日誌

柔道部日誌

【柔道部】決意

週末、体調を崩して稽古に出られなかった福島。復帰した本日、なんともさっぱりした頭になっていました。

鯉渕監督は「気合い入れたのか」と一言。本人も少し照れくさそうにうなづいていました。

些細なことかもしれませんが、こうした決意の表し方、カッコいいですね。

【柔道部】上を見て

新学期最初の週末です。

昨日、今日の稽古には3年生が来てくれました。

いつものことながら佐川は陰の部分で労を惜しまず、基本動作の反復を続ける後輩の受けになってくれました。

島村も手加減することなく、重量級の選手に胸を貸します。

全キャプテンの髙橋も、得意としていた技を後輩にかけ、簡単に逃さず指導してくれました。

最後のトレーニングも一緒に!疲労が蓄積されているタイミングで、後輩たちに大きな一押しです。

週明けには代表者会議が行われます。

いよいよ、緊張が高まります。

【柔道部】2025年 稽古始め

あけましておめでとうございます。

2025年、稽古始です。

例年より長い年始のオフ。予定表を見た卒業生は「大学生の帰省期間みたい」と笑っていました。

本日は寒空の下、ラントレからスタート。快調なペースで走り切ったのは福島。じっくり淡々とノルマを終えたのは埜口です。


さて、昨年も実に様々なニュースがありました。その中で埼玉県に深く関わることといえば、7月に発行された新紙幣。1万円札の顔・渋沢栄一は深谷市の出身です。「近代日本経済の父」と呼ばれる渋沢は教育事業にも熱心で、一橋大学や東京工業大学、日本女子大学といった数々の大学も設立しました。

そんな渋沢が取り組んだ都市開発のための鉄道建設を担った、五島慶太という人物がいます。彼は後に東急グループの創業者となりましたが、向学心に燃え入学した東京高等師範学校(現・筑波大学)で嘉納治五郎の講義を受けています。

この時の有名な話。

『その講義の変わっていることは、はじめからしまいまで「なあにくそッ」の一点張りで、ほかのことは何も説きやしない。これは柔道の方から来た不屈の精神の鼓吹で、勝っても「なあにっ」、負けても「なあにっ」、どっちに転んでも「なあにっ」であった。』

五島は、世の中へ出てからいちばん頭に残りいちばん役に立ったのは先生のこの言葉だと懐古しています。

余談ですが、渋沢栄一と嘉納治五郎は同じ漢学塾に縁があります。2人はここで論語を深めました。「道徳と教育を重んじ理想的な社会を実現する」という軌を一にした彼らとの関わりは、事業家・五島の理念にも大きな影響を与えたのではないかと思います。

 

昨年、28歳で引退し年寄「湊川」を襲名した貴景勝関。

身長175に満たない小柄な体格で大関まで上り詰め4度の優勝を果たした角界の雄は、指導者としての抱負を「武士道精神を持った、僕が昭和の先輩から教えていただいた根性と気合を持った力士を育ててみたい」と語っています。一門の大先輩にある親方は、「今の時代、スポーツの世界に根性論なんていらないと言われる。今は新しい部屋ができて、科学的なトレーニングや稽古方法もいろんな形に変えていっている。それはそれでいいが、やはりここ一番で爆発的な力を出すためには、ある程度は根性論も必要だと私は思う。かごの中の鳥にエサを与えて、自然に放したときに生きていけるのか。厳しく育てることも大事ではないか。それが今の若い人たちに通じるか、通じないかは私たち指導者として歯がゆいところ。」と思いを述べていました。

 

高校野球の指導にも携わるイチロー氏。

「今の時代、指導する側が厳しくできなくなって。何年くらいになるかな。僕が初めて高校野球の指導にいったのが2020年の秋、智弁和歌山だね。このとき既に智弁の中谷監督もそんなこと言ってた。なかなか難しい、厳しくするのはと。でもめちゃくちゃ智弁は厳しいけど。これは酷なことなのよ。高校生たちに自分たちに厳しくして自分たちでうまくなれって、酷なことなんだけど、でも今そうなっちゃっているからね。」「ある時代まではね、遊んでいても勝手に監督・コーチが厳しいから全然できないやつがあるところまでは上がってこられた。やんなきゃしょうがなくなるからね。でも、今は全然。できない子は上げてもらえないから、上がってこられなくなっちゃう。それ自分でやらなきゃ。なかなかこれは大変。」(2023.11.18「現代ビジネス」より抜粋)

 

「なあにくそっ」の後には「負けてたまるか」が続きます。 

講道館を設立した時、他にも多くの活動をしていた嘉納治五郎。時には金策に走ることもあったそうです。苦労の時期も「なあにっ」と踏ん張れたのは、貫くべき信念があったからではないでしょうか。貴景勝関のいう“昭和の根性と気合”は、目指すもののために努力を厭わない強い気持ちの下で育ったのだと思います。イチロー氏が語る生半可な様子の子も、厳しい練習に身を置く中で覚悟ができ、自身を高められたのでしょう。

何かを成す時、第一にくるのは『想い』。自分の想いを理解できている人は自分で負荷をかけられます。そして、明確な『想い』を持っている方が豊かな時間を過ごせることを大人は体験をとおして知っています。だから、それが不明瞭だったりそれに気づくチャンスを逃していると感じられる子には厳しさを以って向き合うのだと思います。

 

前掲した記事は、イチロー氏のコメントを受けて次のように続きます。

『自分に厳しくできない人や厳しいフィードバックに耐えられない人は、表面的には学校でも会社でもそれなりに「やさしく」遇されやすくなって快適な日々を送ることができるが、タフな人びとに経験値や成長度で大きな差をつけられてしまうし誰にもそれを埋め合わせてもらえない。今の時代は「厳しい大人」という存在を、子どもたちにとって加害的であり、抑圧したり心の傷を負う原因となってしまうリスクがあるということで排除してきた。それによって、たしかに子ども時代に理不尽やトラウマを味わう機会がめっぽう減ったことは間違いないが、かつてそういう人たちによって保証されていた「高み」に上がって来れるかどうかは、完全に「自己責任」になってしまった。』

 

一朝一夕にいかない柔道の稽古は、まさに「なあにっ」のぶつかり合いです。どうすれば伝わるか、どうやれば形になるか、どうか結果を出してほしい…。指導者、選手、保護者、卒業生、それぞれの立場で「忍之一字」。その時間が「想い」を受け止める、表すといった人間の内面を養うのではないでしょうか。

宮工柔道部の一員として誇りと信念をもち鍛錬してきた多くの先輩方を見習って、子どもたちが社会に出た時「なあにっ」と思える人になれるよう、関わり合いを大切にしていきたいと思います。

本年もよろしくお願いいたします。

【柔道部】2024年 稽古納め

壁を塗り替え明るくなった柔道場で、今年最後の稽古です。

年末年始のこの時期は、たくさんの卒業生が監督へ挨拶に訪れます。中善寺と長瀬も同様。2人は、ちょうどコロナ禍の始まった年に宮工へ入学した世代です。

勤務を終えた直後というのに顔を見せに来てくれた一法師。彼の世代は高校生最後の大会をすべて失いました。卒業式の日、「もっとやりたかった」と思いを述べた彼らの涙は忘れられません。

子どもたちはそれぞれに、さまざまな時間を背負っています。

どんな状況でも、やり続けるからこそ得るものがある。 

鯉渕監督からの締めの一言に自分を重ね、一年の節目となる本日、しっかり稽古の場に立ったことに自信を持って欲しいと思います。

 

本年も保護者の皆様には折に触れサポートをいただき、遠征先や出稽古では多くの学校関係者様にお世話になりました。ありがとうございました。

新年の稽古は5日から始まります。来年もよろしくお願いいたします。

【柔道部】冬晴れの日

遠征明けの本日は午後から軽めのトレーニング。ロード外周、懸垂といつものメニューの後、監督が選んだのはサッカーでした!

