日誌

柔道部日誌

【柔道部】決意

週末、体調を崩して稽古に出られなかった福島。復帰した本日、なんともさっぱりした頭になっていました。

鯉渕監督は「気合い入れたのか」と一言。本人も少し照れくさそうにうなづいていました。

些細なことかもしれませんが、こうした決意の表し方、カッコいいですね。

【柔道部】上を見て

新学期最初の週末です。

昨日、今日の稽古には3年生が来てくれました。

いつものことながら佐川は陰の部分で労を惜しまず、基本動作の反復を続ける後輩の受けになってくれました。

島村も手加減することなく、重量級の選手に胸を貸します。

全キャプテンの髙橋も、得意としていた技を後輩にかけ、簡単に逃さず指導してくれました。

最後のトレーニングも一緒に!疲労が蓄積されているタイミングで、後輩たちに大きな一押しです。

週明けには代表者会議が行われます。

いよいよ、緊張が高まります。

【柔道部】2025年 稽古始め

あけましておめでとうございます。

2025年、稽古始です。

例年より長い年始のオフ。予定表を見た卒業生は「大学生の帰省期間みたい」と笑っていました。

本日は寒空の下、ラントレからスタート。快調なペースで走り切ったのは福島。じっくり淡々とノルマを終えたのは埜口です。


さて、昨年も実に様々なニュースがありました。その中で埼玉県に深く関わることといえば、7月に発行された新紙幣。1万円札の顔・渋沢栄一は深谷市の出身です。「近代日本経済の父」と呼ばれる渋沢は教育事業にも熱心で、一橋大学や東京工業大学、日本女子大学といった数々の大学も設立しました。

そんな渋沢が取り組んだ都市開発のための鉄道建設を担った、五島慶太という人物がいます。彼は後に東急グループの創業者となりましたが、向学心に燃え入学した東京高等師範学校(現・筑波大学)で嘉納治五郎の講義を受けています。

この時の有名な話。

『その講義の変わっていることは、はじめからしまいまで「なあにくそッ」の一点張りで、ほかのことは何も説きやしない。これは柔道の方から来た不屈の精神の鼓吹で、勝っても「なあにっ」、負けても「なあにっ」、どっちに転んでも「なあにっ」であった。』

五島は、世の中へ出てからいちばん頭に残りいちばん役に立ったのは先生のこの言葉だと懐古しています。

余談ですが、渋沢栄一と嘉納治五郎は同じ漢学塾に縁があります。2人はここで論語を深めました。「道徳と教育を重んじ理想的な社会を実現する」という軌を一にした彼らとの関わりは、事業家・五島の理念にも大きな影響を与えたのではないかと思います。

 

昨年、28歳で引退し年寄「湊川」を襲名した貴景勝関。

身長175に満たない小柄な体格で大関まで上り詰め4度の優勝を果たした角界の雄は、指導者としての抱負を「武士道精神を持った、僕が昭和の先輩から教えていただいた根性と気合を持った力士を育ててみたい」と語っています。一門の大先輩にある親方は、「今の時代、スポーツの世界に根性論なんていらないと言われる。今は新しい部屋ができて、科学的なトレーニングや稽古方法もいろんな形に変えていっている。それはそれでいいが、やはりここ一番で爆発的な力を出すためには、ある程度は根性論も必要だと私は思う。かごの中の鳥にエサを与えて、自然に放したときに生きていけるのか。厳しく育てることも大事ではないか。それが今の若い人たちに通じるか、通じないかは私たち指導者として歯がゆいところ。」と思いを述べていました。

 

高校野球の指導にも携わるイチロー氏。

「今の時代、指導する側が厳しくできなくなって。何年くらいになるかな。僕が初めて高校野球の指導にいったのが2020年の秋、智弁和歌山だね。このとき既に智弁の中谷監督もそんなこと言ってた。なかなか難しい、厳しくするのはと。でもめちゃくちゃ智弁は厳しいけど。これは酷なことなのよ。高校生たちに自分たちに厳しくして自分たちでうまくなれって、酷なことなんだけど、でも今そうなっちゃっているからね。」「ある時代まではね、遊んでいても勝手に監督・コーチが厳しいから全然できないやつがあるところまでは上がってこられた。やんなきゃしょうがなくなるからね。でも、今は全然。できない子は上げてもらえないから、上がってこられなくなっちゃう。それ自分でやらなきゃ。なかなかこれは大変。」(2023.11.18「現代ビジネス」より抜粋)

