柔道部日誌
【柔道部】門出の時
7日は三送会。
午前中の稽古には久しぶりに4人がそろい、後輩たちと穏やかに談笑を楽しんでいました。
例年通り、3年生はもとだちで汗を流しました。乱取り前の円陣。発声は、前キャプテンの坂本です。
思わぬところで足を取られ、苦笑いをする梅津。
真剣な表情の中に笑顔をのぞかせる埜口。
同じ道場出身のOB・根米と乱取りを楽しむ坂本。
一本ごとにテンションが上がり元気な声を出す福島。
充実感いっぱいの3年生を見ることができました。
夕方は場所を変え、食事を楽しみながら思い出を語りました。2年生の保護者が揃えてくださったのは、道着の刺繍と同じ『忍』と『大宮工高』がデザインされたタンブラーでした。
会の最後には鯉渕監督からの挨拶がありました。「大宮工業高校でどんな結果を残したかより、ここを乗り越えたことに意味がある。」自身もOBだからこその言葉が響きます。
敷地内が改修工事の真っ最中で、落ち着いた環境で練習ができたことはほぼなかったように思います。剣道場に敷いてもらった畳での稽古は足元が滑る懸念もありました。記念館の2階でトレーニングをしたり他校にお邪魔して道場をお借りしたり、放課後の移動は多少なりとも負担だったはずです。武道館の改装工事も重なり、新チームになってからは大会の場所も変わりました。
環境ではなく、きもち一つ、ということを教えてくれた4人に、私たちも感謝の思いでいっぱいです。
来週の卒業式も、堂々と、胸を張って有終の美を飾りましょう。
【柔道部】つながり
5日は卒業生の来校が多くありました。
大学の卒業式を前に一時帰省中の者、夜勤明けで訪れた者、国家試験の受験報告にやってきた者……誘いあい、監督に顔を見せにきてくれました。
後輩たちには様々なタイプのOBに胸を借りる貴重な機会です。さっそく寝技から稽古をつけてもらっていました。
いつものように練習の指示を出す鯉渕監督は、乱取りになると「OBも数ピッタリだからなあ」とニヤリ。
いつもならお互いに譲り合う?はずのOBが、現役生と同じ本数を立つことになり、さすがに息が上がります。とはいえ、技術で勝る先輩たち。違いを見せつけていました。
「道場に入って、卒業生が来てくれているのを見るのが嬉しい」と話す鯉渕監督。全国選手権に向けて緊張感を高める中、今日は元気の出る稽古を見られたのではないでしょうか。
【柔道部】限られた時間
全国選手権大会に向けて、鯉渕監督は合宿を決断しました。
2月28日は順天堂大学で学生の胸を借りつつ千葉商業高校と合同練習。3月1日は習志野高校へ出稽古にお邪魔し、勝負へのこだわりをもって稽古に臨む空気感を肌で感じ取りました。
全国の舞台に立てるのは特別なこと。それを経験できる機会にはめったに巡り会えません。そして、“特別”の中にもしんどいことや壁があるのはあたりまえです。その中にある煌めきを自分で見つけ、いかに喜びを持って前向きに取り組むかが、経験を糧にすることにもつながるのではないかと思います。
鯉渕監督から諭されている「きもちの表し方」。2日間の合宿で、日々の稽古に緊張感と高揚感をもちできることを全力でやる姿勢が何より大切だと、学ぶことができました。
千葉商業高校の高橋先生。
順天堂大学の廣瀬先生、竹澤先生。
習志野高校の稲葉先生。
貴重な練習の場をいただき、ありがとうございました。
【柔道部】勝者の責任
先週末と今週末、柔道部は県内の高校で出稽古をさせていただいています。先日、稽古の様子を見て何かを感じた鯉渕監督が、その理由を話してくださいました。
それは「責任」。
頂点に立った者の後ろには、そこにたどりつくことができなかったたくさんの選手がいます。県の代表として武道館の畳に立つということは、同じくその場所を目指して戦った人たちの思いを背負うということ。出たかった人の思いや団体メンバーに入れなかった残りの人たちの気持ちを裏切らない練習姿勢が、ここまで関わってきた人たちに対する責任です。
そして、応援される人間、応援されるチームになること。柔道以外のことを疎かにする人が、努力や成果を気持ちよく認めてもらうことは難しい気がします。ラグビーリーグワン1部・埼玉パナソニックワイルドナイツに所属していた内田啓介選手も、現役引退を表明した年のインタビューで「信号無視をする人がグラウンドでルールは守れない。日常生活とラグビーは必ずつながります。」と話しています。プロでも高校生でも、土台は同じです。
監督のお話を聞き、部員たちが、“1”の重みを感じてくれることを願います。
川口市立高校の堀先生、熊谷商業高校の半澤先生、ありがとうございました。
【柔道部】今年もまた…
全国選手権出場の祝幕を作成していただきました。
デザイン確認と発注をしてくださった陸川先生、冷たい空気の中、掲示作業をしてくださった業務の皆さん、ありがとうございました。
【柔道部】忍
大宮工業高校の柔道場には「忍」の一字を染め上げた部旗が掲げられています。
好きなことや楽しいことを伸ばす風潮にあって、この字はどんなことを伝えてくれるでしょうか。
昨年6月に亡くなった長嶋茂雄さん。読売ジャイアンツの選手、監督の枠を越え、ひとりの野選手として多くの野球ファンを惹きつけるスーパースターでした。そんな長嶋さんは現役当時を振り返り、「順調なスタートより逆境から始まるのも一つの励みとして良かった」と話しています。
