式辞・講話等

式辞・講話等(全日制)

対面式・校長挨拶

 

みなさん、おはようございます。

生徒会の皆さん、本日の対面式、開催ありがとうございます。

2,3年生の皆さん、1年生を歓迎する側、対面式は歓迎式です。
先輩の皆さんには、是非、1年生を育ててほしい。育てるといっても、手取り足取りで、指導しろというわけではなく、頑張っている先輩の姿、背中を後輩の1年生に見せてほしい。1年生は、その先輩の姿をみて学び、成長します。
また、1年生の皆さん、入学おめでとう! 昨日の入学式は立派でしたね。
新しい環境でつかれましたか? 今日、先輩と顔を合わせて、今日からが高校生活のスタートですね。

さて、本校は、大正14年創立、今年で99年目を迎えます。
来年は100年。百周年を記念する会を開きます。
皆さんが生まれる前から、先輩が引き継いだものがあるからこそ、ここで学ぶことができます。その伝統に感謝。

ところで、伝統とは。

伝統は、老舗の鰻屋さんが大事にする「たれ」に例えられます。「たれ」は使った分だけ新しく注ぎ足し、それはやがて馴染んでその店の味となります。
学校も3年生が卒業して、新入生が入ってきます。新入生は宮工のお作法を学び、その都度、宮工を形作ります。
ここで、大事なのは、伝統といわれるものは、常に新しい存在が求められるということです。

例えば、部活動では、新入部員が入ってこないと、やがて活動がなくなってしまい、つぶれてしまいますね。

そして生徒会はいい塩梅に様々な学校行事を企画・運営して、宮工の伝統を支える存在です。


2、3年生は、1年生が入ってきたからこそ、いままで以上に、学校を面白くできるし、あとを託せる。
1年生は、2、3年生の心が広いうちに、早く、宮工生になれ。

では、大事な新入生歓迎の、対面式を始めましょう。

 

入学式・式辞


 寒さと暖かさが交互に行き交いながらも、木々が芽吹き、春の訪れを感じるこの佳き日に、埼玉県立大宮工業高等学校第79回入学式を挙行できますことは、本校関係者一同大きな喜びです。
 ご臨席いただきました、来賓の本校同窓会である大宮工業会・会長 野澤 孝道 様、そして、保護者の皆様に御礼申し上げます。

 ただ今、入学を許可しました251名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。在校生、同窓会、教職員一同、心から皆さんを歓迎します。
 
 新入生の皆さん、小学校から中学校にかけての生活は、コロナ禍の中で試練を乗り越えてきたことと思います。よく頑張りましたね。

また、保護者の皆様方におかれましても、お子様を励ましながら、ここまでこられたことと思います。本日の御入学、おめでとうございます。お子様が、これから更に成長していけるよう、精一杯努めさせていただきます。

 さて、本校は、大正十四年に、大宮町立工業学校として、大宮の地への設置が認可され、この九八年の間に、校訓である「至誠一貫」「質実剛健」のもと、生徒たちの力を引き出し、鍛え、常に日本の工業界のリーダーを育ててまいりました。

 新入生の皆さんには、本校で、確かな学力に加え、社会人としての豊かな教養、そしてエンジニアとしての、知識と技術を身につけてもらいたいと思います。
 本校での学校生活は、皆さんの生涯の中でも、極めて大切な時間になるものと思います。

 そこで、これから始まる学校生活で、心がけてほしいことを、ひとつお話しします。

 それは、「自分が好きなことだから、得をするからやる」、とか「自分には関係ないから、面白くないから、損をするからやらない」、という区別をつけないということです。

 学校は、誰かがやってくれているからうまくいっていることや、みんなの協力で実現してきたことがたくさんあります。
 自分が所属している集団の一員として貢献する意欲や行動が、みんなが快適に、楽しく充実した生活を送ることにつながっています。そして、みなさん各自の成長を促すものとなってきました。これは、小学校、中学校、そして高校も同じです。

 個人の損得ではなく、チームや集団のためにどう貢献していくかを考えて行動できること。また、集団の中で、切磋琢磨して互いを成長させていくことも大事です。

 このことは、将来、社会の一員として自立していくために、高校生活の中で、あらためて学んで欲しいことです。

 工業高校で学び身に着ける、知識や技術は、社会のために役立つものであることに価値があります。
 これから、本校で学ぶ皆さんの成長を大いに期待しています。

 最後に保護者の皆さまに、お願いです。高校生活は3年間で一つのものとなっています。たくましく、成長していくお子さんを、どうぞ見守ってあげてください。


 ときには困って、相談にくることがあるかもしれません。そんなときは、まずは話をよく聞いて受け止めてあげてください。きっとお子様の自立を支える大切な時間となるはずです。

 本校の教職員は、時には寄り添い、時には高いハードルを用意して全力で生徒の成長を支えます。御家庭と学校とが互いの役割を理解し合うことが、生徒を大人へと成長させ、進路希望を実現させる近道だと考えます。

 どうか皆様方におかれましても、本校を信頼していただき、力強いご支援、ご協力をいただけますようお願い申し上げます。

 結びに、新入生の皆さんが元気に活躍することを期待するとともに、ご来賓の野澤様、そして保護者の皆様の益々のご健勝、ご発展をご祈念申し上げ、式辞といたします。

令和六年四月八日
   埼玉県立大宮工業高等学校長   山﨑 正義
                         

1学期始業式・校長講話

 

 あらためまして、おはようございます。
いま、着任式をおえました。皆さんにとって、新たな出会いです。
一方で、大宮工業高校を転出した先生方もいらっしゃいます。信頼していた先生が異動となり、寂しいと思っている人もいるでしょう。そう思えるのは、貴重なとてもよい出会いだったということ。
異動した先生への恩返しとして、教えてもらったことを大切にして、自分を更に成長させてください。

ところで、人との出会いは、ときとして、人生を変えてしまうほど影響のあるものです。私は、高校生のときが、様々な出会いの始まりだったと感じています。
それは、尊敬できる友人やクラス担任の先生に出会えたことで、肉体的にも精神的にも大きく成長する時期に、こんな面白いことを考えている人がいるのだ、という刺激を受けたことでした。

大宮工業高校も同じです。それは、皆さんが何かを求めて、何かを希望して、ここに集まったということ。
ここで勉強したい という、同じ思いをもって集まった仲間ですね。
目的や興味・関心を 同じくして集まった仲間は、お互いによい刺激を受けます。
それは、偶然の出会いから、必然の出会いに変わっていきます。皆さんには、よい出会いを求めて、自分の興味関心をもとに仲間を拡げていって欲しいと思います。


さて、もう一つ話します。
この4月1日、合理的配慮が義務化されました。
ニュースでやっていましたね。
合理的配慮とは何か、その前に、今の日本の現状から

いま、日本では、「共生社会」の実現を目指しています。
「共生社会」という言葉を聞いたことがありますか。「共生」とは「ともにいきる」と書きます。
障害がある、なしにかかわらず、性別にもかかわらず、お年寄りも若い人も、すべての人がお互いの人権や尊厳を大切にし、支え合い、誰もが生き生きとした人生を送ることができる社会、これを「共生社会」といいます。

障害のある人もない人も、互いにその人らしさを認め合いながら、共に生きる社会、この共生社会の実現を目指しているのです。

この「共生社会」を実現していくことを目指していく中で、「不当な差別的取り扱い」を禁止し、障害のある人から申出があった場合に「合理的配慮の提供」をすることが義務化された。ということです。

「不当な差別的取り扱い」とは、例えば、お店で、車いすだからといって入店を断わったり、不動産屋さんで障害のある人向けの物件はないと言って対応しないとか、あの人は耳が不自由でよく聞こえないから話を伝えることはやめよう、ということなど、です。耳が不自由であれば、筆談で話ができますね。

 合理的配慮の義務化は、事業者に課せられているものです。
 事業者とは、会社、お店、個人事業主、ボランティア活動をするグループ、病院や学校など、日常生活を送るさまざまな場面で、対象は広いです。

 つまり、皆さんの日常でも、配慮を要する場面があるかもしれません。
また、就職した先で、インターンシップ先の企業でも関係があることです。

 合理的配慮の義務化は、共生社会の実現を目指す私たちすべてにかかわりのあることですので、意識をしなければなりません。

 また、今の教育に求められている重要なこととして、障害のある・なしに関わらず目的をもって一緒に学ぶこということが挙げられています。これを、インクルーシブ教育システムといいます。

 インクルーシブ教育については、大宮北特別支援学校と連携を図る中で、皆さんに学んでほしいと考えています。
 卒業して社会にでると、様々な人と関わりをもつようになります。「共生社会」の理念について学ぶきっかけにしてください。

今日は、「出会いの素晴らしさ」、共生社会の実現にむけた「合理的配慮の義務化」、について、話しました。

午後は、入学式。新2年生の皆さん、会場の設営ありがとうございます。
新入生は、先輩をお手本にします。目標をもって頑張る先輩の姿を見せてください。一生懸命やる人は、信頼され、尊敬されます。後輩とよい出会いになるよう、意識して行動してください。

修了式・校長講話


はじめに
 みなさん、こんにちは。

 みなさん、姿勢がいいね。
話は、聞く態度がとても大事です。とてもうまくできています。

1度で話を聞き取ることは、様々な場面で求められます。朝や帰りのホームルームでの先生からの連絡、授業のとき、友達と話しているとき。
また、社会に出て仕事をするようになれば、聞き漏らしてしまい知りませんでしたとは言えません。動画を見るように何回も再生して見たり聞いたりはできないのです。

みなさん、話しを聞く姿勢ができていて、とてもよいです。

今年を振り返ってみると、感染症に気を付けながら、ほぼすべての行事を実施することができました。コロナでやめていたことも復活したりして、みなさんの協力があって、充実した内容となりました。ありがとう。

コロナが5類に移行したこともあって、マスクを外す人も増えました。人の表情がわかって、いいなぁと感じることができました。

一方、行事は実施できたけど、コロナへの不安や体調を崩してしまったという人もいたと思います。
しかし、一年を通してみると、よく頑張ってきたことの方が多いのではないでしょうか。
各自、自分のよくやれたな!と思うところを褒めてください。


・さて、今日は修了式。
 一年をとおして、振り返る日です。
 1年の節目の日ですね。

・節目といえば、先日読んだ本に、「節目」について書かれているところがありましたので、紹介します。
・それは、「竹は横から強い力を加えてもどうして折れないのか」ということ。
 皆さん、ちょっと考えてみてください。竹は、台風の日に強い横風が吹き、弓のように曲がり、大きくしなりますが、簡単に折れることはありませんね。

・この竹の強度、強さは「節目」によるものだそうです。今度、どこかで竹を見つけたときにじっくりと見てください。
 しかし、強いだけだとある部分に力が加わるとぼきっと折れてしまいます。
 そこで、よく見てみると、節目は一定間隔ではありません。節目は、根元ほど感覚が狭く、そこから上にいくほど広くなり、さらに先の方になると、また狭くなっています。
 節目が一定間隔だと強くなりすぎて、しなやかさを失うのだそうです。しなやかさと強さを併せ持つためには、このような節目が必要なのです。

・竹のように強く、しなやかであるために、この節目の修了式をどう位置付けていくか。

・それは、この節目の修了式に、自分のことを振り返るということです。
 そして、振り返って、行動に移すということ。

・相撲力士で横綱までつとめた「白鳳」は、優勝インタビューで、同じ相手に連続して負けることはしないと話していました。
・すごいプライドだな と思ったのと同時に、相手のことをよく知って、自分のことを振り返りながら、懸命に頑張っているのだと感じたのです。

・みんなには、至誠一貫、質実剛健の精神、プライドをあらためてもって欲しい!
・この1年、うまくできたことは、来年さらに伸ばしていこう!
でも、うまくできなかったこと、場合によっては先生から怒られたことを、繰り返さないようにすることが大事だ。

・今日の節目を大切にして、「強さ」と「しなやかさ」を身に着けてほしいと願います。

・春休みを有意義に過ごして、新年度、またここで会いましょう。

 

表彰式・壮行会 校長激励(関東大会 溶接コンクール)

■表彰式・壮行会 校長激励(溶接コンクール 関東)令和6年3月22日


●先ほど、表彰したように、1~3位、大宮工業高校が独占です。

 表彰ではないが、5位から1位まで、大宮工業が独占とのことですね。

 これは、努力は裏切らないということの証左、証ですね。

 技術を身に着けた、努力のたまものです。
一朝一夕に身につくものではありません。よく頑張りましたね。

 また、競技で勝つためには、切磋琢磨する仲間の存在が大事。

 関東に出場するのは、代表の2名ですが、一緒に頑張った仲間や、指導してくれた先生方への感謝の気持ちが大切です。


●また、大宮工業会 会長の野澤さま、いつもありがとうございます。
 野澤さまをはじめとして、卒業した先輩、みなさんが応援しています。
 たくさんの応援にも感謝をしてください。

 

3学期始業式・校長講話

 

はじめに
・あけましておめでとうございます。
・冬休みは元気に過ごしていましたか。
・1月4日に、ある生徒が「明けましておめでとうございます」と挨拶をしてくれました。時季にあった挨拶、嬉しくなりました。
・その場に応じた挨拶は、思っていても、なかなかできないものです。
・大人ですね。

・さて、1月は、新年の始まり。
・この切り替えの時期は、気持ち新たに頑張ろうと思えるタイミングです。
・新しいことにも挑戦していこうと、エネルギーが湧いてくるところです。


CACE1
・先ほど、台湾の嘉義工業高校とMeetで接続して交流をしました。
・海外のことを見たり、聞いたりすると、自分の国のこともよくわかります。
・皆さん、日本の企業には拠点や工場をもっているところは、たくさんあります。日本の会社に就職したからといって、勤務先が国内とは限りません。

・私は、この冬休みに、先ほど交流した嘉義工業高校へ行ってきました。

・台湾は、日本の九州より少し小さい島です。人口は2,200万人。
・これは、東京都、埼玉県、千葉県の人口をあわせたくらいです。
・台湾の学校は、日本と同じ、小学校6年、中学校3年、高校3年、大学4年です。
・台湾の高校は、50分授業で8時間、放課後は補習があったりで、日本の部活動にあたるものはないそうです。日本の高校生が放課後何をしているか、気にしていました。
・日本と違うのは、9月はじまりです。日本は、4月はじまりですね

・その台湾の工業高校で話を伺ってきました。

CACE2
・台湾では、もともとあった台湾語がありますが、いまは中国語、つまり北京語を標準でつかっている。そして、英語は今のみんなの親世代くらいから話せるように学校で教え始めて、その親の子供たちの世代が今の中高生となり英語で話す力が定着をしてきているとのこと。
・いま、日本も小学校英語がはじまり、いま小学生の子供たちが親になるころには英語教育の様子が、大分変っていることでしょう。
・台湾では、英語で自分の意見が話せる高校生がたくさんいる状況です。
・いまは、スマホでGoogle翻訳がつかえれば、英語や中国語も不便ないかもしれないけど、自分で話せるというのはまた別のことだと感じました。

CACE3
・また台湾では、15年ほど前に、工業高校に対する考え方を大きく変えたそうです。
・技術を学んだ人に対する、地位を高くして社会で受け入れています。
・工業教育に力をいれて、工業高校で専門技術を学んだ人は、卒業後の就職で技術の指導者的な立場で迎えられるように地位を確保しています。
・大宮工業高校を卒業後も、会社ではしっかりと受け入れてもらっていますが、日本社会全体で仕組みを作っているわけではありません。
・資源の少ない日本では、技術が大事ですが、これは台湾でも同じです。

・いま、日本では、科学技術立国を掲げて、教育システムを変えようとしています。今後、どのような流れで、小、中、高校にはいってくるか。
・台湾とは、国の仕組みが違うし、国が求めていることも異なるので、同じようにはなりませんが、何か専門的な技術を身に着けて、さらに学んで拡げたり深めたりしていける人の価値が高まっていく社会になっていくことは間違いないです。

・台湾の学校とは、今後も継続して交流を深めていきたいと考えています。
・来年度入学の1年生は、修学旅行を海外にして、できれば今回交流した台湾の嘉義工業高校を訪問して対面の交流をしたいと考えています。

・広い視野をもって、いま学んでいることの価値を高めていけるよう、大宮工業での勉強を精一杯頑張ってください。


おわりに
・3学期は、1年の終わりの時期ではなく、来年度、4月からに向けた準備の期間です。
・自分自身の、先を見据えた学習に取り組んでいこう。
・では、2024年を始めましょう。

2学期終業式・校長講話


●はじめに
 みなさん、おはようございます。
 
 あらためて、表彰されたみなさん、おめでとうございます。
 そして、全国選抜に出場する自転車部の皆さんの健闘を祈ります。

 さて、2学期も今日で終わりになります。
 2学期は、3年生にとっては、就職試験や 大学、専門学校の入試など、進路実現に向けての活動で大変な学期だった思います。
 そして、全校的には、今年はコロナよりもインフルエンザの感染対策の中での、宮工祭、強歩大会、2年生はインターンシップもあるなど、1年間で忙しくも、充実した学期でした。

 猛暑で始まった始業式から、季節が進んで、終業式は冬の寒さ、2学期は季節の変化が激しい。皆さん、体調はいかがですか。

 寒い冬の晴れの日は、空気が澄んで、夜空がきれい。
 その分、星がよく見えます。
 先週、「ふたご座流星群」が観察されました。
 見た人はいますか。
 ゆっくり流れる青白い光の流れ星がきれいだった、急いで願い事をしました。

 何かを見たときに、きれいだな、いいな、すごいな、これどうなっているのかな、と思う心は素晴らしい。そんな話を3つします。


●一つ目、ある卒業生の話
 先日、昭和30年代に本校を卒業した方が、校長室にいらっしゃいました。
その方は、卒業後、建設機械の設計の仕事をしていたが、海外製品を扱ったりしている中で、これは手に負えないもう一度大学で勉強しなければダメだと思い、会社を辞めて大学に進学、大学卒業後、別の会社に就職して定年まで続けたとのこと。
 高校卒業して就職後、会社を辞めて大学受験勉強をしたとのことでしたので、そのエネルギーはすごいですね。

 そして、その方が話していたのは、工業高校をでて本当によかったということ。大宮工業高校で勉強したことが、日頃の生活のベースにあるのだそうです。
 それは、何かというと。周りのものをみたときに、これはどうなっているのか、どのような材料でできているのか、どういう仕組みや構造なのかを見る目が育ったこと。そういうことを考えることが楽しい!と話していました。

 校長室には、皆さんが制作した作品が多数展示されています。それを、ひとつひとつ手に取り眺めて、感心して感動していました。

●二つ目、植物の話
 これは、私のはなし。長年、疑問に思っていたけど、まぁいいかと、見過ごしてきたことで、その理由が分かったことがあり、なるほど、すごいと感動したことがありました。

 それは、桜のことです。桜は、花が先に咲いて、葉っぱがあとからでてくることです。小学校などで育ててきた、アサガオやヒマワリ、チューリップなどは緑の葉が育ってから、やがて花が咲きます。でも、桜は花が咲いて、満開になり、花が散ると葉桜といって緑ゆたかな葉っぱが生えてきます。アサガオとは逆ですね。
 冬の間、枯れてしまったかのようにいている桜の樹から春に花が咲くエネルギーはどこにあるのか??

 私は、満開の桜がきれいなことで、花が先に咲くことは、まあいいかと思ってきたのですが、先日、ラジオでこの話をきいて、桜はすごいなと改めて感動しました。花が先に咲くのは、葉の養分を樹が蓄えて、葉はかれて落ちる、その養分をもとにつぼみから、花が先に咲くというのが、簡単すぎる説明です。これは、田中修さんという大学の先生のお話でした。
 
 早速、田中先生が書かれた本を買って、読みました。
 その本は、「植物はすごい 七不思議編 知ってびっくり、緑の秘密」という本です。中公新書から出ています。図書館にも買ってもらえるようにお願いしました。

 ちなみに、この本には、サクラの七不思議として、
  なぜ、秋にサクラの花は咲かないのか
  なぜ、春に花が咲くのか
  なぜ、東京が一番早い開花宣言をだすのか
  なぜ、北海道では、ウメとサクラが同じころに咲くのか
  なぜ、ソメイヨシノの開花は、はなやかなのか
  なぜ、ソメイヨシノの開花は、はなかないのか
  いつから、サクラは「日本の花」になったのか

 この七不思議は、言われてみると、なんで?と思うことばかりです。
 3年生は、課題研究で、問題解決に取り組んできたところですので、問を立てることが大事だということは実感していることとでしょう。


 そして、皆さんには、本を読んでほしい。図書館にいくと、工業の話題、その他の分野も、本がたくさんあります。知らないことは、たくさんあります。本との出会いを楽しみましょう。


●三つ目、100周年
 本校は、今年で98年目、2年後に100年を迎えます。
大正時代がから始まった、100年間の歩みは、まずそのことがすごいこと。
大宮工業すげぇ! この大宮工業高校に誇り、プライドを持ってください。


●おわりに
 今日は、何かを見たときに、きれいだな、いいな、すごいな、これどうなっているのかな、と思う心は素晴らしい。という話をしました。
 技術は、いろいろな人の思いの結晶が、具体として表れているものです。工業高校で学んだ皆さんだから、感じ取れること、知的好奇心が大事です。


 それから、今、台湾の工業高校と連携した取り組みを考えています。1/9(火)3学期の始業式では、台湾の工業高校、川越工業、大宮工業をリモート接続して交流をしたいと思います。海外の工業高校って、どんなか?皆さんには、日本以外の視点、グローバルに広い視野を持ってほしいと思います。楽しみながら交流をしていきましょう。

 

表彰式・壮行会 校長激励(関東選抜・陸上・柔道・自転車競技)


●関東大会(陸上部、柔道部、自転車競技部)出場おめでとう!