監督が蹴り出すボールに反応してダッシュ!瞬発力やボールに喰らいつく粘り強さに歓声があがります。シュートチャレンジで体感する、受けた時の球の強さとゴールまでの距離を瞬時に判断して蹴り出すパワーを加減する一連の流れ。予測して反応する部分は柔道と変わりません。

最後は元気よく、ダッシュで終わり!

この後、全員で向かった先は…

やっとやっと!!改修工事が完了した柔道場です!当初の使用開始予定から実に3ヶ月近くずれ込みましたが、ようやく明日から使用が可能となります。ここまでは計画性と段取りの大切さを実感させられる期間でした。部分使用を許可していただくよう汗をかいてくださった事務職員の澤さんには、本当に感謝です。

名札を掛ける木の板も綺麗に研磨していただきました!

新年に向けて見た目の良い環境が整い、ありがたい限りです。

【柔道部】稽古納めに向けて…

25日から28日まで、宮工柔道部は千葉遠征を行いました。怪我のリスクや感染症を考えると力試しのタイミングや内容を選ばなければいけません。選手権予選を見据えた県外高校との試合はこれが最後。

現地に前のりした25日は、清和大学の柔道場をお借りして稽古。

26日は、清和大学主催の真心杯に参加しました。

試合の運営は学生たちです。その中には宮工を巣立った卒業生も。審判を担います。

教え子と監督の、こんな一コマもありました!

27日、28日の錬成会は、川口市立高校、上尾鷹の台高校と合同チームを組みました。これを捌いてくれたのも同じく宮工の卒業生です。頼りになります!

 

監督の指導、先輩や仲間のアドバイスを動画と合わせて振り返り、自身の伸び代にきちんと気づいてほしいと思います。

今回の遠征に際し、参加費のご協力を頂いた保護者様、主催者の清和大学柔道部様、対戦していただいた多くの学校の監督および選手の方々。

この場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。

【柔道部】切るが如く、磋くが如く

今週末の稽古は乱取り前の研究を長めに取りました。基本を確認し、予測できる相手の対応とそれに対する反応の幅をイメージします。

打ち込みも寝技も「実戦を想定して考えながらやりなさい」と、先輩方が言うのは鯉渕監督と同じ言葉。選手権予選に向けて細かいところを丁寧に、穴を埋めていく作業は、新しいことを覚えるより難しいです。何が足りない?どうしたら良くなる?と、出来ることの中に課題を見つけ続けるのですから精神がすり減ります。ただ、頂点に立つには避けて通れません。

乱取り稽古では、後輩たちがおざなりにしてしまう“ちょっとしたこと”を的確に指摘してくださいました。

後半のトレーニングでは、ダッシュや手押し車などいつものメニューに加え、道場二周の馬飛びも行いました!「チームワークを育てないと」と、先輩が一言。個人の思いを大切にできるのは悪いことではありませんが、周りに合わせることで社会性が養われるのも事実です。自分が崩れたら全体が止まる。自分が分けないと(取らないと)チームが負ける。団体戦で大きな勝負に挑む部員たちはこれまで以上に意識しなければなりません。

 

仲間同士互いに励まし合って向上する意味で使われる「切磋琢磨」。中国の書物には『切るが如く、磋く(みがく)が如く、球つ(うつ)が如く、磨ぐ(とぐ)が如し』と記されています。

石を切り出し、形を整えて、さらに打って形をつくり、それを磨いていくーー今の宮工柔道部にピッタリはまる言葉ではないでしょうか。

【柔道】継承

本日はトレーニングDAY。監督不在の場をサポートしてくれたのは、前キャプテンの髙橋です。グラウンドから始まるメニューを一緒にやりながら後輩たちに発破を…いや、負荷をかけてくれました。

これは、3期前の先輩たちが、監督から教わって以来、自主トレに取り入れてよくやっていたトレーニング。高橋も彼らに鍛えられ、混ざって行っていました。

もう無理!と感じてからのラスト10回、まさに気合いでやり遂げた後の爽快感は挑戦しなければ得られません。

俺たちはこうやって強くなったんだよ、を伝えてくれる先輩の存在は髙橋にとってありがたかったはずですし、鍛え方を教えてもらえるのは現役生にとって貴重な時間だと思います。

「しんどい」と分かっていることに自らの意思で向き合う姿勢を受け継いで、繋げていってほしいです。

【柔道部】目標はひとつ

2学期の期末考査が終わり、本格的に稽古再開です。

鯉渕監督から具体的なシチュエーションを示され、細かい部分の反応を高めます。

一歩引いたところから稽古を観察する3年の島村も、気づいたところをアドバイスしてくれました。

 

卒業生の岡安先生によると、この時期は1時間半程度の稽古の後、ラントレ、ダッシュ、懸垂を毎日行い基礎体力をつけたそう。柔道部にはウエイトトレーニングも欠かせませんが、重い物を持ち上げた感覚や数値で分かる手応え以上に、コツコツと続ける地道なトレーニングの積み重ねが最後にものを言うのだと思います。

急に気温が下がったことで体が硬くなり、注意すべきは思わぬ怪我。

慎重に、全力で。チーム全員で大舞台を目指します。

【柔道部】そつなく

本日は下館工業高校柔道部の皆さんが来てくださいました。県内からは所沢中央高校、市立川越高校の選手も参加しての合同練習です。

アップと打ち込みの後、練習試合を行いました。

全体をとおして見えたのは、試合と稽古の動きの差。稽古の時の柔軟さを試合の中で出せるようになるには…やはり各々が「きもち」を強くすることではないでしょうか。

毎日の稽古は同じ面々で同じことの繰り返しです。そこに惰性が生じては反復や研究は生きません。何を目的としてどんなことを試すのか、慣れが起きやすい環境で各々が意識し続ければ程良い緊張が生まれます。その緊張感をつくり出すのが、“習慣化したことを丁寧に続ける”こころの強さだと思います。ピリッとした空気感の中で行う地道な反復が、試合の場で展開を考える余裕になりワンチャンスの見極めにつながるのです。

慎重に、丁寧に。小さな学びを大きな成果に繋げたいと思います。

お越しいただいた皆様、遠いところありがとうございました。

【柔道部】千思万考

月が変わって最初の練習は、市立松戸高校にお邪魔しての出稽古です。

気持ちを言葉に表していらっしゃるところが、とても素敵です。

各校アップの後、五人制と三人制で練習試合を行いました。ここで「1点取った後の展開」の考え方を学びます。

軽量級の強さに定評のあるチームに練習をお願いしたのはチームの課題を洗い出すため。外に出ることで“慣れ”から離れ、一度立ち止まって自分を振り返るきっかけを掴めます。仲間内で上手くいったことがハマらない理由、うまくいかないパターンが続く理由を考えるからこそ、得意な技や流れに、より磨きをかけることができるのです。「失敗して強くなる」は事実。嫌な思いをしないで成果が手に入ることはありません。

年明けの県予選、互いの健闘を願って本日の練習を締めました。

市立松戸高校の郡司先生、土浦日大高校の長谷川先生、ありがとうございました。

【柔道部】課題

「肉を切らせて骨を断つ」という言葉があります。

もともとは、剣道で真剣勝負する時の極意とでも言いましょうか、「自分も痛手を受ける代わりに相手にそれ以上の打撃を与える」「捨て身で敵に勝つ」心構えを表した語。前校長の清水先生が関東大会に向かう選手たちに送ってくださった「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」と同じ意味です。

日頃から部員たちが指摘されているのが、自分の形にするためにリスクを負うということ。やりやすいように組ませてくれる相手はいませんし、こちらと同じように他チームも宮工の研究をして対策をしています。イメージ通りになる状態を待つのではなくやりづらいところから不充分でも技に入る思いきりが、部員たちに必要な意識です。

 

さて、そんな言葉にちなんで(?)本日の食トレは“肉”です!

