式辞・講話等

式辞・講話等(全日制)

対面式・校長挨拶

 

みなさん、おはようございます。

生徒会の皆さん、本日の対面式、開催ありがとうございます。

2,3年生の皆さん、1年生を歓迎する側、対面式は歓迎式です。
先輩の皆さんには、是非、1年生を育ててほしい。育てるといっても、手取り足取りで、指導しろというわけではなく、頑張っている先輩の姿、背中を後輩の1年生に見せてほしい。1年生は、その先輩の姿をみて学び、成長します。
また、1年生の皆さん、入学おめでとう! 昨日の入学式は立派でしたね。
新しい環境でつかれましたか? 今日、先輩と顔を合わせて、今日からが高校生活のスタートですね。

さて、本校は、大正14年創立、今年で99年目を迎えます。
来年は100年。百周年を記念する会を開きます。
皆さんが生まれる前から、先輩が引き継いだものがあるからこそ、ここで学ぶことができます。その伝統に感謝。

ところで、伝統とは。

伝統は、老舗の鰻屋さんが大事にする「たれ」に例えられます。「たれ」は使った分だけ新しく注ぎ足し、それはやがて馴染んでその店の味となります。
学校も3年生が卒業して、新入生が入ってきます。新入生は宮工のお作法を学び、その都度、宮工を形作ります。
ここで、大事なのは、伝統といわれるものは、常に新しい存在が求められるということです。

例えば、部活動では、新入部員が入ってこないと、やがて活動がなくなってしまい、つぶれてしまいますね。

そして生徒会はいい塩梅に様々な学校行事を企画・運営して、宮工の伝統を支える存在です。


2、3年生は、1年生が入ってきたからこそ、いままで以上に、学校を面白くできるし、あとを託せる。
1年生は、2、3年生の心が広いうちに、早く、宮工生になれ。

では、大事な新入生歓迎の、対面式を始めましょう。

 

入学式・式辞


 寒さと暖かさが交互に行き交いながらも、木々が芽吹き、春の訪れを感じるこの佳き日に、埼玉県立大宮工業高等学校第79回入学式を挙行できますことは、本校関係者一同大きな喜びです。
 ご臨席いただきました、来賓の本校同窓会である大宮工業会・会長 野澤 孝道 様、そして、保護者の皆様に御礼申し上げます。

 ただ今、入学を許可しました251名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。在校生、同窓会、教職員一同、心から皆さんを歓迎します。
 
 新入生の皆さん、小学校から中学校にかけての生活は、コロナ禍の中で試練を乗り越えてきたことと思います。よく頑張りましたね。

また、保護者の皆様方におかれましても、お子様を励ましながら、ここまでこられたことと思います。本日の御入学、おめでとうございます。お子様が、これから更に成長していけるよう、精一杯努めさせていただきます。

 さて、本校は、大正十四年に、大宮町立工業学校として、大宮の地への設置が認可され、この九八年の間に、校訓である「至誠一貫」「質実剛健」のもと、生徒たちの力を引き出し、鍛え、常に日本の工業界のリーダーを育ててまいりました。

 新入生の皆さんには、本校で、確かな学力に加え、社会人としての豊かな教養、そしてエンジニアとしての、知識と技術を身につけてもらいたいと思います。
 本校での学校生活は、皆さんの生涯の中でも、極めて大切な時間になるものと思います。

 そこで、これから始まる学校生活で、心がけてほしいことを、ひとつお話しします。

 それは、「自分が好きなことだから、得をするからやる」、とか「自分には関係ないから、面白くないから、損をするからやらない」、という区別をつけないということです。

 学校は、誰かがやってくれているからうまくいっていることや、みんなの協力で実現してきたことがたくさんあります。
 自分が所属している集団の一員として貢献する意欲や行動が、みんなが快適に、楽しく充実した生活を送ることにつながっています。そして、みなさん各自の成長を促すものとなってきました。これは、小学校、中学校、そして高校も同じです。

 個人の損得ではなく、チームや集団のためにどう貢献していくかを考えて行動できること。また、集団の中で、切磋琢磨して互いを成長させていくことも大事です。

 このことは、将来、社会の一員として自立していくために、高校生活の中で、あらためて学んで欲しいことです。

 工業高校で学び身に着ける、知識や技術は、社会のために役立つものであることに価値があります。
 これから、本校で学ぶ皆さんの成長を大いに期待しています。

 最後に保護者の皆さまに、お願いです。高校生活は3年間で一つのものとなっています。たくましく、成長していくお子さんを、どうぞ見守ってあげてください。


 ときには困って、相談にくることがあるかもしれません。そんなときは、まずは話をよく聞いて受け止めてあげてください。きっとお子様の自立を支える大切な時間となるはずです。

 本校の教職員は、時には寄り添い、時には高いハードルを用意して全力で生徒の成長を支えます。御家庭と学校とが互いの役割を理解し合うことが、生徒を大人へと成長させ、進路希望を実現させる近道だと考えます。

 どうか皆様方におかれましても、本校を信頼していただき、力強いご支援、ご協力をいただけますようお願い申し上げます。

 結びに、新入生の皆さんが元気に活躍することを期待するとともに、ご来賓の野澤様、そして保護者の皆様の益々のご健勝、ご発展をご祈念申し上げ、式辞といたします。

令和六年四月八日
   埼玉県立大宮工業高等学校長   山﨑 正義
                         

1学期始業式・校長講話

 

 あらためまして、おはようございます。
いま、着任式をおえました。皆さんにとって、新たな出会いです。
一方で、大宮工業高校を転出した先生方もいらっしゃいます。信頼していた先生が異動となり、寂しいと思っている人もいるでしょう。そう思えるのは、貴重なとてもよい出会いだったということ。
異動した先生への恩返しとして、教えてもらったことを大切にして、自分を更に成長させてください。

ところで、人との出会いは、ときとして、人生を変えてしまうほど影響のあるものです。私は、高校生のときが、様々な出会いの始まりだったと感じています。
それは、尊敬できる友人やクラス担任の先生に出会えたことで、肉体的にも精神的にも大きく成長する時期に、こんな面白いことを考えている人がいるのだ、という刺激を受けたことでした。

大宮工業高校も同じです。それは、皆さんが何かを求めて、何かを希望して、ここに集まったということ。
ここで勉強したい という、同じ思いをもって集まった仲間ですね。
目的や興味・関心を 同じくして集まった仲間は、お互いによい刺激を受けます。
それは、偶然の出会いから、必然の出会いに変わっていきます。皆さんには、よい出会いを求めて、自分の興味関心をもとに仲間を拡げていって欲しいと思います。


さて、もう一つ話します。
この4月1日、合理的配慮が義務化されました。
ニュースでやっていましたね。
合理的配慮とは何か、その前に、今の日本の現状から

いま、日本では、「共生社会」の実現を目指しています。
「共生社会」という言葉を聞いたことがありますか。「共生」とは「ともにいきる」と書きます。
障害がある、なしにかかわらず、性別にもかかわらず、お年寄りも若い人も、すべての人がお互いの人権や尊厳を大切にし、支え合い、誰もが生き生きとした人生を送ることができる社会、これを「共生社会」といいます。

障害のある人もない人も、互いにその人らしさを認め合いながら、共に生きる社会、この共生社会の実現を目指しているのです。

この「共生社会」を実現していくことを目指していく中で、「不当な差別的取り扱い」を禁止し、障害のある人から申出があった場合に「合理的配慮の提供」をすることが義務化された。ということです。

「不当な差別的取り扱い」とは、例えば、お店で、車いすだからといって入店を断わったり、不動産屋さんで障害のある人向けの物件はないと言って対応しないとか、あの人は耳が不自由でよく聞こえないから話を伝えることはやめよう、ということなど、です。耳が不自由であれば、筆談で話ができますね。

 合理的配慮の義務化は、事業者に課せられているものです。
 事業者とは、会社、お店、個人事業主、ボランティア活動をするグループ、病院や学校など、日常生活を送るさまざまな場面で、対象は広いです。

 つまり、皆さんの日常でも、配慮を要する場面があるかもしれません。
また、就職した先で、インターンシップ先の企業でも関係があることです。

 合理的配慮の義務化は、共生社会の実現を目指す私たちすべてにかかわりのあることですので、意識をしなければなりません。

 また、今の教育に求められている重要なこととして、障害のある・なしに関わらず目的をもって一緒に学ぶこということが挙げられています。これを、インクルーシブ教育システムといいます。

 インクルーシブ教育については、大宮北特別支援学校と連携を図る中で、皆さんに学んでほしいと考えています。
 卒業して社会にでると、様々な人と関わりをもつようになります。「共生社会」の理念について学ぶきっかけにしてください。

今日は、「出会いの素晴らしさ」、共生社会の実現にむけた「合理的配慮の義務化」、について、話しました。

午後は、入学式。新2年生の皆さん、会場の設営ありがとうございます。
新入生は、先輩をお手本にします。目標をもって頑張る先輩の姿を見せてください。一生懸命やる人は、信頼され、尊敬されます。後輩とよい出会いになるよう、意識して行動してください。

修了式・校長講話


はじめに
 みなさん、こんにちは。

 みなさん、姿勢がいいね。
話は、聞く態度がとても大事です。とてもうまくできています。

1度で話を聞き取ることは、様々な場面で求められます。朝や帰りのホームルームでの先生からの連絡、授業のとき、友達と話しているとき。
また、社会に出て仕事をするようになれば、聞き漏らしてしまい知りませんでしたとは言えません。動画を見るように何回も再生して見たり聞いたりはできないのです。

みなさん、話しを聞く姿勢ができていて、とてもよいです。

今年を振り返ってみると、感染症に気を付けながら、ほぼすべての行事を実施することができました。コロナでやめていたことも復活したりして、みなさんの協力があって、充実した内容となりました。ありがとう。

コロナが5類に移行したこともあって、マスクを外す人も増えました。人の表情がわかって、いいなぁと感じることができました。

一方、行事は実施できたけど、コロナへの不安や体調を崩してしまったという人もいたと思います。
しかし、一年を通してみると、よく頑張ってきたことの方が多いのではないでしょうか。
各自、自分のよくやれたな!と思うところを褒めてください。


・さて、今日は修了式。
 一年をとおして、振り返る日です。
 1年の節目の日ですね。

・節目といえば、先日読んだ本に、「節目」について書かれているところがありましたので、紹介します。
・それは、「竹は横から強い力を加えてもどうして折れないのか」ということ。
 皆さん、ちょっと考えてみてください。竹は、台風の日に強い横風が吹き、弓のように曲がり、大きくしなりますが、簡単に折れることはありませんね。

・この竹の強度、強さは「節目」によるものだそうです。今度、どこかで竹を見つけたときにじっくりと見てください。
 しかし、強いだけだとある部分に力が加わるとぼきっと折れてしまいます。
 そこで、よく見てみると、節目は一定間隔ではありません。節目は、根元ほど感覚が狭く、そこから上にいくほど広くなり、さらに先の方になると、また狭くなっています。
 節目が一定間隔だと強くなりすぎて、しなやかさを失うのだそうです。しなやかさと強さを併せ持つためには、このような節目が必要なのです。