 

「なあにくそっ」の後には「負けてたまるか」が続きます。 

講道館を設立した時、他にも多くの活動をしていた嘉納治五郎。時には金策に走ることもあったそうです。苦労の時期も「なあにっ」と踏ん張れたのは、貫くべき信念があったからではないでしょうか。貴景勝関のいう“昭和の根性と気合”は、目指すもののために努力を厭わない強い気持ちの下で育ったのだと思います。イチロー氏が語る生半可な様子の子も、厳しい練習に身を置く中で覚悟ができ、自身を高められたのでしょう。

何かを成す時、第一にくるのは『想い』。自分の想いを理解できている人は自分で負荷をかけられます。そして、明確な『想い』を持っている方が豊かな時間を過ごせることを大人は体験をとおして知っています。だから、それが不明瞭だったりそれに気づくチャンスを逃していると感じられる子には厳しさを以って向き合うのだと思います。

 

前掲した記事は、イチロー氏のコメントを受けて次のように続きます。

『自分に厳しくできない人や厳しいフィードバックに耐えられない人は、表面的には学校でも会社でもそれなりに「やさしく」遇されやすくなって快適な日々を送ることができるが、タフな人びとに経験値や成長度で大きな差をつけられてしまうし誰にもそれを埋め合わせてもらえない。今の時代は「厳しい大人」という存在を、子どもたちにとって加害的であり、抑圧したり心の傷を負う原因となってしまうリスクがあるということで排除してきた。それによって、たしかに子ども時代に理不尽やトラウマを味わう機会がめっぽう減ったことは間違いないが、かつてそういう人たちによって保証されていた「高み」に上がって来れるかどうかは、完全に「自己責任」になってしまった。』

 

一朝一夕にいかない柔道の稽古は、まさに「なあにっ」のぶつかり合いです。どうすれば伝わるか、どうやれば形になるか、どうか結果を出してほしい…。指導者、選手、保護者、卒業生、それぞれの立場で「忍之一字」。その時間が「想い」を受け止める、表すといった人間の内面を養うのではないでしょうか。

宮工柔道部の一員として誇りと信念をもち鍛錬してきた多くの先輩方を見習って、子どもたちが社会に出た時「なあにっ」と思える人になれるよう、関わり合いを大切にしていきたいと思います。

本年もよろしくお願いいたします。

【柔道部】2024年 稽古納め

壁を塗り替え明るくなった柔道場で、今年最後の稽古です。

年末年始のこの時期は、たくさんの卒業生が監督へ挨拶に訪れます。中善寺と長瀬も同様。2人は、ちょうどコロナ禍の始まった年に宮工へ入学した世代です。

勤務を終えた直後というのに顔を見せに来てくれた一法師。彼の世代は高校生最後の大会をすべて失いました。卒業式の日、「もっとやりたかった」と思いを述べた彼らの涙は忘れられません。

子どもたちはそれぞれに、さまざまな時間を背負っています。

どんな状況でも、やり続けるからこそ得るものがある。 

鯉渕監督からの締めの一言に自分を重ね、一年の節目となる本日、しっかり稽古の場に立ったことに自信を持って欲しいと思います。

 

本年も保護者の皆様には折に触れサポートをいただき、遠征先や出稽古では多くの学校関係者様にお世話になりました。ありがとうございました。

新年の稽古は5日から始まります。来年もよろしくお願いいたします。

【柔道部】冬晴れの日

遠征明けの本日は午後から軽めのトレーニング。ロード外周、懸垂といつものメニューの後、監督が選んだのはサッカーでした!

監督が蹴り出すボールに反応してダッシュ!瞬発力やボールに喰らいつく粘り強さに歓声があがります。シュートチャレンジで体感する、受けた時の球の強さとゴールまでの距離を瞬時に判断して蹴り出すパワーを加減する一連の流れ。予測して反応する部分は柔道と変わりません。

最後は元気よく、ダッシュで終わり!

この後、全員で向かった先は…

やっとやっと!!改修工事が完了した柔道場です!当初の使用開始予定から実に3ヶ月近くずれ込みましたが、ようやく明日から使用が可能となります。ここまでは計画性と段取りの大切さを実感させられる期間でした。部分使用を許可していただくよう汗をかいてくださった事務職員の澤さんには、本当に感謝です。

名札を掛ける木の板も綺麗に研磨していただきました!