毎年、一年生が調理実習で作る一品、2種類のトレーニングの合間にしっかりエネルギー補給ができました!

【柔道部】追われる立場で

11月22日は新人大会でした。

通常、柔道部の大会は月曜日と火曜日を中心に行われますが、会場の関係もあって今回は金曜日。学校生活を送りながらの調整となりました。

新チーム初めての県大会団体戦は、選手権予選のシードもかかっています。対戦相手を想定した研究や個々の役割を監督と一緒に何度も確認して臨みました。いつもなら引退した3年生の声援が観客席から響きますが、今回はありません。チームを引っ張る2年生に、より責任がかかります。

関東選抜大会を経験し、強い相手と試合ができる嬉しさとあと一つの悔しさを味わった埜口。

キャプテンとして、中堅として…人一倍じっくり考えイメージを持って畳に上がった坂本。

求められることを察して、試合の最中だけでなく合間にも選手たちに声をかけ雰囲気をつくっていた福嶋。

練習で繰り返し確認してきたことが、ようやくハマるようになった梅津。

 

試合を観てくれた卒業生からは、地区大会と比べていい動きをしていた、チームの結束感が少し強くなった気がする、やっぱり母校が勝ち上がってくれると嬉しいと感想がありました。

県1位の高校が堂々としているのは積み上げてきたものに自信があるから。大正14年から続く宮工柔道部は歴史が長い分だけそれが重く、様々な年代の方からかけられている期待も生半可なものではないのではと思います。

昨年度はとにかくついていくことに必死だった2年生は、稽古を投げ出さず続けてきたことで強くなるためにどうすべきかを考える余裕が生まれました。荒削りの1年生がチームの目標や自分の状況を受け入れ、足りない体力や技術を補う努力をしています。余力十分とは言えませんが、チームとしての気は高まっているように感じます。

2ヶ月後、誇りを持って良い報告ができるように、いっそう精進していきます。応援、よろしくお願いいたします。

 

《試合結果》

桶川   0ー5 大宮工業

久喜工業 0ー5 大宮工業

大宮工業 5ー0 春日部共栄

大宮工業 2ー1 上尾鷹の台

埼玉栄  5ー0 大宮工業  第2位

【柔道部】心強い味方

本日の稽古には、同級生と共に粕谷が参加してくれました。

監督と談笑しながら稽古を眺める様子はすっかりOB。大学生になってからも監督が自分を気にかけてくれることが、粕谷には大きな励みになっているようです。

稽古をつけてくれるだけでなくアドバイスの時間も惜しみません。伝えたいことがある、と、練習後にも後輩たちを集めて指導をしてくれていました。

先輩方の想いに応え、良い報告をしなければいけませんね。

【柔道部】襟を正して

8日からの関東選抜大会、11日からは大会審判をする監督の出張と2学年のインターンシップ期間が重なり、久しぶりに全員そろっての稽古です。

気づけば新人大会1週間前。

できるようになっていることは確実に増えている、という監督の言葉を各々の自信に変えて、流れの中での生かし方を考えながら調整期間に向かいます。

【柔道部】99は0に等しい

仕方がないとはいえ、改修工事中は様々な不便を強いられます。

トレーニングもそのひとつ。教室に移動させた器具の利用はできますが、なにぶん場所が狭いため使い勝手に苦心します。そんな中、柔道部の部員たちがこぞって挑戦するのはベンチプレス。MAX測定から離れていることもあってかお互いの数字に敏感になり、ちょっとした競争心も見え隠れしています。数字が上がっていくのは、できることが増えた証。子どもたちには、やはり嬉しいことのようです。

 

毎年、寒くなるこの時期が本格的に体を鍛える期間の始まり。階段ダッシュや道着懸垂、重りを持ってのスクワットなど体に負荷のかかるメニューが加わった時、如実に現れるのが精神的な強さです。たとえば“道着懸垂10回→10秒ぶら下がり”という時、懸垂の仕方はもちろんのこと、カウント10で地面に足をつける子と10まで我慢し切る子では稽古の時のしぶとさも違います。欲しい結果に近づけるのはどちらか、言うまでもありません。“今、しんどいな”“ちょっと間を空けたいな”と思った時に休まず続ける意識を持てるよう、活動の様々な場面で声掛けしています。

 

オリンピック熱も落ち着き、選手たちをテレビで観る機会も増えました。そんな中、ニュースで紹介されていたのは阿部詩選手。練習前に必ず読むと話していたのが、この詩です。

もう一息という処でくたばっては
何事もものにならない

もう一息
それにうちかってもう一息
それにも打ち克って
もう一息

もう一息
もうだめだ
それをもう一息
勝利は大変だ
だがもう一息

(武者小路実篤「もう一息」)

99までやっても最後の1をやらなかったら、99まで全力でやっても最後の1で手を抜いたら、それは何もやっていないのと同じ。

「いいよ」の言葉に甘えられる昨今、ややもすると自分に対して安易に手加減をしがちです。けれど、早々に限界を決め、できない理由を正当化してできたかもしれないことに到達する機会を逃すのは非常にもったいないことではないでしょうか。

稽古にもトレーニングにも真摯に向き合い「あとひとつ」「もう一回」を厭わない人間性を育てて欲しいと思います。

【柔道部】恩返し

「恩返し」。

この言葉を口にする卒業生は多いです。

好きな柔道をさせてもらったこと。

指導していただいたこと。

先輩や後輩がいるから稽古ができたこと。

稽古ができたから結果を出せたこと。

伸び悩んでも続けられたこと。

同じ目的を持った仲間がいたから独りにならなかったこと。

そういった目に見えないことを感じればこそ、卒業後も道場に顔を出してくれたり歳の離れた後輩たちにアドバイスをくれたりするのだと思います。

昨日から続けて稽古に参加してくれた島村も、少なからずそうした思いを持っていてくれていたでしょうか。毎年、大学進学を決めた部員は継続して稽古をするよう監督から指導を受けています。昨年度のこの時期は、新井と粕谷の2名が連日参加してくれました。友達と遊びたいとかアルバイトをしたいとか、それなりに思いはあったことと思います。それでも放課後の時間を稽古に費やしたのは「進学先で困らない様に」という自分たちのためだけではないはずです。

あなたの時間は、あなただけの時間ではない。周りに人がいてくれたから成り立った時間です。そのことをよく理解し、頼まれたから“やってあげた”、“言われたから”やった、ではなく“自分もしてもらったことだから”と気持ちよく引き受けられる、『精力善用 自他共栄』を体現できる人であってほしいです。

【柔道部】監督の心、部員知らず?