・竹のように強く、しなやかであるために、この節目の修了式をどう位置付けていくか。

・それは、この節目の修了式に、自分のことを振り返るということです。
 そして、振り返って、行動に移すということ。

・相撲力士で横綱までつとめた「白鳳」は、優勝インタビューで、同じ相手に連続して負けることはしないと話していました。
・すごいプライドだな と思ったのと同時に、相手のことをよく知って、自分のことを振り返りながら、懸命に頑張っているのだと感じたのです。

・みんなには、至誠一貫、質実剛健の精神、プライドをあらためてもって欲しい!
・この1年、うまくできたことは、来年さらに伸ばしていこう!
でも、うまくできなかったこと、場合によっては先生から怒られたことを、繰り返さないようにすることが大事だ。

・今日の節目を大切にして、「強さ」と「しなやかさ」を身に着けてほしいと願います。

・春休みを有意義に過ごして、新年度、またここで会いましょう。

 

表彰式・壮行会 校長激励(関東大会 溶接コンクール)

■表彰式・壮行会 校長激励(溶接コンクール 関東)令和6年3月22日


●先ほど、表彰したように、1~3位、大宮工業高校が独占です。

 表彰ではないが、5位から1位まで、大宮工業が独占とのことですね。

 これは、努力は裏切らないということの証左、証ですね。

 技術を身に着けた、努力のたまものです。
一朝一夕に身につくものではありません。よく頑張りましたね。

 また、競技で勝つためには、切磋琢磨する仲間の存在が大事。

 関東に出場するのは、代表の2名ですが、一緒に頑張った仲間や、指導してくれた先生方への感謝の気持ちが大切です。


●また、大宮工業会 会長の野澤さま、いつもありがとうございます。
 野澤さまをはじめとして、卒業した先輩、みなさんが応援しています。
 たくさんの応援にも感謝をしてください。

 

3学期始業式・校長講話

 

はじめに
・あけましておめでとうございます。
・冬休みは元気に過ごしていましたか。
・1月4日に、ある生徒が「明けましておめでとうございます」と挨拶をしてくれました。時季にあった挨拶、嬉しくなりました。
・その場に応じた挨拶は、思っていても、なかなかできないものです。
・大人ですね。

・さて、1月は、新年の始まり。
・この切り替えの時期は、気持ち新たに頑張ろうと思えるタイミングです。
・新しいことにも挑戦していこうと、エネルギーが湧いてくるところです。


CACE1
・先ほど、台湾の嘉義工業高校とMeetで接続して交流をしました。
・海外のことを見たり、聞いたりすると、自分の国のこともよくわかります。
・皆さん、日本の企業には拠点や工場をもっているところは、たくさんあります。日本の会社に就職したからといって、勤務先が国内とは限りません。

・私は、この冬休みに、先ほど交流した嘉義工業高校へ行ってきました。

・台湾は、日本の九州より少し小さい島です。人口は2,200万人。
・これは、東京都、埼玉県、千葉県の人口をあわせたくらいです。
・台湾の学校は、日本と同じ、小学校6年、中学校3年、高校3年、大学4年です。
・台湾の高校は、50分授業で8時間、放課後は補習があったりで、日本の部活動にあたるものはないそうです。日本の高校生が放課後何をしているか、気にしていました。
・日本と違うのは、9月はじまりです。日本は、4月はじまりですね

・その台湾の工業高校で話を伺ってきました。

CACE2
・台湾では、もともとあった台湾語がありますが、いまは中国語、つまり北京語を標準でつかっている。そして、英語は今のみんなの親世代くらいから話せるように学校で教え始めて、その親の子供たちの世代が今の中高生となり英語で話す力が定着をしてきているとのこと。
・いま、日本も小学校英語がはじまり、いま小学生の子供たちが親になるころには英語教育の様子が、大分変っていることでしょう。
・台湾では、英語で自分の意見が話せる高校生がたくさんいる状況です。
・いまは、スマホでGoogle翻訳がつかえれば、英語や中国語も不便ないかもしれないけど、自分で話せるというのはまた別のことだと感じました。

CACE3
・また台湾では、15年ほど前に、工業高校に対する考え方を大きく変えたそうです。
・技術を学んだ人に対する、地位を高くして社会で受け入れています。
・工業教育に力をいれて、工業高校で専門技術を学んだ人は、卒業後の就職で技術の指導者的な立場で迎えられるように地位を確保しています。
・大宮工業高校を卒業後も、会社ではしっかりと受け入れてもらっていますが、日本社会全体で仕組みを作っているわけではありません。
・資源の少ない日本では、技術が大事ですが、これは台湾でも同じです。

・いま、日本では、科学技術立国を掲げて、教育システムを変えようとしています。今後、どのような流れで、小、中、高校にはいってくるか。
・台湾とは、国の仕組みが違うし、国が求めていることも異なるので、同じようにはなりませんが、何か専門的な技術を身に着けて、さらに学んで拡げたり深めたりしていける人の価値が高まっていく社会になっていくことは間違いないです。

・台湾の学校とは、今後も継続して交流を深めていきたいと考えています。
・来年度入学の1年生は、修学旅行を海外にして、できれば今回交流した台湾の嘉義工業高校を訪問して対面の交流をしたいと考えています。

・広い視野をもって、いま学んでいることの価値を高めていけるよう、大宮工業での勉強を精一杯頑張ってください。


おわりに
・3学期は、1年の終わりの時期ではなく、来年度、4月からに向けた準備の期間です。
・自分自身の、先を見据えた学習に取り組んでいこう。
・では、2024年を始めましょう。

2学期終業式・校長講話


●はじめに
 みなさん、おはようございます。
 
 あらためて、表彰されたみなさん、おめでとうございます。
 そして、全国選抜に出場する自転車部の皆さんの健闘を祈ります。

 さて、2学期も今日で終わりになります。
 2学期は、3年生にとっては、就職試験や 大学、専門学校の入試など、進路実現に向けての活動で大変な学期だった思います。
 そして、全校的には、今年はコロナよりもインフルエンザの感染対策の中での、宮工祭、強歩大会、2年生はインターンシップもあるなど、1年間で忙しくも、充実した学期でした。

 猛暑で始まった始業式から、季節が進んで、終業式は冬の寒さ、2学期は季節の変化が激しい。皆さん、体調はいかがですか。

 寒い冬の晴れの日は、空気が澄んで、夜空がきれい。
 その分、星がよく見えます。
 先週、「ふたご座流星群」が観察されました。
 見た人はいますか。
 ゆっくり流れる青白い光の流れ星がきれいだった、急いで願い事をしました。

 何かを見たときに、きれいだな、いいな、すごいな、これどうなっているのかな、と思う心は素晴らしい。そんな話を3つします。


●一つ目、ある卒業生の話
 先日、昭和30年代に本校を卒業した方が、校長室にいらっしゃいました。
その方は、卒業後、建設機械の設計の仕事をしていたが、海外製品を扱ったりしている中で、これは手に負えないもう一度大学で勉強しなければダメだと思い、会社を辞めて大学に進学、大学卒業後、別の会社に就職して定年まで続けたとのこと。
 高校卒業して就職後、会社を辞めて大学受験勉強をしたとのことでしたので、そのエネルギーはすごいですね。

 そして、その方が話していたのは、工業高校をでて本当によかったということ。大宮工業高校で勉強したことが、日頃の生活のベースにあるのだそうです。
 それは、何かというと。周りのものをみたときに、これはどうなっているのか、どのような材料でできているのか、どういう仕組みや構造なのかを見る目が育ったこと。そういうことを考えることが楽しい!と話していました。

 校長室には、皆さんが制作した作品が多数展示されています。それを、ひとつひとつ手に取り眺めて、感心して感動していました。

●二つ目、植物の話
 これは、私のはなし。長年、疑問に思っていたけど、まぁいいかと、見過ごしてきたことで、その理由が分かったことがあり、なるほど、すごいと感動したことがありました。

 それは、桜のことです。桜は、花が先に咲いて、葉っぱがあとからでてくることです。小学校などで育ててきた、アサガオやヒマワリ、チューリップなどは緑の葉が育ってから、やがて花が咲きます。でも、桜は花が咲いて、満開になり、花が散ると葉桜といって緑ゆたかな葉っぱが生えてきます。アサガオとは逆ですね。
 冬の間、枯れてしまったかのようにいている桜の樹から春に花が咲くエネルギーはどこにあるのか??

 私は、満開の桜がきれいなことで、花が先に咲くことは、まあいいかと思ってきたのですが、先日、ラジオでこの話をきいて、桜はすごいなと改めて感動しました。花が先に咲くのは、葉の養分を樹が蓄えて、葉はかれて落ちる、その養分をもとにつぼみから、花が先に咲くというのが、簡単すぎる説明です。これは、田中修さんという大学の先生のお話でした。
 
 早速、田中先生が書かれた本を買って、読みました。
 その本は、「植物はすごい 七不思議編 知ってびっくり、緑の秘密」という本です。中公新書から出ています。図書館にも買ってもらえるようにお願いしました。

 ちなみに、この本には、サクラの七不思議として、
  なぜ、秋にサクラの花は咲かないのか
  なぜ、春に花が咲くのか
  なぜ、東京が一番早い開花宣言をだすのか
  なぜ、北海道では、ウメとサクラが同じころに咲くのか
  なぜ、ソメイヨシノの開花は、はなやかなのか
  なぜ、ソメイヨシノの開花は、はなかないのか
  いつから、サクラは「日本の花」になったのか

 この七不思議は、言われてみると、なんで?と思うことばかりです。
 3年生は、課題研究で、問題解決に取り組んできたところですので、問を立てることが大事だということは実感していることとでしょう。


 そして、皆さんには、本を読んでほしい。図書館にいくと、工業の話題、その他の分野も、本がたくさんあります。知らないことは、たくさんあります。本との出会いを楽しみましょう。


●三つ目、100周年
 本校は、今年で98年目、2年後に100年を迎えます。
大正時代がから始まった、100年間の歩みは、まずそのことがすごいこと。
大宮工業すげぇ! この大宮工業高校に誇り、プライドを持ってください。


●おわりに
 今日は、何かを見たときに、きれいだな、いいな、すごいな、これどうなっているのかな、と思う心は素晴らしい。という話をしました。
 技術は、いろいろな人の思いの結晶が、具体として表れているものです。工業高校で学んだ皆さんだから、感じ取れること、知的好奇心が大事です。


 それから、今、台湾の工業高校と連携した取り組みを考えています。1/9(火)3学期の始業式では、台湾の工業高校、川越工業、大宮工業をリモート接続して交流をしたいと思います。海外の工業高校って、どんなか?皆さんには、日本以外の視点、グローバルに広い視野を持ってほしいと思います。楽しみながら交流をしていきましょう。

 

表彰式・壮行会 校長激励(関東選抜・陸上・柔道・自転車競技)


●関東大会(陸上部、柔道部、自転車競技部)出場おめでとう!