新年に向けて見た目の良い環境が整い、ありがたい限りです。

【柔道部】稽古納めに向けて…

25日から28日まで、宮工柔道部は千葉遠征を行いました。怪我のリスクや感染症を考えると力試しのタイミングや内容を選ばなければいけません。選手権予選を見据えた県外高校との試合はこれが最後。

現地に前のりした25日は、清和大学の柔道場をお借りして稽古。

26日は、清和大学主催の真心杯に参加しました。

試合の運営は学生たちです。その中には宮工を巣立った卒業生も。審判を担います。

教え子と監督の、こんな一コマもありました!

27日、28日の錬成会は、川口市立高校、上尾鷹の台高校と合同チームを組みました。これを捌いてくれたのも同じく宮工の卒業生です。頼りになります!

 

監督の指導、先輩や仲間のアドバイスを動画と合わせて振り返り、自身の伸び代にきちんと気づいてほしいと思います。

今回の遠征に際し、参加費のご協力を頂いた保護者様、主催者の清和大学柔道部様、対戦していただいた多くの学校の監督および選手の方々。

この場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。

【柔道部】切るが如く、磋くが如く

今週末の稽古は乱取り前の研究を長めに取りました。基本を確認し、予測できる相手の対応とそれに対する反応の幅をイメージします。

打ち込みも寝技も「実戦を想定して考えながらやりなさい」と、先輩方が言うのは鯉渕監督と同じ言葉。選手権予選に向けて細かいところを丁寧に、穴を埋めていく作業は、新しいことを覚えるより難しいです。何が足りない?どうしたら良くなる?と、出来ることの中に課題を見つけ続けるのですから精神がすり減ります。ただ、頂点に立つには避けて通れません。

乱取り稽古では、後輩たちがおざなりにしてしまう“ちょっとしたこと”を的確に指摘してくださいました。

後半のトレーニングでは、ダッシュや手押し車などいつものメニューに加え、道場二周の馬飛びも行いました!「チームワークを育てないと」と、先輩が一言。個人の思いを大切にできるのは悪いことではありませんが、周りに合わせることで社会性が養われるのも事実です。自分が崩れたら全体が止まる。自分が分けないと(取らないと)チームが負ける。団体戦で大きな勝負に挑む部員たちはこれまで以上に意識しなければなりません。

 

仲間同士互いに励まし合って向上する意味で使われる「切磋琢磨」。中国の書物には『切るが如く、磋く(みがく)が如く、球つ(うつ)が如く、磨ぐ(とぐ)が如し』と記されています。

石を切り出し、形を整えて、さらに打って形をつくり、それを磨いていくーー今の宮工柔道部にピッタリはまる言葉ではないでしょうか。

【柔道】継承

本日はトレーニングDAY。監督不在の場をサポートしてくれたのは、前キャプテンの髙橋です。グラウンドから始まるメニューを一緒にやりながら後輩たちに発破を…いや、負荷をかけてくれました。

これは、3期前の先輩たちが、監督から教わって以来、自主トレに取り入れてよくやっていたトレーニング。高橋も彼らに鍛えられ、混ざって行っていました。

もう無理!と感じてからのラスト10回、まさに気合いでやり遂げた後の爽快感は挑戦しなければ得られません。

俺たちはこうやって強くなったんだよ、を伝えてくれる先輩の存在は髙橋にとってありがたかったはずですし、鍛え方を教えてもらえるのは現役生にとって貴重な時間だと思います。

「しんどい」と分かっていることに自らの意思で向き合う姿勢を受け継いで、繋げていってほしいです。

【柔道部】目標はひとつ

2学期の期末考査が終わり、本格的に稽古再開です。

鯉渕監督から具体的なシチュエーションを示され、細かい部分の反応を高めます。

一歩引いたところから稽古を観察する3年の島村も、気づいたところをアドバイスしてくれました。

 

卒業生の岡安先生によると、この時期は1時間半程度の稽古の後、ラントレ、ダッシュ、懸垂を毎日行い基礎体力をつけたそう。柔道部にはウエイトトレーニングも欠かせませんが、重い物を持ち上げた感覚や数値で分かる手応え以上に、コツコツと続ける地道なトレーニングの積み重ねが最後にものを言うのだと思います。