振替休日の昨日、稽古の後でキャプテンの坂本が自主トレーニングを申し出ました。他の部員もそれに続きます。その様子を見て、疲れてるだろうと思って早めに上げたんだけどなあと、監督は首を傾げつつ笑みを浮かべていました。やる気があるのは良いことです。

 

さて、MLBで活躍している大谷翔平選手。ワールドシリーズが始まりその一挙手一投足にはさらに注目が集まっています。

第二戦で左肩を亜脱臼した直後、チームのメンバーに送った「大丈夫、プレーすると思うよ」のメッセージも然り。これに関するインタビューを受けた大谷選手は「チームの士気を下げたくなかった」と答えていました。「みんなが万全の状態で出ているわけではない、どこかしら痛みを抱えながら出場してる選手もいる。その中で自分のできることをしっかりやりたい。」と決意を述べた大谷選手はさらに、試合の中では痛い痛くないは考えていない、痛くないと言う気持ちでやっている、とも話しています。


怪我を押して出場する大谷選手の言葉は、日頃の稽古で監督が繰り返し伝えていることと全く同じ。目標達成のチャンスに、痛いから試合をしない選択肢はないーーこの気持ちの持ち方に、プロか高校生かは関係ありません。

折しもこのインタビューが話題になった前日、道場には、試合動画で現役生を圧倒した椙田が稽古に顔を出してくれていました。

怪我を理由にやらないか無理と言われていてもやるか、それは自分が好きでしていることに本気かどうかだときっぱり言い切る、芯の強さが魅力の先輩です。いつもと違う場所でいつも通りの力を出せる自然体な一面も椙田の持ち味。現役生に学んでほしいところの多い先輩の一人です。

同じ日に稽古に参加してくれた粕谷のステップに、自分にない動きだと脱帽し“上手くて腹立つ〜”と探究し続ける先輩の「本気」を見習って、監督からの言葉をもう一度噛み締めてほしいと思います。

【柔道部】ワンチーム・その2

26(土)、27日(日)は 宮工祭でした。

毎年、この日の柔道部の活動はテント張りから始まります。部活動として日々応援していただいているお礼、そして大宮工業高校の一員として自分ができることを。

一仕事終えたら、クラスの企画準備です!動作確認をしているのは手塚と青柳。

クラスの仲間に囲まれて元気な笑顔を見せてくれるのは篠宮です。

体育館が改修工事中のため、例年のステージ発表は第一視聴覚室や音楽室、中庭での披露となりました。柔道部は大トリで登場!

1曲目は1学年のコミカルなダンス、2曲目は上級生も一緒に踊ってくれました。ステージの違い、観客との距離感の違いを上手にカバー。バラエティ豊かな数々の衣装を持ってきてくれたのは3年の島村です。

お約束の柔道部ネタ。うまく受け身をとっても床の上ではさすがに痛かったのではないかと思います。2年・福島が体を張りました。

観客席から応援してくれた卒業生たちと一緒に、充実の笑顔です!!

【柔道部】ワンチーム・その1

ここ数日、稽古に勤しむメンバーから離れ、怪我を抱える部員たちは道場の外で各々トレーニング。今日は久しぶりに、全員が道場に揃いました。監督の指導のもと部員たちが一堂に介す風景は、やはり安心感があります。

乱取りを見つめながら、できることを誠実に。地味なことほど大舞台で生きるものです。「転んでもただでは起きない」が、合言葉!

【柔道部】きっかけ

「先生、体重増えました!」

「腕、太くなったんです!まだまだ鍛えます!」

子どもたちがこうしたことを気にするようになった裏には、考査期間中に行ったインボディ測定の結果があります。鍛え方も体づくりも、自分が“これで充分”と思って行っていたことが足りていないと数値で明確に示され、監督の言葉を聞いて「もっとやらなきゃ」の意識が芽生えたようです。

 

報告してくれる一つ一つは本当に些細なことかもしれませんが、もっとできることがある、やらないといけないことがある、と思えるようになるのは小さな変化を実感できればこそ。継続して取り組むことを期待します。

【柔道部】大切な日

中間考査最終日、部員たちは恒例のイベントを企画していました。監督の誕生日会です!

テストが1時間で終わった3年生たちは早々と道場に集まって準備を開始しました。確率を表示してワクワク感をプラスしたのは面白いアイデア。

ガチャガチャの結果、持ち上げ34本に決定!

“歳の数だけ◯◯”シリーズ、しっかりやり切ってくれる監督、さすがです!

当日が大会の前後になるため毎年遅ればせながらのお祝いですが、今年もみんなで楽しめました。

お誕生日、おめでとうございます!

【柔道部】強さの継承

考査前の週末は、稽古と勉強の二本立て。稽古の時間を短く設定した分、チームづくりの研究をしようと、今年の夏に稽古をつけてもらった先輩方の試合動画を鑑賞しました。

動画は平成31年度から令和5年度に在籍していた卒業生たちのもの。団体戦で子供達が見入ったのは、技の巧さや試合運び以上に個々の気迫。そして画面を通して伝わる、“みんなで戦っている”雰囲気でした。

体勢を崩しながら技に入り、粘りの一勝をもぎとった先輩。チームに流れを引き寄せました。

体格差のある相手に臆せず勝負し、しっかり分けてきた先輩。-66kg級の選手が無差別の団体戦で堂々とした試合を見せました。

自分のペースを崩さず、何度も何度も技に入り攻めの手を緩めなかった先輩。この時、実は骨折していたと知り、それを全く感じさせない姿勢に現役生は絶句していました。

本戦とGSで20分に及ぶ個人戦を制した先輩の姿に引き込まれ、室内には「やーっ!」と、まるでその場にいるかのような声が響きました。

 

約1時間、動画を鑑賞した現役生たちは言葉が出ないほど圧倒されていました。

どんな相手でも、たとえ自分の状況が不利でも、絶対に隙を見せず対峙してきた先輩たち。その理由はただ一つ、「本気だから」 。そして、本気で柔道に懸ける思いこそが宮工柔道部の『強さ』です。

普段の稽古でも、常に土台にあるのは本気かどうか。絶対に言い訳をしなかった先輩たちの姿を見て、「できないんじゃない、やらないだけ」と内面の指摘が繰り返される理由をこの研究で理解できたはずです。次は自分たちの番。腹をくくって稽古です。

【柔道部】悔しさの実感

大会翌日、職員会議が終わった頃を見計らって村田先生がいらっしゃいました。本年度は定時制で勤務されている村田先生、試合のある日は毎回、活躍を気にかけてくださいます。2名の本戦出場を伝えると「そうか、良かった」と一言。

 

さて、埜口が入賞した裏で、同級生たちはそれぞれの思いを抱えていると思います。

 

怪我のため3ヶ月間柔道から離れ、柔道をやりたい一心で復帰後の調整を続けてきた坂本。言われたことを正面から受け止めて理解しようとする真面目さから、昨年度は余裕がなくなり苦しくなった時もありました。今大会に向けた稽古の中で、監督から「イイね」と言われた時とそうでない時を比較し「何でネガティブって言われるか分かった気がする」と、冷静に分析することができるようになりました。内面の成長が一番見えるのが坂本です。ベスト4をかけての一戦、焦りもあったのか呆気ない幕切れにショックを隠しきれませんでした。

 

ベスト8に終わった梅津。入学時から徹底してきた技がはまるようになり、地区大会での初めての入賞が自信になったようでした。稽古でも後ろ向きになりがちな様子も少しずつ減りつつある中で上位を狙った今回、普段の悪い癖が出てあえなく敗退となりました。負けた自分ときちんと向き合い、繰り返し指摘されるのは課題が残ったままだから、ということが腹に落ちれば話の受け止め方も変わるはず。それによって稽古の姿勢も変わるはず。自分の伸び代に気づくチャンスは、今です。

 

飄々とした雰囲気を見せながら、最も悔しい思いをしているのは福島ではないでしょうか。9月の地区大会で初戦敗退に終わり、この大会に名を連ねることができませんでした。自分の感情を後回しにしてチームの雰囲気を考える、察する力の高い選手ですが、この時ばかりは涙が止まりませんでした。ここから先は団体戦のメンバーとして自分の生かし方を考え、稽古に励むのが福島の役割です。裏方に回ることを良しとせず、もっと欲張ってほしいです。

 

4人とも2年生。

引退の時に「やりきった!」と言えるよう、ここからもう一段、レベルの高い環境に身を置いてくれることを期待します。

【柔道部】実りの時

8日・9日、関東選抜大会県予選を兼ねた新人大会(個人戦)が行われました。県立武道館が改修工事のため、今回は熊谷市民体育館での開催です。

宮工の選手たちは全員がベスト8へ進みました。こうなると忙しいのは鯉渕監督。試合場を慌ただしく回り、声をかけ続けます。

ここから先は一段と壁が厚くなります。気迫が光ったのは2年の埜口。

「いいぞ、攻めてるぞ!」「思い切りいこう!」「ここ、やりきるぞ!」待て、がかかる短い時間にシンプルな一言を全力で伝える監督と一緒に戦い、GS含め13分に及ぶ試合を勝ちきりました。

自分のことより人のこと。

他人の痛みを自分のことのように感じる、とても優しい部員です。稽古中のアドバイスも試合の合間の受けも、相手の想いに沿って動ける気立ての良さで、チームの潤滑油になってくれています。

動画で振り返ると試合中に見せた覇気に気づけるはず。殻を破れた自分に自信を持ってほしいです。

今回の同門対決は3位決定戦。今度は優勝決定戦で!