 秋の大会は、3年生が引退して、初めての大会が多いですね。
 1,2年生の活躍の場です。

 みなさんの成長を、とても頼もしく思います。
 
 そして、
 今回の関東大会は、来年に向けて、全国大会を目指すための実力向上の場です。
 
 
 陸上部、柔道部、自転車競技部、

 埼玉県を代表して、各自の実力を存分に発揮してこい


●また、大宮工業会の野澤会長さま、いつもありがとうございます。
 卒業した先輩、みなさんが応援しています。
 たくさんの応援に感謝をしてください。

 

2学期始業式・校長講話


 おはようございます。
 表彰、壮行会、仲間の活躍を励みに、みなさん一層頑張りましょう。また、海外研修の報告、関口さんありがとうございました。報告はHPにも掲載するとのことです。
 
 また、先ほどのシェイクアウト訓練、うまくできましたか。
 2011年の東日本大震災、立っていられない強い揺れが、宮城県では3分以上続いたそうです。今回は、1分間でした。自分の身は自分で守るといこと。
 シェイクアウト訓練には、2つの目的があります。
 ひとつは、地震による揺れから身を守る練習。もう一つは、災害に対して日ごろから心がけをしておく注意喚起。学校にいるときに、被災するとは限りませんよね。災害に備えて、非常食の準備や家族との連絡方法など、できることをしておきましょう。

 さて、今日の始業式、皆さん、登校できましたね。まずは、そんな自分を褒めてあげましょう。気持ちの中では、夏休みがもう少し続いてくれればいいのに、と思っている人はいませんか。


❶夏休みはよい時間
 そんな、夏休みについて、考えてみましょう。
 みなさん、どんな風に過ごしたか?

 1年間の中で、夏休みは、1カ月もの間、生活のリズムが変わり、学校から離れる時間も増えるので、別の感覚を味わうことができる貴重なものです。よい時間ですね。


❷失敗を生かすこと(1)
 夏休み中、登校している生徒も多くいました。
 「部活」や「ものづくりコンテストの準備」など、そして3年生は進路決定に向け頑張っていました。


・進路を考えるということは、自分のことを見つめるということ。
・自分のことだから、自分が一番よくわかるはず、自分のことだからよく考えて、
と言われたことありませんか。
・しかし、自分のことなのに、いざ考えてみると、よくわかっていないことがあるものです。

・志望動機や面接試験は、自分の経験の中にあることを話します。それは、「自分が一生懸命にやってきたこと」です。それをもとに、将来も頑張れますということがアピールできますね。

・では、一生懸命に頑張ったことは、結果がでないとだめなのか?
・地区大会で優勝とか、県大会で優勝とか?
・そんなことは、ありません。


❸失敗をいかすこと(2)
・仙台育英高校、野球部監督の須江先生は、「人生は敗者復活戦」と話していました。
・そして、別の人は、失敗しなかった日は何もしなかった日だ、と言っています。

・うまくいかなかったことを、教訓として次にどうやって活かしていくか。
・うまくいかないことをあきらめずに、粘り強くやり抜こうとしたか。
・それが、みなさんにとって、頑張ったことにつながるものです。
・派手でではなく、地道にやってきたことが、力になります。
・努力は裏切りません。
・継続は力なり、続けることの大変さ、続けたことのよさが味わえるようになりましょう。


●おわりに
・夏休みは、自分の生活を振り返るのにとてもよい時間。
・充実したという人、思いのほかだらけてしまったという人もいるかもしれません。
・未来を考えて行動できることが、一番の幸せです。
・今を受け入れて、2学期を頑張ろう。

 

表彰式・壮行会 校長激励(国体出場、日本代表)

●国体出場おめでとう!
 みんな一段と強くなりましたね。

 柔道では粕谷君、自転車競技は池田君、木村君、山下君。
 そして、自転車競技の木村君は、日本代表として韓国遠征にも出場。
 おめでとう!

 埼玉県を代表して、また日本を代表して、その実力を十二分に見せつけてきてください。

 そして、強い人たちとの勝負を楽しんできてください!


●柔道、ケイリンともに、日本発祥のオリンピック競技種目です。
 自分の実力に蓋をするのは、自分だといいます。
 世界を目指して、頑張ってこい。


●そして、本校同窓会である大宮工業会の野澤会長様、いつもありがとうございます。
 卒業した先輩、みなさんが応援しています。
 たくさんの応援に感謝をしてください。

【全】1学期終業式・校長講話

 

はじめに
・コロナ対応が緩和され、学校生活に制限がなくなった。
・1学期の生活をどう過ごしたか。
・自身のことを振り返ることは、これからどうしていくか考えるため大切なこと。
・この後、通知票をもらうよね。学校生活のことを振り返る指標にする。


・さて、今日は2つ話します。
(1)一つ目は、いいなぁと思ったことば
・先日、野球部主将の鍵山君が、高校野球埼玉県大会の開会式で選手宣誓を見事にやりとげました。
・約1分半の宣誓は、テレビ中継もされ、とても立派でかっこよかった。
・その宣誓の中で鍵山君は、こんな文章を引用していました。英語です。
・If you can dream it, you can do it.
・「夢見ることができれば、それは実現できる」これは、ウオルト・ディズニーの名言です。
・夢見ることは、実現するのに簡単なことではないでしょう。
・そして、多くのことは、何かやろうとして、そのことを成し遂げるまでには時間がかかります。
・しかし、時間をかけて取り組むことに巡り合えれば、まして生涯をかけて取り組むことに巡り合えれば、何よりの幸せです。
・そんな、未来を見つめることを考えさせられた、選手宣誓でした。鍵山君、ありがとうございました。

(2)二つ目は、夏休みの効能
・明日から、夏休みです。
・夏休みのよい点を2つ。

・一つ目。
・夏休み、何日あるか数えてみたか。42日ある。長いね。
・夏休みは、時間割が決まっていない自由な時間である。これが長くとれるところがいい。
・いつもとは違う日常をどうつかっていくか。夏休みだからできる、集中して取り組めることに、全力で頑張って欲しい。
・高校生は精神的にも大人になる時期であり夏休みを過ぎると、みな成長している。
・中学までの夏休みとは、ちょっと違うね。
・また、長い休みの間には、自分のことを振り返る時間もできる。このことも、とてもよい。

・二つ目。
・学校には、ルールや約束があります。
・ルールには、大きく分けて2種類ある。
・「姿勢のルール」と「行動のルール」です。
・「姿勢のルール」は「やればすぐできるもの」
・やればすぐできるものは、例えば、きまりを守ること 身だしなみを整えることは、その場ですぐにできるね。学校生活を送るうえで、大事なことは当たり前のことばかりです。素直さが求められる。

・そして、「行動のルール」は目標達成があるような「頑張らねばならないもの」。
・例えば、先ほど、表彰のあった関東大会や全国大会出場などは、かなり頑張りが必要なもの。
・また、夏休みの宿題も中身の成果を求められるので、ひと頑張りする必要があります。
・夏休みは、この頑張る必要があるものに、いつもより時間をとって、全力で取り組むのによい時間です。
・時間がかかるものに、各自のペースで取り組めることがとてもよい。

・先週、朝、期末試験が終わった後も、教室で勉強している1年生がいました。
・何の勉強をしているのかと聞くと、早くも夏休みの宿題をしているとのことでした。
・高校は自分で選んできたところなので、勉強も頑張るとのこと。
・さすがだなぁと感心しました。


おわりに
・自由な時間がとれる夏休みなので、3年生は進路について考えたり行動したりする時間が十分にとれる。1,2年生は部活や勉強にまとまった時間をとることができる。
・充実した夏休みにして、9月1日の2学期始業式で、元気に会えることを楽しみにしています。

 

 

【全・定】入学式式辞(概要)

入学おめでとうございます。
今年は、3年ぶりに、来賓のご祝辞を賜り、入場制限なく入学式を挙行することができました。

以下、式辞を送ります。


 寒さと暖かさが交互に行き交いながらも、木々が芽吹き、春の訪れを感じるこの佳き日に、埼玉県立大宮工業高等学校第78回入学式を挙行できますことは、本校関係者一同大きな喜びです。
 ご臨席いただきました、来賓の同窓会会長 野澤 孝道 様、そして、保護者の皆様に御礼申し上げます。

 ただ今、入学を許可しました236名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。在校生、同窓会、教職員一同、心から皆さんを歓迎します。
 
 新入生の皆さん、コロナ禍の中で試練を乗り越えてきたことと思います。中学校生活も思うように行かないことがあったでしょう。よく頑張りましたね。

また、保護者の皆様方におかれましても、お子様を励ましながらのことと思います。御入学、おめでとうございます。お子様が、これから更に成長していけるよう、精一杯努めさせていただきます。

 さて、本校は、大正十四年に、大宮町立工業学校として、大宮の地への設置が認可され、この九七年の間に、校訓である「至誠一貫」「質実剛健」のもと、生徒たちの力を引き出し、鍛え、常に日本の工業界をリードする人財を育ててまいりました。

 新入生の皆さんには、本校で、確かな学力に加え、社会人としての豊かな教養、そしてエンジニアとしての、知識と技術を身につけてもらいたいと思います。

 本校での学校生活は、皆さんの生涯の中でも、極めて大切な時間になるものと思います。

 そこで、これから始まる学校生活で、心がけてほしいことを、ひとつお話しします。

 それは、「自分が好きなことだから、得をするからやる」、とか「自分には関係ないから、面白くないから、損をするからやらない」、という区別をつけないということです。

 学校は、誰かがやってくれているからうまくいっていることや、みんなの協力で実現してきたことがたくさんあります。
 自分が所属している集団の一員として貢献する意欲や行動が、みんなが快適に、楽しく充実した生活につながり、各自の成長を促すものとなってきました。これは、小学校、中学校、そして高校も同じです。

 個人の損得ではなく、チームや集団のためにどう貢献していくかを考えて行動できること。また、集団の中で、切磋琢磨して互いを成長させていくことも大事です。

 このことは、将来、社会の一員として自立していくために、高校生活の中で、あらためて学んで欲しいことです。

 工業高校で学び身に着ける、知識や技術は、社会のために役立つものであることに価値があります。
 これから、本校で学ぶ皆さんの成長を大いに期待しています。

 最後に保護者の皆さまに、お願いです。高校生活は3年間で一つのものとなっています。たくましく、成長していくお子さんを、どうぞ見守ってあげてください。ときには困って、相談にくることがあるかもしれません。そんなときは、まずは話をよく聞いて受け止めてあげてください。きっとお子様の自立を支える大切な時間となるはずです。

 本校の教職員は、時には寄り添い、時には高いハードルを用意して全力で生徒の成長を支えます。御家庭と学校とが互いの役割を理解し合うことが、生徒を大人へと成長させ、進路希望を実現させる近道だと考えます。
 どうか皆様方におかれましても、本校を信頼していただき、力強いご支援、ご協力をいただけますようお願い申し上げます。

 結びに、新入生の皆さんが元気に活躍することを期待するとともに、保護者の皆様の益々のご健勝、ご発展をご祈念申し上げ、式辞といたします。

【全・定】令和5年度1学期始業式・校長講話(概要)

 あらためまして、おはようございます。
いま、着任式をおえました。皆さんにとって、新たな出会いですね。
一方で、大宮工業高校を転出した先生方もいらっしゃいます。信頼していた先生が異動となり、寂しいと思っている人もいるでしょう。そう思えるのは、貴重なとてもよい出会いだったということ。
異動した先生への恩返しとして、教えてもらったことを大切にして、自分を更に成長させてください。

ところで、人との出会いは、ときとして、人生を変えてしまうほど影響のあるものです。私は、高校生のときが、様々な出会いの始まりだったと感じています。
それは、尊敬できる友人やクラス担任の先生に出会えたことで、肉体的にも精神的にも大きく成長する時期に、こんな面白いことを考えている人がいるのだ、という刺激を受けたことでした。

大宮工業高校も同じです。それは、皆さんが求めてここに集まったということ。
ここで勉強したい という、同じ思いをもって集まった皆さんですね。
目的や興味・関心を 同じくして集まった仲間は、お互いによい刺激を受けます。
それは、偶然の出会いから、必然の出会いに変わっていきます。皆さんには、よい出会いを求めて、自分の興味関心をもとに仲間を拡げていって欲しいと思います。

さて、一つ話します。
・それは、令和5年度のスタートに向けて、「目標は 実力より高く」という話です。

・夜10時から、テレビ朝日の「報道ステーション」という番組で、キャスターをつとめている大越さんのお話しが、新聞にでていました

・大越さんは、少年時代から大学まで 野球に打ち込んでいたそうです。この経験のなかで、監督から教わったことが 常に自分への 戒めになっているとのこと。

その 内容とは、
新聞の記事を読みますね


>記事引用(はじまり)

・平凡な内野ゴロを打ってしまったとき、それでもうまくすれば、内野安打になるかもしれないし、相手がエラーするかもしれません。少しでも早く 1塁ベースに到達するためには どうすればよいか。そこで、監督から 口を酸っぱくして言われたのが、

「1塁ベースの2~3メートル先をベースと思え」 という言葉です。
 1塁ベースそのものを目標にすると、直前でスピードが落ちてしまうし、気持ちが勝って ヘッドスライディングをするのも得策ではない、と教わりました。

 1塁ベースの その先を目指して走ることで、スピードを落とすことなく本物のベースを かける抜けることができるというわけです。

>記事引用(おわり)


・この監督のアドバイスを、大越さんは、野球以外のところでも自分への戒めにしてきたそうです。

・これは、みなさんにしてみたら、

 勉強も部活も 自分が思っているレベルより 上を目指して 頑張れ、ということ。

 例えば、部活でいうと、県大会にでたいと思って練習してきたひとは、県大会決めの試合で、勝てるかどうかギリギリのところとなってしまう。
 そこで、県大会にでたいのであれば、その先、県のベスト8やベスト4に入りたいなど、目標はその先に設定することが大事です。
 インターハイに出たいと思うのであれば、インハイに出てどうしたいかを目標にするべきです。
 就職、進学の試験で 全力をだすためには、事前の準備をこれくらいでいいか、ということではなく、より内容を充実させて、レベルを上げて 準備にあたれ ということ

 日ごろから、どう思っているか という意識が、行動につながります
 そう思うことで、練習メニューや 日頃の生活態度まで、変わってくる

 これは、日ごろから どう思っているかが、勉強や練習の内容に反映されて、実力に差がつくということ
 このことを1年、2年とつづけたら、その差はとても大きなものとなります


 精一杯頑張れるよう、みなさんは、自分のゴールを低くみないで、より高いところに設定して欲しいと思います

 そして、そのときに大事なことは、自分一人で決めないということ。みなさんのことをよく知っている、先生に相談して目標設定することが大事です。

 目標を高く持つ人は、行動が変わり、より高い実力が身につきます
 本当はもっとやれたのに、という後悔をするな

 今日から始めれば、まだまだ間に合う、新入生にその背中を見せてほしい
 「目標は 実力より高く」、自分のことを見つめなおしてください

今日は、「出会いの素晴らしさ」、 、そして「目標は、実力より高く」について、話しました。

 この後は、入学式。2年の皆さん、先生方、会場の設営ありがとうございます。
新入生は、先輩をお手本にします。目標をもって頑張る先輩の姿を見せてください。一生懸命やる人は、信頼され、尊敬されます。後輩とよい出会いになるよう、意識して行動してください。

【式辞・講話等(全日制)】令和4年度卒業証書授与式 式辞(要旨)

やわらかな、春の日差しの中、木々のつぼみも、日に日に膨らみ始め、春爛漫の日の近いことを思わせる季節になりました。

この春のよき日に、保護者の皆様のご臨席のもと、令和四年度埼玉県立大宮工業高等学校卒業証書授与式を挙行できますことは、卒業生はもとより、本校教職員、在校生一同の大きな喜びとするところであります。
ご臨席賜りました保護者の皆様に、心より御礼を申し上げます。

保護者の皆様におかれましては、お子様の高校卒業の晴れやかな姿をご覧になり、喜びもひとしおのことと、拝察申し上げます。
高校時代は、心・技・体ともに、人生の中で最も成長する時期であると同時に、不安定な時期でもありましたが、保護者の皆様の温かい愛情が実り、お子様は、ご覧のとおり、立派に成長され、本日ここに、卒業の日を迎えられました。
お子様のご卒業、誠におめでとうございます。心よりお祝いを申し上げます。

さて、ただいま、卒業証書を授与いたしました卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
卒業生の皆さんは、入学してから今日まで、本校の校訓「至誠一貫」「質実剛健」のもと、夢を持ち、失敗を恐れず、学校生活に一生懸命に取り組んできました。
勉強はもちろんのこと、学校行事や部活動、資格取得、各種コンテストなど、さまざまな夢や目標に向かって挑戦してきました。
強歩大会や体育祭、宮工祭などの行事では、クラスや学科、あるいは生徒会や部活動などで取り組み、仲間との強い絆を築くとともに、人間性を磨いてきました。
資格取得では、数多くの国家資格に合格するとともに、ジュニア・マイスターの称号を取得するなど、他に類を見ない大きな成果をあげてきました。
部活動では、仲間とともに暗くなるまで練習に励み、休日も返上して汗を流し、本校が文武ともに極めて優れた学校であることを証明してくれました。
このような日々を送る中では、さぞかし辛いこともあったと思います。
惜しくも敗れ、流した悔し涙、その辛さを乗り越え、目的を達成したときの歓び、その経験こそ、これからの人生の最高の宝物になるはずです。
その経験や思い出を、いつまでも大切に、胸に刻んでおいてください。
そして、いつも皆さんを見守り、励まし、支えてくださった、家族や先生方、仲間、後輩たちがいたことを忘れないでください。

振り返ると、皆さんの高校生活は、新型コロナウイルスに翻弄され、これまでとは異なる様々な対応が迫られる辛く厳しい時間でした。
そして、新型コロナウイルスへの対応に加え、ロシアのウクライナへの侵攻は、今もなお世界経済に大きな影響を与え続けています。
これから先も、どのような状況になるか予断の許さないピンチの状態が続くかもしれません。

しかし、皆さんも感じていると思いますが、このような大きな社会問題が起こったときには、必ず社会が大きく変わります。
そして、社会が大きく変わる時には、たくさんのチャンスが訪れます。
まさに「ピンチはチャンス」です。
このようなピンチは突如起こります。
そのピンチをチャンスとして捉えることができるかどうか、訪れているチャンスに気がつくかどうかは、皆さん次第です。
また、チャンスに気が付いても、自分自身に力がなければ、そのチャンスを逃してしまいます。
チャンスをものにするために必要なことは、備えること、力を蓄えることです。

高校を卒業し、また、成人となったといっても、皆さんはまだまだ未熟です。
これから先も、好奇心を持って様々なことを見つめ、学び続け、力を蓄えていってください。
その皆さんが、溢れる希望を胸に抱き、本日をもって、この大宮工業高校から、新たなる社会へ、羽ばたいていくことに、大きな寂しさを禁じ得ません。

今ここに、万感の思いを込めて、そして、皆さんのこれからの長い人生における人生訓として活かせるよう、皆さんへ二つの餞の言葉を贈りたいと思います。

一つは、「自分に負けるな!」という言葉です。

頑張っていれば、いつか報われる。
持ち続けていれば、夢はかなう。
そんなのは幻想だ。
たいてい、努力は報われない。
たいてい、正義は勝てやしない。
たいてい、夢はかなわない。
そんなこと、現実の世の中ではよくあることだ。
けれど、それがどうした?
スタートはそこからだ。
技術開発は失敗が99%。
新しいことをやれば、必ずしくじる。
腹が立つ。
だから、寝る時間、食う時間を惜しんで、何度でもやる。
さあ、きのうまでの自分を越えろ。
負けるもんか。

これは、ホンダの創業者 本田宗一郎さん の言葉をもとに、十年ほど前につくられたホンダのコマーシャルで使われた言葉です。

努力は報われない。正義は勝てない。夢はかなわない。と諦めるのではなく、そこがスタートなのだと奮起して、失敗と成功を繰り返し、成功するまで決して諦めない「自己に打ち勝つ不屈の精神」。最後の「負けるもんか」という言葉は、誰かに対しての言葉ではなく、自分に対しての言葉、すなわち「自分に負けるな!」という思いが込められた言葉であると思います。

もう一つは、「優しくあれ! 心強くあれ!」という言葉です。

技術は人のためにある。その先の人を想い描いて もの を作れ。

これも、本田宗一郎さん の言葉ですが、本田宗一郎さん は、次のような言葉も残されています。

学問なり、技術があるということは、立派なことには、ちがいないが、それを人間のために有効に使って始めて、優れた人間だ ということができるのだと思う。

皆さんは、高校生活の中で、多くの知識や技術を学んできました。
そして、その知識や技術を基盤に、これからも、さらなる精進を重ね、立派な社会人になっていくのだろうと思います。

