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。


《参考》
 学校地域WIN-WINプロジェクト

【校長室より】小さい秋

気持ち良い秋晴れの朝。少し暑くなりそうです。ふと窓の外を眺めると花水木がたくさんの赤い実をつけていました。まさに、小さい秋を見つけた気分です。恥ずかしながらこれまで花水木が赤い実をつけることを知らず、毎年この時期に赤い実をつけている街路樹を見るたびにこの木の名前は?と思っていましたので謎が解けてスッキリしました。

ハナミズキについて調べてみると、北アメリカ原産で、開花時期は4月上旬から5月上旬、水木科の樹木で花が目立つことから花水木と呼ばれるようになった。秋には赤い実をつけ葉が紅葉する。そして、北アメリカ原産の花水木が日本に来たのは、東京市長の尾崎行雄氏がアメリカのワシントン市へ桜を寄贈した御礼として、大正4年(1915)に贈られたのが最初で、その後全国に普及したとのこと。

臨時休業で学校に生徒の姿がなかった5月1日に、このブログで満開の花水木を紹介してから5か月以上の月日が過ぎてしまいましたが、慌ただしい日々が続く学校生活。生徒たちには、時には自然に目を向け、季節を感じ、少しでも心に余裕を持ってもらいたいと思います。

【校長室より】第2学期中間考査

定時制課程は今日まで、全日制課程は今日から中間考査が行われています。授業時間確保の観点から3日間に日程を短縮しての実施です。生徒たちには日頃の学びの成果を存分に発揮するとともに、これまで何を学んできたかを再確認する時間であってほしいと思います。

校長室には多くの生徒作品が飾ってありますが、少し時間があったので数日前に生徒から預かった作品を校長室に飾らせてもらいました。

新たに飾らせてもらったのは、埼玉県埋蔵文化事業団と飯能市教育委員会の協力を得て製作した「土器パズル」と加工された数枚のアクリル板を重ね合わせて絵や写真を表現する「オーバーラップアート」です。「土器パズル」は機械科1年生の石井君と電子機械科1年生の大月君、「オーバーラップアート」は建築科2年生の小川さんの作品です。アイデアあふれる作品を製作してくれた生徒の皆さんに心から感謝いたします。ありがとうございました。

【校長室より】県公立高校学校紹介サイト開設のお知らせ

新型コロナウイルス感染症の感染防止対策のため、各県公立高校における学校説明会が中止となったり、参加人数に制限があるなど、学校について知る機会が少ないことへの対応として、埼玉県教育委員会のホームページ内に学校紹介サイト「埼玉県公立高校web~夢の方向性に合う学校を探そう!~」が開設されました。

この学校紹介サイトでは各県公立高校が作成した学校紹介ビデオを見ることができます。受検生の皆さんの高校選択の一助となれば幸いです。


埼玉県教育委員会トップ>学校教育>高等学校教育

埼玉県公立高校web ~夢の方向性に合う学校を探そう!~
http://www.pref.saitama.lg.jp/f2208/02koukoukyouikushidoukapage2.html

【校長室より】開校記念日

組織や建物を創立した月日を祝う特別な日として、「開校記念日」や「創立記念日」が定められています。
本校の沿革史によると、本校は大正14年(1925年)7月29日に、文部省告示を以って本校の設立が許可され、鐵道省東京鉄道局大宮工場の技工見習教習所を借受け授業が開始されたと記されています。
鐵道省は、戦前の日本で鉄道に関する業務を管轄していた日本の行政機関の一つで、大正9年(1920年)に設置され、昭和18年(1943年)運輸通信省に改組され、運輸全般の監督行政などを所管。戦後の日本における運輸省、国土交通省および日本国有鉄道、JRグループの前身です。
そして、技工とは、「手で加工する技術。また、その技術を持つ人のこと」で、鐵道省東京鉄道局大宮工場技工見習教習所は、都市交通機関の要であり鉄道の拠点である大宮の地に設立された最先端かつ最高の技術を身に付けるための機関であったと言えます。その施設設備を借受けて、日本の将来を担い支える人材を育成するために設立されたのが本校の前身である「大宮町立工業学校」です。
その後10年の時を経た昭和10年(1935年)の文部省告示を以って乙種工業学校から甲種工業学校に昇格するとともに、8月12日に現在の大宮中央高校の地に建設された新校舎に移転。さらに開校当初から10年間校長として手腕を発揮された初代校長高洲先生が9月28日をもって退職され、人材育成に対する強い念いは二代校長高橋先生に引き継がれました。そして、新しく学校がスタートして一週間後の10月6日を本校の「開校記念日」と定め祝ったのではないかと思います。
そして95年。「日本の将来を担い支える人材を育成する」という本校の使命は今もなお健在。本校はこれからも工業教育の王道を歩みながらも、常に進化し続け、地域とともにある学校づくりを目指し邁進してまいります。

【校長室より】「電気工事士試験」

10/4(日)、本校を会場に「電気工事士試験」の筆記試験が行われています。今回も、9月13日(日)に行われた「電気主任技術者試験」と同様、新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から席の間隔を広くとる必要があるため例年実施されている会場だけでは実施することが困難であること。また、本校生徒を含め県内の工業高校生も受験することから、新型コロナウィルス感染拡大防止を徹底することを条件に試験会場として提供することにしました。

電気工事士は、電気工事の作業に従事するために電気工作物の工事に関する専門的な知識と技能を有する者に与えられる国家資格で、第一種電気工事士と第二種電気工事士とがあります。試験は、筆記試験と技能試験があり、その両方に合格しなければなりません。
本校からは、第一種電気工事士試験に12名の生徒が、第二種電気工事士試験に100名を超える生徒が試験に挑みます。これまでの朝補習の成果を発揮し全員が筆記試験に合格し、12月に開催される技能試験にコマを進めてもらいたいと思います。


有資格者は、電気工事士法において規制されている次の電気工事の作業に従事することができます。
試験は、次のような内容について、四肢択一方式により行われます。

【第一種電気工事士試験】
[従事することができる作業]
(1)自家用電気工作物のうち最大電力500 キロワット未満の需要設備の電気工事
(2)一般用電気工作物の電気工事

[筆記試験内容]
(1)電気に関する基礎理論
(2)配電理論及び配線設計
(3)電気応用
(4)電気機器・蓄電池・配線器具・電気工事用の材料及び工具並びに受電設備
(5)電気工事の施工方法
(6)自家用電気工作物の検査方法
(7)配線図
(8)発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性
(9)一般用電気工作物及び自家用電気工作物の保安に関する法令


【第二種電気工事士試験】
[従事することができる作業]
 一般住宅や小規模な店舗、事業所などのように、電力会社から低圧(600ボルト以下)で受電する場所の配線や電気使用設備等の一般用電気工作物の電気工事

[筆記試験内容]
(1)電気に関する基礎理論
(2)配電理論及び配線設計
(3)電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
(4)電気工事の施工方法
(5)一般用電気工作物の検査方法
(6)配線図
(7)一般用電気工作物の保安に関する法令