柔道部日誌
【柔道部】今年もまた…
全国選手権出場の祝幕を作成していただきました。
デザイン確認と発注をしてくださった陸川先生、冷たい空気の中、掲示作業をしてくださった業務の皆さん、ありがとうございました。
【柔道部】忍
大宮工業高校の柔道場には「忍」の一字を染め上げた部旗が掲げられています。
好きなことや楽しいことを伸ばす風潮にあって、この字はどんなことを伝えてくれるでしょうか。
昨年6月に亡くなった長嶋茂雄さん。読売ジャイアンツの選手、監督の枠を越え、ひとりの野選手として多くの野球ファンを惹きつけるスーパースターでした。そんな長嶋さんは現役当時を振り返り、「順調なスタートより逆境から始まるのも一つの励みとして良かった」と話しています。
初打席は、4打席連続空振り三振。この時のコメントは「全打席、力いっぱいバットを振った結果です。」監督一年目は、チームの歴史史上初の最下位でした。選手として首位打者6回、MVP5回。NPB記録の最多安打10回。二期にわたって務めた通算15年間の監督在任中、リーグ優勝5回、日本シリーズ優勝2回。こうした記録が輝くのは逆境に向き合う姿があったからではないでしょうか。
『人間だもの』で知られる相田みつをさんの作品に「忍」という詩があります。
がまんをするんだよ
がまんをするんだよ
くやしいだろうがね
そこをがまんをするんだよ
そうすれば
人のかなしみや
くるしみが
よくわかってくるから
“困る”体験は、間違いなく人を成長させます。どんな時も「忍」を大切にしてきた宮工柔道部だから、多くの成績を残すことができ、折れない心を育てて応援されるチームになれたのだと思います。
時代が変わっても、ずっと守っていきたい一字です。
【柔道部】光の春
立春が過ぎた最初の週末は雪予報。
空気が冷え込む中、熊谷工業高校と柏南高校の皆さんが来てくださいました。先週から内容に変化を加えた寝技の反復からトレーニングまで、窓が曇るほど息を上げて励みました。足しげく道場に顔を出してくれるのはOBの宮田さん。この日も後輩たちに檄を飛ばしてくださいました。
「光の春」は2月の季語。空気は冷たくても光は少しずつ強くなり、その下で木々の芽吹きや咲く花が春の気配を感じさせてくれる様子を表現した言葉です。
宮工柔道部も、全国の一位同士がぶつかる武道館の畳に、動じずに上がる気持ちをつくる準備をしていきます。
熊谷工業高校の栗田先生、柏南高校の阿部先生、本日はありがとうございました。
【柔道部】新しい壁
全国選手権大会という大きな挑戦権を手に入れ、鯉渕監督からは「新しいことを考えよう」とお話がありました。
展開の作り方、スピード感、詰めの甘さをなくすこと……。何万回もやって慣れている“楽なこと”ではなく、少し自分に負荷をかけて一段階高い所へ向かわせるべく、ここ数日の稽古では、基本の見直しを含め研究の時間を設けています。
大人気のロックバンド、Mrs.GREEN APPLEのボーカル・大森元貴さんは、
『経験値を得る時は「楽しかった」だけではなく、成功体験、いわば、何かを乗り越えた自覚自認がある。何かを乗り越えるには苦しみがある。』
と話しています。
卒業を控えている3年生の柔道に向き合う姿勢は、まさに、この言葉そのものでした。先輩たちの背中を見本に、目標を持って稽古ができるこの時間を大切に過ごしてほしいと思います。
【柔道部】おかげさま
監督室のボードが賑やかになりました。
努力が実ったこと、それを取り上げていただけることはとても嬉しいことです。
『礼に始まり礼に終わる』柔道にはガッツポーズ禁止のルールがあります。精神修養が理念の一つにあるからでしょうが、勝者の振る舞いを教えるのは、柔道に限ったことではないようです。
角界で活躍した元若乃花は、師匠にこう教えられたそうです。
「力士と書いて武士。相手にも親兄弟がいるのだから勝っても感情は顔に出すな。」
プロ野球で活躍したイチロー氏は矢沢永吉との対談で、自身のプレー後の振る舞いを次のように話しています。
「スポーツは人格を形成するもの。野球への敬意、審判への敬意、相手への敬意、チームメイトへの敬意…喜びを理性でコントロールすることを言い聞かせてきた。」
勝者の裏には必ず敗者がいます。団体戦ではチームの負けが決まっている試合に臨む場面もあります。その時、どうせ負けだからと適当な試合をする人はいないのではないでしょうか。同じように、どうせ勝ちだからと手を抜く人もいないはずです。
人間は感情がある生き物。それを素直に表せることも大切ですが、勝った時こそ周囲への思いやりや感謝を示せるのが、本当に強い人だと思います。
【柔道部】おもてなし
選手権後の柔道部は、思いがけず国際交流の体験週間となりました。
2年生は台湾へ修学旅行。帰国翌日の17日は埼玉国際ジュニア柔道体重別選手権大会に手塚が出場。18日は合同練習に参加しました。
本日はオーストラリアチームが来校し、合同練習を行いました。
海外の方と接すると、英語を話さなきゃ、と思いがち。間違いではありませんが、異文化に触れるのは相手も同じです。だとするならば、正確な日本語で伝えることも大切な学びです。同時に、言いたいことを上手に削ぎ落としてシンプルな表現を考え英語で表す作業は母国語を見つめ直す機会にもなります。
嘉納治五郎が学んだ漢学塾は『自国の文化を正しく理解し、母国語を正しく表現できるのが真の国際人である』という理念を持って開かれました。柔道に置き換えれば、嘉納治五郎が示した理念を正しく理解し正しく体現できる人が真の柔道家である、ということでしょうか。