本田宗一郎さんが言われるように、皆さんが持つ知識や技術は、自分のためだけでなく、人のため、社会のため、世界や地球のために、役立たせてこそ、価値があり、その役割を果たすことができます。
そのためには、相手の気持ちや、立場に立って考えること。行動することが大切です。

その基本は、「優しさ」です。
そして、優しくあるためには、「心の強さ」が必要です。
心が強くなければ、優しさは甘さになりかねません。
心が強くなければ、人や社会を優しく包むことはできません。
どのようなことがあっても、挫けることのない強い心。
たゆまぬ努力を重ね前に進もうとする強い心。
本当の優しさは強い心に宿ります。

「自分に負けるな!」は、本校の校訓「質実剛健」につながる言葉、そして、「優しくあれ! 心強くあれ!」は、本校のもう一つの校訓「至誠一貫」につながる言葉です。
この「自分に負けるな!」「優しくあれ! 心強くあれ!」という二つの言葉が、本校の校訓「質実剛健」「至誠一貫」とともに、皆さんが長い人生を力強く歩むための糧となれば幸いです。

いよいよ本日をもって、皆さんは、大宮工業高校から新たなる社会に向けて羽ばたきます。
皆さんは、時流に流される人ではなく、本校のDNAが宿る「時流を読み、新しい時代を創る人たち」です。
社会の変化や、技術の進歩をしっかり見つめ、感じ、考え、行動できる、新しい時代を切り拓く、優しく健康で、人間性豊かな社会人として活躍されることを心から期待しています。

最後になりましたが、保護者の皆様におかれましては、本校の教育活動につきまして、格別のご支援、ご協力をいただき、誠にありがとうございました。
時には、至らぬことや、ご心配をおかけしたこともあったかと存じますが、暖かく見守っていただいきましたことに、心より感謝を申し上げます。そして、改めて、お子様のご卒業を心よりお祝い申し上げます。

結びに、本日ここに、ご卒業される卒業生の皆さんが、前途洋々たる人生を、正々堂々、そして、楽しみながら歩んでいくことを心より祈念し、式辞といたします。
卒業生の皆さん、本校の生徒でいてくれてありがとう。ご卒業おめでとうございます。

令和5年3月10日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清水雅己

【式辞・講話等(全日制)】令和4年度第3学期始業式 式辞(要旨)

あけまして、おめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
また、新成人となられた皆さん、おめでとうございます。新成人となられた皆さんの、これからのさらなるご活躍を心より祈念いたします。

いよいよ令和5年がスタートしました。
今年の正月は、天候にも恵まれ、暖かく穏やかに新年を迎えることができたのではないかと思います。皆さんは少しはゆっくり過ごすことができたでしょうか。

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中での冬休みでしたので、なかなか思い切ってというわけにはいかなかったかもしれませんが、事故等の報告は入っておりませんので、有意義な冬休みを過ごすことができたのではないかと思います。

私自身は、少し時間がありましたので、例年通り元旦に買い込んだ7社の新聞の読み比べをしてみました。
元旦の記事だけの話ではありませんが、同じ出来事であっても、新聞社によって視点が異なるため、何紙もの新聞を読むことによってその出来事を多角的に捉えることができ、面白くもなります。

日頃私たちは、主にテレビやネットなどから様々な情報を得ていますが、1つの情報を鵜呑みにするのではなく、できるだけ多くの情報の確認し、適切に理解・解釈・分析する力を身に付けておかなければならないと思います。

さて、今日は元旦の新聞に同梱されていた新聞広告の中で、印象に残った広告を紹介したいと思います。

昨年は、日本自動車工業会をはじめとした自動車5団体の広告、クルマを走らせる550万人の「私たちは、できる。」という広告を紹介しましたが、今年は、集英社の広告を紹介します。

この広告には大きな文字で「もっと もっと おもしろく。」というキャッチコピーが書かれています。
この「もっともっと おもしろく。」というキャッチコピーの上には、少し小さな文字で、

新しいことが 必ずおもしろい訳じゃない。
ただ、おもしろいものは 必ずどこか新しい。
回り道をたくさんしよう。
ギリギリで生まれるひらめきを信じよう。
昨日とちがう答えを見つけよう。
集英社は今日も考える。
ワクワクで、ドキドキで、ゾクゾクで。
キミの心を高鳴らせるため。

と書かれています。

これを読んで、何となく元気をもらった気がしました。
また、これを読んで「面白い」とはどのような意味を持っているのかを、また「楽しい」との違いを調べてみようと思いました。

「楽しい」は、満ち足りていて愉快な気持ちを意味し、「面白い」は、目の前が明るくなるほど心惹かれる様子を意味するようです。
どちらもプラスの意味を持つ明るい表現です。

さらに調べてみると、
「楽しい」は、感覚的であり、深く考えるよりも感情が先に動いているような様子を表現し、「面白い」は、知的好奇心に溢れ、興味深いものである様子を表現するようです。

ドラマや映画の「ガリレオ」シリーズでの福山雅治さんが演じる湯川先生のセリフ「実に面白い」でもその意味が解ると思います。言い換えると「実に興味深い」になるのではないでしょうか。

この文を私なりに工業的?に解釈すると、

「新しいことが 必ずおもしろい訳じゃない。」は、「新しいものをつくることが目的ではない。」

「ただ、おもしろいものは 必ずどこか新しい。」は。「もっと便利に!もっと豊かに!もっとおもしろく!を追及していくと、結果として新しいものが生まれてくる。」

「回り道をたくさんしよう。」は、「手段や方法はたくさんある。考えれば考えるだけ答えがある。」

「ギリギリで生まれるひらめきを信じよう。」は、「考え続けていなければひらめきは生まれない。ひらめきが生まれるまで諦めず考え続けよう。」

「昨日とちがう答えを見つけよう。」は、「1つの答えで満足することなく、より最適な答えを探し続けよう。」

まとめてみると、

新しいものをつくることが目的ではない。
もっと便利に!もっと豊かに!もっとおもしろく!を追及していくと、結果として新しいものが生まれてくる。
手段や方法はたくさんある。
考えれば考えるだけ答えがある。
考え続けていなければひらめきは生まれない。
ひらめきが生まれるまで諦めず考え続けよう。
1つの答えで満足することなく、より最適な答えを探し続けよう。

となります。

工業高校で学ぶ皆さんには、ぜひこのことを意識してもらいたいと思います。仲間と共有して、協働して最適な答えを探し続けてもらいたいと思います。
そして、このことを念頭に置き、勉強に、部活動に、高校生活に励んでもらいたいと思います。

おわりに、新型コロナウイルスの感染拡大は、未だ予断の許さない状況にあります。
また、インフルエンザも流行り始めているようです。
引き続き、適切な感染防止対策をお願いします。

それでは、令和4年度第3学期が、そして、令和5年の1年が、皆さんにとって充実したものとなることを願い、私の話を終ります。今年もよろしくお願いします。

令和5年1月10日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清水 雅己

【式辞・講話等(全日制)】令和4年度第2学期終業式 式辞(要旨)

おはようございます。

はじめに御礼を申し上げたいと思います。
今日のようなオンラインによる式典などのために、建築科の3年生の皆さんが、ピン止め用スタンドをつくってくれました。
先日の学校説明会でも使わせてもらいましたが、とても便利に使わせてもらっています。
製作にあたってくれた生徒の皆さん、ありがとうございました。

さて、2学期も今日で終わりになります。
2学期は、3年生にとっては、就職試験や大学、専門学校の入試など、進路実現に向けての活動で大変な学期だった思います。
そして、全校的には、新型コロナウイルス禍の中での、体育祭や宮工祭、強歩大会、2年生はインターンシップもあるなど、学校行事が多く、1年間で一番多忙な学期であるとともに、充実した学期であったと思います。
その中で、本当に多くの活躍がありました。きっと皆さん全員が大きく成長した学期であったと思います。
その意味でも、この2学期間、そして、この令和4年の1年間、本当にお疲れ様でした。

今日は、この1年の皆さんの成長を振り返ったり、3年後に迎える100周年や4年後の新校の開校に向けて、いろいろなことを考えている中で思ったことを話したいと思います。
いろいろなこととは、「工業高校の役割って何だろうか」とか、「工業高校が育成しなければならない人財って何だろうか」など、少し哲学的?なことです。

私たちは毎日、当たり前のように整備された道を歩き、電車や自動車、自転車などに乗り移動しています。
駅や大型店舗では、階段よりもエレベーターやエスカレーターを好んで乗っています。
雨風がしのげる家に住んでいます。
電気やガスを使っています。
メールやLINEでメッセージを伝えあっています。
ちょっとでも時間があればネットを使っています。
電車の中では、ケータイを手にしていない人はいないほどです。
人によって求めるものや、その要求は異なるため、満足度に差はありますが、基本的には不自由なく生活しています。

そして、このような当たり前の生活ができなくなると、ニュースにも報じられるほど大問題になったりします。
このような皆さんが当たり前に生活するための “ものや社会的基盤(社会インフラ)”は、誰かが考え、つくり、守ってくれているからこそ、当たり前に生活することができています。

でも、私たちは、誰が電車や自動車、自転車をはじめとする“もの”をつくっているのか知りません。
誰が電気やガスを送り届けてくれているのか知りません。
誰が社会インフラを守ってくれているのかを知りません。
感謝をすることなく、それが当たり前のことだと思っています。
というよりも意識さえしていません。

しかし、名も知らない方々が、私たちが当たり前に生活できるための“ものや社会インフラ”を考え、つくり、守ってくれています。

その方々のことを私たちは技術者(エンジニア)と呼んでいます。

その技術者(エンジニア)こそ、工業高校が育成しなければならない人財であり、その人財育成が工業高校の役割であると思います。

そのようなことを考えている中で、あるコマーシャルを思い出しました。
そのコマーシャルの中で流れている曲を聞いてください。

みえない 時間に、みえない 場所で、みえない 誰かを想い、目立たず 知られず、でも ララララ、それで それで いいんだ

いえない 言葉と、たえない願いと、きえない 誇りを胸に、目立たず 知られず、でも ララララ、それで それでいいんだ

工業高校の出身で、技術者を目指し、工業という分野で生きてきた私には、とても心に響くコマーシャルでした。

これは、今から6年前に放送された三菱電機ビルソリューションズ株式会社(当時は、「三菱電機ビルテクノサービス株式会社」)のコマーシャルです。この会社のHPには、

当社社員のみならず誰もが元気になり、 自分の仕事や会社がより一層好きになれるようにと考え制作しました。
“人知れず、一生懸命に働く全ての人に向けて”、奇妙 礼太郎(きみょう れいたろう)さんらしい熱く心に響く歌声で歌い上げています。
また、このCMには、出演者に当社社員を起用しています。エレベーターや空調設備などのビル設備のメンテナンスを実際に行っている現場のエンジニアたちの真摯に取り組む姿勢と、当社の「安全」「安心」に対するこだわりを訴求(そきゅう)いたします。

と、このコマーシャルの制作に対する会社としての想いが綴られています。

それでは、生徒手帳を出してください。
表紙には、本校の校訓である「至誠一貫」と「質実剛健」の文字が大きく書かれています。
そして、その下に、

至誠一貫は 私達の本領であり、校旗は希望の標示である。今 この校旗のもとに 私達は一致団結して 質実剛健の精神を養い 清風な校風をつちかうことを誓う。

と、書かれています。

本領とは、「そのものの特色や本質」を意味していますのす。

この「至誠一貫」こそが、大宮工業高校の本質であり、その本質を見失わないように、「質実剛健」の精神や姿勢を培うことを誓っています。

次に、皆さんはあまり意識していないかもしれませんが、本校の「教育目標」を改めて伝えたいと思います。
「教育目標」とは、皆さんを こういう人間・人物に育てる。育てたい。という学校としての目標であり、使命です。表紙をめくって、1ページ下段の枠の中を見てください。
本校の「教育目標」は、そこにある通り、

憲法・教育基本法にもとづき以下の項目をかかげる。
1 心身共に健康で 自主的精神に充ちた 積極性のある 個性豊かな魅力ある人間を育成する。
2 感受性が豊かで 思いやりのある 視野の広い 社会性を身につけた 国際社会に通用する人間を育成する。
3 現代工業の基礎的知識・技術を身につけ つねに科学的に考え 行動に当たっては 骨身を惜しまない 実学の徒を育成する。

と、定めています。

これを踏まえ、先ほど聞いてもらったコマーシャルの曲の歌詞を読んでみます。

みえない 時間に、みえない 場所で、みえない 誰かを想い、目立たず 知られず、でも ララララ、それで それで いいんだ

いえない 言葉と、たえない 願いと、きえない 誇りを胸に、目立たず 知られず、でも ララララ、それで それでいいんだ

 この“みえない 誰かを想い”は、人のために、社会のために尽くすという「至誠一貫」の精神そのものであり、
“たえない 願いと、きえない 誇り”は、「質実剛健」の姿勢でいられる源であるように思います。
そして、歌全体を通して、日本の文化ならではの奥ゆかしさを感じさせてくれます。表現は少し異なりますが、本校の校訓や教育目標を謳っているようにも感じます。

皆さんは縁あって、「至誠一貫」「質実剛健」を校訓とするこの大宮工業高校で学んでいます。3年間この「至誠一貫」「質実剛健」の校訓のもとで学んでいます。
今一度この「至誠一貫」「質実剛健」をしっかりと胸に刻んでください。意識して行動してください。

そして将来、誰かに、あなたの座右の銘は?と聞かれたときに、「至誠一貫と質実剛健です!」と、胸を張って言える人間に成長してください。

以上が、いろいろなことを考えている中で思ったことです。

最後にお願いです。
最近、憤りを覚えるような事件や辛く悲しい事故の報道が耳に入ってきます。
やるせない気持ちになったり、悩んだり、不安になったりすることもあるかもしれません。
誰にでも悩みや不安はあります。悩みや不安がない人なんていません。

その悩みや不安を一人で抱え込まず、家族、先生、スクールカウンセラー、友達、私でも構いません。誰でもいいですから話してみてください。
必ず味方になってくれる人がいます。
周りの人に話しづらいときには、電話やメール、ネットで相談できる窓口もあります。
必ず、誰かに、どこかに話してみてください。

また、もし周りに元気のない友達がいたら、積極的に声をかけてあげてください。そして、大人につないでください。
お願いです。自分を大切にしてください。友達を大切にしてください。命を大切にしてください。

結びに、新型コロナウイルスの新規感染者数が急増しているようです。
その中で、年末年始に、家族や友達と出かける機会も多くなると思います。
出かけるなと言うことではありません。引き続き、3密の回避、手洗い・手指消毒、適切なマスクの着用などの基本的な感染防止対策に努めてください。

それでは、三学期の始業式、1月10日に、全員そろって、笑顔で会いたいと思います。
どうぞ良い年をお迎えください。

令和4年12月23日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清水 雅己

【式辞・講話等(全日制)】令和4年度第2学期始業式 式辞(要旨)

おはようございます。

今年の夏休みもコロナ禍ではありましたが、部活動をはじめ、課題研究や資格取得、コンテストなど、多くの生徒が夏休みを返上して活動し、先ほどの表彰状等の数にも表れているように、有意義で充実した夏休みを過ごしたのではないかと思います。

そして、今日、ここに始業式を迎えられたことに、まずもって感謝したいと思います。ありがとうございます。

まずはじめに、1学期の終業式で、3つの善行について紹介しましたが、この始業式でも善行について紹介したいと思います。

8月29日(月)に、地域に住まわれている女性から電話をいただきました。その内容(要旨)は次の通りです。

8月27日(土)9時頃、本校近くの交差点で自転車で転んでしまい、足をケガして動けなくなっていたところを、大宮工業高校の男子生徒に助けてもらった。
その生徒は自転車を起こしてくれた上に、お水まで買って持ってきてくれた。

その生徒の行動に大変感謝し、御礼をと思い電話したとのことでした。
そして、その女性は妊婦さんで、その後体調に問題はないとのことでした。

生徒の名前は聞くことができなかったとのことですが、髪の短い爽やかな生徒であったとのことです。

人が困っているとき、その人に身を案じ、すぐに行動を起こすことができる生徒。なかなかできることではなく、これぞ宮工の生徒。まさに、本校の誇りです。いつも思っていることですが、本当に凄い生徒たちだな、凄い学校だなと素直に嬉しくなってきます。

名前はわかりませんが、その生徒の優しさと行動力に、心より敬意を表します。ぜひ、該当する生徒は、校長室を訪ねてもらいたいと思います。

さて、今日は、「能力」と「熱意」と「考え方」について話したいと思います。

皆さんも多忙な夏休みを過ごしたと思いますが、先生方も進路指導や部活動、課題研究などの支援や指導、出張や会議、教材研究、2学期の準備など、むしろ学期中よりも夏休みの方が多忙な日々が続いていたように思います。

私自身も、学校の外で行われた会議などに出席するため、あまり学校にいることができませんでした。
それらの会議で多く耳にしたのは、私たちを取り巻く社会が急激に変化しているということです。

その代表的なキーワードは、AI、IoT、ビッグデータ、ロボット、そして、Society5.0。このSociety5.0が目指すものは、

・IoTですべての人とモノがつながり、新たな価値が生まれる社会
・AIにより、必要な情報が必要な時に提供される社会
・ロボットや自動走行車などの技術で、人の可能性が広がる社会
・イノベーションにより、様々なニーズに対応できる社会

例えば、自動車産業やロボット産業と、IoTやAIなどの結び付きによる社会の変革(イノベーション)を通じて、社会が抱える問題を解決していくことです。

その反面、今ある職業がなくなったり、新たな職業が生まれたり、価値観が変わったり、大きな変化がもたらされるということです。
このような変化の激しい時代を幸せに生きていくことは大変なことかもしれませんが、変化が大きければ大きいほど、何かを産み出すチャンスも多くなり、大変であればあるほど、厳しければ厳しいほど、遣り甲斐があり、楽しくもあると思います。

大切なことは、チャンスをチャンスとして捉えられるかどうか、捉えられたときに解決策を産み出し、必要なものを創り出すことができるかどうかです。

そのために必要な要素は、「能力」と「熱意」と「考え方」であると言われています。

1つ目の「能力」とは、物事を成し遂げることのできる力のこと。
日頃、学校で学んでいる国語や数学をはじめとする普通科目、専門科目、部活動や趣味など、その一つ一つが皆さんの「能力」を高める要素です。

この「能力」には、プラスはあってもマイナスはありません。学べば学ぶほど、やればやるほど高まります。

2つ目の「熱意」。
少しニュアンスが違うかもしれませんが、「やる気」や「モチベーション」と捉えてもらってもいいでしょう。
この「熱意」も「能力」と同じで、プラスはあってもマイナスはありません。いかに高めることができるかが大切になります。

「やる気スイッチ」という言葉を聞くこともありますが、やる気スイッチをONにするためにも、具体的な「夢」や「目標」を持つことは極めて重要なことです。

そして、3つ目の「考え方」。
この「考え方」には、プラスもあれば、マイナスもあります。
大切なことは、ものごとを悲観的に捉えるのではなく、「何とかしたい」「何とかしよう」「何とかなる」とプラスに考えること、人や自分、人生に対する肯定的な見方、人やモノに対する感謝の心、人や社会に貢献しようとするプラスの考えです。

とは言っても、物事をプラスに考えることは意外と難しいことです。そのためにも、自分に自信が持てるように「能力」を高めることは、とても重要なことです。

先ほども、ふれましたが、「能力」にはプラスはあってもマイナスはなく、学べば学ぶほど、やればやるほど高まります。

これら「能力」と「熱意」と「考え方」が、皆さん自身の中で、互いに融合し合うことにより、これからの変化の激しい時代を幸せに生きていくことができるようになると思います。

この「能力」と「熱意」と「考え方」を用いた有名な方程式がありますので紹介したいと思います。
その方程式を、一昨日訃報が報じられましたが、京セラや第二電電(現・KDDI)の創業者で、「経営の神様」と呼ばれた 稲盛和夫さんは、人生や仕事の結果は、「能力」と「熱意」と「考え方」の3つの要素の掛け算で決まると言っています。

式で表すと、

人生・仕事の結果 = 能力 × 熱意× 考え方

になります。式としては、3つの要素を掛け合わせただけの簡単な式ですので、ぜひ覚えておいてもらいたいと思います。

夏休みが終わり、いよいよ今日から2学期です。
2学期は、勉強だけでなく、体育祭や宮工祭、スポーツや文化活動にと皆さんが、さらなる成長を遂げる大切な学期です。

そのためにも、今紹介した「能力」と「熱意」と「考え方」の3つの要素と、この方程式を常に意識して、自らをさらに高められるよう努力してもらいたいと思います。

おわりに、夏休み中にも準備を進めてもらいましたが、2学期は3年生にとって、進路実現に向けた最も重要な学期となります。
大学や専門学校の推薦入試やAO入試は、既に始まっています。
そして、就職希望の皆さんは、2週間後の9月16日から採用試験が始まります。

採用試験を受験する人の中には、

・採用してもらえるのだろうか?
・この会社でやっていけるだろうか?
・会社に入れても、自分がやりたい仕事に就けるのだろうか?
・この会社は自分に向いているのだろうか?

