日誌

柔道部日誌

【柔道部】船出

すでに入部を決めている一年生を迎え、柔道部はトレーニングや稽古に励んでいます。この日はチームを2つのグループに分け、グラウンドとトレーニング室を行き来して鍛える時間。

稽古では監督も受けになり、細かく指導してくださいます。持っている特性を大切に、それを十分に活かせるよう粗を削っていくのが新入生たちの課題です。

10日後の試合を見据え、乱取りでは本番を意識した声が飛びます。

個人として、団体として、新たな挑戦をするシーズンがいよいよ始まります。

(おまけ:やっぱり仲の良い先輩と後輩。和みのワンシーンです。) 

【柔道部】始まりの合図

新年度の大会から新ルールが適用されます。これについて、鯉渕監督から丁寧な説明がありました。部員たちは想定される場面を見ながら、展開のパターンや対応の仕方を考えます。

稽古の中に組まれた研究の時間、動きの中でピンとこない点を相談したりひらめいたことを伝え合ったり。

新しいことへの挑戦は、見ているこちらもワクワクします。

【柔道部】見られるということ

新年度に入り、春休み二度目の校外練習。2日と3日は立教新座高校にお邪魔して合同練習に参加しました。

監督から、改めて示された目標は二つ。どんな相手とどんな練習をするかを考えること。そして、どんな相手とも自分の柔道をすること。

チームの雰囲気から学ぶことは多いです。習志野高校は遠征後の参加だったそうですが、それを感じさせない集中力で1日励んでいました。怪我で稽古ができない子も手を休めることなく筋力強化に取り組んでいて、強さの理由を見た気がしました。言われないとできない、言われたことしかやらない、では上を目指せません。認められるところまで高めるということを彼らは知っているように思います。

また、校外に出ると、かつて宮工柔道部に籍を置いた方々が県内外で柔道界を支えていることに気づかされます。今年度から勤務される高校の柔道部を率いていらしたのは根岸先輩。同じく、道場で指導する子どもたちを連れて姿を見せたのは出牛先輩です。この日も稽古の傍ら、思い出話に花を咲かせていました。

 

1月の県予選を境に、先輩方の来訪が増え、外部からの関心も多くもたれています。大舞台を経験したチームの評価はここから。体力、技術以上に心を鍛えるチームでありたいと思います。

【柔道部】“不思議”の正体

宮工柔道部の春休み。新年度に向け、外へ出て課題を詰め力試しをする場を二度、組んでいます。

26日からは、その一度目・千葉遠征。関東親善大会に参加しました。

初日の午前中は元立ち乱取りから。各校2名ずつが交互に立ちます。これだけの人数が集まると当たりにいくのも大変です。

午後からは練習試合が組まれました。今回は所沢中央高校との合同チームを組んでいます。新ルールに則って行われるこの試合は「有効」を意識する良い機会です。

岡安先生からは「チャンスが来るまで、じれないでやる」「良い展開の時に焦らない」と、指摘がありました。

鯉渕監督からは「気持ち一つで変わる」 という言葉がありました。

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」。聞いたことのある人もいると思います。これは、江戸時代の大名で、文人であり剣術の達人でもある松浦静山の言葉です。技術や体格に差がある時、それを埋めるものは何かというと「気力」に他なりません。良い流れがこないと引いたままだったり、いけると思って油断したり、強い相手に臆したり、自分の方がうわてだと力を抜いたり。「心」次第で、流れを引き寄せることも勢いに乗ることもできる……お二人の言葉は、それを表しているように思います。

選抜高校野球大会では浦和実業高校が“埼玉旋風”を巻き起こしています。春夏合わせて甲子園初出場の同校は、今大会ベスト4までたどりつきました。センバツでの埼玉県勢の初出場4強は1968年優勝の大宮工業高校以来57年ぶりだそうですが、原動力になっているのも「気力」ではないでしょうか。

先の全国選手権大会で宮工が良い試合をできたのは、気持ちの勝負に負けなかったから。大会後、練習会に訪れた中学生の中には「全国大会を観て、宮工いいなって思った」と話してくれる子もいました。見えないものが伝わったことを嬉しく思いました。同時に、それが宮工らしさだとも感じました。

観ている者を惹きつける試合ができたことを土台にして、もう一度「気力」を高めていきたいです。

【柔道部】改修祝い!