「柔道」が「JUDO」と表記され世界に広まり、その解釈に齟齬が生じていることも度々話題になります。柔道が生まれた国で柔道を始めたからこそ、勝ち負けではないところにある柔道の本来の理念を伝えられると良いと思います。
《交流会の一コマ:合同練習に先立ち、型の披露がありました》
【柔道部】覚悟の勝利
1月11日(日)・12日(月)、全国選手権県予選が行われました。
個人戦では、青柳が落ち着いた試合運びでしんどい試合を勝ちきり、-81kg級で個人戦優勝。また、女子の篠宮も-63kg級で出場枠を勝ち取りました。昨年度は不慮の怪我で柔道ができず手術後はリハビリの日々。我慢の時期を過ごした末の勝利です。男女同時の全国大会出場は鯉渕監督も初めて。指導者として、これほど嬉しいこともないと思います。
男子団体戦は、どの学校も僅差の勝負が続きました。
常に自分よりも大きい相手と戦う手塚。個人戦では悔しい敗戦の後、じっくりと試合を観続けていました。思いを飲み込むのは苦しかったと思います。全国行きます、と強い決意を口にして、動きで相手を圧倒しました。
キャプテンの野口は、雑念を払うかのようにすっきりした頭で現れました。気持ちをすべて今日の試合にぶつけます。
大一番の準決勝。昨年度の決勝戦と同じカードは代表戦までもつれました。ここでもしっかり仕事をしたのは青柳。昨日の疲労を感じさせない集中力で、監督の指示通り、3分できっちり勝負をつけました。
決勝戦前、「円陣組もう」と野口の呼びかけで、選手たちは気持ちを一つにします。それを対面で見ていたのか、「力むなよ」と鯉渕監督。
1年の牧は3分間畳に立ち続け、必死で僅差に留めました。団体戦の一員になって以来、自分の出来がチームの勝敗を左右することを理解しながら思うような手ごたえを出せなかった彼が、流れが傾かないよう、できることを精一杯やりきりました。
武内は、2カ月前の新人大会で感じた不甲斐なさをはねのける動きを見せてくれました。残り時間はどっしりと構え、盤石な試合運びを展開しました。
重圧のかかる試合で、まさに「試合の中で成長する」ところを見せてくれた団体戦メンバーに、会場で観戦されていた関係者の方々は、感動しました、と声をかけてくださいました。決して層が厚いチームではなく、監督も選手たちも不安と戦っていた日々もあったと思います。役員として陰から支えてくれた部員とともに、ここ一番の場面で踏ん張りを見せた彼らが強い気力と集中力で勝ち取った、大舞台への挑戦権です。
保護者の皆様、温かい応援をありがとうございました。会場にかけつけてくれたOBの先輩方、見守ってくださりありがとうございました。
《試合結果》
男子個人戦 -81kg級 青柳(第1位・全国選手権大会出場)
-60㎏級 手塚(ベスト8)
-73kg級 野口(ベスト8)
女子個人戦 -63㎏級 篠宮(第2位・全国選手権大会出場)
男子団体戦 大宮工業 5-0 坂戸西
大宮工業 4-1 春日部東
大宮工業 5-0 春日部工業
武蔵越生 2-2 大宮工業
代表戦による勝ち
武南 1-4 大宮工業
第1位・埼玉県第二代表として全国選手権大会出場
【柔道部】声援
大会前日。
卒業生の松本が、自身の近況報告も兼ねて道場に顔を出してくれました。
コロナ禍の影響を受けた高校生活から5年。県チャンピオンになる目標を叶えた先輩の訪問は、後輩たちにとって大きなエネルギーになったのではないかと思います。
【柔道部】覚悟
年が明けてから、冬らしい寒さが続いています。柔道場の空気もいつも以上にひんやり。
部員たちは、稽古直前までヒーターの前に集まり暖をとります。体が硬くなった時の怪我が怖いですから、足元も靴下でしっかり防寒。
県予選で返還するため、鯉渕監督は優勝カップを丁寧に拭きあげ、箱にしまいました。昨年度、OBでもある岡安先生から大会の際にいただいた『覚悟』という言葉。改めて意識し、調整に入ります。
【柔道部】2026年 稽古始め
あけましておめでとうございます。
2026年、稽古始めです。
昨年度は大宮工業高校にとっても柔道部にとっても大きな節目の年となりました。
『艱難汝を玉にす』という言葉があります。苦労をすることで人は磨かれて玉(宝石)となる。ただし、悪いもの(荒砥)でばかり研がれると大切なところまですり減ってもしまう、という意味です。玉になるには磨かれる時間が必要です。100年を積み重ねてきた大宮工業高校で育った柔道部にはそれがあります。上砥の中に見え隠れする荒砥に押されながら、荒砥の中の上砥が細やかさを護りながら、チームになったのではないかと思います。玉にまつわる言葉には『玉石混淆』もありますが、善い部分とそうでない部分がない混ぜになって形成されていくのは、人でも集団でも同じような気がします。
稽古始めにあたり、鯉渕監督は「“経験している”ことは強みだ」と話してくださいました。
学校が紡いできた時の中で柔道部は華やかな結果を重ねていくことができました。しんどい時期を「なぁにっ!」の一念で耐えることができました。柔道部が今日まで活動できたのは、その経験を繋いでこれたからです。宮工柔道部の名前に箔がつくのは大宮工業高校の歴史あってのもの。決して、自分たちだけの力で大きくなってきたわけではありません。温かい声援や細やかな配慮に感謝して『謙虚にして驕らず』を体現するチームでありたいと思います。
皆様、本年もよろしくお願いいたします。