そのようなことを考え、不安な日々を送っている人がいるかもしれません。

人は、人生の節目を迎え、ことを決める時には、誰だって心が揺れ動きます。それは自然なことであり、当たり前なことです。

しかし、それから逃げていては、何の解決にもなりません。
これは、就職希望者だけでなく、進学希望者にも言えることですが、大切なことは、

・腹をくくること。
・何が何でもこの会社に、この学校に入るんだという強い意志を持つこと。
・そして、自分がそこで何をやりたいのか、何をやろうとしているのかを自分の言葉で明確に言えるようにしておくことです。

いよいよ進路実現に向け、大きな一歩を踏み出す時がやってきました。
頭の中を整理し、体調を整え、万全な状態で臨んでください。
就職・進学ともに、3年生全員が第1希望の進路実現が叶うよう、ぬかりなく準備を進めてください。
3年生の皆さん、頑張ってください。皆さんからの吉報を待っています。

そして、1・2年生の皆さんには、進路実現に向かって頑張っている3年生の姿を、その目にしっかりと焼き付け、来たるべき時に備えてもらいたいと思います。

最後に、お願いです。
様々な制限が緩和されつつありますが、新型コロナウイルスは未だ猛威を振るっています。
周囲の人のためにも、自分のためにも、くれぐれも気をつけて、引き続き節度ある行動をお願いします。
それでは、この2学期が皆さんにとって、充実した学期となることを期待して、私の話を終ります。2学期も頑張っていきましょう!


令和4年9月1日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清 水 雅 己

【式辞・講話等(全日制)】令和4年度第1学期終業式 式辞(要旨)

おはようございます。早いもので、今日で1学期も終了です。
この1学期間、いろいろなことがありましたが、改めて、皆さんの凄さ、素晴らしさに感心しています。

それは、今日を含め、これまでの表彰式での表彰状の数にも表れていると思います。
これだけ多くの表彰状が授与される生徒が在籍する学校は、他に類を見ないものであり、とても誇りに思うことです。
これは、日々のたゆまぬ努力の成果であると思います。
ぜひこれからも、さらなる高みを目指して、励んでもらいたいと思います。

そして、先ほど壮行会を行いましたが、自転車競技部の皆さんには、夏休み中に開催されるインターハイで、日頃の厳しい練習の成果を遺憾なく発揮し、納得のいく成果をあげてもらいたいと思います。期待しています。


この1学期は、ある意味で記念すべき1学期でもありました。
それは、雨天ではありましたが、5月27日に全学年の遠足が実施できたこと。
6月22日~24日に2泊3日の3年生の修学旅行ができたこと。
そして、7月8日には、全校生徒が一堂に会する芸術鑑賞会ができたこと。
当たり前のことですが、当たり前のことができなかったこの3年間の中で、記念すべき1学期だったと思います。
これも、皆さんが感染防止対策にしっかり取り組んでくれたからこそのことと思います。
新型コロナウイルスの新規感染者が再び急拡大していますので、引き続き感染防止対策に努めてください。


そして、この1学期には、人命救助に関する3つの善行がありました。
このことは、特にすごいことだと思いますので紹介させてもらいます。

1つ目の善行です。
5月2日(月)夕方、地域にお住いの女性から学校に電話をいただきました。
その内容を要約すると、次の通りです。

大谷口のバス停付近で、血を流して倒れていたおじいさんを、本校生徒2名が躊躇なく対応し救助していた。
おじいさんは、その後救急車で運ばれて行った。
その対応している姿に感動したので報告をした。

というものです。
人通りのある中、突然おじいさんが血を流して倒れている状況を目の当たりにし、誰もが的確な行動を起こすことができるかわかりません。
そのような状況の中で、冷静に判断し、救助に当たった本校生徒2名。
生徒の名前はわかりませんが、私からも御礼を申し上げます。ありがとうございました。


2つ目の善行です。
これは、5/30に地域の方からの手紙いただき把握できたことです。
手紙の内容を読み上げます。

校長先生へ
貴校の2年生の男子生徒さんに、助けて頂きました。
昨日 5/29(日) 13:45頃、泰平保育園付近で自転車で転倒したところ、遠いながらも駆け寄ってくださいました。
後部車輪にスカートが巻きこまれ、困ってもいましたが上手にはずして下さいました。
学年は教えていただいたのですが、お名前の確認はできませんでした。
上手に御礼が言えませんでしたので、間接的ではありますが御礼を申し上げたく、手紙を書かせていただきました。
「ありがとうございました」
「折り目正しい生徒さんへ」

自転車で転倒した方を目の当たりにし、すぐに行動を起こした本校生徒。
これもまた、できそうでできない行動です。
この善行の主の名前はわかりませんが、私からも御礼を申し上げます。ありがとうございました。


3つ目の善行です。
6/21(火)夕方。地域の方から、電話が入りました。
その内容は、次の通りです。

今日、踏切内で転倒し血だらけの老人を大宮工業高校の生徒さんが躊躇せず安全な場所に避難させてくれました。
周りは女性だけだったので、とても助かりました。」というものでした。
その生徒さんは、すぐにその場を後にされましたが、名字だけは聞くことができたのでお伝えします。

というものです。
名前がわかったので、その生徒には、6/23(木)に校長室に来てもらい詳しく話を聞くことができました。
その時の状況は、東武野田線の踏切に差し掛かったところ、踏切の警報機が鳴っていた。
踏切内で数人の女性が血を流して倒れている年配の方を介抱していた。
その光景を目の当たりにし、すぐに駆け寄り、踏切の外の安全な場所に避難させた。
年配の方は、その後到着した救急車で病院に運ばれていった。
とのことでした。
その時の気持ちを尋ねたところ、自然と体が動き救助に向かった。
人助けをできてよかったと屈託のない笑顔で答えてくれました。
人が困っているとき、人の命に係わるときに、すぐに行動を起こした髙橋君。本当にありがとうございました。


今紹介した3つの善行、人命救助に当たってくれた生徒の皆さんの勇気と行動力に、心より敬意を表します。
皆さんで拍手を送りましょう!

 

さて、今日は1つの話と1つのお願いをしたいと思います。
まず、ある本の一節を紹介します。
その本は、私が高校生の時、担任の先生に勧められて読んだのが初めてですが、その後何度も読み返している本です。
それでは、その一節を聞いていてください。

ある芸ごとの名人の言葉だということだが、次のような言葉をきいたことがある。「芸ごとのコツというものは、師匠から教えてもらうものではない。盗むものなのだ」というのである。教える側よりも習う側に、それだけの積極的意欲がなくては、何事も上達するものではない。とう意味であろう。
芸ごとと学問とでは、事情が違うところもあるが、学ぶ側の積極的意欲が根本だという点では、まったく同じだと、私は考えている。受け身では学問はできない。学問は自分がするのであって、誰かに教えてもらうものではない。
そういうことを考えると、いまの学校という制度は、学問や芸ごとを学ぶには、必ずしも適当な施設とはいいにくい。今日(こんにち)、学校においては、先生が教えすぎるのである。親切に、あまりにも親切に、何でもかでも、教えてしまうのである。そこで学生は、教えてもらうことに慣れて、自ら学ぶことを知らない。ということになってしまう。
もし学校において、教師はできるだけ教えまいとし、学生は何とかして教師から知恵をうばいとってやろうと努める、そういう厳しい関係が成立するならば、学校というものの教育的効果は、いまの何層倍にものぼるのではないかと、わたしは想像している。いまの学校のやり方が、まったく無意味だとも思わないが、学問や芸術などの創造的な活動力を養うには、確かにあまりできのよい制度とは思われない。

というものです。
皆さんの日頃の生活を思い起こしてもらいたいと思いますが、教える側の先生方は、この本に書かれているように、わかるように、親切に、丁寧に授業をしてくださっていると思います。
それに対して、習う側、学ぶ側であるみなさんの日頃の姿勢はどうでしょうか。


この本に書かれているように、教えてもらうことに慣れて、自ら学ぶことを知らない。という状態になっていないでしょうか。
わからないということを人のせいにしていないでしょうか。積極的意欲をもって、自ら学ぼうとしているでしょうか。いまの自分自身の状態を振り返ってみてもらいたいと思います。

この本は、京都大学の名誉教授で、生態学者、民族学者、情報学者、未来学者である 梅棹忠夫さんが、1969年に書いた「知的生産の技術」という本です。出版後、94刷も改版されている本です。

今から約50年も前に梅棹さんは、このようなことを指摘しています。
ということは、約50年前の生徒も、いまの皆さんと同じような状態であったとも言えると思いますが、これまでの社会は、品質の良いものを大量に生産し、社会全体が同じように成長していく時代でしたので、教えてもらうことに慣れて、自ら学ぶことを知らないという受け身の姿勢であっても、何とかなったのではないかと思います。

しかし、今は、急速に進むグローバル化や産業構造の変化、新しいビジネスモデルの創出など、社会は激動の時代を迎えています。この流れは、今後さらに加速していくでしょう。

この激動の時代を生きる皆さんには、「やる気」や「意欲」をもって自ら学ぶ、自ら取り組もうとする「主体性」が何よりも大切になります。

この激動の時代において、皆さんには、「新たな時代を切り拓くのは、自分たちなんだ!」という志を持って、主体的に日々の学びに取り組んでもらいたいと思います。

その基盤を、自ら考え行動することができる、この夏休みに培ってください。

明日からいよいよ夏休みです。3年生は進路実現において特に重要な時期です。第一志望の企業、第一志望の学校に合格できるよう、本当の意味での進路実現100%となるよう、この夏休みも主体的に行動してもらいたいと思います。

そして、1・2年生は、3年生の先輩方の行動に学び、自らを限りなく高められるよう努めてもらいたいと思います。


最後に、お願いです。
夏休みは心が開放的になりがちで、そのため、軽はずみな行動を起こしがちです。
また、新型コロナウイルスもさらに感染が拡大していくと思います。
くれぐれも気をつけて、節度ある行動をとりつつ、楽しく充実した夏休みになることを願っています。
それでは、二学期の始業式には、全員そろって、笑顔で会いましょう!

 

令和4年7月20日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清 水 雅 己

【式辞・講話等(全日制)】令和4年度入学式 式辞(要旨)

やわらかな、春の日差しの中、若い命が躍動する、希望あふれる季節がめぐってまいりました。
ただ今、入学を許可いたしました新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
教職員、在校生を代表して、皆さんの入学を、心から歓迎いたします。

そして、今日まで様々な面で、御苦労を重ねて来られました、保護者の皆様に、お子様の御入学を、心からお祝い申し上げます。

さて、本校は、大正十四年に、大宮町立工業学校として、大宮の地への設置が認可され、この九六年の間に、校訓である「至誠一貫」「質実剛健」のもと、生徒たちの力を引き出し、鍛え、常に日本の工業界をリードする人財を育ててまいりました。

新入生の皆さんには、本校で、確かな学力に加え、社会人としての豊かな教養、そしてエンジニアとしての、知識と技術を身につけてもらいたいと思います。

本校での学校生活は、皆さんの生涯の中でも、極めて大切な時間になるものと思います。

そこで、入学にあたり、心に留めておいていただきたい、三つのことをお話しいたします。

一つは、「夢を持て!」ということです。
その夢は、先の長い生涯をかけての夢でも、少し努力すれば手が届きそうな、目標でも構いません。
人は、常に夢や目標を持ち、それに向かって努力することで、一回りも、二回りも、成長することができます。

幸いにも、本校には、日本を代表する充実した施設・設備があり、そして何よりも、素晴らしい指導者である先生方がいます。

毎日の授業はもちろん、資格取得やコンテスト、部活動など、他に類を見ないたくさんのチャンスがあります。
このチャンスに、自ら積極的に挑戦して、夢を掴んでください。
すべては夢を持つことから始まります。
「夢を持て!」
そして、その夢や目標に向かって、たゆまぬ努力を重ねていってください。

二つめは、「失敗を恐れるな!」ということです。
先ほども、申し上げましたとおり、本校には、他に類を見ないたくさんのチャンスがあります。

そのチャンスに対して、たくさん挑戦すれば、たくさん失敗するのは当たり前です。
大切なことは、その失敗をどう捉えるか、そして、失敗しないためにどうすべきか、ということです。

まず、失敗をどう捉えるか。
「わたしは、今までに一度も失敗をしたことがない。電球が光らないという発見を、今まで、2万回したのだ」
これは、あの偉大な発明家、トーマス・エジソンの言葉です。
エジソンは、上手くいかなかった結果を「失敗」ではなく、「これでは上手くいかないという発見」と捉え、その結果を分析し、さらに研究に邁進したのです。

また、「失敗とは単に、もう一度始められるチャンスのことだ。今度は、もっと賢く行うことができる。ただ一つ、本当の失敗とは、そこから何も学ばないことだ」
これは、アメリカの自動車会社、フォードの創業者、ヘンリー・フォードの言葉です。
エジソンは、「失敗」を「これでは上手くいかないという発見」に、フォードは、「次はもっと賢く行えるチャンス」と捉えました。

このように、失敗は必ず何かを学ぶチャンスでもあります。
また、この学びは、挑戦しなければ絶対に得ることができない貴重な経験でもあります。

失敗を犯さない人はいません。失敗は成功の母、失敗は成長の糧、失敗とは、何かに挑んだ証であり、成功への通過点に過ぎません。
高校生だからこそ、失敗を恐れることなく、たくさん挑戦して、たくさん失敗してください。

その失敗を、発見やチャンスとして、前向きに捉え、「挑戦と失敗」「トライアル & エラー」を繰り返して、その先にある「成功」にたどり着いてください。

そして、失敗しないためにどうすべきか。
「たったひとりしかいない自分を、たった一度しかない人生を、ほんとうに生かさなかったら、人間、生まれてきたかいがないじゃないか。」
これは山本有三の「路傍の石」の中にある言葉です。
あまりにも有名な言葉なので、知っている人も多いことでしょう。

そして、この「路傍の石」には、このような言葉も書かれています。
「人間はな、人生という砥石で、ごしごしこすられなくちゃ、光るようにはならないんだ。」
この人生という砥石には、目の粗い砥石、細かい砥石、仕上げの砥石など様々なものがあります。

皆さんにとって、この高校生活における砥石とは、学校であり、先生方であり、先輩であり、後輩であり、仲間であり、地域や社会の方々であると思います。
その砥石を大切にし、磨き磨かれ、自分自身を光り輝かせてください。

そして、墨彩画家の ひろはま かずとし さんが執筆した「生きつづけてこそ」の中に、「あなたが、あなた自身を信じなくては、輝けるわけがありませんよ」という言葉があります。
自分自身を信じること、自信を持つということは、とても難しいことです。

しかし、自信がなければ、資格取得や、やがて訪れる就職試験、大学入試も、心配であり、実力を発揮することはできません。試合やコンテストなどで、優秀な成績を収めることはできません。

それでは、自信を持つためにはどうするか。それは、準備をする以外に、方法はありません。
準備は、自信につながるだけでなく、嘘をつかない自分を築き上げるためにも、最善の行いです。

その準備をするときは、いつか。それは、今、この時、これから始まる、この高校生の時です。
「失敗を恐れるな!」
怠ることなく準備を進め、信じられる自分、光り輝く自分を築き上げてください。

三つ目は、「優しくあれ! 精神(こころ)強くあれ!」ということです。
私は、工業とは、ただものをつくるのではなく、「人が、人として、幸せに生きていくために必要なものをつくること」だと考えています。
皆さんが、本校で学ぶ知識や技術は、自分のためだけでなく、人のため、社会のため、世界や地球のために、役立たせるためのものです。

専門的な知識や技術の先には、それを利用する「人」がいます。
いかに高度な技術を駆使したものであっても、それを使う人への、思いやりや配慮、気遣いがなければ、決して受け入れられることはありません。
相手の気持ちや、立場に立って考えること。行動すること。つくり上げること。その基本は「優しさ」です。

クラスの友人、学科や部活動の先輩、先生方をはじめとする多くの人との触れ合いの中で、心を磨き、鍛え、人としての「優しさ」を身につけていってください。

そして、優しくあるためには、「精神(こころ)の強さ」が必要です。
精神(こころ)が強くなければ、優しさは、甘さや弱さになりかねません。
精神(こころ)が強くなければ、人や社会を優しく包むことはできません。

どのようなことがあっても挫けることのない強い精神(こころ)。
たゆまぬ努力を重ね、前に進み、たどり着こうとする強い精神(こころ)。
本当の優しさは、強い精神(こころ)に宿ります。

この「優しくあれ!」は、真心をもって何事にも立ち向かうこと。誠意を貫き通すこと。という
本校の校訓「至誠一貫」に通ずる言葉であり、「精神(こころ)強くあれは!」は、中身が充実して飾り気がなく、心身ともに強くたくましいさま。という本校のもう一つの校訓「質実剛健」に通ずる言葉です。

皆さんには、本校の校訓「至誠一貫」「質実剛健」とともに、この「優しくあれ!精神(こころ)強くあれ!」という言葉を、心に深くとどめ、それぞれの夢や目標に向かって、挫けることなく、怠ることなく、邁進してもらいたいと思います。

最後になりましたが、保護者の皆様に申し上げます。
本日より、本校を巣立つその日まで、大切なお子様を、責任を持ってお預かりいたします。

お子様一人一人が持つ、資質・能力・人間性を、限りなく伸ばせるよう、私たち教職員は、全力で努めてまいります。そのため、時には、厳しく、教え、諭すこともあるでしょう。

保護者の皆様におかれましては、学校の方針を御理解いただき、御協力くださいますようお願い申し上げます。

また、お子様は、青年期の悩み多き年代にあります。保護者の皆様と本校の教職員が互いに信頼し合い、情報交換を密に行い、手を携えながら、粘り強く、お子様の成長を支援していきたいと考えておりますので、何卒、よろしくお願い申し上げます。

結びに、希望あふれる新入生の皆さんの前途を祝すとともに、本日、御多忙の中、御臨席賜りました保護者の皆様に、重ねて御礼申し上げ、式辞といたします。

 

令和4年4月8日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清 水 雅 己

【式辞・講話等(全日制)】令和4年度第1学期始業式 式辞(要旨)

おはようございます。いよいよ、今日から令和4年度が始まります。

新型コロナウイルスが未だ猛威を振るっていますが、今日この日が迎えられたれたことに、まずもって感謝したいと思います。

今ここには、2年生と3年生が顔を揃えています。
この令和4年度、2年生の皆さんは、学校の中核となって活動する、言わば学校の顔となる年次です。
そして、3年生の皆さんは、最高学年であるとともに、自らの進路実現を果たす極めて重要な年次です。

まずは、そのことをしっかり自覚し、常に意識して行動するとともに、新しく入学する後輩たちの良い先輩として、本校の良き伝統を伝え、さらに良い学校を築き上げていくための「良き手本」になってもらいたいと思います。

さて、今日は、令和4年度の始まりにあたり、3点話をしたいと思います。

1つ目は、社会の大きな変化「18歳成人」についてです。
皆さんも知っている通り、民法の改正により、今年の4月1日から、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。

そのため、今、私の目の前にいる皆さんの半数が、今年度中に新成人になります。

成人になると何が変わるか。
例としては、保護者の同意がなくても契約できる。
例えば、携帯電話の契約、ローンを組む、クレジットカードをつくる、部屋を借りる などの契約が、保護者の同意がなくてもできるようになります。
未成年では受験できなかった国家試験を受験することができる。
例えば、公認会計士、司法書士、医師、薬剤師などの受験資格に年齢制限があった国家試験を受験することができるようになります。
女性の結婚可能年齢が16歳から118歳に引き上げられ、男女とも18になります。などです。

すでに、選挙権は18歳に引き下げられていますので、選挙権につては、これまで通りです。

飲酒、喫煙、競馬・競輪・オートレース・競艇などのギャンブルは、変更なく20歳にならないとできませんので注意してください。

この中で、特に気を付けてもらいたいことは、契約の中の「保証人」についてです。
成人になると、他の人の保証人になることができます。

そのため、友達や先輩などから、「迷惑かけないから保証人なってよ」とか「ここにサインするだけでいいから」と頼まれることもあるかもしれません。
頼んだ本人は支払うつもりがなく、皆さんに払わせようとする人もいるかもしれません。
この保証人の種類には、「保証人」と「連帯保証人」があります。
特に気を付けてもらいたいのは「連帯保証人」です。

「連帯保証人」は、自分が借金したのと同様の重い責任が発生します。
場合によると、保証契約書という紙切れ1枚で人生が大きく変わってしまうこともあります。

時として法律は、知っている者だけを守り、知らない者は守ってくれません。
くれぐれも安易に契約したり、保証人なったりしないように気を付けてください。

2年生も含め、皆さんは、もうすぐに成人となります。
成人となれば、責任も重くなります。いつまでも子ども扱いしてはもらえません。そのことを十分理解してください。

そのためにも、私は、皆さんを成人として、立派な大人として扱いたい、扱わせてもらいたいと思っています。
知ちょっと古い言い方をすると、皆さんを紳士・淑女として扱いたい、扱わせてもらいたいと思っています。