 

《試合結果》

-81Kg級  野口 青柳(ベスト8)

-90Kg級  坂本(ベスト8)

-100Kg級  梅津(ベスト8)

100Kg超級  埜口 武内(第3位)

【柔道部】お陰様

改修工事に伴う変則的な稽古日程も大詰め。

先週末は上尾鷹の台高校と立教新座高校、今週は平日の2日間、栄東中学・高等学校で稽古をさせていただきました。

トレーニングに基礎の反復、週末限定の乱取り…と、我々が日替わりメニューに取り組んでいる裏では、柔道場の畳を剣道場に移す作業が行われていました。授業で使用することを鑑み柔道場の工事を先に完了させるための臨時措置ですが、部の活動にも負担がなくなる大変ありがたい判断です。

明日からは、校内での稽古を再開できます。
練習をさせていただいた各校の皆さん及び顧問の先生方。畳の移設にお骨折りいただいた業者の方々と間を取り持ってくださった事務の方々。本当にありがとうございました。

 

表で活動する人の陰には、見えないところで仕事をしてくれている人たちが必ずいます。窮屈な思いをするのを厭わない人たちがいます。それをしっかり感じて、日々の稽古時間を大切にしたいです。

【柔道部】共鳴

「負けたことがあるというのがいつか大きな財産になる」

オリンピック選手がインタビューで引用したアニメのセリフが話題になりました。

これは、言わずと知れたバスケットボール漫画『スラムダンク』で、常勝軍団と言われたチームが負けた時、監督が選手たちにかけた言葉。フィクションであっても琴線に触れ胸を熱くさせる名言は、確かにそうだよな、と思わせてくれるものがたくさんあります。

 

ところで、『スラムダンク』と言えば「あきらめたらそこで試合終了ですよ」が有名ですが……

 

全国大会(インターハイ)出場をかけた一戦で立ち上がれないほどに負傷した3年生のキャプテン。試合に出るなど無茶だと諌めるマネージャーに叫んだのが、

「足が折れてもいい、動けなくなってもいい、やっとつかんだチャンスなんだ…!」

全国への切符を掴みたい信念と覚悟が見える場面。本気が伝わる一言です。きちんと行間を読めれば文字通りの意味でないことは理解できますね。

 

たどり着いたインターハイ。高校バスケット界の王者に挑む2回戦、萎縮して視野が狭くなり動きの固いチームメイトたちに、一人の選手が檄を飛ばします。

「ながれは自分たちでもってくるもんだろぅがよぉ!」

初めての場所や会場の空気感に飲まれてはいけない、常に落ち着いて自分の柔道をする。大会前に必ず言われることと重なります。自分の中の不安に勝たなければ相手には勝てません。

 

「倒れたらそこで許してもらえるとでも思ってんのか?!」「ゆっくりでもいい!!自分の力でやり遂げろ!!」

練習についていけず、指導に心が折れかける選手に向けた監督の一言。自分は足手まといだと悔し涙を流す選手に、お前が3年になった時、初の全国大会出場を夢見ていると語る監督の優しさも見える場面です。

厳しくするのは、忍耐が伴う辛いこと。笑って楽しく、だけで済むならこれほど楽なことはありません。けれど、自信がないからこそ、自分の力で最後までやった経験を積み重ねる。悔しい思いをしたら這い上がる。指導者の思いは、人間の中身を育てることにあるのだと感じます。

 

進路活動に向けた面接練習で、座右の銘やモットーを尋ねられることがあります。自身の経験がこうした言葉とシンクロした時、自分に向けられた言葉の真意に気づけるのかもしれません。

【柔道部】ハングリー精神

トレーニングもバランスが大切。

昨日は上半身強化の目的で道着懸垂を行いました。腕力だけでなく、しっかり握る力もまだまだ強くできる余地があります。

本日は呉竹医療専門学校にお邪魔して、久しぶりに本格的な稽古をさせていただきました。

ここ数日利用している合宿所に敷かれているのは和室用の畳。床面のスプリングもありませんから、激しい乱取りは避けざるを得ません。「普通」は当たり前ではないことを改めて実感します。畳の上で練習できることに感謝しようと、監督からもお話がありました。

生徒たちに稽古をつける先生方にもサポーターやテーピングが見えます。だからと言って、自分のための手加減はしません。生徒の力量に合わせて真剣に組み合います。

これまで在籍していた部員たちもあっけらかんと言っていました。「どこかしら痛くて当たり前」と。

 

さまざまなことが「いいよ」と赦される社会の流れで、子どもたちは物足りなさを感じる機会が少なくなっているように思います。

『わがままに練習しよう』

『自分を過小評価して甘い練習をしない』

昨年度、監督から何度も諭された一言です。

目的に合う相手を選ぶのは悪いことではありません。一本休んで全力の乱取りができるなら、その判断も必要だと思います。(もちろん、見ている側に「どんな意図で稽古をしているか」が伝わることが前提です)

先輩には勝てない、怪我だから力を出せない、と理由付けするままでは、いつまで経っても殻は破れません。スキルがある相手だからがむしゃらに!負傷していてもできることはある!守りに入るのではなく、欲を出して発奮してほしいです。

 

呉竹医療専門学校の赤岡先生、関口先生には、部員たちのケアから稽古まで丁寧に手をかけていただきました。

ありがとうございました。

【柔道部】不便の中の可能性

今週は毎日、トレーニングからスタートです。

今日は、階段昇降の往復(軽量40・重量30)と突き上げ300回をこなします。雨天のため同様のトレーニングをしていた野球部の一人は、回数を聞いて「スゴイですね…」と一言。

息を上げながらもペースを崩さずに取り組んでいたのは意外にも重量級のメンバー。軽量級はと言うと、声を出すのもしんどかったようでした。

稽古は厳しく、トレーニングは楽しく!の宮工柔道部。鯉渕監督にいじられ笑いも起こりながらの体幹トレ。とはいえ、もちろん遊びではないので、多少、負荷のかかるメニューの前には負傷箇所の状態を確認!その後に行った打ち込みはウイークポイントをなくすためです。ここで部員たちの表情も一変しました。こういうメリハリが大切です。

合宿所でもある記念館2階は柔道場と比べるとかなりこじんまりとしていますが、監督と部員のほど良い距離感を目にすることができ、これはこれで良いもの。道場の稽古ではないからこそ、見えてくる部分だと思います。

人も場所も、通常通りではないから全部がうまくいかない、何もできない、ということはないのですね。できることを探す楽しさを感じる期間にしたいです。

【柔道部】マインドチェンジ

施設改修で平日の学校練習ができなくなったため、今月は、外に出られる休日に稽古、オフ・自主練・トレーニングを平日に組み込んで練習しています。年度当初の計画と大きく変わってしまいましたが、練習日程も場所も、状況に合わせてその都度修正せざるを得ない不便さは顧問としても頭の痛いところです。

 