初打席は、4打席連続空振り三振。この時のコメントは「全打席、力いっぱいバットを振った結果です。」監督一年目は、チームの歴史史上初の最下位でした。選手として首位打者6回、MVP5回。NPB記録の最多安打10回。二期にわたって務めた通算15年間の監督在任中、リーグ優勝5回、日本シリーズ優勝2回。こうした記録が輝くのは逆境に向き合う姿があったからではないでしょうか。
『人間だもの』で知られる相田みつをさんの作品に「忍」という詩があります。
がまんをするんだよ
がまんをするんだよ
くやしいだろうがね
そこをがまんをするんだよ
そうすれば
人のかなしみや
くるしみが
よくわかってくるから
“困る”体験は、間違いなく人を成長させます。どんな時も「忍」を大切にしてきた宮工柔道部だから、多くの成績を残すことができ、折れない心を育てて応援されるチームになれたのだと思います。
時代が変わっても、ずっと守っていきたい一字です。
【柔道部】光の春
立春が過ぎた最初の週末は雪予報。
空気が冷え込む中、熊谷工業高校と柏南高校の皆さんが来てくださいました。先週から内容に変化を加えた寝技の反復からトレーニングまで、窓が曇るほど息を上げて励みました。足しげく道場に顔を出してくれるのはOBの宮田さん。この日も後輩たちに檄を飛ばしてくださいました。
「光の春」は2月の季語。空気は冷たくても陽の光は少しずつ強くなり、その下で木々の芽吹きや咲く花が春の気配を感じさせてくれる様子を表現した言葉です。
宮工柔道部も、全国の一位同士がぶつかる武道館の畳に、動じずに上がる気持ちをつくる準備をしていきます。
熊谷工業高校の栗田先生、柏南高校の阿部先生、本日はありがとうございました。
【柔道部】新しい壁
全国選手権大会という大きな挑戦権を手に入れ、鯉渕監督からは「新しいことを考えよう」とお話がありました。
展開の作り方、スピード感、詰めの甘さをなくすこと……。何万回もやって慣れている“楽なこと”ではなく、少し自分に負荷をかけて一段階高い所へ向かわせるべく、ここ数日の稽古では、基本の見直しを含め研究の時間を設けています。
大人気のロックバンド、Mrs.GREEN APPLEのボーカル・大森元貴さんは、
『経験値を得る時は「楽しかった」だけではなく、成功体験、いわば、何かを乗り越えた自覚自認がある。何かを乗り越えるには苦しみがある。』
と話しています。
卒業を控えている3年生の柔道に向き合う姿勢は、まさに、この言葉そのものでした。先輩たちの背中を見本に、目標を持って稽古ができるこの時間を大切に過ごしてほしいと思います。
【柔道部】おかげさま
監督室のボードが賑やかになりました。
努力が実ったこと、それを取り上げていただけることはとても嬉しいことです。
『礼に始まり礼に終わる』柔道にはガッツポーズ禁止のルールがあります。精神修養が理念の一つにあるからでしょうが、勝者の振る舞いを教えるのは、柔道に限ったことではないようです。
角界で活躍した元若乃花は、師匠にこう教えられたそうです。
「力士と書いて武士。相手にも親兄弟がいるのだから勝っても感情は顔に出すな。」
プロ野球で活躍したイチロー氏は矢沢永吉との対談で、自身のプレー後の振る舞いを次のように話しています。
「スポーツは人格を形成するもの。野球への敬意、審判への敬意、相手への敬意、チームメイトへの敬意…喜びを理性でコントロールすることを言い聞かせてきた。」
勝者の裏には必ず敗者がいます。団体戦ではチームの負けが決まっている試合に臨む場面もあります。その時、どうせ負けだからと適当な試合をする人はいないのではないでしょうか。同じように、どうせ勝ちだからと手を抜く人もいないはずです。
人間は感情がある生き物。それを素直に表せることも大切ですが、勝った時こそ周囲への思いやりや感謝を示せるのが、本当に強い人だと思います。
【柔道部】おもてなし
選手権後の柔道部は、思いがけず国際交流の体験週間となりました。
2年生は台湾へ修学旅行。帰国翌日の17日は埼玉国際ジュニア柔道体重別選手権大会に手塚が出場。18日は合同練習に参加しました。
本日はオーストラリアチームが来校し、合同練習を行いました。
海外の方と接すると、英語を話さなきゃ、と思いがち。間違いではありませんが、異文化に触れるのは相手も同じです。だとするならば、正確な日本語で伝えることも大切な学びです。同時に、言いたいことを上手に削ぎ落としてシンプルな表現を考え英語で表す作業は母国語を見つめ直す機会にもなります。
嘉納治五郎が学んだ漢学塾は『自国の文化を正しく理解し、母国語を正しく表現できるのが真の国際人である』という理念を持って開かれました。柔道に置き換えれば、嘉納治五郎が示した理念を正しく理解し正しく体現できる人が真の柔道家である、ということでしょうか。
「柔道」が「JUDO」と表記され世界に広まり、その解釈に齟齬が生じていることも度々話題になります。柔道が生まれた国で柔道を始めたからこそ、勝ち負けではないところにある柔道の本来の理念を伝えられると良いと思います。
《交流会の一コマ:合同練習に先立ち、型の披露がありました》