 秋の大会は、3年生が引退して、初めての大会が多いですね。
 1,2年生の活躍の場です。

 みなさんの成長を、とても頼もしく思います。
 
 そして、
 今回の関東大会は、来年に向けて、全国大会を目指すための実力向上の場です。
 
 
 陸上部、柔道部、自転車競技部、

 埼玉県を代表して、各自の実力を存分に発揮してこい


●また、大宮工業会の野澤会長さま、いつもありがとうございます。
 卒業した先輩、みなさんが応援しています。
 たくさんの応援に感謝をしてください。

 

2学期始業式・校長講話


 おはようございます。
 表彰、壮行会、仲間の活躍を励みに、みなさん一層頑張りましょう。また、海外研修の報告、関口さんありがとうございました。報告はHPにも掲載するとのことです。
 
 また、先ほどのシェイクアウト訓練、うまくできましたか。
 2011年の東日本大震災、立っていられない強い揺れが、宮城県では3分以上続いたそうです。今回は、1分間でした。自分の身は自分で守るといこと。
 シェイクアウト訓練には、2つの目的があります。
 ひとつは、地震による揺れから身を守る練習。もう一つは、災害に対して日ごろから心がけをしておく注意喚起。学校にいるときに、被災するとは限りませんよね。災害に備えて、非常食の準備や家族との連絡方法など、できることをしておきましょう。

 さて、今日の始業式、皆さん、登校できましたね。まずは、そんな自分を褒めてあげましょう。気持ちの中では、夏休みがもう少し続いてくれればいいのに、と思っている人はいませんか。


❶夏休みはよい時間
 そんな、夏休みについて、考えてみましょう。
 みなさん、どんな風に過ごしたか?

 1年間の中で、夏休みは、1カ月もの間、生活のリズムが変わり、学校から離れる時間も増えるので、別の感覚を味わうことができる貴重なものです。よい時間ですね。


❷失敗を生かすこと(1)
 夏休み中、登校している生徒も多くいました。
 「部活」や「ものづくりコンテストの準備」など、そして3年生は進路決定に向け頑張っていました。


・進路を考えるということは、自分のことを見つめるということ。
・自分のことだから、自分が一番よくわかるはず、自分のことだからよく考えて、
と言われたことありませんか。
・しかし、自分のことなのに、いざ考えてみると、よくわかっていないことがあるものです。

・志望動機や面接試験は、自分の経験の中にあることを話します。それは、「自分が一生懸命にやってきたこと」です。それをもとに、将来も頑張れますということがアピールできますね。

・では、一生懸命に頑張ったことは、結果がでないとだめなのか?
・地区大会で優勝とか、県大会で優勝とか?
・そんなことは、ありません。


❸失敗をいかすこと(2)
・仙台育英高校、野球部監督の須江先生は、「人生は敗者復活戦」と話していました。
・そして、別の人は、失敗しなかった日は何もしなかった日だ、と言っています。

・うまくいかなかったことを、教訓として次にどうやって活かしていくか。
・うまくいかないことをあきらめずに、粘り強くやり抜こうとしたか。
・それが、みなさんにとって、頑張ったことにつながるものです。
・派手でではなく、地道にやってきたことが、力になります。
・努力は裏切りません。
・継続は力なり、続けることの大変さ、続けたことのよさが味わえるようになりましょう。


●おわりに
・夏休みは、自分の生活を振り返るのにとてもよい時間。
・充実したという人、思いのほかだらけてしまったという人もいるかもしれません。
・未来を考えて行動できることが、一番の幸せです。
・今を受け入れて、2学期を頑張ろう。

 

表彰式・壮行会 校長激励(国体出場、日本代表)

●国体出場おめでとう!
 みんな一段と強くなりましたね。

 柔道では粕谷君、自転車競技は池田君、木村君、山下君。
 そして、自転車競技の木村君は、日本代表として韓国遠征にも出場。
 おめでとう!

 埼玉県を代表して、また日本を代表して、その実力を十二分に見せつけてきてください。

 そして、強い人たちとの勝負を楽しんできてください!


●柔道、ケイリンともに、日本発祥のオリンピック競技種目です。
 自分の実力に蓋をするのは、自分だといいます。
 世界を目指して、頑張ってこい。


●そして、本校同窓会である大宮工業会の野澤会長様、いつもありがとうございます。
 卒業した先輩、みなさんが応援しています。
 たくさんの応援に感謝をしてください。

【全】1学期終業式・校長講話

 

はじめに
・コロナ対応が緩和され、学校生活に制限がなくなった。
・1学期の生活をどう過ごしたか。
・自身のことを振り返ることは、これからどうしていくか考えるため大切なこと。
・この後、通知票をもらうよね。学校生活のことを振り返る指標にする。


・さて、今日は2つ話します。
(1)一つ目は、いいなぁと思ったことば
・先日、野球部主将の鍵山君が、高校野球埼玉県大会の開会式で選手宣誓を見事にやりとげました。
・約1分半の宣誓は、テレビ中継もされ、とても立派でかっこよかった。
・その宣誓の中で鍵山君は、こんな文章を引用していました。英語です。
・If you can dream it, you can do it.
・「夢見ることができれば、それは実現できる」これは、ウオルト・ディズニーの名言です。
・夢見ることは、実現するのに簡単なことではないでしょう。
・そして、多くのことは、何かやろうとして、そのことを成し遂げるまでには時間がかかります。
・しかし、時間をかけて取り組むことに巡り合えれば、まして生涯をかけて取り組むことに巡り合えれば、何よりの幸せです。
・そんな、未来を見つめることを考えさせられた、選手宣誓でした。鍵山君、ありがとうございました。

(2)二つ目は、夏休みの効能
・明日から、夏休みです。
・夏休みのよい点を2つ。

・一つ目。
・夏休み、何日あるか数えてみたか。42日ある。長いね。
・夏休みは、時間割が決まっていない自由な時間である。これが長くとれるところがいい。
・いつもとは違う日常をどうつかっていくか。夏休みだからできる、集中して取り組めることに、全力で頑張って欲しい。
・高校生は精神的にも大人になる時期であり夏休みを過ぎると、みな成長している。
・中学までの夏休みとは、ちょっと違うね。
・また、長い休みの間には、自分のことを振り返る時間もできる。このことも、とてもよい。

・二つ目。
・学校には、ルールや約束があります。
・ルールには、大きく分けて2種類ある。
・「姿勢のルール」と「行動のルール」です。
・「姿勢のルール」は「やればすぐできるもの」
・やればすぐできるものは、例えば、きまりを守ること 身だしなみを整えることは、その場ですぐにできるね。学校生活を送るうえで、大事なことは当たり前のことばかりです。素直さが求められる。

・そして、「行動のルール」は目標達成があるような「頑張らねばならないもの」。
・例えば、先ほど、表彰のあった関東大会や全国大会出場などは、かなり頑張りが必要なもの。
・また、夏休みの宿題も中身の成果を求められるので、ひと頑張りする必要があります。
・夏休みは、この頑張る必要があるものに、いつもより時間をとって、全力で取り組むのによい時間です。
・時間がかかるものに、各自のペースで取り組めることがとてもよい。

・先週、朝、期末試験が終わった後も、教室で勉強している1年生がいました。
・何の勉強をしているのかと聞くと、早くも夏休みの宿題をしているとのことでした。
・高校は自分で選んできたところなので、勉強も頑張るとのこと。
・さすがだなぁと感心しました。


おわりに
・自由な時間がとれる夏休みなので、3年生は進路について考えたり行動したりする時間が十分にとれる。1,2年生は部活や勉強にまとまった時間をとることができる。
・充実した夏休みにして、9月1日の2学期始業式で、元気に会えることを楽しみにしています。

 

 

【全・定】入学式式辞(概要)

入学おめでとうございます。
今年は、3年ぶりに、来賓のご祝辞を賜り、入場制限なく入学式を挙行することができました。

以下、式辞を送ります。


 寒さと暖かさが交互に行き交いながらも、木々が芽吹き、春の訪れを感じるこの佳き日に、埼玉県立大宮工業高等学校第78回入学式を挙行できますことは、本校関係者一同大きな喜びです。
 ご臨席いただきました、来賓の同窓会会長 野澤 孝道 様、そして、保護者の皆様に御礼申し上げます。

 ただ今、入学を許可しました236名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。在校生、同窓会、教職員一同、心から皆さんを歓迎します。
 
 新入生の皆さん、コロナ禍の中で試練を乗り越えてきたことと思います。中学校生活も思うように行かないことがあったでしょう。よく頑張りましたね。

また、保護者の皆様方におかれましても、お子様を励ましながらのことと思います。御入学、おめでとうございます。お子様が、これから更に成長していけるよう、精一杯努めさせていただきます。

 さて、本校は、大正十四年に、大宮町立工業学校として、大宮の地への設置が認可され、この九七年の間に、校訓である「至誠一貫」「質実剛健」のもと、生徒たちの力を引き出し、鍛え、常に日本の工業界をリードする人財を育ててまいりました。

 新入生の皆さんには、本校で、確かな学力に加え、社会人としての豊かな教養、そしてエンジニアとしての、知識と技術を身につけてもらいたいと思います。

 本校での学校生活は、皆さんの生涯の中でも、極めて大切な時間になるものと思います。

 そこで、これから始まる学校生活で、心がけてほしいことを、ひとつお話しします。

 それは、「自分が好きなことだから、得をするからやる」、とか「自分には関係ないから、面白くないから、損をするからやらない」、という区別をつけないということです。

 学校は、誰かがやってくれているからうまくいっていることや、みんなの協力で実現してきたことがたくさんあります。
 自分が所属している集団の一員として貢献する意欲や行動が、みんなが快適に、楽しく充実した生活につながり、各自の成長を促すものとなってきました。これは、小学校、中学校、そして高校も同じです。

 個人の損得ではなく、チームや集団のためにどう貢献していくかを考えて行動できること。また、集団の中で、切磋琢磨して互いを成長させていくことも大事です。

 このことは、将来、社会の一員として自立していくために、高校生活の中で、あらためて学んで欲しいことです。

 工業高校で学び身に着ける、知識や技術は、社会のために役立つものであることに価値があります。
 これから、本校で学ぶ皆さんの成長を大いに期待しています。

 最後に保護者の皆さまに、お願いです。高校生活は3年間で一つのものとなっています。たくましく、成長していくお子さんを、どうぞ見守ってあげてください。ときには困って、相談にくることがあるかもしれません。そんなときは、まずは話をよく聞いて受け止めてあげてください。きっとお子様の自立を支える大切な時間となるはずです。

 本校の教職員は、時には寄り添い、時には高いハードルを用意して全力で生徒の成長を支えます。御家庭と学校とが互いの役割を理解し合うことが、生徒を大人へと成長させ、進路希望を実現させる近道だと考えます。
 どうか皆様方におかれましても、本校を信頼していただき、力強いご支援、ご協力をいただけますようお願い申し上げます。

 結びに、新入生の皆さんが元気に活躍することを期待するとともに、保護者の皆様の益々のご健勝、ご発展をご祈念申し上げ、式辞といたします。

【全・定】令和5年度1学期始業式・校長講話(概要)

 あらためまして、おはようございます。
いま、着任式をおえました。皆さんにとって、新たな出会いですね。
一方で、大宮工業高校を転出した先生方もいらっしゃいます。信頼していた先生が異動となり、寂しいと思っている人もいるでしょう。そう思えるのは、貴重なとてもよい出会いだったということ。
異動した先生への恩返しとして、教えてもらったことを大切にして、自分を更に成長させてください。