改修工事が終わってきれいになった部室をセパレート。もともと監督室として使っていたスペースをリニューアルしました!

棚の制作では、建築科の吉村先生、大塚先生、永島先生にアドバイスやお手伝いをいただきました。

ありがとうございました!

【柔道部】勲章

全国大会を終えて初めての稽古。

合同練習に訪れた正則学園高校、上尾鷹の台高校に加え、この時期としては珍しく多くのOBが道場に顔を出してくれました。その風景は、さながら同窓会。

コロナ禍で3年生の大会を全て失ったOBたちも、大学へ進学した者は四年生になりました。卒業式を終え4月からの進路報告に、鯉渕監督も笑みがこぼれます。当時、担任をされていた先生も道場に足を運んでくださいました。

団体戦で全国の舞台に立った反響は大きく、さすが古豪とも言うべき堂々とした試合をした後輩たちはOBにとって誇りなのだと思います。

時をまたぎ、宮工柔道部の繋がりがまた一つ強くなりました。

【柔道部】特別な場所

春の選抜高校野球が始まった18日、校内での調整を終えた宮工柔道部は都内へ出発しました。

本番前日の19日、調整練習のために訪れた獨協高校にはレギュラー選手以外も集合し、チーム全員で士気を高めました。絶えず声を出して盛り上げてくれたのは2年の福島。同級生の中で唯一軽量級の彼は、無差別の編成では裏方にならざるを得ません。今の役割を理解して仲間を鼓舞できる福島の人間力は、チームに大きなエネルギーをくれました。

絶対に緊張するから会場の雰囲気に慣れておきたいという鯉渕監督の考えで、午後は全員で武道館へ。個人戦を観戦した後ホテルへ戻った選手達はすぐにミーティングを行いました。監督から「ここまで、すごく贅沢な時間を過ごさせてもらってる。明日、胸を張って畳の上に立てたら、それで合格。後はどれだけ思い切ってやれるか。」と言葉をいただき、選手たちはそれぞれ前日の晩餐を楽しみました。

20日。監督と共に会場に一番乗りした選手達は、道着に着替えながら試合場全体を見渡して畳の上へ。会場の外では卒業したばかりの佐川がいち早く列に並び、少しでも良い席をとろうと頑張ってくれました。

部旗は第一試合場の上、目立つところに掲げました。

対戦相手の北海高校(北海道)は、男女ともに全国常連の強豪校。インターハイや国際大会の優勝者も輩出している、歴史ある私立高校です。

試合は、先鋒・青柳が価値ある技あり。このリードを必死に守り繋ぎますが惜しくも敗戦となりました。観客席へ挨拶に訪れた監督は「120点です」と、選手とともに充実の表情。この間も、ライブ配信で試合を観てくれていた卒業生たちからはSNSをとおして「いい試合してた」「惜しかった、あと少しだったね」「しっかり戦えてたから悔しいよね」など、たくさんのねぎらいの言葉が届きました。

涙をこぼす梅津に「結果を受け入れることも大事だよ、今日は受け入れる日」と、キャプテンの坂本が声をかけていました。これは、鯉渕監督がずっと伝え続けてきた言葉。選手達にきちんと響いていた証です。

「勝つことが全てではない」と言われますが、今回の子どもたちを見ていると本当にそのとおりだと感じます。

勝負ですから、勝ちたい気持ちがあるのは当たり前。だから余計に勝った時は「勝った!」で終わってしまうことも多いのではないでしょうか。結果に満足するのは当然のこと。ただ、それを当たり前に感じてしまうと、感謝の気持ちを忘れ、傲慢さや驕り、油断になるのではと思います。