成人とは、紳士・淑女、立派な大人とは、「品格がる人」を指します。


品格とは、礼儀作法やマナーがきちんとしている人。公の場でも恥ずかしくない教養のある人。見た目や行動、言葉遣いなど、その人の持つ雰囲気や周囲に良い印象を与えられる人を言います。

ぜひ、成人としての振る舞いができるように努力してください。


2つ目は、「失敗」についてです。
高校生活を送る中では、いいことも、悪いことも、成功することも失敗することもあると思います。
その中で、特に「失敗」について考えてもらいたいと思います。

失敗しない人はいません。
失敗は成功の母、失敗は成長の糧、失敗とは何かに挑んだ証などと言われることがありますが、それは、失敗から学ぼうとする姿勢や意思があるから言えることです。

その姿勢や意思がなければ、失敗は単なる失敗であって、愚かな行為となってしまいます。

ぜひ、失敗を、成功の母や、成長の糧にできるよう努力してください。

そこで、私から1つ提案させてください。
それは、「生徒手帳の活用」です。
本校の生徒手帳は、社会人がビジネスで使っているような立派な手帳です。
皆さんに、成人としての振る舞いができるようにとの願いがこもった手帳です。

提案したい活用方法というのは、カレンダーページの後にある白紙ページを「改善ノート」として使ってもらいたいということです。

使い方は、学校生活を送る中で、「失敗してしまった」と思うことがあったら、
・その失敗をメモしてください。
・そして、その失敗にどう対処するか、その考えをメモしてください。
・そして、対処した結果、フォローできたか、改善できたかをメモしてください。
・最後に、同じ失敗を繰り返さないためにどうすべきか、その決意をメモしてください。

同じ失敗を繰り返すことがないよう、失敗から学んでください。
失敗を、成功の母や、成長の糧にできるよう努力してください。

そのために、ぜひ、日頃持ち歩いている生徒手帳を、「改善ノート」として有効に活用してください。


最後に、今年度から本校が掲げる「目指す学校像」をお伝えします。
「日本を支え 世界で活躍する 人間性豊かなエンジニアの育成」です。
サブタイトルを、
「中学生に憧れを! 在校生に自信を! 卒業生に誇りを!」としました。
皆さんが日頃本校で学んでいることは、将来の日本を支えることができる知識や技術の基礎・基本です。

社会が大きく変化し、国際化が進んでいます。日本企業もどんどん海外に進出しています。
皆さんの先輩の多くの方が日本で、世界で、エンジニアとして活躍しています。

皆さんが、「日本を支え 世界で活躍する 人間性豊かなエンジニア」を目指し、様々なことにチャレンジし、一生懸命に取り組んでいけば、自分自身に自信を持つことができます。

皆さんが自信を持って行動すれば、必ず成果が表れます。
成果が表れれば、中学生の憧れになります。
卒業生の誇りなります。

皆さんの取り組みによって、大宮工業高校は、さらに発展します。
学校がさらに発展すれば、皆さん自身がさらに自信を持つことができます。
自分自身を、学校を誇りに思うことができるようになります。

皆さん自身のためにも、大宮工業高校をさらに発展させましょう。

それでは、令和4年度が、皆さんにとって充実した有意義な一年となることを祈念して、式辞といたします。
今年度も、正々堂々、明るく元気に、そして、楽しく学校生活を送りましょう。

1年間どうぞよろしくお願いいたします。

 

令和4年4月8日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清水雅己

【式辞・講話等(全日制)】令和3年度第3学期終業式 式辞(要旨)

令和3年度も、今日で終わりとなります。

まん延防止等重点措置が、ようやく解除となりましたが、今年度も新型コロナウイルスの影響を大きく受けた厳しい1年間となりました。
新型コロナウイルスについては、3回目のワクチンの接種も進んでいるようですが、まだまだ気を抜くことができない日々が続くものと思います。

また、ロシアのウクライナへの侵攻は、世界経済に大きな影響を与えています。
今後、新型コロナウイルスは、このまま収束に向かうのか、第7波が来てしまうのか、ロシアのウクライナへの侵攻はどうなるのか、予断の許さない日々が続くと思います。

そのような中で、今私たちにできることは、
新型コロナウイルスについては、引き続きマスクの着用や手指消毒をはじめ、基本的な感染拡大防止に努めること。
ロシアのウクライナへの侵攻については、先週生徒会が動いてくれたように、ウクライナの人たちを支援するための募金活動などを行うこと。私たちがもっと政治への関心を高め、何ができるかを考えること。様々な情報に惑わされないようにすることだと思います。
引き続き、今私たちにできることは何かを一緒に考えながら行動していきましょう。

さて、令和3年度を振り返ると、
部活動では、
・柔道部 須川選手の全国大会出場
・同じく柔道部の関東大会出場
・自転車競技部の全国選抜大会とインターハイ出場
などをはじめ、多くの部活動が活躍し、成果をあげてくれました。
また、専門学科関係においても、
資格取得では、
・国家試験である第1種・第2種電気工事士の合格者数が全国トップクラス
・工事担任者試験デジタル通信では、合格者数高校日本一、総合通信の合格者数全国トップクラス
・ものづくりコンテストでは、木材加工部門で全国大会出場、溶接部門で関東大会出場
地域連携では、
・見沼小学校との連携によるシュート版の改修
・鉄道博物館との連携による創作踏切の開発
・土呂町自治会からの依頼による土呂公園へのベンチ贈呈
などなど、工業高校ならではの活躍がありました。

そして、この新型コロナウイルス禍にあって、どの学校も、体育祭や文化祭などの学校行事が取りやめとなり、休眠状態であったところを、本校では皆さんは協力により、ほとんどの行事を行うことができました。
本当にすごいことだと思います。そのような意味でも、令和3年度の1年間、本当にお疲れ様でした。

今日は、令和3年度3学期の終業式にあたり、1つだけ話したいと思います。
それは、「真面目に!一生懸命に!」についてです。
先ほども触れましたが、この新型コロナウイルス禍にあっても、みなさんは本当によく頑張り、成果をあげてくれました。
それは、皆さんが、何事にも真面目に、一生懸命に取り組んだからからこその結果だと思います。

「真面目」とは、真剣であること。本気であること。誠実であること。誠意がこもっていることを意味し、本校の校訓「至誠一貫」と同じ意味を持つ言葉です。
「一生懸命」には、「一所懸命」というは似た言葉がありますが、どちらも同じような意味を持っています。
少し違うのは、
・「一生懸命」は物事に対して全力で取り組むこと。
・「一所懸命」は、「一所(一つのところ)」、「一カ所」を指すことから、一つのことに力を尽くすという意味を持っていることです。

私たち教員は、この大宮工業高校で、皆さんに、社会で生き抜く教養と、社会を支える技術を授けることを通して、皆さんを立派に育て上げ、社会に参画させることを目指して、これからも「一所懸命」に取り組んでいきます。
皆さんは、その環境の中で、何事にも全力で、「真面目」に「一生懸命」に取り組んでもらいたいと心から思っています。


1学期の始業式で、「能ある鷹」についての話をしました。
「能ある鷹は爪を隠す」という諺です。

有能な鷹は獲物に気づかれないように、悟られないように、普段は爪を隠し、
いざ獲物を捕らえる時だけ鋭い爪を出すことから、転じて、「才能や実力のある者は、軽々しくそれを見せつけるようなことはしない」という意味を持っています。

しかし、有能な鷹であっても、爪を出すことをしない日々が長くなれば、感覚が鈍り、いざという時に、その爪を出すことできなくなります。
ましてや、能ある鷹にまでは至っていない修行中の鷹であればなおさらです。

社会状況が大きく変化するこれからの時代にあっては、有能な鷹であろうとなかろうと、「能ある鷹は爪を研げ!」、そして、「能ある鷹は爪を出せ!」という姿勢が大切になります。
いつでも爪が出せるように、爪を研いでください。
何事にも真面目に、一生懸命に取り組んでください。

でも、もしかすると、皆さんの心の中には、仲間の前で、真面目に、一生懸命に取り組む姿を見られるのが、恥ずかしいと思っている人もいるかもしれません。
しかし、大宮工業高校は、埼玉県を代表する工業高校であり、工業という専門分野を真面目に、一生懸命に学び、日本を支えることができる力を身に付けるための学校です。
大宮工業高校の生徒であれば、真面目に、一生懸命に取り組むことは当たり前の姿です。
逆に、それができないことこそ恥ずかしいことであり、哀れなことであるという意識を持ってください。
真面目に、一生懸命に勉強してください。
真面目に、一生懸命に部活動に取り組んでください。
何事にも、真面目に、一生懸命に取り組んでください。

皆さんのさらなる成長を願い、令和3年度最後の式辞とします。
令和3年度の1年間、たいへんお疲れ様でした。そして、ありがとうございました。
それでは、4月8日には、全員そろって、笑顔で会いましょう!

【式辞・講話等(全日制)】令和3年度卒業証書授与式式 式辞(要旨)

式  辞

やわらかな、春の日差しの中、木々のつぼみも、日に日に膨らみ始め、春爛漫の日の近いことを思わせる季節になりました。
この春のよき日に、保護者の皆様のご臨席を賜り、令和3年度 埼玉県立大宮工業高等学校 卒業証書授与式を挙行できますことは、卒業生はもとより、本校教職員、在校生一同の大きな喜びとするところであります。
ご臨席賜りました保護者の皆様に、心から御礼を申し上げます。

ただいま、卒業証書を授与いたしました252名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。
また、保護者の皆様には、お子様の高校卒業の晴れやかな姿をご覧になり、喜びも ひとしおのことと、拝察申し上げます。

高校時代は、心・技・体ともに、人生の中で最も成長する時期であると同時に、不安定な時期でもありました。
保護者の皆様の温かい愛情が実り、お子様は、ご覧のとおり、立派に成長され、本日ここに、卒業の日を迎えられました。改めて、心からお祝いを申し上げます。

さて、卒業生の皆さんは入学してから今日まで、本校の校訓「至誠一貫」「質実剛健」のもと、夢を持ち、失敗を恐れず、学校生活に一生懸命に取り組んできました。
本校での3年間は、勉強はもちろんのこと、学校行事や部活動、資格取得、各種コンテストなど、この新型コロナウイルス禍の中でも、さまざまな夢や目標に向かって挑戦してきました。
強歩大会や体育祭、宮工祭などの行事では、クラスや学科、あるいは生徒会や部活動などに中心となって取り組み、仲間との強い絆を築くとともに、人間性を磨いてきました。
資格取得では、数多くの国家資格に合格するとともに、ジュニア・マイスターの称号を取得するなど、他に類を見ない大きな成果をあげてきました。
部活動では、仲間とともに暗くなるまで練習に励み、休日も返上して汗を流し、本校が文武ともに極めて優れた学校であることを証明してくれました。

このような日々を送る中では、さぞかし辛いこともあったと思います。
惜しくも敗れ、流した悔し涙、そのつらさを乗り越え、目的を達成したときの歓び、その経験こそ、これからの人生の最高の宝物になるはずです。
その経験や思い出を、いつまでも大切に、胸に刻んでおいてください。
そして、いつも皆さんを見守り、励まし、支えてくださった、家族や先生方、仲間、後輩たちがいたことを忘れないでください。

皆さんの高校生活の3分の2は、新型コロナウイルスとの闘いでした。
これまでとは異なる様々な対応が迫られる辛く厳しい時間であったと思います。
新型コロナウイルスへの対応に加え、ロシアのウクライナへの侵攻は、世界経済に大きな影響を与えています。
今後も、どのような状況になるか予断の許さないピンチの状態が続くものと思います。

これまでも皆さんに伝えてきたことですが、このような大きな社会問題が起こったときには、必ず社会が大きく変わります。
そして、社会が大きく変わる時には、たくさんのチャンスが訪れます。まさに「ピンチはチャンス」です。これから先も、このようなピンチは突如起こることでしょう。
そのピンチをチャンスとして捉えることができるかどうか、訪れているチャンスに気がつくかどうかは、皆さん次第です。
また、チャンスに気が付いても、自分自身に力がなければ、そのチャンスを逃してしまいます。
チャンスをものにするために必要なことは、備えること、力を蓄えることです。
高校を卒業し、また、成人となったといっても、皆さんはまだまだ未熟です。
これから先も、好奇心を持って様々なことを見つめ、学び続け、力を蓄えていってください。

その皆さんが、溢れる希望を胸に抱き、本日をもって、大宮工業高校から、新たなる社会へ、羽ばたいていくことに、大きな寂しさを禁じ得ません。
今ここに、万感の思いを込めて、そして、皆さんのこれからの長い人生における人生訓として活かせるよう、皆さんへ3つの餞の言葉を贈りたいと思います。

1つ目の言葉は、芸術家 岡本太郎氏が残した「壁は自分自身だ!」という言葉です。

何かに挑戦するとき、目の前には、必ず壁が立ちはだかります。
その壁とは、自分自身の経験不足や能力への不安であったり、失敗へのリスクやその重さかもしれません。
それらは、壁となり、これから進もうとする道を阻む(はばむ)障害となります。
しかし、その壁をつくり上げているのは自分自身です。
必ず乗り越えられると思えば、壁は低くなり、とても無理だと思えば、壁は高く聳え立ちます。
壁は自分自身です。乗り越えるべき本当の壁は、常に皆さん自身の中にあります。
その壁を前にして、それに手を掛け乗り越えようとするのか、背を向けるか。
また、今はそのタイミングではないと冷静に判断し次のタイミングを待つか。
どれが正しく、どれが間違っているというものではありません。
辛く厳しい判断を迫られたとしても、人のせいにすることなく、自分のこととしてしっかり考え、悔いの残らない選択をしてもらいたいと思います。

そのようなとき、悔いの残らない選択をするために、2つ目の言葉を贈ります。
それは、「素直な心で見よ!」という言葉です。

素直な心で見ることについて、現在のパナソニック株式会社を一代で築き上げた松下幸之助氏は、「素直な心で見るということが、きわめて大事だ。そうすれば、事をやっていいか悪いかの判断というものは、おのずとついてくる。」という言葉を残しています。
素直な心とは、何物にもとらわれることなく、物事(ものごと)の真実を見る心です。
素直な心になれば、物事の実相(じっそう)に従って、何が正しいか、何をなすべきかということを正しく把握できるようになります。
そして、素直な心は、人を強くし、聡明にしてくれます。

皆さんは、この三年間に、本当に多くの知識や技術を学んできました。
そして、その知識や技術を基盤に、これからも、さらなる精進を重ね、立派な社会人になると確信しています。
皆さんが持つ知識や技術は、自分のためだけでなく、人のため、社会のため、世界や地球のために、役立たせてこそ、価値があり、その役割を果たすことができます。
そのためには、相手の気持ちや、立場に立って考えること。行動することが大切です。その基本は、「優しさ」です。
そして、優しくあるためには、「心の強さ」が必要です。心が強くなければ、優しさは甘さになりかねません。心が強くなければ、人や社会を優しく包むことはできません。
どのようなことがあっても、挫けることのない強い心。
たゆまぬ努力を重ね前に進もうとする強い心。
本当の優しさは強い心に宿ります。

このこと忘れないでもらいたいと願い、3つ目の言葉を贈ります。
それは、「優しくあれ! 心強くあれ!」という言葉です。

「壁は自分自身だ!」
「素直な心で見よ!」
「優しくあれ! 心強くあれ!」
この3つの言葉が、皆さんが長い人生を力強く歩むための糧となれば幸いです。

いよいよ本日をもって皆さんは、大宮工業高校から新たなる社会に向けて羽ばたきます。
皆さんは、時流に乗る人、追いかける人ではなく、本校のDNAが宿る「新しい時代を創る人たち」です。
社会の変化や、技術の進歩をしっかり見つめ、感じ、考え、行動できる、新しい時代を切り拓く、優しく健康で、人間性豊かな社会人として活躍されることを心から期待しています。

最後になりましたが、保護者の皆様におかれましては、本校の教育活動につきまして、格別のご支援、ご協力をいただき、誠にありがとうございました。
時には、至らぬことや、ご心配をおかけしたこともあったかと存じますが、暖かく見守っていただいきましたことに、心から感謝を申し上げます。
そして、改めて、お子様のご卒業を心からお祝い申し上げますとともに、本校への末永いご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

結びに、本日ここに、ご卒業される卒業生の皆さんが、前途洋々たる人生を、正々堂々、そして、楽しみながら歩んでいくことを心より祈念し、式辞といたします。

卒業生の皆さん、本校の生徒でいてくれてありがとう。ご卒業おめでとうございます。

 

令和4年3月11日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清水雅己

【式辞・講話等(全日制)】令和3年度第3学期始業式 式辞(要旨)

令和4年がスタートしました。本年もよろしくお願いいたします。

今年は、例年より少し長い冬休みになりましたが、皆さんは、少しはゆっくり過ごすことができたでしょうか。
新型コロナウイルスのオミクロン株による新規陽性者が急拡大しているため、なかなか思い切ってというわけにはいかなかったかもしれませんが、有意義な冬休みを過ごすことができたでしょうか?

私自身は、年末にやり残した仕事があったため、学校や自宅で仕事に追われていました。それでも、元旦には、時間に余裕がありましたので、例年通り新聞を何紙か購入して、新聞の読み比べと、新聞広告の読み比べをしました。
その中で、特に印象に残ったのが、昨年の「私たちは、動く。」に続き公開された、日本自動車工業会をはじめとした自動車5団体の広告、クルマを走らせる550万人の「私たちは、できる。」という広告とテレビCMです。このテレビCMは、YouTubeにもアップされていますので、ぜひ、一度観てもらいたいと思います。

そのCMのメッセージを紹介します。

何度も止まりそうになった。
でもわたしたちは止まらなかった。

クルマを支える工場も、バスも、タクシーも、トラックや配達のバイクも、ガソリンスタンドも、日常を守るために動き続けた。

この国の移動や物流を支えたのは、自動車業界550万人の力だ。
そして、2022年、みんなで次に進もう。

新しいことを始めれば、業界の枠を超えて新しい仲間が増えていく。
550万人がチャレンジすれば、なんだってできる。

私たちは、できる。

このCMは、特にクルマ好きの人の心に響いているようで、YouTubeのコメントには、
・とても感動し、元気をもらい、そしてまた車が、日本が、好きになりました。
・普段はライバル、でも広い目で見れば仲間。物凄く良いCMです!
 涙出そうになりました!
 全員で自動車業界をもっと盛り上げましょう!!
などの感想が寄せられています。

このようなCMは、社会が大きく変化しているからこそ、新型コロナウイルス禍だからこそ、創り上げることができたCMだと思いますが、自動車業界の皆さんの生き生きとした笑顔が映し出されていて、「やってみよう!」と思わせるほど意欲が掻き立てられ、「好奇心」がくすぐられるCMでした。

このメッセージを借りれば、

何度も止まりそうになった。
でもわたしたちは止まらなかった。

体育祭も、宮工祭も、強歩大会も、インターンシップも、わたしたちが成長するために動き続けた。

日本の工業を支えていくのは、大宮工業高校全日制・定時制の生徒・教職員1000人の力だ。
そして、2022年、みんなで次に進もう。

新しいことを始めれば、学科や課程の枠を超えて新しい仲間が増えていく。
1000人がチャレンジすれば、なんだってできる。

私たちは、できる。

「やってみよう!」という気持ちになりますね。
ぜひ、これが実現できるように、みんなで力を合わせて新しいことに、チャレンジしていきましょう。


さて、今日は、「好奇心」について、話したいと思います。

はじめに、「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」という本の中から、脳神経外科医の 林成之(なりゆき)さんの言葉を紹介します。

私たち一人一人の人生の勝負は、自分の才能をいかに引き出すかだ。
会社がつまらない、上司が嫌だと言っていたら、
本当は能力があっても自分で自分の才能を閉じてしまうことになる。

また、別な場面で、林さんは、脳神経外科医として、こんな話もされています。
少し長いので要約して紹介します。

脳は、五感から得た情報を取り込むと、その情報を理解・判断し、思考し、発想を生み出し、記憶します。

取り込まれた情報が最初に到達するのは、「A10(エーテン)神経群」と呼ばれる部分です。
この神経群は、いわば感情をつくる中枢で、情報がたどり着くと、その情報に対する感情がつくられ、その情報に「好きだ」「嫌いだ」「おもしろそうだ」「興味ない」といったレッテルをペタペタと、はりつけていきます。

このレッテルが、脳の働きにとても大きな影響を与え、マイナスのレッテルがはられた情報は、その後の「理解・判断」「思考」「発想」「記憶」といった機能が働かなくなります。

例えば、ある情報に「つまらない」とか「興味ない」というレッテルがはられると、脳は機能しなくなります。

また、「もうそんな話は知っているよ」などと斜に構えたり、「もう自分は十分に知っている」と満足してしまえば、興味を持って、人の話に耳を傾けられなくなったり、よい話を聞いても、頭に入らなくなります。

いくつになっても「好奇心」を持ち続ける人と、そうでない人とでは、脳の老け方に大きな違いが生まれます。

というものです。


次に、埼玉県の工業高校の出身者で、JR東日本のSuica開発者である椎橋章夫さんから、以前工業高校生にメッセージをいただいたことがありましたので紹介します。

私はICカード乗車券Suicaを開発、実用化し、世界最大のIC乗車券ネットワークを完成させました。その達成には困難を極めました。

皆さんの中には、学校に入って、あるいは社会に出て、自分はうまくやっていけるだろうか? などと、思い悩んでいる人も多いのではないでしょうか?