ところで、人との出会いは、ときとして、人生を変えてしまうほど影響のあるものです。私は、高校生のときが、様々な出会いの始まりだったと感じています。
それは、尊敬できる友人やクラス担任の先生に出会えたことで、肉体的にも精神的にも大きく成長する時期に、こんな面白いことを考えている人がいるのだ、という刺激を受けたことでした。

大宮工業高校も同じです。それは、皆さんが求めてここに集まったということ。
ここで勉強したい という、同じ思いをもって集まった皆さんですね。
目的や興味・関心を 同じくして集まった仲間は、お互いによい刺激を受けます。
それは、偶然の出会いから、必然の出会いに変わっていきます。皆さんには、よい出会いを求めて、自分の興味関心をもとに仲間を拡げていって欲しいと思います。

さて、一つ話します。
・それは、令和5年度のスタートに向けて、「目標は 実力より高く」という話です。

・夜10時から、テレビ朝日の「報道ステーション」という番組で、キャスターをつとめている大越さんのお話しが、新聞にでていました

・大越さんは、少年時代から大学まで 野球に打ち込んでいたそうです。この経験のなかで、監督から教わったことが 常に自分への 戒めになっているとのこと。

その 内容とは、
新聞の記事を読みますね


>記事引用(はじまり)

・平凡な内野ゴロを打ってしまったとき、それでもうまくすれば、内野安打になるかもしれないし、相手がエラーするかもしれません。少しでも早く 1塁ベースに到達するためには どうすればよいか。そこで、監督から 口を酸っぱくして言われたのが、

「1塁ベースの2~3メートル先をベースと思え」 という言葉です。
 1塁ベースそのものを目標にすると、直前でスピードが落ちてしまうし、気持ちが勝って ヘッドスライディングをするのも得策ではない、と教わりました。

 1塁ベースの その先を目指して走ることで、スピードを落とすことなく本物のベースを かける抜けることができるというわけです。

>記事引用(おわり)


・この監督のアドバイスを、大越さんは、野球以外のところでも自分への戒めにしてきたそうです。

・これは、みなさんにしてみたら、

 勉強も部活も 自分が思っているレベルより 上を目指して 頑張れ、ということ。

 例えば、部活でいうと、県大会にでたいと思って練習してきたひとは、県大会決めの試合で、勝てるかどうかギリギリのところとなってしまう。
 そこで、県大会にでたいのであれば、その先、県のベスト8やベスト4に入りたいなど、目標はその先に設定することが大事です。
 インターハイに出たいと思うのであれば、インハイに出てどうしたいかを目標にするべきです。
 就職、進学の試験で 全力をだすためには、事前の準備をこれくらいでいいか、ということではなく、より内容を充実させて、レベルを上げて 準備にあたれ ということ

 日ごろから、どう思っているか という意識が、行動につながります
 そう思うことで、練習メニューや 日頃の生活態度まで、変わってくる

 これは、日ごろから どう思っているかが、勉強や練習の内容に反映されて、実力に差がつくということ
 このことを1年、2年とつづけたら、その差はとても大きなものとなります


 精一杯頑張れるよう、みなさんは、自分のゴールを低くみないで、より高いところに設定して欲しいと思います

 そして、そのときに大事なことは、自分一人で決めないということ。みなさんのことをよく知っている、先生に相談して目標設定することが大事です。

 目標を高く持つ人は、行動が変わり、より高い実力が身につきます
 本当はもっとやれたのに、という後悔をするな

 今日から始めれば、まだまだ間に合う、新入生にその背中を見せてほしい
 「目標は 実力より高く」、自分のことを見つめなおしてください

今日は、「出会いの素晴らしさ」、 、そして「目標は、実力より高く」について、話しました。

 この後は、入学式。2年の皆さん、先生方、会場の設営ありがとうございます。
新入生は、先輩をお手本にします。目標をもって頑張る先輩の姿を見せてください。一生懸命やる人は、信頼され、尊敬されます。後輩とよい出会いになるよう、意識して行動してください。

【式辞・講話等(全日制)】令和4年度卒業証書授与式 式辞(要旨)

やわらかな、春の日差しの中、木々のつぼみも、日に日に膨らみ始め、春爛漫の日の近いことを思わせる季節になりました。

この春のよき日に、保護者の皆様のご臨席のもと、令和四年度埼玉県立大宮工業高等学校卒業証書授与式を挙行できますことは、卒業生はもとより、本校教職員、在校生一同の大きな喜びとするところであります。
ご臨席賜りました保護者の皆様に、心より御礼を申し上げます。

保護者の皆様におかれましては、お子様の高校卒業の晴れやかな姿をご覧になり、喜びもひとしおのことと、拝察申し上げます。
高校時代は、心・技・体ともに、人生の中で最も成長する時期であると同時に、不安定な時期でもありましたが、保護者の皆様の温かい愛情が実り、お子様は、ご覧のとおり、立派に成長され、本日ここに、卒業の日を迎えられました。
お子様のご卒業、誠におめでとうございます。心よりお祝いを申し上げます。

さて、ただいま、卒業証書を授与いたしました卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
卒業生の皆さんは、入学してから今日まで、本校の校訓「至誠一貫」「質実剛健」のもと、夢を持ち、失敗を恐れず、学校生活に一生懸命に取り組んできました。
勉強はもちろんのこと、学校行事や部活動、資格取得、各種コンテストなど、さまざまな夢や目標に向かって挑戦してきました。
強歩大会や体育祭、宮工祭などの行事では、クラスや学科、あるいは生徒会や部活動などで取り組み、仲間との強い絆を築くとともに、人間性を磨いてきました。
資格取得では、数多くの国家資格に合格するとともに、ジュニア・マイスターの称号を取得するなど、他に類を見ない大きな成果をあげてきました。
部活動では、仲間とともに暗くなるまで練習に励み、休日も返上して汗を流し、本校が文武ともに極めて優れた学校であることを証明してくれました。
このような日々を送る中では、さぞかし辛いこともあったと思います。
惜しくも敗れ、流した悔し涙、その辛さを乗り越え、目的を達成したときの歓び、その経験こそ、これからの人生の最高の宝物になるはずです。
その経験や思い出を、いつまでも大切に、胸に刻んでおいてください。
そして、いつも皆さんを見守り、励まし、支えてくださった、家族や先生方、仲間、後輩たちがいたことを忘れないでください。

振り返ると、皆さんの高校生活は、新型コロナウイルスに翻弄され、これまでとは異なる様々な対応が迫られる辛く厳しい時間でした。
そして、新型コロナウイルスへの対応に加え、ロシアのウクライナへの侵攻は、今もなお世界経済に大きな影響を与え続けています。
これから先も、どのような状況になるか予断の許さないピンチの状態が続くかもしれません。

しかし、皆さんも感じていると思いますが、このような大きな社会問題が起こったときには、必ず社会が大きく変わります。
そして、社会が大きく変わる時には、たくさんのチャンスが訪れます。
まさに「ピンチはチャンス」です。
このようなピンチは突如起こります。
そのピンチをチャンスとして捉えることができるかどうか、訪れているチャンスに気がつくかどうかは、皆さん次第です。
また、チャンスに気が付いても、自分自身に力がなければ、そのチャンスを逃してしまいます。
チャンスをものにするために必要なことは、備えること、力を蓄えることです。

高校を卒業し、また、成人となったといっても、皆さんはまだまだ未熟です。
これから先も、好奇心を持って様々なことを見つめ、学び続け、力を蓄えていってください。
その皆さんが、溢れる希望を胸に抱き、本日をもって、この大宮工業高校から、新たなる社会へ、羽ばたいていくことに、大きな寂しさを禁じ得ません。

今ここに、万感の思いを込めて、そして、皆さんのこれからの長い人生における人生訓として活かせるよう、皆さんへ二つの餞の言葉を贈りたいと思います。

一つは、「自分に負けるな!」という言葉です。

頑張っていれば、いつか報われる。
持ち続けていれば、夢はかなう。
そんなのは幻想だ。
たいてい、努力は報われない。
たいてい、正義は勝てやしない。
たいてい、夢はかなわない。
そんなこと、現実の世の中ではよくあることだ。
けれど、それがどうした?
スタートはそこからだ。
技術開発は失敗が99%。
新しいことをやれば、必ずしくじる。
腹が立つ。
だから、寝る時間、食う時間を惜しんで、何度でもやる。
さあ、きのうまでの自分を越えろ。
負けるもんか。

これは、ホンダの創業者 本田宗一郎さん の言葉をもとに、十年ほど前につくられたホンダのコマーシャルで使われた言葉です。

努力は報われない。正義は勝てない。夢はかなわない。と諦めるのではなく、そこがスタートなのだと奮起して、失敗と成功を繰り返し、成功するまで決して諦めない「自己に打ち勝つ不屈の精神」。最後の「負けるもんか」という言葉は、誰かに対しての言葉ではなく、自分に対しての言葉、すなわち「自分に負けるな!」という思いが込められた言葉であると思います。

もう一つは、「優しくあれ! 心強くあれ!」という言葉です。

技術は人のためにある。その先の人を想い描いて もの を作れ。

これも、本田宗一郎さん の言葉ですが、本田宗一郎さん は、次のような言葉も残されています。

学問なり、技術があるということは、立派なことには、ちがいないが、それを人間のために有効に使って始めて、優れた人間だ ということができるのだと思う。

皆さんは、高校生活の中で、多くの知識や技術を学んできました。
そして、その知識や技術を基盤に、これからも、さらなる精進を重ね、立派な社会人になっていくのだろうと思います。

本田宗一郎さんが言われるように、皆さんが持つ知識や技術は、自分のためだけでなく、人のため、社会のため、世界や地球のために、役立たせてこそ、価値があり、その役割を果たすことができます。
そのためには、相手の気持ちや、立場に立って考えること。行動することが大切です。

その基本は、「優しさ」です。
そして、優しくあるためには、「心の強さ」が必要です。
心が強くなければ、優しさは甘さになりかねません。
心が強くなければ、人や社会を優しく包むことはできません。
どのようなことがあっても、挫けることのない強い心。
たゆまぬ努力を重ね前に進もうとする強い心。
本当の優しさは強い心に宿ります。

「自分に負けるな!」は、本校の校訓「質実剛健」につながる言葉、そして、「優しくあれ! 心強くあれ!」は、本校のもう一つの校訓「至誠一貫」につながる言葉です。
この「自分に負けるな!」「優しくあれ! 心強くあれ!」という二つの言葉が、本校の校訓「質実剛健」「至誠一貫」とともに、皆さんが長い人生を力強く歩むための糧となれば幸いです。

いよいよ本日をもって、皆さんは、大宮工業高校から新たなる社会に向けて羽ばたきます。
皆さんは、時流に流される人ではなく、本校のDNAが宿る「時流を読み、新しい時代を創る人たち」です。
社会の変化や、技術の進歩をしっかり見つめ、感じ、考え、行動できる、新しい時代を切り拓く、優しく健康で、人間性豊かな社会人として活躍されることを心から期待しています。