14日から16日の3日間は川口市立高校にお邪魔して、大垣日大高校・千葉商業高校・習志野高校などと合同練習を行いました。昨日は練習試合もさせていただき、場数を踏む貴重な時間をもつことができました。

最終日の本日は、寝技から立ち技まで、複数の先生方が宮工の部員たちに稽古をつけてくださいました。

大阪産業大学付属高校の内野先生、大垣日本大学高校の二村先生、ありがとうございました。また、宮工柔道部OBでもある粟飯原先生は後輩たちと組んだり観察したりして、良いもの持ってるのにもったいないよ、と声をかけてくださいました。「元気ないよ!!覇気を感じない!明るくやろう!」という鼓舞は、普段、鯉渕監督から指摘されていることとまったく同じ。複数の人間から指摘されるということは、それだけ足りない、それだけ重要だということです。

自分たちがどう見られているかを理解すれば、意識すべきことも見えてきます。

先日の大会後、部員たちは各々「何ができれば自信を持てるか」「そのために必要なことは何か」を考えました。自信をもつには成功体験を得ることです。ただし、たくさん失敗しなければ成功体験は得られません。たくさん失敗するには何度も挑戦するしかありません。挑戦の過程で、嫌なことやしんどいことにぶつかる場面は当たり前にあります。それを受け入れて初めて、自信をもてるきっかけが生まれるのではないでしょうか。

今、部員たちはそこに向かおうとしています。自信をもつために、ひとりひとりが「今の精いっぱい」をやり続ける気概を表現できると良いと思います。

【柔道部】できることを全力で

新チームで挑む秋季南部地区大会。

2年・坂本の表情は引き締まっていました。

6月の関東大会後、痛みがあった腰の症状が悪化して稽古から離れざるを得ず、夏休みも終わる頃、ようやく道着を着られるようになった時には心の底から嬉しそうな表情を見せていました。ここまでの間、治療とトレーニングを地道にこなし「キャプテンなのに練習できてないけどいいのかな…」と不安も口にしながら、稽古中、熱心に仲間に声をかけていました。

 

シード権もかかる今大会の団体戦、チームは決勝リーグの第一試合でつまずき苦しい展開に。

明暗を分ける最後の試合、中堅の坂本は必死に一勝を取りにいきます。前日の個人戦を一試合に止めたのも、今日と今後の大会のため。上を目指す足がかりを作るには絶対に取らなければいけない勝利に貢献しました。

常に万全な状態で試合ができることはありません。怪我をかばいながら、復帰直後で思うような調整ができない、ということは往々にしてあります。そういう状況でも、できることを明確にしてやり抜く。それができるように、日々、盤石の備えをする。絶対に合格しなければいけない試験でも、体調が悪ければ適当に解答する?力を抜いて面接をする?そんなことはないはずです。今、求められていることは柔道だけに必要なことではありません。

自信がないなら、自信がつくまで努力するしかないのです。泣いていいのは、本気の時間を積みあげた人だけ。気迫の勝負に勝つことができるのは、そういう人です。

 

そして、部活動は共通した思いを持った人の集まりです。その中で目標を定めている仲間の思いに気付き、受け止め、雰囲気を作り上げることは同じ場にいる者の義務でもあります。

3年生の引退が近づいてきてからの坂本は明らかに変化がありました。人を引っ張ったり中心になって声を出したりすることがそれほど得意な選手ではありません。それがこの一年で、自分のために、チームのために、変わっています。そういう仲間についていこうとする思いが、チームを押し上げるのです。

順風満帆な新チームのスタートとはならなかった今大会、「このままじゃ嫌だ」と奮起してくれることを願います。

【柔道部】大舞台への道

1、2年生が主役となる初めての地区大会まで1週間を切りました。

本日の会議でトーナメントが決まり、監督からは、ここから先の大会を見据えた短期目標のお話がありました。

大なり小なり、個々に怪我を抱えている今回、チームとしてのコンディションは不安が拭えません。ただ、激しい競技ですからそれは当たり前。一人ひとりの状態を見た監督の細やかな裁量に合わせて、練習量を加減しながら調整に入ります。

【柔道部】挑戦を前に…

順柔杯から戻り、夏休みの仕上げは錬成会。

慣れない場所、知らない相手、気がかりなコンデション…。どんな状況でも自分がやることをやる。これを徹底して意識するための試合です。

卒業生も力を貸してくれました。関東学生柔道体重別選手権大会で準優勝し、全日本学生大会と講道館杯への出場を決めた松本からは審判のお手伝いの申し出が。遠慮していた鯉渕監督でしたが本人の「ぜひ!」という一言に、居てくれれば後輩たちの励みになるよ、と快諾。

夏休み最終日の練習には、仕事の休みを利用して来てくれた卒業生もいました。

後輩たちを煽って盛り上げてくれた先輩方。練習後には、がむしゃらさがない、手応えがなくて物足りない、と言葉がありました。普段、監督から指摘されている覇気のなさや気持ちの弱さは誰が観ても感じる部分だということが明確になりました。コロナ禍で高校生の柔道を満足にできなかった彼らは多くの制限の中、「ここまではやっていい」という範囲が分かると限界まで全力でやり抜いてきました。そういう先輩方にとって、現役生は不甲斐なく映るのだと思います。

 

翌日の東京都学生柔道体重別選手権大会に出場する粕谷からは「大宮工業の名前載せられました!なんか嬉しいです!」のメッセージと共にパンフレットの写真が届きました。先輩たちが共通して持っている『宮工柔道部』への想い。現役生が呼応して奮起することを願います。

 

本日で夏休みの練習は終了です。

遠征費や日々の送り迎えで子供たちのサポートをしてくださった保護者の皆様。

合同チームを組んだ他校の監督並びに選手の皆さん。

連日、合同練習を行なった高校生の皆さん。

差し入れと激励をくださった関係者の方々。

今年の夏もお世話になりました。

ありがとうございました。

【柔道部】始まりの場所

23日から千葉県に乗り込んだ宮工柔道部は順柔杯に参加しました。ここを巣立った卒業生たちが指導者となり部員を連れて参加する、順天堂大学主催の大会です。

卒業生の木札に目をやりながら恩師を交えて談笑する様子は、なんとも誇らしげ。ここでやってきたという自負ですね。

24日の試合は、せっかくなので合同チームを組みました。蕨高校、所沢中央高校の皆さんと顧問の岡田先生、岡安先生。ありがとうございました。

遠征最終日の25日。坂本の隣で打込をするのは宮工卒業生の新井です。懐かしい道着で、坂本の反復練習に付き合ってくれました。

練習後の挨拶の際、監督の廣瀬先生は「高校生の君たちは、うまくいかないこと、ひとつひとつが積み上げです」とお話ししてくださいました。個々のコンディションやチーム事情、不安が先行する私たちにとって救いになる言葉でした。3日間、大変お世話になりました。ありがとうございました。

【柔道部】後半戦開始!