私の経験では、伸びるタイプの人は、「好奇心の旺盛な人」です。
何にでも興味を持って、とことん取り組んでいく。
自分の意志で取り組むのですから当然、結果に差が出ます。

Suicaも前例のない新しい分野の仕事でした。
その成功には、柔軟な発想力とそれを裏付ける技術力、そして現実のものに仕上げる実行力が必要でした。

これら3つの力の原動力は「好奇心」です。

皆さん、これからも学校での勉強は頑張ってください。
しかし、それ以上に、実生活の中で多くものに興味を持って、何でも体験してみてください。

きっと世界が変わります。

このような方々の話からも、「好奇心」を持ち、ものごとを前向きにとらえることの重要性がよくわかるのではないでしょうか。

・考えるのが面倒なことでも、「好奇心」があれば楽しくなります。
・様々なことに「好奇心」を持って臨めば、新しいアイデアが生まれるかもしれません。
・「好奇心」を持って、問題を掘り下げていくと、根本的な原因が分かり、革新的な変化を起こせるかもしれません。
・対人関係に「好奇心」を持って臨めば、相手をもっと深く知ることができるかもしれません。
ぜひ、自分を成長させるために、「好奇心」を高めていってください。

おわりに、新型コロナウイルスのオミクロン株の感染急拡大に伴い、予断の許さない状況が続いていますので、感染防止対策のさらなる徹底をお願いします。
・登校前に必ず検温及び健康観察を行ってください。
・常にマスクを着用してください。
・こまめに手洗いや手指消毒をしてください。
・寒くても換気をしてください。
・対面での食事はせず、黙食してください。
・3密を回避するよう行動してください。
感染しないためにも、させないためにも、感染防止対策の徹底をお願いします。

それでは、令和3年度第3学期が、そして、令和4年の1年が、皆さんにとって充実したものとなることを願い、私の話を終ります。
今年もよろしくお願いします。

【式辞・講話等(全日制)】令和3年度第2学期終業式 式辞(要旨)

おはようございます。

改めて、表彰された皆さん、おめでとうございます。本来であれば、2学期に活躍された皆さん全員を表彰し、全校の皆さんに紹介したいところですが、あまりにも大人数のため、半分だけ表彰させていただきました。
今日、表彰することができなかった皆さんは、1月11日に表彰させていただきますのでよろしくお願いします。

さて、早いもので、2学期も今日で終わりになります。2学期は、3年生にとっては、就職試験や推薦入試などの進路実現に向けての活動で大変な学期だった思います。全校的には、新型コロナウイルス禍の中、小雨降る中で開催した体育祭、はじめて実習棟も公開対象とした宮工祭をはじめ、学校行事も多く、1年間で一番多忙な学期であり、また、充実した学期であったと思います。
そして、先ほど表彰させていただきましたが、本当に多くの活躍がありました。さすが大宮工業高校の生徒たちです。本当にすごい生徒たちだなと思います。
2学期間、そして、令和3年の1年間、本当にお疲れ様でした。

今日は、身近な話題からいくつかの話とお願いをしたいと思います。

つい先日のことですが、建築科3年生の課題研究で校長室の棚などを製作していただいたおかげで、校長室内がスッキリ、きれいになりました。さすが3年間建築科で学んだ生徒たちです。その出来栄えに感激しました。製作してくださった建築科の皆さん、ありがとうございました。
ぜひ、他の生徒の皆さんも、時間のある時に校長室をのぞいてみてください。ドアが開いている時には、いつでも歓迎ですので、ノックして遠慮なく入ってきてください。

話を戻します。建築科の皆さんに、棚などをつくっていただいたことをきっかけに、校長室内を書類や何年も開けられていなかった引き出しの中まで片付け、必要なものをすぐに取り出せるようにしました。そのため、机の上だけでなく、引き出しの中まで、とてもきれいになりました。

皆さんが知っている言葉で言うと、「整理・整頓・清掃」をしました。この後、私がやらなければならないことは、この状態を保つことと、それを習慣化すること、すなわち、「清潔・躾」に取り組むことだと思います。
いま触れた、「整理・整頓・清掃」をまとめて社会では「3S」、そして、「清潔・躾」の2Sを加えて「5S」と呼んでいます。

これについては、皆さんが常に持ち歩いている生徒手帳に記(しる)されていたり、校内にポスターが掲示されていますので、皆さんは常に意識して行動していると思います。

生徒手帳の22ページには「5S」について記されています。

「整理」には、「不要なものを捨てよう」と記されています。整理とは、必要なものと、不要なものを分け、不要なものは捨てることです。
「整頓」には、「すぐに取り出せるようにしよう」と記されています。整頓とは、置き場所や置き方を決めるとともに、表示を行い、必要なものがすぐに取り出せるようにすることです。
「清掃」には、「身の回りを掃除しよう」と記されています。清掃とは、ゴミや埃、汚れのない状態にするとともに、細部まで点検することです。
「清潔」には、「きれいな状態を保とう」と記されています。清潔とは、「整理・整頓・清掃」の3Sを徹底し、汚れのないきれいな状態を維持することです。
そして、「躾」には、「ルールを守ろう」と記されています。躾と言われると、「親が子どもを躾ける」とか、「ペットがそそうしないように躾ける」など、やらされている とか やらせている というイメージがあるので、あまり好まない人もいるかもしれません。そのため、「躾」のSではなく、決められたことを決められた通り実行できるように、やるべきことがしっかりできるように習慣化すること。「習慣」のSと捉えるといいのではないかと思います。

この「5S」は、多くの企業が取り組んでいますが、その効果は、
①職場環境の美化
②従業員のモラル向上
などが挙げられています。

また、「5S」を徹底することにより、
①業務の効率化
②不具合発生の未然防止
③職場の安全性向上
などの間接的な効果があるとも言われています。

さらに、職場の問題点が顕在化、別な言い方をすると「見える化」され、結果として、問題点が改善され、信頼される企業となり、業績向上にもつながると言われています。このような取組で、特に有名なのは、自動車メーカーのトヨタです。トヨタの「5S」には、トヨタの考え方の基礎・基本のほとんどが入っていると言われています。

例えば、皆さんは、勉強している時に必要な資料がどこに行ったか分からなくなり、探すのに時間がかかった経験はありませんか?
勉強に限らず、机の中やパソコンの中など、何かを探すことは意外と多いと思います。これは大人になり、仕事をするようなるとさらに増えます。

このように、実際、仕事の中で「ものを探す」時間は意外なほど多く、それも仕事の一つだと考えている人は、少なくないようです。
しかし、トヨタは、この「ものを探す」ことは仕事ではなく、「ムダな時間」、「付加価値を生まず、原価だけを高めてしまう行為」であると捉えています。
そのため、トヨタでは、まず「ムダとは何か」を全社でしっかり認識し、職場内にあるたくさんのムダをどうすれば省くことができるかを考えることが改善のスタートであり、この「ものを探す」などのムダを省くためには、「5S」の徹底が必要であると結論付けたそうです。

そのトヨタの「5S」の礎を築いた、トヨタの元副社長、大野耐一(おおの たいいち)氏は、「いらないものを処分することが整理であり、ほしいものが、いつでも取り出せることを整頓という。ただきちんと並べるだけなのは整列であって、現場の管理は整理・整頓でなければならない。」と、その重要性を語っています。その言葉を受けたトヨタの「整理・整頓」は、見た目の美しさ以上に、「何が、どこに、いくつあるか」が、誰にでもすぐに分かり、必要なものが誰にでもすぐに取り出せ、「探す」「動かす」「運ぶ」といったムダを徹底的に省いた状態を指していると言われています。

そして、「整理・整頓」の次に取り組むのが、「その状態を維持する」ための「清掃」です。
企業によっては、生産性向上の視点から、「清掃」は清掃専門の業者に任せて、その間もラインを動かす方が効率的と考える企業もありますが、「ゴミが落ちていたら拾う」「汚れに気づいたら拭き取る」「職場の環境は自分たちで守る」という全員参画の意識を社員全員で共有するために、トヨタは、社員全員が徹底して「清掃」を行い、ゴミ一つ落ちていない、埃一つない職場環境をつくり上げているそうです。

これだけでも大変なことだと思いますが、トヨタの「5S」には、その先があります。
例えば、ある工程で塗料の付着が目立つとすれば、塗装する機械の改善を行い、汚れを減らし、ゴミの原因が、部品などの梱包や包装にあるとすれば、協力会社と知恵を出し合って可能な限り簡素化するという、その目指すものは、「汚したくても汚れない職場づくり」だそうです。

このレベルに達することは、そう簡単なことではありませんが、日頃、「5S」を心掛けている皆さんであれば、このトヨタの「5S」に、限りなく近づくことができると思います。

私は、工業高校の重要な役割は、「安全・安心な、より良い社会を創ることができる人財を育成すること」であると考えています。今話した、「5S」は、その基盤となるものです。

これからも、常に「整理・整頓・清掃・清潔・躾」の「5S」を意識し、行動し、安全・安心で快適な学習環境を築き上げるとともに、主体的で創造的な学習活動を通して、地域の皆さんから信頼され、安全・安心な、より良い社会を創造する人財へと成長してもらいたいと思います。

そして、この「5S」とともに、モノを大切にする心を育んでください。
先ほども触れましたが、「安全・安心な、より良い社会を創ることができる人財」となることが、工業高校で学ぶ皆さんの使命であり義務です。
皆さんは、モノをつくる思いや、モノがつくられるまでの苦労を知っています。
モノのすべてが、役割をちゃんと果たせるように、大切に扱ってください。ものづくりを学んでいる皆さんであれば、わかるはずです。

最後にもう1つお願いです。
最近、放火事件や転落事故など、憤りを覚えるような事件や辛く悲しい事件や事故の報道が耳に入ってきます。
誰にでも悩みや不安はあります。悩みや不安がない人はいません。その悩みや不安を一人で抱え込まず、家族、先生、スクールカウンセラー、友達、誰でもいいですから話してみてください。必ず味方になってくれる人がいます。
周りの人に話しづらいときには、電話やメール、ネットで相談できる窓口もあります。必ず、誰かに、どこかに話してみてください。
また、もし周りに元気のない友達がいたら、積極的に声をかけてあげてください。そして、大人につないでください。
お願いです。自分を大切にしてください。友達を大切にしてください。命を大切にしてください。

結びに、新型コロナウイルスのオミクロン株の影響が心配されるところですが、新規感染者数がだいぶ少なくなりましたので、年末年始に、家族や友達と出かける機会も多くなると思います。出かけるなとは言いません。引き続き、3密の回避、手洗い・手指消毒、マスク着用などの基本的な感染防止対策に努めてください。

それでは、三学期の始業式、1月11日に、全員そろって、笑顔で会いたいと思います。良い年をお迎えください。

 

令和3年12月24日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清水 雅己

【式辞・講話等(全日制)】令和3年度第2学期始業式 式辞(要旨)

約40日間の夏休みが終わり、いよいよ今日から2学期です。
今年の夏を振り返ると、夏休みが始まってすぐに東京オリンピックが開催されました。
開会式では、1824台のドローンが国立競技場の上空にオリンピックのエンブレムや地球を描き、実写版ピクトグラムが会場を笑顔にし、多くのアスリートの活躍が感動を与えてくれました。
それと並行して、新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大し、8月2日には緊急事態宣言が発令され、様々な制限が課されました。それは、今もなお続いています。
そのような中で、自転車競技部の機械科3年生の中山選手と機械科2年生の斎藤選手がインターハイに出場し全力を尽くしてくれました。
ものづくりコンテスト木材加工部門では、建築科の3年生の大澤君が関東大会に出場し、優秀な成績を収めてくれました。
時間の都合もありますので、すべてを紹介することはできませんが、この窮屈な状況の中で、部活動やコンテスト、課題研究、資格取得などで、皆さんは頑張ってくれました。
そして、この新型コロナウイルス禍の厳しい状況を乗り越えて、今日この場に元気よく集まってくれました。本当にうれしく思います。
夏休みが終わってお疲れ様というのもおかしな話ですが、心の底から「お疲れ様。ありがとう。」と言いたい心境です。
本当に皆さんお疲れ様でした。ありがとうございました。

夏休み中にも準備を進めていただきましたが、2学期は、3年生にとって、進路実現に向けて、最も重要な学期となります。
大学や専門学校のAO入試は、既に始まっています。
そして、就職希望の皆さんは、いよいよ2週間後の9月16日から採用試験が始まります。
就職・進学ともに、3年生全員が第1希望の進路実現が叶うよう、怠ることなく、準備を進めてもらいたいと思います。

さて、夏休みとなり、すぐに始まったオリンピック、緊急事態宣言の発令、そして、あまりにも暑かったので、記憶が蒸発してしまった人もいるかも知れませんが、1学期の終業式で、職業に就くことに関連して、「人は見かけで判断される」という話をしました。今日は、その続きとして、職業に就くことに関する2つの話と2つのお願いをしたいと思います。

まず、1つ目の話は、「いやでも他人(ひと)と比較される」ということです。
他人(ひと)と比較されることは、あまり気持ちのいいものではありません。
しかし、社会人になると、他人(ひと)と比較されることを避けて通ることはできません。
採用試験もそうです。採用試験は、その企業の採用計画に基づき、受験者を比較し、必要最小限の人数を採用します。そのため、資質・能力が高くても、それ以上の受験者がいれば、不採用となることもあります。
人には、知識や経験、技術、能力、体力などをはじめ、資質・能力に違いや差があります。
そして、それらは当然のように比較され、その結果は、採用試験の合否や採用後の職場での地位、役割、給与などの待遇として表れます。
社会に出るとそれの連続であり、みんな一緒、平等というわけにはいきません。
そのことを覚悟して、社会や会社の中で生き抜いていかなければなりません。
他人(ひと)と比較されて嫌な思いをしないようにするためには、何を比較されても大丈夫と言える自分になること。
自分を理解し、自らの資質・能力を高めていくこと以外に方法はありません。
ぜひ、本校にいる間に、その下地や基盤をつくれるよう、身に付けられるよう努めてください。自分を高めてください。

2つ目の話は、「直向き(ひたむき)に、前向きに」ということです。
職業に就き、働き始めると、「やりたい仕事をやらせてもらえない」「この仕事は自分には向いていない」と思うことが何度かあります。いや、何度もあると思います。
それは、仕事を任せる側の立場で考えればわかることです。
高校や大学などの学校を卒業したての知識や経験が少ない人に、その会社の核となる仕事や醍醐味を味わえるような仕事を任せることは、なかなかできるものではありません。
仕事への適性は、好きでも嫌いでも、粘り強く続けていくうちに、少しずつ芽生えていき、身に付いていくものです。そして、やがて、その部門で欠くことのできない人財に成長していきます。
結果として、仲間や上司から評価され、信頼され、次のステップに進んでいくことができます。
人間ですから、多少の好き・嫌いはあるかもしれませんが、はじめから「この仕事は自分に向いている」とか「向いていない」などと考えずに、「前向き」な姿勢で、仕事に臨んでもらいたいと思います。
このことは、仕事に就いてからではなく、今、現在の学校での学びにも言えることです。
学校での学びは、その分野のほんの一端をかじっているだけすぎません。
「向いている」とか、「向いていない」とか安易に判断するのではなく、直向きに、前向きに取り組んでいくことが何より大切なことです。
ぜひ、本校にいる間に、直向きに、前向きに取り組むことができる自分になれるよう努力してください。


次にお願いです。
1つ目のお願いは、新型コロナウイルス感染拡大防止の対応に関するお願いです。
夏休み中、本校関係者の中にも、家庭内に起因する感染者や濃厚接触者が複数確認されており、予断を許さない状況になっています。
そのための対応について何点か羅列しますので対応をお願いします。
・3密の回避、正しい手洗い・手指消毒、マスク着用の徹底をお願いします。
特にマスクについては、不織布マスク、布マスク、ウレタンマスクの順に効果が高いとされていますので、不織布マスクの着用を検討してください。
・不要不急の外出を避け、登下校時の直行直帰の徹底をお願いします。
・皆さんや同居の家族に、発熱等の風邪症状がみられる場合や体調不良者がいる場合は、登校せずに自宅で休養してください。その際は、欠席ではなく、出席停止扱いとなりますので、必ず学校に連絡してください。
・皆さんが新型コロナウイルス感染した場合や濃厚接触者に指定された場合は、必ず学校に連絡してください。
・皆さんが新型コロナウイルスのワクチン接種のために、遅刻、早退、登校できない場合には、出席停止扱いとなりますので、学校に連絡してください。
・今後の新型コロナウイルスの感染状況に応じて、本校の対応を変更する場合がありますので、学校HPやGoogle Classroom、メール等を確認ください。
・状況によっては、今後、ICTを活用した学習を頻繁に行う場合がありますので、Google Classroomへの接続が確実にできるようにしておいてください。

2つ目のお願いです。
夏休みが終わり、学校が始まったことで、進路のことや、勉強のこと、課題のこと、家庭内のこと、あるいは友人関係などの不安や悩みが出てくるかもしれません。
そんな時には、家族、先生、スクールカウンセラー、周りの友達、誰でもいいですから、あなたの悩みを話してください。
どうしても周りの人に相談しづらいときは、電話やメール、ネットなどの相談窓口にあなたの悩みを話してみてください。
必ずあなたの味方になってくれる人がいます。絶対に、一人で悩みを抱え込まないでください。
また、皆さんの周りに元気がない友達がいたら、ぜひ積極的に声をかけてあげてください。皆さんの声がけが、友達の不安や悩みを和らげることにつながります。

結びに、新型コロナウイルス禍ではありますが、2学期は、体育祭や宮工祭、勉強にスポーツにと、皆さんが、人としてさらなる成長を遂げる大切な学期です。
気を緩めることなく、怠ることなく、本校の校訓「至誠一貫・質実剛健」の如く、自らをさらに高められるよう努力してください。
それでは、この2学期が皆さんにとって、充実した学期となることを期待して、私の話を終ります。それでは、2学期も頑張っていきましょう!