最後になりましたが、保護者の皆様におかれましては、本校の教育活動につきまして、格別のご支援、ご協力をいただき、誠にありがとうございました。
時には、至らぬことや、ご心配をおかけしたこともあったかと存じますが、暖かく見守っていただいきましたことに、心より感謝を申し上げます。そして、改めて、お子様のご卒業を心よりお祝い申し上げます。

結びに、本日ここに、ご卒業される卒業生の皆さんが、前途洋々たる人生を、正々堂々、そして、楽しみながら歩んでいくことを心より祈念し、式辞といたします。
卒業生の皆さん、本校の生徒でいてくれてありがとう。ご卒業おめでとうございます。

令和5年3月10日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清水雅己

【式辞・講話等(全日制)】令和4年度第3学期始業式 式辞(要旨)

あけまして、おめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
また、新成人となられた皆さん、おめでとうございます。新成人となられた皆さんの、これからのさらなるご活躍を心より祈念いたします。

いよいよ令和5年がスタートしました。
今年の正月は、天候にも恵まれ、暖かく穏やかに新年を迎えることができたのではないかと思います。皆さんは少しはゆっくり過ごすことができたでしょうか。

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中での冬休みでしたので、なかなか思い切ってというわけにはいかなかったかもしれませんが、事故等の報告は入っておりませんので、有意義な冬休みを過ごすことができたのではないかと思います。

私自身は、少し時間がありましたので、例年通り元旦に買い込んだ7社の新聞の読み比べをしてみました。
元旦の記事だけの話ではありませんが、同じ出来事であっても、新聞社によって視点が異なるため、何紙もの新聞を読むことによってその出来事を多角的に捉えることができ、面白くもなります。

日頃私たちは、主にテレビやネットなどから様々な情報を得ていますが、1つの情報を鵜呑みにするのではなく、できるだけ多くの情報の確認し、適切に理解・解釈・分析する力を身に付けておかなければならないと思います。

さて、今日は元旦の新聞に同梱されていた新聞広告の中で、印象に残った広告を紹介したいと思います。

昨年は、日本自動車工業会をはじめとした自動車5団体の広告、クルマを走らせる550万人の「私たちは、できる。」という広告を紹介しましたが、今年は、集英社の広告を紹介します。

この広告には大きな文字で「もっと もっと おもしろく。」というキャッチコピーが書かれています。
この「もっともっと おもしろく。」というキャッチコピーの上には、少し小さな文字で、

新しいことが 必ずおもしろい訳じゃない。
ただ、おもしろいものは 必ずどこか新しい。
回り道をたくさんしよう。
ギリギリで生まれるひらめきを信じよう。
昨日とちがう答えを見つけよう。
集英社は今日も考える。
ワクワクで、ドキドキで、ゾクゾクで。
キミの心を高鳴らせるため。

と書かれています。

これを読んで、何となく元気をもらった気がしました。
また、これを読んで「面白い」とはどのような意味を持っているのかを、また「楽しい」との違いを調べてみようと思いました。

「楽しい」は、満ち足りていて愉快な気持ちを意味し、「面白い」は、目の前が明るくなるほど心惹かれる様子を意味するようです。
どちらもプラスの意味を持つ明るい表現です。

さらに調べてみると、
「楽しい」は、感覚的であり、深く考えるよりも感情が先に動いているような様子を表現し、「面白い」は、知的好奇心に溢れ、興味深いものである様子を表現するようです。

ドラマや映画の「ガリレオ」シリーズでの福山雅治さんが演じる湯川先生のセリフ「実に面白い」でもその意味が解ると思います。言い換えると「実に興味深い」になるのではないでしょうか。

この文を私なりに工業的?に解釈すると、

「新しいことが 必ずおもしろい訳じゃない。」は、「新しいものをつくることが目的ではない。」

「ただ、おもしろいものは 必ずどこか新しい。」は。「もっと便利に!もっと豊かに!もっとおもしろく!を追及していくと、結果として新しいものが生まれてくる。」

「回り道をたくさんしよう。」は、「手段や方法はたくさんある。考えれば考えるだけ答えがある。」

「ギリギリで生まれるひらめきを信じよう。」は、「考え続けていなければひらめきは生まれない。ひらめきが生まれるまで諦めず考え続けよう。」

「昨日とちがう答えを見つけよう。」は、「1つの答えで満足することなく、より最適な答えを探し続けよう。」

まとめてみると、

新しいものをつくることが目的ではない。
もっと便利に!もっと豊かに!もっとおもしろく!を追及していくと、結果として新しいものが生まれてくる。
手段や方法はたくさんある。
考えれば考えるだけ答えがある。
考え続けていなければひらめきは生まれない。
ひらめきが生まれるまで諦めず考え続けよう。
1つの答えで満足することなく、より最適な答えを探し続けよう。

となります。

工業高校で学ぶ皆さんには、ぜひこのことを意識してもらいたいと思います。仲間と共有して、協働して最適な答えを探し続けてもらいたいと思います。
そして、このことを念頭に置き、勉強に、部活動に、高校生活に励んでもらいたいと思います。

おわりに、新型コロナウイルスの感染拡大は、未だ予断の許さない状況にあります。
また、インフルエンザも流行り始めているようです。
引き続き、適切な感染防止対策をお願いします。

それでは、令和4年度第3学期が、そして、令和5年の1年が、皆さんにとって充実したものとなることを願い、私の話を終ります。今年もよろしくお願いします。

令和5年1月10日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清水 雅己

【式辞・講話等(全日制)】令和4年度第2学期終業式 式辞(要旨)

おはようございます。

はじめに御礼を申し上げたいと思います。
今日のようなオンラインによる式典などのために、建築科の3年生の皆さんが、ピン止め用スタンドをつくってくれました。
先日の学校説明会でも使わせてもらいましたが、とても便利に使わせてもらっています。
製作にあたってくれた生徒の皆さん、ありがとうございました。

さて、2学期も今日で終わりになります。
2学期は、3年生にとっては、就職試験や大学、専門学校の入試など、進路実現に向けての活動で大変な学期だった思います。
そして、全校的には、新型コロナウイルス禍の中での、体育祭や宮工祭、強歩大会、2年生はインターンシップもあるなど、学校行事が多く、1年間で一番多忙な学期であるとともに、充実した学期であったと思います。
その中で、本当に多くの活躍がありました。きっと皆さん全員が大きく成長した学期であったと思います。
その意味でも、この2学期間、そして、この令和4年の1年間、本当にお疲れ様でした。

今日は、この1年の皆さんの成長を振り返ったり、3年後に迎える100周年や4年後の新校の開校に向けて、いろいろなことを考えている中で思ったことを話したいと思います。
いろいろなこととは、「工業高校の役割って何だろうか」とか、「工業高校が育成しなければならない人財って何だろうか」など、少し哲学的?なことです。

私たちは毎日、当たり前のように整備された道を歩き、電車や自動車、自転車などに乗り移動しています。
駅や大型店舗では、階段よりもエレベーターやエスカレーターを好んで乗っています。
雨風がしのげる家に住んでいます。
電気やガスを使っています。
メールやLINEでメッセージを伝えあっています。
ちょっとでも時間があればネットを使っています。
電車の中では、ケータイを手にしていない人はいないほどです。
人によって求めるものや、その要求は異なるため、満足度に差はありますが、基本的には不自由なく生活しています。

そして、このような当たり前の生活ができなくなると、ニュースにも報じられるほど大問題になったりします。
このような皆さんが当たり前に生活するための “ものや社会的基盤(社会インフラ)”は、誰かが考え、つくり、守ってくれているからこそ、当たり前に生活することができています。

でも、私たちは、誰が電車や自動車、自転車をはじめとする“もの”をつくっているのか知りません。
誰が電気やガスを送り届けてくれているのか知りません。
誰が社会インフラを守ってくれているのかを知りません。
感謝をすることなく、それが当たり前のことだと思っています。
というよりも意識さえしていません。

しかし、名も知らない方々が、私たちが当たり前に生活できるための“ものや社会インフラ”を考え、つくり、守ってくれています。

その方々のことを私たちは技術者(エンジニア)と呼んでいます。

その技術者(エンジニア)こそ、工業高校が育成しなければならない人財であり、その人財育成が工業高校の役割であると思います。

そのようなことを考えている中で、あるコマーシャルを思い出しました。
そのコマーシャルの中で流れている曲を聞いてください。

みえない 時間に、みえない 場所で、みえない 誰かを想い、目立たず 知られず、でも ララララ、それで それで いいんだ

いえない 言葉と、たえない願いと、きえない 誇りを胸に、目立たず 知られず、でも ララララ、それで それでいいんだ

工業高校の出身で、技術者を目指し、工業という分野で生きてきた私には、とても心に響くコマーシャルでした。

これは、今から6年前に放送された三菱電機ビルソリューションズ株式会社(当時は、「三菱電機ビルテクノサービス株式会社」)のコマーシャルです。この会社のHPには、

当社社員のみならず誰もが元気になり、 自分の仕事や会社がより一層好きになれるようにと考え制作しました。
“人知れず、一生懸命に働く全ての人に向けて”、奇妙 礼太郎(きみょう れいたろう)さんらしい熱く心に響く歌声で歌い上げています。
また、このCMには、出演者に当社社員を起用しています。エレベーターや空調設備などのビル設備のメンテナンスを実際に行っている現場のエンジニアたちの真摯に取り組む姿勢と、当社の「安全」「安心」に対するこだわりを訴求(そきゅう)いたします。

と、このコマーシャルの制作に対する会社としての想いが綴られています。

それでは、生徒手帳を出してください。
表紙には、本校の校訓である「至誠一貫」と「質実剛健」の文字が大きく書かれています。
そして、その下に、

至誠一貫は 私達の本領であり、校旗は希望の標示である。今 この校旗のもとに 私達は一致団結して 質実剛健の精神を養い 清風な校風をつちかうことを誓う。

と、書かれています。

本領とは、「そのものの特色や本質」を意味していますのす。

この「至誠一貫」こそが、大宮工業高校の本質であり、その本質を見失わないように、「質実剛健」の精神や姿勢を培うことを誓っています。

次に、皆さんはあまり意識していないかもしれませんが、本校の「教育目標」を改めて伝えたいと思います。
「教育目標」とは、皆さんを こういう人間・人物に育てる。育てたい。という学校としての目標であり、使命です。表紙をめくって、1ページ下段の枠の中を見てください。
本校の「教育目標」は、そこにある通り、

憲法・教育基本法にもとづき以下の項目をかかげる。
1 心身共に健康で 自主的精神に充ちた 積極性のある 個性豊かな魅力ある人間を育成する。
2 感受性が豊かで 思いやりのある 視野の広い 社会性を身につけた 国際社会に通用する人間を育成する。
3 現代工業の基礎的知識・技術を身につけ つねに科学的に考え 行動に当たっては 骨身を惜しまない 実学の徒を育成する。