急に気温が下がったことで体が硬くなり、注意すべきは思わぬ怪我。

慎重に、全力で。チーム全員で大舞台を目指します。

【柔道部】そつなく

本日は下館工業高校柔道部の皆さんが来てくださいました。県内からは所沢中央高校、市立川越高校の選手も参加しての合同練習です。

アップと打ち込みの後、練習試合を行いました。

全体をとおして見えたのは、試合と稽古の動きの差。稽古の時の柔軟さを試合の中で出せるようになるには…やはり各々が「きもち」を強くすることではないでしょうか。

毎日の稽古は同じ面々で同じことの繰り返しです。そこに惰性が生じては反復や研究は生きません。何を目的としてどんなことを試すのか、慣れが起きやすい環境で各々が意識し続ければ程良い緊張が生まれます。その緊張感をつくり出すのが、“習慣化したことを丁寧に続ける”こころの強さだと思います。ピリッとした空気感の中で行う地道な反復が、試合の場で展開を考える余裕になりワンチャンスの見極めにつながるのです。

慎重に、丁寧に。小さな学びを大きな成果に繋げたいと思います。

お越しいただいた皆様、遠いところありがとうございました。

【柔道部】千思万考

月が変わって最初の練習は、市立松戸高校にお邪魔しての出稽古です。

気持ちを言葉に表していらっしゃるところが、とても素敵です。

各校アップの後、五人制と三人制で練習試合を行いました。ここで「1点取った後の展開」の考え方を学びます。

軽量級の強さに定評のあるチームに練習をお願いしたのはチームの課題を洗い出すため。外に出ることで“慣れ”から離れ、一度立ち止まって自分を振り返るきっかけを掴めます。仲間内で上手くいったことがハマらない理由、うまくいかないパターンが続く理由を考えるからこそ、得意な技や流れに、より磨きをかけることができるのです。「失敗して強くなる」は事実。嫌な思いをしないで成果が手に入ることはありません。

年明けの県予選、互いの健闘を願って本日の練習を締めました。

市立松戸高校の郡司先生、土浦日大高校の長谷川先生、ありがとうございました。

【柔道部】課題

「肉を切らせて骨を断つ」という言葉があります。

もともとは、剣道で真剣勝負する時の極意とでも言いましょうか、「自分も痛手を受ける代わりに相手にそれ以上の打撃を与える」「捨て身で敵に勝つ」心構えを表した語。前校長の清水先生が関東大会に向かう選手たちに送ってくださった「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」と同じ意味です。

日頃から部員たちが指摘されているのが、自分の形にするためにリスクを負うということ。やりやすいように組ませてくれる相手はいませんし、こちらと同じように他チームも宮工の研究をして対策をしています。イメージ通りになる状態を待つのではなくやりづらいところから不充分でも技に入る思いきりが、部員たちに必要な意識です。

 

さて、そんな言葉にちなんで(?)本日の食トレは“肉”です!

毎年、一年生が調理実習で作る一品、2種類のトレーニングの合間にしっかりエネルギー補給ができました!

【柔道部】追われる立場で

11月22日は新人大会でした。

通常、柔道部の大会は月曜日と火曜日を中心に行われますが、会場の関係もあって今回は金曜日。学校生活を送りながらの調整となりました。

新チーム初めての県大会団体戦は、選手権予選のシードもかかっています。対戦相手を想定した研究や個々の役割を監督と一緒に何度も確認して臨みました。いつもなら引退した3年生の声援が観客席から響きますが、今回はありません。チームを引っ張る2年生に、より責任がかかります。

関東選抜大会を経験し、強い相手と試合ができる嬉しさとあと一つの悔しさを味わった埜口。

キャプテンとして、中堅として…人一倍じっくり考えイメージを持って畳に上がった坂本。

求められることを察して、試合の最中だけでなく合間にも選手たちに声をかけ雰囲気をつくっていた福嶋。

練習で繰り返し確認してきたことが、ようやくハマるようになった梅津。

 

試合を観てくれた卒業生からは、地区大会と比べていい動きをしていた、チームの結束感が少し強くなった気がする、やっぱり母校が勝ち上がってくれると嬉しいと感想がありました。

県1位の高校が堂々としているのは積み上げてきたものに自信があるから。大正14年から続く宮工柔道部は歴史が長い分だけそれが重く、様々な年代の方からかけられている期待も生半可なものではないのではと思います。