令和3年9月1日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清水 雅己

【式辞・講話等(全日制)】令和3年度第1学期終業式 式辞(要旨)

おはようございます。速いもので、今日で1学期も終了です。
この1学期間、いろいろなことがありましたが、改めて、皆さんの凄さ、素晴らしさに感心しています。
それは、先ほどの表彰式での、合格証書や賞状の数にも表れていると思います。
本来であれば、もっと多くの生徒皆さんにこの場に来ていただく予定でしたが、時間の都合もあるため、今回は代表者に来ていただくことになりました。合格証書及び賞状を手渡すことができなかった皆さん。
申し訳ありませんでした。そして、おめでとうございました。

これだけ多くの合格証書や賞状を授与される生徒が在籍する学校は、他に類を見ないものであり、とても誇りに思うことです。
皆さんの常日頃のたゆまぬ努力に敬意を表するとともに、これからも、さらなる高みを目指して、頑張ってくれることを期待しています。

そして、もう一つ、いつも誇りに思っていることがあります。
それは、皆さんは本当によく、気持ちの良い挨拶をしてくれるということです。
挨拶なんて、「当たり前じゃないか」という人もいるかも知れませんが、当たり前のことを、当たり前に、自然にできるということは、とても素晴らしいことです。
誰でもそうだと思いますが、挨拶をしてもらえると、気分が良くなったり、心地よい雰囲気に包まれます。

本校には学校関係者だけではなく、企業の方や大学、専門学校の方など、驚くほど多くのお客様が来訪されますが、きっと、お客様も同じように感じられているのではないかと思います。

そのためか、来訪されたお客様には、「大宮工業高校の生徒さんの活躍をよく耳にしますので、訪問するのがとても楽しみでした。実際に学校訪問させていただいて思うのは、生徒さんは、本当によく挨拶をしてくれますね。校内がきれいですね。」ということ言われます。

御来訪いただいたお客様が、皆さんの挨拶により、気分が良くなり、また、校内視察を通して、「大宮工業高校の生徒は、挨拶ができ、清掃もしっかりできる生徒たちなんだな。」と好感を持ってお帰りになられていると思います。

挨拶や清掃がしっかりできる。
当たり前のことを当たり前にできる。
これはとても大切なことであり、本校の魅力であり誇りだと思います。
ぜひこれからも継続していってもらいたいと思います。


さて、今日は就職・採用に関する話をしたいと思います。
就職を希望する多くの3年生は、就職希望先を1社に絞り込み、夏休み中に企業訪問を行い、その後、9月16日から始まる採用試験に臨むことになります。

大学や専門学校に進む人、1・2年生も、将来は必ず働くことになりますので、耳を傾けていただきたいと思います。

就職を希望する皆さんも真剣だと思いますが、企業の方も真剣です。
その大きな理由は、「企業は人なり」、「人こそが企業の財産である」と言われるように、企業の継続的・持続的な成長のためには、優秀な人材の採用と育成が必要不可欠だからです。

しかし、企業にとって人を雇うということは簡単なことではありません。
まず、人を雇うには、多額な経費が必要になります。
具体的には、採用するために必要な経費。そして、高校を卒業したばかりの人でも、給与だけでなく、手当や保険、福利厚生などを含めると、一人に支払う給与の3倍から4倍もの経費が必要になると言われています。当然、経験や年齢が高くなればなるほど高額になっていきます。

しかし、企業は経営が厳しくなったからと言って、簡単に社員をクビにすることはできません。
だからこそ、企業は慎重に人を選び、必要最小限の優秀な人財を採用しようとします。

その重要な採用に関わる判断を企業の方は、学校訪問と皆さんの企業訪問、そして、たった一日二日の採用試験で判断しなければなりません。
ですから、採用担当者は、よっぽどのことがない限り危険な綱渡りはせず、より安全な方に舵を切ります。


その上で、皆さんに伝えたいことは、「人は見かけで判断される」ということです。

世間一般的には、「人は見かけで判断してはいけない」と言われていますが、採用試験、特に面接試験においては、当然のことながら人は見かけで判断されます。

この「人は見かけで判断される」ということについて、埼玉県出身の芸人、カズレーザーさんが、あるインタビューの中で、「人を見た目で判断するのはごく自然なこと」と述べています。そして、その理由について、こう分析しています。

一瞬で得られる情報が多いことから、生き物は、視覚情報である見た目で物を判断するように進化している。
音とか匂いとかよりも目で見た情報っていうのは、1秒あたりに伝わる情報量が圧倒的に多い。
見た目で判断するというのは、本能的にあるもの。
外見っていうのは、すべてが表れるものだから。
もし「こういうイメージを持ってほしい」って思うなら、それにのっとった格好をするべき。
真面目に思われたいんだったら、真面目に思われる格好をするべき。

このように、見た目で得られる情報量が多いからこそ、「人は見た目で判断される」というのがカズレーザーさんの分析です。

話を元に戻します。
面接試験は特別な日です。
その特別な日に、身だしなみや言葉遣いができていないなど、「見た目」や第一印象が悪ければ、当然採用されることはありません。

服装や頭髪をはじめとする身だしなみや言葉遣いを含め、「見た目」はその時だけ繕っても繕うことができるほど簡単なものではなく、日頃の生活の中で徐々に培われ、じわじわとにじみ出てくるものです。

校則だからとか、親や先生がうるさいからとかではなく、自分自身の将来ために、常日頃から、身だしなみや言葉遣いに注意を払い、自分自身の「見た目」を高めていってもらいたいと思います。

皆さんには、自然に気持ちの良い挨拶をすることができるというアドバンテージがあります。
そのアドバンテージに、「見た目」が加われば、さらに大きなアドバンテージとなり、皆さん自身の大きな魅力になると思います。

そして、来たるべき採用試験を迎えてもらいたいと思います。


最後に連絡です。
明日7月21日から10月末まで、HR棟の西側のすべてトイレは、改修工事のため使用することができなくなります。
また、それに伴い夏休み中は、西側の階段も使用することができなくなりますので、注意してください。


それでは、9月1日に、全員そろって、笑顔で会えることを楽しみにしています。
令和3年度1学期間、たいへんお疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。
有意義で楽しい夏休みとなることを祈っています。

令和3年7月20日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清水 雅己

【式辞・講話等(全日制)】令和3年度入学式 式辞(要旨)

やわらかな、春の日差しの中、若い命が躍動する希望あふれる季節がめぐってまいりました。

ただ今、入学を許可いたしました 267名 の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
教職員、在校生を代表して、皆さんの入学を、心から歓迎いたします。

本来であれば、御来賓と保護者の皆様にも御臨席いただき、令和3年度の入学式を挙行するところですが、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、このように規模を縮小しての入学式にさせていただきましたこと、許していただきたいと思います。


さて、本校は、大正14年、大宮町立工業学校として、大宮の地への設置が認可され、この95年の間に、校訓である「至誠一貫」「質実剛健」のもと、生徒たちの力を引き出し、鍛え、常に日本の工業界をリードする人財を育ててまいりました。

新入生の皆さんには、本校で、確かな学力に加え、社会人としての豊かな教養、そして技術者としての、高い技術力を身につけてもらいたいと思います。

本校での学校生活は、皆さんの生涯の中でも、極めて大切な時間になるものと思います。
そこで、入学にあたり、心に留めておいていただきたい、三つのことをお話しいたします。


一つ目は、「夢を持て!」ということです。

その夢は、先の長い生涯をかけての夢でも、少し努力すれば手が届きそうな、目標でも構いません。

人は、常に夢や目標を持ち、それに向かって努力することで、一回りも、二回りも、成長することができます。
幸いにも、本校には、日本を代表するほどの充実した施設・設備があり、そして何よりも、素晴らしい指導者である先生方がいます。

毎日の授業はもちろん、いろいろな資格取得やコンテスト、そして、部活動など、他に類を見ないたくさんのチャンスがあります。
このチャンスに、自ら積極的に挑戦して、そして、夢を掴んでください。

すべては夢を持つことから始まります。
「夢を持て!」、そして、その夢や目標に向かって、たゆまぬ努力を重ねていってください。


2つ目は、「失敗を恐れるな!」ということです。

先ほども、申し上げましたとおり、本校には、他に類を見ないたくさんのチャンスがあります。
そのチャンスに対して、たくさん挑戦すれば、たくさん失敗するのは当たり前です。
大切なことは、その失敗をどう捉えるか、そして、失敗しないためにどうすべきか、ということです。

まず、失敗をどう捉えるか。

わたしは、今までに一度も失敗をしたことがない。電球が光らないという発見を、今まで、2万回したのだ

これは、あの偉大な発明家、トーマス・エジソンの言葉です。

エジソンは、上手くいかなかった結果を「失敗」ではなく、「これでは上手くいかないという発見」と捉え、その結果を分析し、さらに研究に邁進したのです。

また、

失敗とは単に、もう一度始められるチャンスのことだ。今度は、もっと賢く行うことができる。ただ1つ、本当の失敗とは、そこから何も学ばないことだ

これは、アメリカの自動車会社、フォードの創業者、ヘンリー・フォードの言葉です。
エジソンは、「失敗」を「これでは上手くいかないという発見」に、フォードは、「次はもっと賢く行えるチャンス」と捉えました。

このように、失敗は必ず何かを学ぶチャンスでもあります。

また、この学びは、挑戦しなければ絶対に得ることができない貴重な経験でもあります。
高校生だからこそ、失敗を恐れることなく、たくさん挑戦して、たくさん失敗してください。
そして、その失敗を、発見やチャンスなど、前向きに捉え、「挑戦と失敗」「トライアル & エラー」を繰り返して、その先にある「成功」にたどり着いてください。

そして、失敗しないためにどうすべきか。

たったひとりしかいない自分を、たった一度しかない人生を、ほんとうに生かさなかったら、人間、生まれてきたかいがないじゃないか

これは山本有三の「路傍の石」の中にある言葉です。あまりにも有名な言葉なので、知っている人も多いことでしょう。

そして、この「路傍の石」には、このような言葉も書かれています。

人間はな。 人生という砥石で、ごしごしこすられなくちゃ、光るようにはならないんだ

この人生という砥石には、目の粗い砥石、細かい砥石、仕上げの砥石など様々なものがありますが、皆さんにとって、この高校生活における砥石とは、学校であり、先生であり、先輩であり、後輩であり、仲間であり、地域や社会の方々であり、そして、何よりも自分自身であると思います。

その砥石を大切にし、磨き磨かれ、自分自身を光り輝かせてください。

そして、墨彩画家の ひろはま かずとし さんが執筆した「生きつづけてこそ」の中に、

あなたが、あなた自身を信じなくては、輝けるわけがありませんよ

という言葉があります。自分自身を信じること、自信を持つということは、とても難しいことです。

しかし、自信がなければ、就職試験も大学受験も、心配であり、実力を発揮することはできません。ましてや、試合やコンテストなどで、優秀な成績を収めることはできません。

それでは、自信を持つためにはどうするか。
それは、準備をする以外に方法はありません。
そして、準備は自信につながるだけでなく、嘘をつかない自分を築き上げるためにも、最善の行いです。

その準備をするときは、いつか。
それは、今、この時、これから始まる、この高校生の時です。
「失敗を恐れるな!」、怠ることなく準備を進め、信じられる自分、光り輝く自分を築き上げてください。


3つ目は、「優しくあれ! 心強くあれ!」ということです。

私は、工業とは、ただ ものをつくる のではなく、「人が、人として、幸せに生きていくために必要なものをつくること」だと考えています。皆さんが、本校で学ぶ知識や技術は、自分のためだけでなく、人のため、社会のため、世界や地球のために、役立たせるためのものです。

専門的な知識や技術の先には、それを利用する「人」がいます。いかに高度な技術を駆使したものであっても、それを使う人への、思いやりや配慮、気遣いがなければ、決して受け入れられることはありません。相手の気持ちや、立場に立って考えること。行動すること。つくり上げること。その基本は「優しさ」です。

クラスの友人、学科や部活動の先輩、先生方をはじめとする多くの人との触れ合いの中で、心を磨き、鍛え、人としての「優しさ」を身につけていってください。

そして、優しくあるためには、「心の強さ」が必要です。心が強くなければ、優しさは甘さや弱さになりかねません。心が強くなければ、人や社会を優しく包むことはできません。どのようなことがあっても挫けることのない強い精神(こころ)。たゆまぬ努力を重ね、前に進み、たどり着こうとする強い精神(こころ)。本当の優しさは強い精神(こころ)に宿ります。

この「優しくあれ!」は、真心をもって何事にも立ち向かうこと。誠意を貫き通すこと。という本校の校訓「至誠一貫」に通ずる言葉であり、
「心強くあれは!」は、中身が充実して飾り気がなく、心身ともに強くたくましいさま。という本校のもう一つの校訓「質実剛健」に通ずる言葉です。

皆さんには、本校の校訓「至誠一貫」「質実剛健」とともに、この「優しくあれ!心強くあれ!」という言葉を、心に深くとどめ、それぞれの夢や目標に向かって、挫けることなく、怠ることなく、邁進していってもらいたいと思います。

結びに、希望あふれる新入生の皆さんの前途を祝し、式辞といたします。


令和3年4月8日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清水 雅己

【式辞・講話等(全日制)】令和3年度第1学期 始業式 式辞(要旨)

おはようございます。
いよいよ、今日から令和3年度が始まります。
今年度も、正々堂々、明るく元気に、そして、楽しく学校生活が送れるよう努力してもらいたいと思います。

2年生は学校の中核となって活動する中堅の年次であり、学校の顔となるべき年次です。
3年生は最高学年であるとともに、自らの進路実現を果たす極めて重要な年次です。
まずは、そのことをしっかり自覚するとともに、常に意識して生活してもらいたいと思います。
そして、今日の午後入学する後輩に対して立派な先輩として、本校の良き伝統を伝え、さらに良い学校を築き上げていくための「良き手本」となるよう努めてもらいたいと思います。

さて、年度が改まっても、相変わらず新型コロナウイルス禍にあり、今年度も様々な対応が迫られるのではないかと思いますが、一方で国際競争の激化や人工知能、IoTなどの先端技術が目覚ましい勢いで発達し、社会状況が大きく変化しています。
そのような時代に大切なことは、繰り返しになりますが、3学期の終業式にもお願いした、

・夢や目標、高い志を持つこと。
・辿り着くまで諦めない強い心を培うこと。
・様々な角度から見たり考えたりする力を養うこと。
・自分を自分自身で鍛えること。レベルアップすること。
・さらなる高みを目指し、何事にも好奇心・向上心を持って、自主的に、そして、主体的に取り組むこと。
を実践してもらいたいと思います。

すべては夢を持つことから始まります。
新しい年度を迎えた今日、改めて夢や目標を定めてください。もしくは再設定してください。
そして、忘れないためにも、常に意識し続けるためにも、この後配られる生徒手帳の23ページに、その夢や目標を丁寧に書き込んでおいてください。


さて、今日は、令和3年度のはじめにあたり、1つだけ話したいと思います。
それは、「能ある鷹」についてです。
皆さんも聞いたことがあると思いますが、「能ある鷹は爪を隠す」という諺があります。
有能な鷹は獲物に気づかれないように、悟られないように、普段は爪を隠し、いざ獲物を捕らえる時だけ鋭い爪を出すことから、転じて、「才能や実力のある者は、軽々しくそれを見せつけるようなことはしない」という意味を持っています。
日本人の美意識からすると、自分の才能をひけらかすことは恥ずかしいこととされ、「能ある鷹は爪を隠す」は、美徳ともされている姿です。

確かに、慢心して得意がって見せつけたり、見せびらかしたり、自慢したりする姿は、卑しく見えたりもします。また、慢心は、人を不快にするばかりでなく、自分の成長も止めてしまうこともあります。

しかし、慢心からではなく、自分の知識や技術を磨き、鍛え、自分に力をつけるためには、日頃から爪を出すことはとても大切なことです。
能ある鷹も爪を出すことをしない日々が長くなれば、感覚が鈍り、いざという時にその爪を出すこと、実力を発揮することができなくなります。ましてや、能ある鷹にまでは至っていない修行中の鷹であればなおさらです。

そして、競争相手が多くなればなるほど、生き抜いていくことが難しくなり、獲物を捕ることができなくなります。言うまでもなく、ここで言う、能ある鷹とは、実社会の第一線で活躍している人のような能力のある人、力のある人のこと。修行中の鷹とは、皆さんのことです。

先ほども話したとおり、国際競争の激化や人工知能、IoTの目覚ましい発達などにより、社会状況が大きく変化するこれからの時代にあっては、「能ある鷹になるため爪を研げ!」「能ある鷹は爪を出せ!」という姿勢が大切になります。
自分の知識や技術を磨き、鍛え、自分に力をつけるためにも、失敗を恐れず、何事も成し遂げるまで諦めず、果敢にチャレンジする姿勢が大切になります。

とは言っても、皆さんの心の中には、仲間の前で真剣に、真面目に取り組んだりすることを恥ずかしい思ったり、失敗を恐れチャレンジすることに躊躇する心が潜んでいるかも知れません。

大宮工業高校は工業の専門高校です。専門分野のことを真剣に学び、日本を支えることができる力をつけることを目的とする学校です。
真剣に、真面目に取り組むことは当たり前の姿であること。逆に、それができないことは恥ずかしいことであり、哀れなことであるという意識を持ってください。

そして、失敗を恐れチャレンジすることに躊躇する心を追い払うために、いくつかの言葉を紹介します。

世の中に、失敗というものはない。
チャレンジしているうちは失敗はない、諦めた時が失敗だ。

有名な言葉なので知っている人も多いと思いますが、この言葉は、京セラや現在のauなどを立ち上げ、日本航空を再生したことで知られる 稲盛和夫さん の言葉です。

また、現在のパナソニックを一代で築き上げた 松下幸之助さん も、

失敗の多くは、成功するまでに諦めてしまうところに、原因があるように思われる。
最後の最後まで諦めてはいけないのである。
失敗すればやり直せばいい。
やり直してダメならもう一度工夫し、もう一度やり直せばいい。
失敗したとこでやめてしまうから失敗になる。
成功するところまで続ければ、それは成功になる。

と、稲森和夫さん と同様の言葉を残しています。

皆さんは、修行中の鷹です。高校生だからこそ、失敗を恐れることなく、何事も成し遂げるまで諦めず、果敢にチャレンジしてください。
それでは、令和3年度が、皆さんにとって充実した有意義な一年となることを祈念して、式辞といたします。

1年間どうぞよろしくお願いいたします。

 

令和3年4月8日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清水雅己

【式辞・講話等(全日制)】令和2年度第3学期終業式 式辞(要旨)

令和2年度も、今日で終わりとなります。
今年度は、緊急事態宣言の発令に伴う臨時休業から始まり、2度目の緊急事態宣言の解除に至るまで、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた、例年とは異なる様々な対応が迫られる辛く厳しい1年間となりました。
その意味でも、令和2年度の1年間、本当にお疲れ様でした。

新型コロナウイルスへの対応は、ワクチンの接種も始まり、暗く長かったトンネルの先に、ようやく一筋の光が見え始めたところですが、まだまだ世界中が混乱しており、経済や生活に大きな影響を与えています。

今後、このまま収束に向かうのか、第4波となってしまうのか、わかりませんが、予断の許さない日々が続くと思います。
皆さんには、引き続きマスクの着用や手指消毒をはじめ、感染拡大防止に努めてもらいたいと思います。


さて、今日は、「学ぶこと。考えること。」について話したいと思います。

3年前、皆さんが中学1・2年生の頃に放送されたテレビコマーシャルで、印象に残っているコマーシャルがあります。
そのコマーシャルは、皆さんも見たことがあると思いますが、au三太郎シリーズの中のコマーシャルの1つです。

菅田将暉さんが演じる鬼ちゃんが、鈴木福君が演じる長男の赤鬼に、「お前、将来どうするんだ?」と聞くと、赤鬼は、家族が多く家計を気にしてか、「お父さんの電気屋さん手伝うよ」と答えます。

すると、鬼ちゃんは、「生意気言うな!」と言った後、「学んだことは、誰にも奪われないから!」と優しく、学ぶ道に進むことを勧める場面がとても印象的でした。
感動の一言ですが、言い換えると、「学んだ知識や技術は自分のものになる。自分の力になる。」ということだと思います。

棍棒や刀をもって相手と戦う時代ではありませんが、変化の激しい時代だからこそ、自分の知識を高め、技術を磨き、自分をとことん鍛え、自分の力を高めていくこと。自分をレベルアップすることが大切だということを教えてくれていると思います。

自分を鍛え、得られた力や誇り、自信は、どんな時代にあっても、どんな苦境に立たされても、必ず自分を助けてくれます。

皆さんはこれから先、学校生活の中では考えられないほどの、比べものにならないほどの、嫌なことや辛いこと、理不尽なことに必ず直面します。
そのため、どんな壁にぶつかっても、逃げずに、諦めずに、乗り越え、走り続けられるよう、自分を鍛えていかなければなりません。

この「自分を鍛える」ということについては、アメリカの牧師・著作家の ジョン・トッドは、次のような言葉を残しています。

およそのものは権力で手に入れたり、お金で買えたりするが、知識だけは勉強して手に入れる以外に方法はない。

そして、「最も貴重な知識とは、自分の力で導きだしたものだ。」と言い、その上で、「知識を蓄えるだけでなく、考える力を鍛えなさい。」とも言っています。

すなわち、「自分を鍛える」とは、「考える力を鍛える」ことであるということです。

そして、この「考える力を鍛える」については、アメリカの詩人のエラ・ウィーラー・ウィルコックスが、「運命の風」という詩の中で次のような言葉を残しています。

同じ風を受けていながら、ある船は東に進み、またほかの船は西に進む。 行くべき道を決めるのは疾風ではなく帆のかけ方なのだ。 海の風は運命の風のよう。 生涯という海路を辿るとき、ゴールを決めるのは凪か嵐ではなく、それは魂の構えである。

ここで言う「風」とは、それぞれの人のおかれた環境や状況であり、順風もあれば、逆風もある。順調な時もあれば、逆境・苦境に立たされる時もあるということ。
「帆のかけ方」とは、テクニックとしてではなく、見方や考え方であり、一方向だけでなく、様々な角度から見たり考えたりすること。今、自分が持っている知識や技術を総動員して考えること。
そして、「魂の構え」とは、将来どんな事をしたいか、何を成し遂げたいかという夢や目標を定め、それに向かって努力する情熱や姿勢。何があっても、あきらめず辿り着こうとする強い心。志(こころざし)のこと。

この「魂の構え」「志」がなければ、辛いことや嫌なこと、理不尽なことがあると、人は逃げたり、あきらめたりします。あたかも被害者のように装ったり、人のせいにしたりします。噓をつきます。言い訳をします。
そのような人には決してならないでください。
逃げたり、あきらめたり、人のせいにしたり、噓をついたり、言い訳をしない人間になってください。至誠一貫・質実剛健であってください。

そのためにも、夢や目標、高い志を持ってください。
辿り着くまで諦めない強い心を培ってください。
様々な角度から見たり考えたりする力を養ってください。
自分を鍛えてください。
レベルアップしてください。
さらなる高みを目指し、何事にも好奇心・向上心を持って、自主的に、そして、主体的に取り組んでいってください。

皆さんは、学校で、毎日のように、誰にも奪われない力をいっぱい蓄える機会を与えられています。その機会を捨てないでください。無駄にしないでください。学びに真摯に向き合ってください。
新年度を迎えるにあたって、「魂の構え」「志」の源となる、夢や目標について考えください。
この大宮工業高校に学ぶ皆さんなら絶対にできるはずです。


最後に、お願いです。
いつも学期の終わりに言っていることですが、春休みを迎えるに当たり私の願いは一つ。
「死ぬな!ケガするな!悲しませるな!」ということです。


それでは、4月8日には、全員そろって、笑顔で会いましょう!
令和2年度の1年間、たいへんお疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。

 

令和3年3月24日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清水雅己

【式辞・講話等(全日制)】令和2年度卒業証書授与式 式辞(要旨)

ただいま、卒業証書を授与いたしました卒業生の皆さん、御卒業おめでとうございます。心よりお祝いを申し上げます。

本来であれば、この春のよき日に、多くの御来賓の皆様と、保護者の皆様の御臨席を賜り、令和二年度卒業証書授与式を盛大に挙行するところでしたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、例年と異なる規模を縮小しての卒業証書授与式となってしまいましたこと、まずもってお詫び申し上げます。