と、定めています。

これを踏まえ、先ほど聞いてもらったコマーシャルの曲の歌詞を読んでみます。

みえない 時間に、みえない 場所で、みえない 誰かを想い、目立たず 知られず、でも ララララ、それで それで いいんだ

いえない 言葉と、たえない 願いと、きえない 誇りを胸に、目立たず 知られず、でも ララララ、それで それでいいんだ

 この“みえない 誰かを想い”は、人のために、社会のために尽くすという「至誠一貫」の精神そのものであり、
“たえない 願いと、きえない 誇り”は、「質実剛健」の姿勢でいられる源であるように思います。
そして、歌全体を通して、日本の文化ならではの奥ゆかしさを感じさせてくれます。表現は少し異なりますが、本校の校訓や教育目標を謳っているようにも感じます。

皆さんは縁あって、「至誠一貫」「質実剛健」を校訓とするこの大宮工業高校で学んでいます。3年間この「至誠一貫」「質実剛健」の校訓のもとで学んでいます。
今一度この「至誠一貫」「質実剛健」をしっかりと胸に刻んでください。意識して行動してください。

そして将来、誰かに、あなたの座右の銘は?と聞かれたときに、「至誠一貫と質実剛健です!」と、胸を張って言える人間に成長してください。

以上が、いろいろなことを考えている中で思ったことです。

最後にお願いです。
最近、憤りを覚えるような事件や辛く悲しい事故の報道が耳に入ってきます。
やるせない気持ちになったり、悩んだり、不安になったりすることもあるかもしれません。
誰にでも悩みや不安はあります。悩みや不安がない人なんていません。

その悩みや不安を一人で抱え込まず、家族、先生、スクールカウンセラー、友達、私でも構いません。誰でもいいですから話してみてください。
必ず味方になってくれる人がいます。
周りの人に話しづらいときには、電話やメール、ネットで相談できる窓口もあります。
必ず、誰かに、どこかに話してみてください。

また、もし周りに元気のない友達がいたら、積極的に声をかけてあげてください。そして、大人につないでください。
お願いです。自分を大切にしてください。友達を大切にしてください。命を大切にしてください。

結びに、新型コロナウイルスの新規感染者数が急増しているようです。
その中で、年末年始に、家族や友達と出かける機会も多くなると思います。
出かけるなと言うことではありません。引き続き、3密の回避、手洗い・手指消毒、適切なマスクの着用などの基本的な感染防止対策に努めてください。

それでは、三学期の始業式、1月10日に、全員そろって、笑顔で会いたいと思います。
どうぞ良い年をお迎えください。

令和4年12月23日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清水 雅己

【式辞・講話等(全日制)】令和4年度第2学期始業式 式辞(要旨)

おはようございます。

今年の夏休みもコロナ禍ではありましたが、部活動をはじめ、課題研究や資格取得、コンテストなど、多くの生徒が夏休みを返上して活動し、先ほどの表彰状等の数にも表れているように、有意義で充実した夏休みを過ごしたのではないかと思います。

そして、今日、ここに始業式を迎えられたことに、まずもって感謝したいと思います。ありがとうございます。

まずはじめに、1学期の終業式で、3つの善行について紹介しましたが、この始業式でも善行について紹介したいと思います。

8月29日(月)に、地域に住まわれている女性から電話をいただきました。その内容(要旨)は次の通りです。

8月27日(土)9時頃、本校近くの交差点で自転車で転んでしまい、足をケガして動けなくなっていたところを、大宮工業高校の男子生徒に助けてもらった。
その生徒は自転車を起こしてくれた上に、お水まで買って持ってきてくれた。

その生徒の行動に大変感謝し、御礼をと思い電話したとのことでした。
そして、その女性は妊婦さんで、その後体調に問題はないとのことでした。

生徒の名前は聞くことができなかったとのことですが、髪の短い爽やかな生徒であったとのことです。

人が困っているとき、その人に身を案じ、すぐに行動を起こすことができる生徒。なかなかできることではなく、これぞ宮工の生徒。まさに、本校の誇りです。いつも思っていることですが、本当に凄い生徒たちだな、凄い学校だなと素直に嬉しくなってきます。

名前はわかりませんが、その生徒の優しさと行動力に、心より敬意を表します。ぜひ、該当する生徒は、校長室を訪ねてもらいたいと思います。

さて、今日は、「能力」と「熱意」と「考え方」について話したいと思います。

皆さんも多忙な夏休みを過ごしたと思いますが、先生方も進路指導や部活動、課題研究などの支援や指導、出張や会議、教材研究、2学期の準備など、むしろ学期中よりも夏休みの方が多忙な日々が続いていたように思います。

私自身も、学校の外で行われた会議などに出席するため、あまり学校にいることができませんでした。
それらの会議で多く耳にしたのは、私たちを取り巻く社会が急激に変化しているということです。

その代表的なキーワードは、AI、IoT、ビッグデータ、ロボット、そして、Society5.0。このSociety5.0が目指すものは、

・IoTですべての人とモノがつながり、新たな価値が生まれる社会
・AIにより、必要な情報が必要な時に提供される社会
・ロボットや自動走行車などの技術で、人の可能性が広がる社会
・イノベーションにより、様々なニーズに対応できる社会

例えば、自動車産業やロボット産業と、IoTやAIなどの結び付きによる社会の変革(イノベーション)を通じて、社会が抱える問題を解決していくことです。

その反面、今ある職業がなくなったり、新たな職業が生まれたり、価値観が変わったり、大きな変化がもたらされるということです。
このような変化の激しい時代を幸せに生きていくことは大変なことかもしれませんが、変化が大きければ大きいほど、何かを産み出すチャンスも多くなり、大変であればあるほど、厳しければ厳しいほど、遣り甲斐があり、楽しくもあると思います。

大切なことは、チャンスをチャンスとして捉えられるかどうか、捉えられたときに解決策を産み出し、必要なものを創り出すことができるかどうかです。

そのために必要な要素は、「能力」と「熱意」と「考え方」であると言われています。

1つ目の「能力」とは、物事を成し遂げることのできる力のこと。
日頃、学校で学んでいる国語や数学をはじめとする普通科目、専門科目、部活動や趣味など、その一つ一つが皆さんの「能力」を高める要素です。

この「能力」には、プラスはあってもマイナスはありません。学べば学ぶほど、やればやるほど高まります。

2つ目の「熱意」。
少しニュアンスが違うかもしれませんが、「やる気」や「モチベーション」と捉えてもらってもいいでしょう。
この「熱意」も「能力」と同じで、プラスはあってもマイナスはありません。いかに高めることができるかが大切になります。

「やる気スイッチ」という言葉を聞くこともありますが、やる気スイッチをONにするためにも、具体的な「夢」や「目標」を持つことは極めて重要なことです。

そして、3つ目の「考え方」。
この「考え方」には、プラスもあれば、マイナスもあります。
大切なことは、ものごとを悲観的に捉えるのではなく、「何とかしたい」「何とかしよう」「何とかなる」とプラスに考えること、人や自分、人生に対する肯定的な見方、人やモノに対する感謝の心、人や社会に貢献しようとするプラスの考えです。

とは言っても、物事をプラスに考えることは意外と難しいことです。そのためにも、自分に自信が持てるように「能力」を高めることは、とても重要なことです。

先ほども、ふれましたが、「能力」にはプラスはあってもマイナスはなく、学べば学ぶほど、やればやるほど高まります。

これら「能力」と「熱意」と「考え方」が、皆さん自身の中で、互いに融合し合うことにより、これからの変化の激しい時代を幸せに生きていくことができるようになると思います。

この「能力」と「熱意」と「考え方」を用いた有名な方程式がありますので紹介したいと思います。
その方程式を、一昨日訃報が報じられましたが、京セラや第二電電(現・KDDI)の創業者で、「経営の神様」と呼ばれた 稲盛和夫さんは、人生や仕事の結果は、「能力」と「熱意」と「考え方」の3つの要素の掛け算で決まると言っています。

式で表すと、

人生・仕事の結果 = 能力 × 熱意× 考え方

になります。式としては、3つの要素を掛け合わせただけの簡単な式ですので、ぜひ覚えておいてもらいたいと思います。

夏休みが終わり、いよいよ今日から2学期です。
2学期は、勉強だけでなく、体育祭や宮工祭、スポーツや文化活動にと皆さんが、さらなる成長を遂げる大切な学期です。

そのためにも、今紹介した「能力」と「熱意」と「考え方」の3つの要素と、この方程式を常に意識して、自らをさらに高められるよう努力してもらいたいと思います。

おわりに、夏休み中にも準備を進めてもらいましたが、2学期は3年生にとって、進路実現に向けた最も重要な学期となります。
大学や専門学校の推薦入試やAO入試は、既に始まっています。
そして、就職希望の皆さんは、2週間後の9月16日から採用試験が始まります。

採用試験を受験する人の中には、

・採用してもらえるのだろうか?
・この会社でやっていけるだろうか?
・会社に入れても、自分がやりたい仕事に就けるのだろうか?
・この会社は自分に向いているのだろうか?

そのようなことを考え、不安な日々を送っている人がいるかもしれません。

人は、人生の節目を迎え、ことを決める時には、誰だって心が揺れ動きます。それは自然なことであり、当たり前なことです。

しかし、それから逃げていては、何の解決にもなりません。
これは、就職希望者だけでなく、進学希望者にも言えることですが、大切なことは、

・腹をくくること。
・何が何でもこの会社に、この学校に入るんだという強い意志を持つこと。
・そして、自分がそこで何をやりたいのか、何をやろうとしているのかを自分の言葉で明確に言えるようにしておくことです。

いよいよ進路実現に向け、大きな一歩を踏み出す時がやってきました。
頭の中を整理し、体調を整え、万全な状態で臨んでください。
就職・進学ともに、3年生全員が第1希望の進路実現が叶うよう、ぬかりなく準備を進めてください。
3年生の皆さん、頑張ってください。皆さんからの吉報を待っています。

そして、1・2年生の皆さんには、進路実現に向かって頑張っている3年生の姿を、その目にしっかりと焼き付け、来たるべき時に備えてもらいたいと思います。

最後に、お願いです。
様々な制限が緩和されつつありますが、新型コロナウイルスは未だ猛威を振るっています。
周囲の人のためにも、自分のためにも、くれぐれも気をつけて、引き続き節度ある行動をお願いします。
それでは、この2学期が皆さんにとって、充実した学期となることを期待して、私の話を終ります。2学期も頑張っていきましょう!