物足りないから、きちんと苦労してきたから、貴重な一回に喜びを感じ「やった!」と思える。その時の自分はどうだったか振り返って味わえる。負けた時の方が考えることは多いのだと、子どもたちの表情が教えてくれました。

 

今回の団体戦出場は部員それぞれに大きな影響を与えました。

予期せぬ大怪我で手術を余儀なくされ、違和感と向き合いつつ稽古に復帰している1年の篠宮は、やるせない思いを滲ませながら試合に見入っていました。関東大会でメンバー入りが期待される1年の手塚。次は自分の番と言われ気を引き締める様子がありました。

 

この度の全国大会出場にあたり、関係者の方からいつもに増して多くの激励、ご声援をいただきました。また、当日の武道館ではたくさんの先輩方、保護者の皆様に見守っていただき心強かったです。この場をお借りしてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

この経験を自信にして、新年度の大会ではさらに成長した宮工柔道部の姿を観ていただけるよう、稽古に励みます。

【柔道部】応援

稽古をつけに、先輩方の来訪が相次いでいます。

大学の卒業式を控えている松本。

仕事の休みを利用してきた須川と深井。

夜勤明けで駆けつけてくれた椙田と帰省中の笹目。

一緒に息をあげてくれる先輩方に感謝です。

【柔道部】自分のための時間

一昨日、卒業式が終わった夕方に祝幕が届きました。

発注から受け取りまで手はずを整えてくださったのは四之宮先生と陸川先生。かなり重いものを丁寧に飾ってくださったのは業務さん達です。ありがとうございます。

さて、昨日と今日の二日間、学校では大掛かりな進路行事が行われました。1、2年生全体が学科を問わず複数の企業や上級学校の説明を聞くので、こんな風景も見ることができます。

梅津は、坂本・埜口とは違う学科。手前の後ろ姿は1年の野口です。同じ場所にそろって学ぶ様子は貴重です。

真剣な面持ちで話を聞いていた福島。何を記しているのでしょうか。2年生3学期は“3年生ゼロ学期”と言われます。柔道の他にもう一つ、自分が軸にするものを絞り込んでいくタイミングに差し掛かっています。

1年生は、いろいろなことに挑戦して興味や可能性を広げる時期。たくさんの話を聞くことも一つのきっかけになります。

柔道部の子どもたちは2年生の3学期から新年度の4月にかけて鯉渕監督と進路面談を行います。そうやって時間を割いてくださるのは、より良い道を用意してあげたい“監督心”。頑張った子どもたちへ、監督からのエールの形です。その時“自分ごと”として意思表示ができるように、今回のような視野を広げる機会を大切にしたいです。

【柔道部】最後は笑顔で

改装された体育館で迎える節目の日。

卒業式です。

3年間、担任した生徒たちと入場する鯉渕監督。 

生徒たちも緊張した面持ちです。入学式とは違う厳粛な空気もまた、卒業式の良さではないでしょうか。

大宮工業高校の卒業式、退場は生徒だけというのが伝統です。「ここから自立、自分の足で歩んでいけ」という、学校からのメッセージ。先生方は花道の両脇で子どもたちを見守り拍手で送り出します。教員が生徒に向けるのと同じ温かい眼差しで学校全体を見てくれていた前校長の清水雅巳先生は、“家庭研修期間は担任の子離れの時間”と仰っていました。彼らが入学した時、世間はまだコロナ禍にあり学校生活にも様々な制約がありました。そうした中、講話などで穏やかに力強く明確なビジョンを語ってくださり、小さな変化も地道な挑戦も見逃すことなく授業や行事を観察してくださった清水先生に救われた人は多いと思います。そんな清水先生の言葉を借りれば、今日はそっと子どもたちの背中を押す時です。

カメラに気づいた2人はしっかり目線を送ってくれました。

こうして監督のお話を聞くのも今日が最後。これからはOBとして、宮工柔道部を大切に思ってくれると嬉しいです。

保護者の皆様、3年間、本当にお世話になりました。

お子様のご卒業お祝い申し上げます。おめでとうございます。