きっと、皆さんの御家族も、この日が来ることを待ち望んでいたことと思います。
家に帰ったら、必ず、家の方に卒業証書を見せて、胸を張って卒業したことを報告するとともに、「これまでありがとうございました」という心からの感謝の気持ちを伝えてください。


さて、皆さんは入学してから今日まで、本校の校訓「至誠一貫」「質実剛健」のもと、夢を持ち、失敗を恐れず、学校生活に一生懸命に取り組んできました。

本校での三年間は、勉強はもちろんのこと、学校行事や部活動、資格取得、各種コンテストなど、さまざまな夢や目標に向かって挑戦してきました。

強歩大会や体育祭、宮工祭、修学旅行などの行事では、クラスや学科、あるいは生徒会や部活動などを中心に取り組み、仲間との強い絆を築くとともに、人間性を磨いてきました。

資格取得では、数多くの国家資格に合格するとともに、ジュニア・マイスターの称号を取得するなど、他に類を見ない大きな成果をあげてきました。

部活動では、仲間とともに暗くなるまで練習に励み、休日も返上して汗を流し、本校が文武ともに極めて優れた学校であることを証明してくれました。

このような日々を送る中では、さぞかし辛いこともあったと思います。
惜(お)しくも敗れ、流した悔し涙、そのつらさを乗り越え、目的を達成したときの歓び、その経験こそ、これからの人生の最高の宝物になるはずです。

その経験や思い出を、いつまでも大切に、胸に刻んでおいてください。

そして、いつも皆さんを見守り、励まし、支えてくださった、家族や先生方、仲間、後輩たちがいたことを忘れないでください。

皆さんの高校生活の最後の1年間は、新型コロナウイルスとの闘いでした。例年とは異なる様々な対応が迫られる辛く厳しい1年間であったと思います。

新型コロナウイルスへの対応は、ワクチンの接種も始まり暗く長かったトンネルの先に、ようやく一筋の光が見え始めたところですが、まだまだ世界中が混乱しており、経済や生活に大きな影響を与えています。
今後どのような状況になるか予断の許さないピンチの状態が続くと思いますが、このような大きな社会問題が起こったときには、必ず社会が大きく変わります。
そして、社会が大きく変わる時には、たくさんのチャンスが訪れます。まさに「ピンチはチャンス」です。

これから先も、このようなピンチは突如起こることでしょう。
そのピンチをチャンスとして捉えることができるかどうか、訪れているチャンスに気がつくかどうかは、皆さん次第です。
また、チャンスに気が付いても、自分自身に力がなければ、そのチャンスを逃してしまいます。
チャンスをものにするために必要なことは、備えること、力を蓄えることです。

高校を卒業したからといっても、皆さんはまだまだ未熟です。
これから先も、好奇心を持って様々なことを見つめ、学び続け、力を蓄えていってください。

皆さんが、溢れる希望を胸に抱(いだ)き、本日をもって、大宮工業高校から、新たなる社会へ、羽ばたいていくことに、大きな寂しさを禁じ得ません。
今ここに、万感の思いを込めて、そして、皆さんのこれからの長い人生における一つの人生訓として生かせるよう、皆さんへのはなむけの言葉を贈ります。

自分には自分に与えられた道がある。天与の尊い道がある。どんな道かは知らないが、ほかの人には歩めない。自分だけしか歩めない、二度と歩めぬかけがいのないこの道。広い時もある。せまい時もある。のぼりもあればくだりもある。坦々とした時もあれば、かきわけかきわけ汗する時もある。
この道が果たしてよいのか悪いのか、思案にあまる時もあろう。なぐさめを求めたくなる時もあろう。しかし、所詮はこの道しかないのではないか。
あきらめろと言うのではない。いま立っているこの道、いま歩んでいるこの道、ともかくもこの道を休まず歩むことである。自分だけしか歩めない大事な道ではないか。自分だけに与えられているかけがいのないこの道ではないか。
他人の道に心をうばわれ、思案にくれて立ちすくんでいても、道はすこしもひらけない。道をひらくためには、まず歩まねばならぬ。心を定め、懸命に歩まねばならぬ。
それがたとえ遠い道のように思えても、休まず歩む姿からは必ず新たな道がひらけてくる。深い喜びも生まれてくる。

この言葉は、パナソニック株式会社の創業者、松下幸之助さんが残された「道(道をひらく)」という言葉ですが、まさに本校の校訓や校歌の意味そのものであると思います。
しかし、自分の定めた道を信念を持って歩んでいても、長い人生では、必ず良いときと悪いときがあります。

人は良いときは調子にのり、その幸運を自分の実力だと勘違いします。
そして、知らず知らずのうちに「高慢」になったりもします。
そのようなときは、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」のことわざにあるように、良いときほど人は謙虚に、そして、感謝の気持ちを忘れてはなりません。

逆に何をやってもうまくいかないときが必ずあります。
理不尽なことや想定外なことに必ず直面するときがあります。
そのような状況になったとき、人は挫けたり諦めたりします。
そのような状況のときには、見方や角度を変えて見てください。
アメリカの詩人、ウィルコックスの詩「運命の風」に、このような一節があります。

ある舟は東に進み、またほかの舟は同じ風で西に進む。
ゆくべき道を決めるのは疾風ではなく帆のかけ方である。
海の風は運命の風のよう。
生涯という海路を辿るときゴールを決めるのは凪か嵐ではなく魂の構えなのだ。

このように、順風ならばそれを追い風に、逆風ならば帆のかけ方を変え追い風にする。すなわち、逆風は現状を変える絶好のチャンス、大きな飛躍への契機にもなります。
まさに「ピンチはチャンス」なのです。
このことを含めて、皆さんには、自分の定めた道を信念を持って歩んでいってもらいたいと思います。

 いよいよ本日をもって皆さんは、大宮工業高校から新たなる社会に羽ばたいていきます。皆さんは、時流に乗る人、追いかける人ではなく、本校のDNAが宿る「新しい時代を創る人たち」です。社会の変化や技術の進歩をしっかり見つめ、新しい時代を切り拓く、健康で人間性豊かな社会人となることを心から期待しています。

結びに、本日ここに、御卒業される卒業生の皆さんが、前途洋々たる人生を正々堂々、そして、楽しみながら歩んでいくことを心より祈念いたします。本校の生徒でいてくれてありがとう。御卒業おめでとうございます。

令和3年3月12日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清水雅己

【式辞・講話等(全日制)】令和2年度第3学期始業式 式辞(要旨)

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

新年早々ですが、大切なことなので式辞の前に、昨日、1都3県に発出された緊急事態宣言に伴う埼玉県及び学校の対応について話したいと思います。

まず、埼玉県の県立学校における学校運営の基本方針は、「感染防止対策を徹底しながら、教育活動を継続する」ということです。
これに基づき、学校における対応は大きく3点。

1点目は、「感染予防のさらなる徹底」です。

登校前に必ず検温及び健康観察を行ってください。もし、風邪の症状があったり、体調がすぐれない場合には登校しないようにしてください。
常にマスクを着用してください。
3密を回避するよう行動してください。
こまめに手洗いや手指消毒をしてください。
対面での食事はしないでください。また、食事中は会話をせず、会話は食事後にマスクをつけてからにしてください。食事をはじめマスクを外している時が感染リスクが極めて高くなりますので、感染しないためにも、させないためにも、必ず守ってください。
2点目は、「登下校時の3密の回避」です。

公共交通機関の過密状態を避け登下校するよう工夫してください。
このため、登校時刻を1時間繰り下げ9時40分とし、授業は40分の6時間短縮授業とします。
3点目は、「部活動の中止」です。

部活動については、原則中止とします。
対外運動競技等に出場する場合には、その2週間前から活動が認められていますので、顧問の先生の指示に従い活動してください。
以上3点です。詳細については、担任の先生や顧問の先生の指示に従ってください。

この他、土日など、学校が休みの日は、不要不急の外出を避け、ステイホームというせっかくのチャンスなので、自宅でしっかり勉強してください。
工業高校の生徒である皆さんには、こんな時だからこそ何が必要か、こんなものがあったらいいな! こんな仕組みがあったらいいな! など、ぜひ考えてみてください。そして、できれば絵にしてみてください。さらに、できればプロトタイプをつくってみてください。
頭の中のイメージを絵にしたり形にすることは、皆さんの成長にとって、とても大切なことです。ぜひチャレンジしてみてください。
加えて、学校だけでなく、自宅でも5Sを徹底してみてください。このピンチの時をチャンスに変え、自分自身を高められるよう努めてください。
まだしばらくは、多くの制約の中で生活することになります。窮屈かもしれませんが、気を緩めることなく生活してください。


それでは、式辞に戻ります。
冬休み中、事故等の報告は入っていませんので、皆さんは新型コロナウイルスの感染防止に努めながらも、きっと有意義な冬休みを過ごせたのだろうと思います。
まずは、「死ぬな! ケガするな! 悲しませるな!」を守り、元気に登校してくれたことに感謝します。ありがとうございます。

私自身は、比較的穏やかに年末年始を過ごすことができました。
特に元旦は、初詣を控え、ステイホームに徹していたため、時間に余裕があったので、新聞を何紙か購入して、新聞の読み比べと、新聞広告の読み比べをしていました。

2学期の終業式の式辞の中で、昨年の1月1日の そごう・西部 の広告の話をしましたが、毎年1月1日には、多くの企業が、新聞一面を使って、印象的なキャッチコピーと文章からなる広告を掲載しています。
今年も多くの企業が広告を掲載していましたので、まずは、その中から特に印象に残った8つのキャッチコピーを紹介したいと思います。

  • おもしろい未来は、自分たちで、つくろう。(講談社)
  • 今日から、進年。(集英社)
  • 想像力が明日をつくる(岩波書店)
  • 私たちは、動く。(日本自動車車体工業会)
  • つくるを、つくり変えろ。(大林組)
  • 変われ、変わり続けろ。未来が、そう言っている。(FUJITSU)
  • 新しい世の中は、あなたのアタマの中からひねりだせ。(社会情報大学院大学)
  • 世の中に「問題」があるときこそ、マーケティングとクリエイティブの出番です。(宣伝会議)

このように、今年は全体的に、「変革」「想像・創造」「実現」をテーマとしたものが多かったように思います。

この中から、特に勇気をもらったなと感じる2のキャッチコピーとその文章を紹介したいと思います。


1つ目は、「つくるを、つくり変えろ。」というキャッチコピーの文章です。

つくるを、つくり変えろ。

人類の歴史は、つくることの歴史だ。
制約、常識、願望。
人は、つくることによって、
さまざまなことを乗り越えてきた。
時代が大きく変わろうとしている今。
私たちは、つくること そのものを つくり変えてゆこうと思う。
形あるものだけが、ものづくりか。
人間のためのもの だけが、すべてか。
常に問いかけながら、可能性を拓き続けようと思う。
世界は不確かで、複雑さを増している。
でも、だからこそ。
これまで培ってきた力が、
まだ見たことのないものを 実現する原動力になるはずだ。
なぜならいつだって、つくることは、何かを超えることなのだから。

これは、俳優の佐藤健さんを起用した、建設大手、スーパーゼネコンの大林組の広告です。
時代の変化に対応し、自らが大きく変わろうとしている決意と、培ってきた力が原動力となるんだ という自信を感じさせる広告であると思うと同時に、力を高め、力を蓄えることの大切さを教えられたように思います。

 

2つ目は、集英社の「今日から、進年。」というキャッチコピーです。
集英社は毎年1つのキャッチコピーで、新聞社毎に異なる主人公で、異なる文章の広告を掲載していますが、今年は、

  • 読売新聞 ONE PIECEのルフィーをはじめとする少年ジャンプの主人公たち
  • 産経新聞 SPY×FAMILYのアーニャ
  • 日本経済新聞 女優・ファッションモデルの新木優子さん
  • 朝日新聞 元SKE48の松井玲奈さん
  • 毎日新聞 走っている5人の子どもたち

を起用した広告が掲載されていました。

この中から、読売新聞に掲載された ONE PIECEのルフィーを起用した広告の文章と毎日新聞に掲載された 走っている5人の子どもたちを起用した広告の文章を紹介したいと思います。

ONE PIECEのルフィーを起用した広告の文章です。 

今日から、進年。

 

何があっても止まらない。

どんな時でも進み続ける。

その強い意志こそが、いつだって世の中を動かしてきた。

それぞれの物語を通して、ヒーローたちが教えてくれているのは、

いかなる困難も乗り越える人間の無限の可能性。

 

さあ、新年だ。

心のページをめくって、新しい白紙に君の未来を書きこもう。

立ち止まらず、振り返らず、次の時代に向かって、飛び出していけ。

そして、走っている5人の子どもたちを起用した広告の文章は、 

今日から、進年。

 

みらいへ進む君たちへ。

きっと忘れることはないだろう。

学校に突然行けなくなったあの日を。

友だちと会えず外に出られなかった、長い時間を。

当たり前は当たり前じゃなくなることがあると、たぶん初めて知った一年を。

 

だけど、もう一つ忘れないでほしいことがある。

それは、「あの時は大変だったな」と笑い話をしあう日も、いつか必ず来るということ。

 

世界は、みんなが望むもっといい世界に、人の力で変えることができる。

その力を、僕らは想像力と呼んでいる。

 

今日から素敵な未来へ走り出そう。

僕たちみんなで一緒に。

先ほども少し触れましたが、今の状況だからこそ、今年は、

変革の時であることを告げ、その変革に対応する力や

次代を思い描く「想像力」、

創り上げていく力「創造力」や「構想力」、

そして、必ず形にしようとする力「実現力」や「行動力」をテーマとしたものが多かったように思います。

 

これらは、まさにこれからの時代を生きる皆さんに必要となる力だと思います。

 

 令和3年1月。

世界は新型コロナウイルス禍の中で、もがいていますが、一方で大きく変わり始めています。

2学期の終業式で話した通り、混乱期ではありますが、間違いなく黎明期(れいめいき)でもあります。

 

このチャンスを逃さないためにも、次代を思い描き、創り上げていく力、必ず形にしようとする力、ゴールに辿り着こうとする力を培ってください。

 

そして、何事にも誠意と真心をもって取り組み、それを貫き通すことができる心身ともにたくましい生徒になってください。 

努力してください。

チャレンジしてください。

あきらめないでください。

自分の力を高めてください。

力を蓄えてください。

そして、信じられる自分になってください。

 期待しています。

本年もどうぞよろしくお願いします。

 

令和3年1月8日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清水雅己

【式辞・講話等(全日制)】令和2年度第2学期終業式 式辞(要旨)

おはようございます。

 新型コロナウイルス禍の中での終業式ということで、今回も全校が一堂に会することはできず、ネットと放送による終業式となりました。

8月25日からスタートした、例年よりも少し長かった2学期も今日で終了します。

2学期を振り返ると、新型コロナウイルスの脅威にも屈せず、皆さんは協力して、体育祭や宮工祭、そして、2年生はインターンシップなどの大きな行事をはじめ、専門分野での学び、部活動などに、真摯に取り組んでくれました。

 その成果は、昨日の表彰式での賞状の数にも表れていると思います。

 そして、特に3年生は、人生の岐路に立ち、採用試験や入試に、悩みながらも、それぞれの進路実現を果たすために頑張ってくれました。

まだまだ、採用試験や入試は続いていますが、その真摯に取り組む姿勢に改めて敬意を表したいと思います。

 しかし、進路が決まったことはゴールではなく、新たな生活へのスタートです。

4月からの新たな生活が始まるまでの間に、さらに自分の力を高め、力を蓄え、十分な助走がつけられるよう努力してください。

 

 毎年12月14日に、日本漢字能力検定協会が「今年の漢字」を発表していますが、今年の漢字は何であったか覚えていますか?

 皆さんも予想していたのではないかと思いますが、今年の漢字は「密」でした。

これは、新型コロナウイルス感染拡大防止のために、「密閉」「密集」「密接」を指す3つの密、「3密」が掲げられたことからも予想しやすかったのではないでしょうか。

 皆さんは、この1年を漢字一文字で表すとすると、どんな漢字が思いつくでしょうか?

 私が最初に思いついたのは、「惑:まどう」と「迷:まよう」という漢字でしたが、その後、惑ったり、迷ったりしたことで、様々なことを様々な角度から常に考えていたことから、私にとっての今年の漢字は「考:かんがえる」としました。

 たまには、このような観点で、1年を振り返るのもよいのではないかと思いますので、皆さんも、ぜひこの1年を振り返り、自分にとっての今年の漢字を考えるとともに、この1年でどのような成長があったかを自分なりに確認し、新年を迎えてもらいたいと思います。

 

 さて、今日は2学期の終業式にあたり、1つの話と1つのお願いをさせていただきたいと思います。

 もう1年前になりますが、今年の1月1日に発刊された新聞広告の文章を紹介します。

大逆転は、起こりうる。

わたしは、その言葉を信じない。

どうせ奇跡なんて起こらない。

それでも人々は無責任に言うだろう。

小さな者でも、大きな相手に立ち向かえ。

誰とも違う発想や、工夫を駆使して闘え。

今こそ自分を貫くときだ。

しかし、そんな考え方は馬鹿げている。

勝ち目のない勝負は、あきらめるのが賢明だ。

わたしはただ、なす術もなく、押し込まれる。

土俵際、もはや絶体絶命。

 

これは、幕内最小力士と言われている炎鵬(えんほう)関を起用した 株式会社そごう・西武 が、今年1月1日に発刊した朝刊の新聞広告の文章で、そのままではとても気が滅入る文章です。

 しかし、この広告の下には、小さな文字で、「ここまで読んでくださったあなたへ。文章を下から上へ、一行ずつ読んでみてください。逆転劇が始まります。」と書かれていました。

土俵際、もはや絶体絶命。

わたしはただ、なす術もなく、押し込まれる。

勝ち目のない勝負は、あきらめるのが賢明だ。

しかし、そんな考え方は馬鹿げている。

今こそ自分を貫くときだ。

誰とも違う発想や、工夫を駆使して闘え。

小さな者でも、大きな相手に立ち向かえ。

それでも人々は無責任に言うだろう。

どうせ奇跡なんて起こらない。

わたしは、その言葉を信じない。

大逆転は、起こりうる。

 

 このクリエイティブな広告は、絶体絶命のピンチの時に、そこであきらめるか、それをバネにして乗り越えようとするか、見方考え方ですべてが変わることや自分の力を信じる大切さを教えてくれています。

 今思えば、これから起こる新型コロナウイルスの猛威を予感し、それに立ち向かう勇気を与えてくれている言葉であるかのようにも感じます。

  

それでは、生徒手帳を出してください。

表紙をめくり、校歌の歌詞を見てください。

本校の校歌は、難しい言葉がたくさん使われていますが、素晴らしい歌詞が綴られています。校歌についてはいずれどこかで触れたいと思いますが、一番の校歌の冒頭に、「淳樸神を敬えば、黎明の幸渥からん(じゅんぼく かみをうやまえば、れいめいのさち あつからん)」とあります。

 ここに書かれている「黎明(れいめい)」、生徒会誌のタイトルにもなっている「黎明」には、あけがた。夜明け。という意味があり、転じて、ある事柄が形になる前の始まりの時を意味しています。

 今は、新型コロナウイルス禍にあり、世界が過去経験したことがないほどの混乱期であり、ピンチの日々が続いています。

しかし、そのピンチの中で、様々なものが形づくられています。

 まさに、新しい時代の夜明け、新しい時代の始まりに向けた黎明期であり、いたるところにチャンスがあり、「黎明の幸渥からん」の状況にあると思います。

 このような時を、ただ混乱し、慌てふためいたり、諦めて何もしないで過ごすか、チャンスとして捉えることができるかどうか、訪れているチャンスに気がつくかどうかは、皆さん次第です。

また、チャンスとして捉えることができても、何の備えもなければ、自分の力を信じることはできません。

 ましてや先ほど紹介した広告のように大逆転を起こすことなど絶対にできません。

 信じられる自分になるためにも、大逆転を起こすためにも、大切なことは、夢を持ち、それに向かって努力すること。自分の力を高めること。力を蓄えること。そして、様々な角度から考えること。たどり着くまで諦めず考え抜く強い精神(こころ)を培うことです。

 今からでも遅くはありません。

これからの新しい時代を切り拓き、創造していくという崇高な使命を持つ皆さんには、これからも本校の校訓「至誠一貫・質実剛健」のもと、夢を持ち、その夢を実現するために必要となる力を蓄え、そして、夢を実現するまで諦めない強い精神(こころ)を培っていってもらいたいと思います。

 

 最後にお願いです。

冬休みを迎えるにあたって、私からのお願いは1つ。

1学期の終業式でもお願いしましたので覚えていてくれているのではないかと思いますが、

 「死ぬな! ケガするな! 悲しませるな!」ということです。

もう一度言います。

「死ぬな! ケガするな! 悲しませるな!」

必ずこれを守ってください。

 

それでは、年明け、冬休み明けの1月8日に、皆さんの元気な笑顔に会えることを楽しみにしています。

くれぐれも身体に気を付けて、有意義な冬休みを過ごしてください。

 

令和2年12月20日

埼玉県立大宮工業高等学校長 清水雅己