今日から夏休み後半戦。

ここまでの期間は小中学生と一緒に練習する日が続きました。「相手の立場に立って考えることを学びつつ、柔らかい雰囲気でも自分で緊張する場面をつくる」という精神力が試される日々の連続。子供たちを見ていると、体力とは違った疲労感もあったのではないかと思います。

本日から3日間は通常のテンポに戻り、関東近県の高校が集まる錬成会に参加します。たくさんの強豪校と練習ができる錬成会は、自分の力を試すと同時に怪我をしないで終わることも重要な目標です。

県内の高校生たち、初日は畳敷きを含め会場準備から行いました。こちらは開始式。上からの景色は壮観です。

午前中は元立ち乱取り。400名以上が参加していることもあり、お願いしに行くのも瞬時に目的と合う相手を見つけるのも一苦労です。当たれずに畳を下りた部員たちは一番前に陣取り、次のチャンスを待ちます。

午後は練習試合です。

お互いに声を掛けあう。自分の課題を明確にする。普段練習していることを出す。

基本は毎回同じ。分かってはいるけれど、余裕がなくなるとどこかに甘えが生じます。常に本番の試合を想定して気持ちをつくるのも、こうした場で学べる大切なことです。

【柔道部】温故知新

賑やかな合同練習が1週間続き、本日は久しぶりに宮工だけでの稽古です。打ち込みと研究を中心に、監督から細かい部分の技術を教わりました。

早めの昼食をとり、午後の大会準備に取り掛かります。本日、役員参加をする関東高段者大会は『講道館柔道試合審判規定』に則って行われます。≪参考:https://www.judo-ch.jp/rule/koudoukan_judge/≫「有効」「教育的指導」など普段の大会では聞き慣れない言葉もあり、タイマーの操作方法も若干異なります。説明を聞きながら、いつになく真剣な生徒たち。

オリンピック後の、このタイミングで、精神修養を第一義とした柔道の規範とも言えるルールで行われる試合を間近に観る貴重な機会。子どもたちが感じるもの、生かすものが必ずあると思います。

【柔道部】経験値を深く!

県立武道館をお借りしての稽古が本格的に始まりました。

環境の良い施設を本校だけで使用するのはもったいないと幅広く声をかけ、連日、県内の中学校・高校、近県の高校と合同で活動しています。

本校柔道部OBの岡安先生が指導を任される場面もあれば、

監督と乱取りを楽しむ卒業生の姿も有り。

同期と参加する先輩方の姿も有り。

 

帰省中、「監督に顔を見せるなら母校」と思う卒業生は多いようです。それでも、こうして近況報告に来てくれたり成長したところを見せてくれたりする教え子の姿は頼もしく映るのではないでしょうか。

準備や片付け、乱取りの指示など、監督の声に合わせて宮工生がリードします。合同練習では、年齢も技術レベルも違う子がたくさんいます。「お互いを思いやって練習しよう」を合言葉に、稽古は続きます。

【柔道部】まもるもの

オリンピックの柔道競技が終わりました。

期間中、テレビでは歴代のメダリストたちが解説をされていました。その中の一人、大野将平さんが繰り返し伝えていた「しっかりとふたつ持って組み合う柔道を見せて欲しい」という言葉に賛同した人もいたのではないでしょうか。

審判の質を問うニュースが連日報道される中、選手たちの戦い方や様々な振る舞いも話題になりました。柔道が海外の人を惹きつける武道であることは間違いありません。おそらくは、力強い技やダイナミックな動きが華やかに映ったのでしょう。ただ、柔道の目的は力自慢をすることではないのです。

柔道着の白は、修行にあたり心にやましいところがなく、すべてを捨て去り無になって打ち込む信念を表します。また、大野さんは「日本の柔道家にとって白は、死を覚悟して試合に臨むという死に装束の意味がある」と話します。内面を体現するのが柔道の教えであり、見えない内を鍛えることが大切にされてきた「良さ」ではないかと思います。

柔道、剣道、書道、茶道……。「道」にはテストのような100点(=ゴール)がありません。だから、それを追い求める「稽古」は時として苦しい。そして、稽古とは「古(いにしえ)を稽(かんが)える」ことです。「柔道」が「JUDO」と表記されるようになった今、勝敗を決する競技性が先に立って「お互いの道徳性を高める」という本来の理念が置き去りにされているのは寂しいことではないでしょうか。

嘉納治五郎は「最善を尽くした上の勝敗は男子の本懐也」と説いています。勝者の振る舞いもさることながら、とりわけ試合内容に視線が注がれるのはそのためでしょう。
正統派は不器用かもしれませんが、堂々としていてやはりかっこいいです。私たちの文化に魅力を感じてもらえるのはとても光栄なこと。けれど、大きなものに押されて本流から外れていくのは残念なこと。そういう違和感に対して、発祥の日本で柔道をする者だからこそ“護れるもの”があると思います。

普段の稽古でも響く「ふたつもつ!」の声。大野さんの言う「正しく組んで、正しく持って、正しく投げる」を徹底する意義と重なって聞こえます。

【柔道部】時は巡る

8月になりました。

代替わりを迎え、3年生の整列は一番後ろに。前で指示を出すのは新キャプテンの坂本です。

最上級生が後ろから見守る形になるこの並びは少し寂しくもありますが、伸び伸びと柔道をしている様子は肩の荷を降ろしてホッとしている風にも感じられます。

柔道場の掃除も大詰め。改修工事に伴い、4日の稽古を最後に5日以降はしばらく校外での練習になります。精神的なしんどさが増しますが、より良い環境を得るための我慢。9月からの大会で成果を残そうと思えば、大変などとは言っていられません。不利な時期をみんなで乗り越えます。

【柔道部】“掴む”夏

宮工柔道部の夏は、遠征から始まります。

21日、金鷲旗柔道大会に出場する先発組は福岡へ。この間、受けやトレーニングなど、佐川が練習のサポートをしてくれました。

 

23日に合流した後発組と共に、24日は熊本へ移動。25日、26日は山鹿灯籠旗大会・柔道フェスタに参加しました。これは全国で最も早い、新チームで挑む大会です。北は北海道から南は九州まで、の言葉どおり、40校近くもの高校が集まりました。

 

 ≪対戦結果≫

 社 (兵庫)0-1 大宮工業

新鉄原(韓国)3-1 大宮工業

 五島(長崎)1-3 大宮工業

沖学園(福岡)5-0 大宮工業 

(パンフレットにはこんな写真が。光栄です!)

 

26日の会場は、柔道フェスタに合わせて畳が敷き直されていました。相当な労力だったと思います。また、開会式では会場の使用方法に問題があったことが全体に伝えられましたが、この時の会長さんの言葉が印象的でした。「この場所は、いろいろな競技の団体が利用しています。昨日、“他競技の方々と比べて使用方法がよろしくない”という話がありました。ここで見ている私たちはみんなが一生懸命に頑張っているのは分かるけれど、見ていない人たちには伝わりません。そのことで柔道という競技がマイナスに見られるのは悔しいし残念なことです。これだけ真剣にできるのだから行動も意識して、ひとりひとりが柔道の価値を上げていきましょう。」

「人としての善さ」が柔道の基本理念にあることを再認識させられるお話でした。

この日は5つの学校と練習試合を行いました。

県外の高校と練習する機会が増える夏休みは経験値を増やす大切な時期。ただ、それには自分の気持ちよいことだけをするのではなく苦手なことと向き合わなければいけません。その中で感覚を得て良いものをつかむのです。

 

出発前には保護者や学校関係者の皆様。訪れた先では柔道整復師の方や旅館の方々。たくさんの方のお力添えで、今年度も無事に大掛かりな遠征を終えることができました。

この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

【柔道部】最高到達点

パリオリンピックが近づいています。

柔道競技でオリンピック3連覇を達成した野村忠宏さんは「中学生の時は女の子に投げ飛ばされるほど弱かったのが大学で出会った恩師の言葉で覚醒した」と語っています。

そのきっかけになったのが「残りの時間を気にしてペース配分するのは、与えられた本数をこなす練習をしているだけだよ」という言葉。目の前の一本を1試合と思え、限界と感じたら休んでいいよと言われて一本の乱取りに全力を出すと、今まではこなせていた本数の半分で息が上がったのだとか。

もう無理と思い「休みます」と伝えると、先生から返ってきた言葉は「お前そんなもんか」。休ませてよ…と思いながらもう一本続けた時、力みが抜けて限界を超えた感覚が生まれたそうです。

試合は負けたら終わり。痛みや疲労感で集中を切らしている余裕はありません。そして、その空気感に飲み込まれず前に出られる選手が強い選手だと、おっしゃっていました。

 