昨年度はとにかくついていくことに必死だった2年生は、稽古を投げ出さず続けてきたことで強くなるためにどうすべきかを考える余裕が生まれました。荒削りの1年生がチームの目標や自分の状況を受け入れ、足りない体力や技術を補う努力をしています。余力十分とは言えませんが、チームとしての気は高まっているように感じます。

2ヶ月後、誇りを持って良い報告ができるように、いっそう精進していきます。応援、よろしくお願いいたします。

 

《試合結果》

桶川   0ー5 大宮工業

久喜工業 0ー5 大宮工業

大宮工業 5ー0 春日部共栄

大宮工業 2ー1 上尾鷹の台

埼玉栄  5ー0 大宮工業  第2位

【柔道部】心強い味方

本日の稽古には、同級生と共に粕谷が参加してくれました。

監督と談笑しながら稽古を眺める様子はすっかりOB。大学生になってからも監督が自分を気にかけてくれることが、粕谷には大きな励みになっているようです。

稽古をつけてくれるだけでなくアドバイスの時間も惜しみません。伝えたいことがある、と、練習後にも後輩たちを集めて指導をしてくれていました。

先輩方の想いに応え、良い報告をしなければいけませんね。

【柔道部】襟を正して

8日からの関東選抜大会、11日からは大会審判をする監督の出張と2学年のインターンシップ期間が重なり、久しぶりに全員そろっての稽古です。

気づけば新人大会1週間前。

できるようになっていることは確実に増えている、という監督の言葉を各々の自信に変えて、流れの中での生かし方を考えながら調整期間に向かいます。

【柔道部】99は0に等しい

仕方がないとはいえ、改修工事中は様々な不便を強いられます。

トレーニングもそのひとつ。教室に移動させた器具の利用はできますが、なにぶん場所が狭いため使い勝手に苦心します。そんな中、柔道部の部員たちがこぞって挑戦するのはベンチプレス。MAX測定から離れていることもあってかお互いの数字に敏感になり、ちょっとした競争心も見え隠れしています。数字が上がっていくのは、できることが増えた証。子どもたちには、やはり嬉しいことのようです。

 

毎年、寒くなるこの時期が本格的に体を鍛える期間の始まり。階段ダッシュや道着懸垂、重りを持ってのスクワットなど体に負荷のかかるメニューが加わった時、如実に現れるのが精神的な強さです。たとえば“道着懸垂10回→10秒ぶら下がり”という時、懸垂の仕方はもちろんのこと、カウント10で地面に足をつける子と10まで我慢し切る子では稽古の時のしぶとさも違います。欲しい結果に近づけるのはどちらか、言うまでもありません。“今、しんどいな”“ちょっと間を空けたいな”と思った時に休まず続ける意識を持てるよう、活動の様々な場面で声掛けしています。

 

オリンピック熱も落ち着き、選手たちをテレビで観る機会も増えました。そんな中、ニュースで紹介されていたのは阿部詩選手。練習前に必ず読むと話していたのが、この詩です。

もう一息という処でくたばっては
何事もものにならない

もう一息
それにうちかってもう一息
それにも打ち克って
もう一息

もう一息
もうだめだ
それをもう一息
勝利は大変だ
だがもう一息

(武者小路実篤「もう一息」)

99までやっても最後の1をやらなかったら、99まで全力でやっても最後の1で手を抜いたら、それは何もやっていないのと同じ。

「いいよ」の言葉に甘えられる昨今、ややもすると自分に対して安易に手加減をしがちです。けれど、早々に限界を決め、できない理由を正当化してできたかもしれないことに到達する機会を逃すのは非常にもったいないことではないでしょうか。

稽古にもトレーニングにも真摯に向き合い「あとひとつ」「もう一回」を厭わない人間性を育てて欲しいと思います。

【柔道部】恩返し

「恩返し」。

この言葉を口にする卒業生は多いです。

好きな柔道をさせてもらったこと。

指導していただいたこと。

先輩や後輩がいるから稽古ができたこと。

稽古ができたから結果を出せたこと。

伸び悩んでも続けられたこと。

同じ目的を持った仲間がいたから独りにならなかったこと。

そういった目に見えないことを感じればこそ、卒業後も道場に顔を出してくれたり歳の離れた後輩たちにアドバイスをくれたりするのだと思います。

昨日から続けて稽古に参加してくれた島村も、少なからずそうした思いを持っていてくれていたでしょうか。毎年、大学進学を決めた部員は継続して稽古をするよう監督から指導を受けています。昨年度のこの時期は、新井と粕谷の2名が連日参加してくれました。友達と遊びたいとかアルバイトをしたいとか、それなりに思いはあったことと思います。それでも放課後の時間を稽古に費やしたのは「進学先で困らない様に」という自分たちのためだけではないはずです。