令和4年9月1日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清 水 雅 己

【式辞・講話等(全日制)】令和4年度第1学期終業式 式辞(要旨)

おはようございます。早いもので、今日で1学期も終了です。
この1学期間、いろいろなことがありましたが、改めて、皆さんの凄さ、素晴らしさに感心しています。

それは、今日を含め、これまでの表彰式での表彰状の数にも表れていると思います。
これだけ多くの表彰状が授与される生徒が在籍する学校は、他に類を見ないものであり、とても誇りに思うことです。
これは、日々のたゆまぬ努力の成果であると思います。
ぜひこれからも、さらなる高みを目指して、励んでもらいたいと思います。

そして、先ほど壮行会を行いましたが、自転車競技部の皆さんには、夏休み中に開催されるインターハイで、日頃の厳しい練習の成果を遺憾なく発揮し、納得のいく成果をあげてもらいたいと思います。期待しています。


この1学期は、ある意味で記念すべき1学期でもありました。
それは、雨天ではありましたが、5月27日に全学年の遠足が実施できたこと。
6月22日~24日に2泊3日の3年生の修学旅行ができたこと。
そして、7月8日には、全校生徒が一堂に会する芸術鑑賞会ができたこと。
当たり前のことですが、当たり前のことができなかったこの3年間の中で、記念すべき1学期だったと思います。
これも、皆さんが感染防止対策にしっかり取り組んでくれたからこそのことと思います。
新型コロナウイルスの新規感染者が再び急拡大していますので、引き続き感染防止対策に努めてください。


そして、この1学期には、人命救助に関する3つの善行がありました。
このことは、特にすごいことだと思いますので紹介させてもらいます。

1つ目の善行です。
5月2日(月)夕方、地域にお住いの女性から学校に電話をいただきました。
その内容を要約すると、次の通りです。

大谷口のバス停付近で、血を流して倒れていたおじいさんを、本校生徒2名が躊躇なく対応し救助していた。
おじいさんは、その後救急車で運ばれて行った。
その対応している姿に感動したので報告をした。

というものです。
人通りのある中、突然おじいさんが血を流して倒れている状況を目の当たりにし、誰もが的確な行動を起こすことができるかわかりません。
そのような状況の中で、冷静に判断し、救助に当たった本校生徒2名。
生徒の名前はわかりませんが、私からも御礼を申し上げます。ありがとうございました。


2つ目の善行です。
これは、5/30に地域の方からの手紙いただき把握できたことです。
手紙の内容を読み上げます。

校長先生へ
貴校の2年生の男子生徒さんに、助けて頂きました。
昨日 5/29(日) 13:45頃、泰平保育園付近で自転車で転倒したところ、遠いながらも駆け寄ってくださいました。
後部車輪にスカートが巻きこまれ、困ってもいましたが上手にはずして下さいました。
学年は教えていただいたのですが、お名前の確認はできませんでした。
上手に御礼が言えませんでしたので、間接的ではありますが御礼を申し上げたく、手紙を書かせていただきました。
「ありがとうございました」
「折り目正しい生徒さんへ」

自転車で転倒した方を目の当たりにし、すぐに行動を起こした本校生徒。
これもまた、できそうでできない行動です。
この善行の主の名前はわかりませんが、私からも御礼を申し上げます。ありがとうございました。


3つ目の善行です。
6/21(火)夕方。地域の方から、電話が入りました。
その内容は、次の通りです。

今日、踏切内で転倒し血だらけの老人を大宮工業高校の生徒さんが躊躇せず安全な場所に避難させてくれました。
周りは女性だけだったので、とても助かりました。」というものでした。
その生徒さんは、すぐにその場を後にされましたが、名字だけは聞くことができたのでお伝えします。

というものです。
名前がわかったので、その生徒には、6/23(木)に校長室に来てもらい詳しく話を聞くことができました。
その時の状況は、東武野田線の踏切に差し掛かったところ、踏切の警報機が鳴っていた。
踏切内で数人の女性が血を流して倒れている年配の方を介抱していた。
その光景を目の当たりにし、すぐに駆け寄り、踏切の外の安全な場所に避難させた。
年配の方は、その後到着した救急車で病院に運ばれていった。
とのことでした。
その時の気持ちを尋ねたところ、自然と体が動き救助に向かった。
人助けをできてよかったと屈託のない笑顔で答えてくれました。
人が困っているとき、人の命に係わるときに、すぐに行動を起こした髙橋君。本当にありがとうございました。


今紹介した3つの善行、人命救助に当たってくれた生徒の皆さんの勇気と行動力に、心より敬意を表します。
皆さんで拍手を送りましょう!

 

さて、今日は1つの話と1つのお願いをしたいと思います。
まず、ある本の一節を紹介します。
その本は、私が高校生の時、担任の先生に勧められて読んだのが初めてですが、その後何度も読み返している本です。
それでは、その一節を聞いていてください。

ある芸ごとの名人の言葉だということだが、次のような言葉をきいたことがある。「芸ごとのコツというものは、師匠から教えてもらうものではない。盗むものなのだ」というのである。教える側よりも習う側に、それだけの積極的意欲がなくては、何事も上達するものではない。とう意味であろう。
芸ごとと学問とでは、事情が違うところもあるが、学ぶ側の積極的意欲が根本だという点では、まったく同じだと、私は考えている。受け身では学問はできない。学問は自分がするのであって、誰かに教えてもらうものではない。
そういうことを考えると、いまの学校という制度は、学問や芸ごとを学ぶには、必ずしも適当な施設とはいいにくい。今日(こんにち)、学校においては、先生が教えすぎるのである。親切に、あまりにも親切に、何でもかでも、教えてしまうのである。そこで学生は、教えてもらうことに慣れて、自ら学ぶことを知らない。ということになってしまう。
もし学校において、教師はできるだけ教えまいとし、学生は何とかして教師から知恵をうばいとってやろうと努める、そういう厳しい関係が成立するならば、学校というものの教育的効果は、いまの何層倍にものぼるのではないかと、わたしは想像している。いまの学校のやり方が、まったく無意味だとも思わないが、学問や芸術などの創造的な活動力を養うには、確かにあまりできのよい制度とは思われない。

というものです。
皆さんの日頃の生活を思い起こしてもらいたいと思いますが、教える側の先生方は、この本に書かれているように、わかるように、親切に、丁寧に授業をしてくださっていると思います。
それに対して、習う側、学ぶ側であるみなさんの日頃の姿勢はどうでしょうか。


この本に書かれているように、教えてもらうことに慣れて、自ら学ぶことを知らない。という状態になっていないでしょうか。
わからないということを人のせいにしていないでしょうか。積極的意欲をもって、自ら学ぼうとしているでしょうか。いまの自分自身の状態を振り返ってみてもらいたいと思います。

この本は、京都大学の名誉教授で、生態学者、民族学者、情報学者、未来学者である 梅棹忠夫さんが、1969年に書いた「知的生産の技術」という本です。出版後、94刷も改版されている本です。

今から約50年も前に梅棹さんは、このようなことを指摘しています。
ということは、約50年前の生徒も、いまの皆さんと同じような状態であったとも言えると思いますが、これまでの社会は、品質の良いものを大量に生産し、社会全体が同じように成長していく時代でしたので、教えてもらうことに慣れて、自ら学ぶことを知らないという受け身の姿勢であっても、何とかなったのではないかと思います。

しかし、今は、急速に進むグローバル化や産業構造の変化、新しいビジネスモデルの創出など、社会は激動の時代を迎えています。この流れは、今後さらに加速していくでしょう。

この激動の時代を生きる皆さんには、「やる気」や「意欲」をもって自ら学ぶ、自ら取り組もうとする「主体性」が何よりも大切になります。

この激動の時代において、皆さんには、「新たな時代を切り拓くのは、自分たちなんだ!」という志を持って、主体的に日々の学びに取り組んでもらいたいと思います。

その基盤を、自ら考え行動することができる、この夏休みに培ってください。

明日からいよいよ夏休みです。3年生は進路実現において特に重要な時期です。第一志望の企業、第一志望の学校に合格できるよう、本当の意味での進路実現100%となるよう、この夏休みも主体的に行動してもらいたいと思います。

そして、1・2年生は、3年生の先輩方の行動に学び、自らを限りなく高められるよう努めてもらいたいと思います。


最後に、お願いです。
夏休みは心が開放的になりがちで、そのため、軽はずみな行動を起こしがちです。
また、新型コロナウイルスもさらに感染が拡大していくと思います。
くれぐれも気をつけて、節度ある行動をとりつつ、楽しく充実した夏休みになることを願っています。
それでは、二学期の始業式には、全員そろって、笑顔で会いましょう!

 

令和4年7月20日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清 水 雅 己

【式辞・講話等(全日制)】令和4年度入学式 式辞(要旨)

やわらかな、春の日差しの中、若い命が躍動する、希望あふれる季節がめぐってまいりました。
ただ今、入学を許可いたしました新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
教職員、在校生を代表して、皆さんの入学を、心から歓迎いたします。

そして、今日まで様々な面で、御苦労を重ねて来られました、保護者の皆様に、お子様の御入学を、心からお祝い申し上げます。

さて、本校は、大正十四年に、大宮町立工業学校として、大宮の地への設置が認可され、この九六年の間に、校訓である「至誠一貫」「質実剛健」のもと、生徒たちの力を引き出し、鍛え、常に日本の工業界をリードする人財を育ててまいりました。

新入生の皆さんには、本校で、確かな学力に加え、社会人としての豊かな教養、そしてエンジニアとしての、知識と技術を身につけてもらいたいと思います。

本校での学校生活は、皆さんの生涯の中でも、極めて大切な時間になるものと思います。

そこで、入学にあたり、心に留めておいていただきたい、三つのことをお話しいたします。

一つは、「夢を持て!」ということです。
その夢は、先の長い生涯をかけての夢でも、少し努力すれば手が届きそうな、目標でも構いません。
人は、常に夢や目標を持ち、それに向かって努力することで、一回りも、二回りも、成長することができます。

幸いにも、本校には、日本を代表する充実した施設・設備があり、そして何よりも、素晴らしい指導者である先生方がいます。

毎日の授業はもちろん、資格取得やコンテスト、部活動など、他に類を見ないたくさんのチャンスがあります。
このチャンスに、自ら積極的に挑戦して、夢を掴んでください。
すべては夢を持つことから始まります。
「夢を持て!」
そして、その夢や目標に向かって、たゆまぬ努力を重ねていってください。

二つめは、「失敗を恐れるな!」ということです。
先ほども、申し上げましたとおり、本校には、他に類を見ないたくさんのチャンスがあります。

そのチャンスに対して、たくさん挑戦すれば、たくさん失敗するのは当たり前です。
大切なことは、その失敗をどう捉えるか、そして、失敗しないためにどうすべきか、ということです。

まず、失敗をどう捉えるか。
「わたしは、今までに一度も失敗をしたことがない。電球が光らないという発見を、今まで、2万回したのだ」
これは、あの偉大な発明家、トーマス・エジソンの言葉です。
エジソンは、上手くいかなかった結果を「失敗」ではなく、「これでは上手くいかないという発見」と捉え、その結果を分析し、さらに研究に邁進したのです。

また、「失敗とは単に、もう一度始められるチャンスのことだ。今度は、もっと賢く行うことができる。ただ一つ、本当の失敗とは、そこから何も学ばないことだ」
これは、アメリカの自動車会社、フォードの創業者、ヘンリー・フォードの言葉です。
エジソンは、「失敗」を「これでは上手くいかないという発見」に、フォードは、「次はもっと賢く行えるチャンス」と捉えました。

このように、失敗は必ず何かを学ぶチャンスでもあります。
また、この学びは、挑戦しなければ絶対に得ることができない貴重な経験でもあります。

失敗を犯さない人はいません。失敗は成功の母、失敗は成長の糧、失敗とは、何かに挑んだ証であり、成功への通過点に過ぎません。
高校生だからこそ、失敗を恐れることなく、たくさん挑戦して、たくさん失敗してください。