歌手のadoさんは、自信がなくコンプレックスの塊だった過去を振り返り「自分が無理と思うことほどやった方がいい。無理、と自分で自分の可能性を決めているのに“できない自分が嫌い”というのはワガママ。」と話しています。無理、と言うのは簡単ですが、本当に無理かどうかはやってみないと分かりません。殻を破れるのは、案外そういう時。もちろん我慢には限度もありますが、「もうひとつ」に挑戦しようとする精神力は、誰しもが持っていて良いものではないでしょうか。

【柔道部】一周回って…

柔道部といえば坊主頭がトレードマーク。宮工柔道部でもずっと続いてきた習慣の一つです。引退して、いざ髪を伸ばすとなった時「どういうのだったらダメって言われないですか?」と若干戸惑う3年生たちの輪は風物詩でした。自分たちでどうするか決めていいよと監督が部員たちの意思に委ねたのは2年前のこと。

そんな経緯で宮工の選手たちには短髪のヘアスタイルが定着しつつありましたが、最近、変化が見えます。

「やっぱりカッコいい」

「気合いを入れるため」

「暑くて邪魔だから」

理由はそれぞれですが、子どもたちの気づきから、一周回って復活しつつある坊主頭。この方が柔道に集中できるかな、と考えられれば、強制しなくとも自然にこうなるのですね。

【柔道部】引っ越し作業

夏休みから体育館の改修工事が始まります。柔道部も数日をかけて道場内や部室内を片付け、搬出作業を行いました。

たくさんの賞状は、埃を払って段ボールへ。年季の入った額は慎重の上にも慎重に!丁寧に扱います。

大掛かりな掃除の度に出てくる、先輩たちが残していった荷物。日頃から礼や節目を諭されている柔道部にあって、自分の物を自分で整理できない人がいるのは残念なことです。現役生たちは「立つ鳥跡を濁さず」が当たり前にできる人でいて欲しいと感じます。

トレーニング用具や差し入れでいただいた飲み物も運び出し、部室を占領していた物がなくなりました。

搬出先の記念館と道場を往復する間の一コマ。こういうことをしたいのが高校生ですね。3年生が重りになって1年生を鍛えます!

監督室と部室を仕切っていたロッカーの移動も完了し、あとは工事を待つばかり。昨年度末に新しい畳になった道場に加え、改修された壁や床がどのようになるのか、今から楽しみです。

【柔道部】人の輪・2

先週、練習に来てくれたのは福島と篠宮の後輩たちです。

本日、一緒に練習したのは川口西中学校のみなさん。仲間と共に参加した弟のお願いを引き受け、何度も組んでいたのは佐川です。

同じく弟に慕われていたのは島村。小柄な体格でがむしゃらに向かってくる弟をしっかり受けていました。

きっかけを与えたり影響を受けたり。

柔道に限らず、人と人とのこうした結びつきが習慣を繋ぎ、文化の裾野を広げていくのだと思います。

【柔道部】いつもと違う場所

三連休の中日は、さいたま市青少年柔道選手権 北部地区大会に参加しました。

部員たちは高校・一般の部に出場しました。この大会は、試合で決着がつかない場合は旗判定で勝敗を決します。自分の試合展開が第三者にどう映るかを知る良い機会。各々の結果を団体戦に置き換えて考えることができると、経験がさらに深まるのではないでしょうか。

この部門では、2回の宮工対決を制して決勝に勝ち上がった野口が優勝。表彰式の前には後輩たちと談笑していました。

そして、大会終了後のワンシーン。ついこの間、観る者を惹きつける試合をした2人が制服姿で役員をしているのを見ると、いよいよ代替りが近づいているのだと感じます。

【柔道部】人の輪・1

期末考査も終わり、1週間後には終業式。夏休みの練習計画も伝えられ“鍛える夏”を控える中、柔道場には生徒や子供を連れて卒業生が訪れています。

大宮工業高校の柔道部で汗を流した仲間が卒業後も様々な立場で柔道と関わり、こうして時折学び舎を訪れるのは、それだけ、ここで過ごした時間が大切なものだという証ではないでしょうか。

【柔道部】次の主人公

期末考査期間中は、勉強とのバランスを鑑みて短めの稽古。

 

3年生の引退を間近に控え、柔道場の中心は少しずつ下級生に移りつつあります。

軽量級の福島(2年)と手塚(1年)に、

団体の要となる埜口(2年)。

荒削りな部分を磨いていく最中の野口(1年)。

 

“目立つ練習”ができるのは誰か?

チーム内の競争がお互いを強くします。

【柔道部】相乗効果

本日は中学生を招いての練習。タイミングの良いことに、卒業生も多く来てくれました。

先の総体予選や3年生の進路、新チームの展望など、先輩方は様々なことを気にかけてくれています。

元立ち乱取りでは後輩たちに細かく目配りをしてくれました。同時に、先輩同士の生き生きとした乱取りで道場内の士気を高めてくれます。

苦手な状態をつくって考えさせてくれるのは、先輩だからできること。打ち込みから乱取りまで、丁寧なアドバイスをたくさんもらった埜口はとても満足そうでした。

 

期末考査も目前。やりたいことの前にやるべきことをきっちりと!文武両道で取り組みたいと思います。

先輩方、ありがとうございました。

【柔道部】続ける力

我々がインハイ予選を控えた週末、武道館では全日本学生優勝大会が行われていました。

宮工柔道部の卒業生たちも毎年団体戦に名を連ねています。

高校在学当時、部内戦を抜けてレギュラーメンバーに入った経験のある生徒も、たくさん悔しい思いをしながらただひたすらに目標だけを見て努力を怠らなかった生徒もいます。進学し、1段階も2段階もレベルの高い仲間たちとの稽古で自分の強みにより磨きをかけた反面、うまくいかないこともあったでしょう。そんな彼らからの「先生、団体メンバー入れそうです!」の知らせは後輩たちの励みにもなります。

自信をもって送り出した子どもたちが、所属するチームでも大切な一人の選手として応援され、正しく評価され、チャンスをもらえていることを願います。

【柔道部】つなぐ試合〜3年生の意地〜

全国高校総体県予選・団体戦です。

このメンバーで戦うんだよ、と、チームで戦う意識を確認して畳に上がります。

一つでも上を目指す本日の大一番を辛くも乗り切り、準決勝の相手は埼玉栄高校です。ここまで控えとしてメンバーに声をかけ続けて来たキャプテン・髙橋の出番。「どこで出る」と選ばせたのは、チームの統率、後輩への気配り、結果を求められるプレッシャー…さまざまなものを一人で背負って来た髙橋への、監督からのご褒美だと思います。

技ありを取られてもすぐ攻めに転じる。

力に負けず簡単に投げられない。

守るものの無い吹っ切れた3年生たちは、相手から目を逸らさず前に出る積極的な試合展開を見せてくれました。

審判の傍ら、後輩たちの試合を見守ってくれた岡安先生は、鯉渕監督同様「3年生が最後に意地を見せましたね」と声をかけてくださいました。同時にメンバー全員が3年だったという自身の高校生最後の試合を振り返りながら、試合を見た下級生には練習でこの空気を出して欲しい、チームに嫌われ役がいるのも必要、と期待を寄せてくれました。

髙橋と島村は最上級生としてとても良いものを見せてくれました。ただし、これが常に出来ないと上にはいけません。「やり続ける」とは強い精神力が求められる難しいこと。そして「最後はきもち」と言われるように、それができる人が強い人。岡安先生始め、多くの先輩方は“意地の試合”を積み上げて宮工の戦績をつないできたのだと思います。

今日の2人の試合を新チームの土台として、ここからスタートです。

《試合結果》

大宮工業 5ー0 桶川

大宮工業 4ー0 八潮

大宮工業 2ー0 立教新座

埼玉栄  5ー0 大宮工業  第3位