あなたの時間は、あなただけの時間ではない。周りに人がいてくれたから成り立った時間です。そのことをよく理解し、頼まれたから“やってあげた”、“言われたから”やった、ではなく“自分もしてもらったことだから”と気持ちよく引き受けられる、『精力善用 自他共栄』を体現できる人であってほしいです。

【柔道部】監督の心、部員知らず?

振替休日の昨日、稽古の後でキャプテンの坂本が自主トレーニングを申し出ました。他の部員もそれに続きます。その様子を見て、疲れてるだろうと思って早めに上げたんだけどなあと、監督は首を傾げつつ笑みを浮かべていました。やる気があるのは良いことです。

 

さて、MLBで活躍している大谷翔平選手。ワールドシリーズが始まりその一挙手一投足にはさらに注目が集まっています。

第二戦で左肩を亜脱臼した直後、チームのメンバーに送った「大丈夫、プレーすると思うよ」のメッセージも然り。これに関するインタビューを受けた大谷選手は「チームの士気を下げたくなかった」と答えていました。「みんなが万全の状態で出ているわけではない、どこかしら痛みを抱えながら出場してる選手もいる。その中で自分のできることをしっかりやりたい。」と決意を述べた大谷選手はさらに、試合の中では痛い痛くないは考えていない、痛くないと言う気持ちでやっている、とも話しています。


怪我を押して出場する大谷選手の言葉は、日頃の稽古で監督が繰り返し伝えていることと全く同じ。目標達成のチャンスに、痛いから試合をしない選択肢はないーーこの気持ちの持ち方に、プロか高校生かは関係ありません。

折しもこのインタビューが話題になった前日、道場には、試合動画で現役生を圧倒した椙田が稽古に顔を出してくれていました。

怪我を理由にやらないか無理と言われていてもやるか、それは自分が好きでしていることに本気かどうかだときっぱり言い切る、芯の強さが魅力の先輩です。いつもと違う場所でいつも通りの力を出せる自然体な一面も椙田の持ち味。現役生に学んでほしいところの多い先輩の一人です。

同じ日に稽古に参加してくれた粕谷のステップに、自分にない動きだと脱帽し“上手くて腹立つ〜”と探究し続ける先輩の「本気」を見習って、監督からの言葉をもう一度噛み締めてほしいと思います。

【柔道部】ワンチーム・その2

26(土)、27日(日)は 宮工祭でした。

毎年、この日の柔道部の活動はテント張りから始まります。部活動として日々応援していただいているお礼、そして大宮工業高校の一員として自分ができることを。

一仕事終えたら、クラスの企画準備です!動作確認をしているのは手塚と青柳。

クラスの仲間に囲まれて元気な笑顔を見せてくれるのは篠宮です。

体育館が改修工事中のため、例年のステージ発表は第一視聴覚室や音楽室、中庭での披露となりました。柔道部は大トリで登場!

1曲目は1学年のコミカルなダンス、2曲目は上級生も一緒に踊ってくれました。ステージの違い、観客との距離感の違いを上手にカバー。バラエティ豊かな数々の衣装を持ってきてくれたのは3年の島村です。

お約束の柔道部ネタ。うまく受け身をとっても床の上ではさすがに痛かったのではないかと思います。2年・福島が体を張りました。

観客席から応援してくれた卒業生たちと一緒に、充実の笑顔です!!

【柔道部】ワンチーム・その1

ここ数日、稽古に勤しむメンバーから離れ、怪我を抱える部員たちは道場の外で各々トレーニング。今日は久しぶりに、全員が道場に揃いました。監督の指導のもと部員たちが一堂に介す風景は、やはり安心感があります。

乱取りを見つめながら、できることを誠実に。地味なことほど大舞台で生きるものです。「転んでもただでは起きない」が、合言葉!