その失敗を、発見やチャンスとして、前向きに捉え、「挑戦と失敗」「トライアル & エラー」を繰り返して、その先にある「成功」にたどり着いてください。

そして、失敗しないためにどうすべきか。
「たったひとりしかいない自分を、たった一度しかない人生を、ほんとうに生かさなかったら、人間、生まれてきたかいがないじゃないか。」
これは山本有三の「路傍の石」の中にある言葉です。
あまりにも有名な言葉なので、知っている人も多いことでしょう。

そして、この「路傍の石」には、このような言葉も書かれています。
「人間はな、人生という砥石で、ごしごしこすられなくちゃ、光るようにはならないんだ。」
この人生という砥石には、目の粗い砥石、細かい砥石、仕上げの砥石など様々なものがあります。

皆さんにとって、この高校生活における砥石とは、学校であり、先生方であり、先輩であり、後輩であり、仲間であり、地域や社会の方々であると思います。
その砥石を大切にし、磨き磨かれ、自分自身を光り輝かせてください。

そして、墨彩画家の ひろはま かずとし さんが執筆した「生きつづけてこそ」の中に、「あなたが、あなた自身を信じなくては、輝けるわけがありませんよ」という言葉があります。
自分自身を信じること、自信を持つということは、とても難しいことです。

しかし、自信がなければ、資格取得や、やがて訪れる就職試験、大学入試も、心配であり、実力を発揮することはできません。試合やコンテストなどで、優秀な成績を収めることはできません。

それでは、自信を持つためにはどうするか。それは、準備をする以外に、方法はありません。
準備は、自信につながるだけでなく、嘘をつかない自分を築き上げるためにも、最善の行いです。

その準備をするときは、いつか。それは、今、この時、これから始まる、この高校生の時です。
「失敗を恐れるな!」
怠ることなく準備を進め、信じられる自分、光り輝く自分を築き上げてください。

三つ目は、「優しくあれ! 精神(こころ)強くあれ!」ということです。
私は、工業とは、ただものをつくるのではなく、「人が、人として、幸せに生きていくために必要なものをつくること」だと考えています。
皆さんが、本校で学ぶ知識や技術は、自分のためだけでなく、人のため、社会のため、世界や地球のために、役立たせるためのものです。

専門的な知識や技術の先には、それを利用する「人」がいます。
いかに高度な技術を駆使したものであっても、それを使う人への、思いやりや配慮、気遣いがなければ、決して受け入れられることはありません。
相手の気持ちや、立場に立って考えること。行動すること。つくり上げること。その基本は「優しさ」です。

クラスの友人、学科や部活動の先輩、先生方をはじめとする多くの人との触れ合いの中で、心を磨き、鍛え、人としての「優しさ」を身につけていってください。

そして、優しくあるためには、「精神(こころ)の強さ」が必要です。
精神(こころ)が強くなければ、優しさは、甘さや弱さになりかねません。
精神(こころ)が強くなければ、人や社会を優しく包むことはできません。

どのようなことがあっても挫けることのない強い精神(こころ)。
たゆまぬ努力を重ね、前に進み、たどり着こうとする強い精神(こころ)。
本当の優しさは、強い精神(こころ)に宿ります。

この「優しくあれ!」は、真心をもって何事にも立ち向かうこと。誠意を貫き通すこと。という
本校の校訓「至誠一貫」に通ずる言葉であり、「精神(こころ)強くあれは!」は、中身が充実して飾り気がなく、心身ともに強くたくましいさま。という本校のもう一つの校訓「質実剛健」に通ずる言葉です。

皆さんには、本校の校訓「至誠一貫」「質実剛健」とともに、この「優しくあれ!精神(こころ)強くあれ!」という言葉を、心に深くとどめ、それぞれの夢や目標に向かって、挫けることなく、怠ることなく、邁進してもらいたいと思います。

最後になりましたが、保護者の皆様に申し上げます。
本日より、本校を巣立つその日まで、大切なお子様を、責任を持ってお預かりいたします。

お子様一人一人が持つ、資質・能力・人間性を、限りなく伸ばせるよう、私たち教職員は、全力で努めてまいります。そのため、時には、厳しく、教え、諭すこともあるでしょう。

保護者の皆様におかれましては、学校の方針を御理解いただき、御協力くださいますようお願い申し上げます。

また、お子様は、青年期の悩み多き年代にあります。保護者の皆様と本校の教職員が互いに信頼し合い、情報交換を密に行い、手を携えながら、粘り強く、お子様の成長を支援していきたいと考えておりますので、何卒、よろしくお願い申し上げます。

結びに、希望あふれる新入生の皆さんの前途を祝すとともに、本日、御多忙の中、御臨席賜りました保護者の皆様に、重ねて御礼申し上げ、式辞といたします。

 

令和4年4月8日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清 水 雅 己

【式辞・講話等(全日制)】令和4年度第1学期始業式 式辞(要旨)

おはようございます。いよいよ、今日から令和4年度が始まります。

新型コロナウイルスが未だ猛威を振るっていますが、今日この日が迎えられたれたことに、まずもって感謝したいと思います。

今ここには、2年生と3年生が顔を揃えています。
この令和4年度、2年生の皆さんは、学校の中核となって活動する、言わば学校の顔となる年次です。
そして、3年生の皆さんは、最高学年であるとともに、自らの進路実現を果たす極めて重要な年次です。

まずは、そのことをしっかり自覚し、常に意識して行動するとともに、新しく入学する後輩たちの良い先輩として、本校の良き伝統を伝え、さらに良い学校を築き上げていくための「良き手本」になってもらいたいと思います。

さて、今日は、令和4年度の始まりにあたり、3点話をしたいと思います。

1つ目は、社会の大きな変化「18歳成人」についてです。
皆さんも知っている通り、民法の改正により、今年の4月1日から、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。

そのため、今、私の目の前にいる皆さんの半数が、今年度中に新成人になります。

成人になると何が変わるか。
例としては、保護者の同意がなくても契約できる。
例えば、携帯電話の契約、ローンを組む、クレジットカードをつくる、部屋を借りる などの契約が、保護者の同意がなくてもできるようになります。
未成年では受験できなかった国家試験を受験することができる。
例えば、公認会計士、司法書士、医師、薬剤師などの受験資格に年齢制限があった国家試験を受験することができるようになります。
女性の結婚可能年齢が16歳から118歳に引き上げられ、男女とも18になります。などです。

すでに、選挙権は18歳に引き下げられていますので、選挙権につては、これまで通りです。

飲酒、喫煙、競馬・競輪・オートレース・競艇などのギャンブルは、変更なく20歳にならないとできませんので注意してください。

この中で、特に気を付けてもらいたいことは、契約の中の「保証人」についてです。
成人になると、他の人の保証人になることができます。

そのため、友達や先輩などから、「迷惑かけないから保証人なってよ」とか「ここにサインするだけでいいから」と頼まれることもあるかもしれません。
頼んだ本人は支払うつもりがなく、皆さんに払わせようとする人もいるかもしれません。
この保証人の種類には、「保証人」と「連帯保証人」があります。
特に気を付けてもらいたいのは「連帯保証人」です。

「連帯保証人」は、自分が借金したのと同様の重い責任が発生します。
場合によると、保証契約書という紙切れ1枚で人生が大きく変わってしまうこともあります。

時として法律は、知っている者だけを守り、知らない者は守ってくれません。
くれぐれも安易に契約したり、保証人なったりしないように気を付けてください。

2年生も含め、皆さんは、もうすぐに成人となります。
成人となれば、責任も重くなります。いつまでも子ども扱いしてはもらえません。そのことを十分理解してください。

そのためにも、私は、皆さんを成人として、立派な大人として扱いたい、扱わせてもらいたいと思っています。
知ちょっと古い言い方をすると、皆さんを紳士・淑女として扱いたい、扱わせてもらいたいと思っています。

成人とは、紳士・淑女、立派な大人とは、「品格がる人」を指します。


品格とは、礼儀作法やマナーがきちんとしている人。公の場でも恥ずかしくない教養のある人。見た目や行動、言葉遣いなど、その人の持つ雰囲気や周囲に良い印象を与えられる人を言います。

ぜひ、成人としての振る舞いができるように努力してください。


2つ目は、「失敗」についてです。
高校生活を送る中では、いいことも、悪いことも、成功することも失敗することもあると思います。
その中で、特に「失敗」について考えてもらいたいと思います。

失敗しない人はいません。
失敗は成功の母、失敗は成長の糧、失敗とは何かに挑んだ証などと言われることがありますが、それは、失敗から学ぼうとする姿勢や意思があるから言えることです。

その姿勢や意思がなければ、失敗は単なる失敗であって、愚かな行為となってしまいます。

ぜひ、失敗を、成功の母や、成長の糧にできるよう努力してください。

そこで、私から1つ提案させてください。
それは、「生徒手帳の活用」です。
本校の生徒手帳は、社会人がビジネスで使っているような立派な手帳です。
皆さんに、成人としての振る舞いができるようにとの願いがこもった手帳です。

提案したい活用方法というのは、カレンダーページの後にある白紙ページを「改善ノート」として使ってもらいたいということです。

使い方は、学校生活を送る中で、「失敗してしまった」と思うことがあったら、
・その失敗をメモしてください。
・そして、その失敗にどう対処するか、その考えをメモしてください。
・そして、対処した結果、フォローできたか、改善できたかをメモしてください。
・最後に、同じ失敗を繰り返さないためにどうすべきか、その決意をメモしてください。

同じ失敗を繰り返すことがないよう、失敗から学んでください。
失敗を、成功の母や、成長の糧にできるよう努力してください。

そのために、ぜひ、日頃持ち歩いている生徒手帳を、「改善ノート」として有効に活用してください。


最後に、今年度から本校が掲げる「目指す学校像」をお伝えします。
「日本を支え 世界で活躍する 人間性豊かなエンジニアの育成」です。
サブタイトルを、
「中学生に憧れを! 在校生に自信を! 卒業生に誇りを!」としました。
皆さんが日頃本校で学んでいることは、将来の日本を支えることができる知識や技術の基礎・基本です。

社会が大きく変化し、国際化が進んでいます。日本企業もどんどん海外に進出しています。
皆さんの先輩の多くの方が日本で、世界で、エンジニアとして活躍しています。

皆さんが、「日本を支え 世界で活躍する 人間性豊かなエンジニア」を目指し、様々なことにチャレンジし、一生懸命に取り組んでいけば、自分自身に自信を持つことができます。

皆さんが自信を持って行動すれば、必ず成果が表れます。
成果が表れれば、中学生の憧れになります。
卒業生の誇りなります。

皆さんの取り組みによって、大宮工業高校は、さらに発展します。
学校がさらに発展すれば、皆さん自身がさらに自信を持つことができます。
自分自身を、学校を誇りに思うことができるようになります。

皆さん自身のためにも、大宮工業高校をさらに発展させましょう。

それでは、令和4年度が、皆さんにとって充実した有意義な一年となることを祈念して、式辞といたします。
今年度も、正々堂々、明るく元気に、そして、楽しく学校生活を送りましょう。

1年間どうぞよろしくお願いいたします。

 

令和4年4月8日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清水雅己