日誌

柔道部日誌

【柔道部】きっかけ

「先生、体重増えました!」

「腕、太くなったんです!まだまだ鍛えます!」

子どもたちがこうしたことを気にするようになった裏には、考査期間中に行ったインボディ測定の結果があります。鍛え方も体づくりも、自分が“これで充分”と思って行っていたことが足りていないと数値で明確に示され、監督の言葉を聞いて「もっとやらなきゃ」の意識が芽生えたようです。

 

報告してくれる一つ一つは本当に些細なことかもしれませんが、もっとできることがある、やらないといけないことがある、と思えるようになるのは小さな変化を実感できればこそ。継続して取り組むことを期待します。

【柔道部】大切な日

中間考査最終日、部員たちは恒例のイベントを企画していました。監督の誕生日会です!

テストが1時間で終わった3年生たちは早々と道場に集まって準備を開始しました。確率を表示してワクワク感をプラスしたのは面白いアイデア。

ガチャガチャの結果、持ち上げ34本に決定!

“歳の数だけ◯◯”シリーズ、しっかりやり切ってくれる監督、さすがです!

当日が大会の前後になるため毎年遅ればせながらのお祝いですが、今年もみんなで楽しめました。

お誕生日、おめでとうございます!

【柔道部】強さの継承

考査前の週末は、稽古と勉強の二本立て。稽古の時間を短く設定した分、チームづくりの研究をしようと、今年の夏に稽古をつけてもらった先輩方の試合動画を鑑賞しました。

動画は平成31年度から令和5年度に在籍していた卒業生たちのもの。団体戦で子供達が見入ったのは、技の巧さや試合運び以上に個々の気迫。そして画面を通して伝わる、“みんなで戦っている”雰囲気でした。

体勢を崩しながら技に入り、粘りの一勝をもぎとった先輩。チームに流れを引き寄せました。

体格差のある相手に臆せず勝負し、しっかり分けてきた先輩。-66kg級の選手が無差別の団体戦で堂々とした試合を見せました。

自分のペースを崩さず、何度も何度も技に入り攻めの手を緩めなかった先輩。この時、実は骨折していたと知り、それを全く感じさせない姿勢に現役生は絶句していました。

本戦とGSで20分に及ぶ個人戦を制した先輩の姿に引き込まれ、室内には「やーっ!」と、まるでその場にいるかのような声が響きました。

 

約1時間、動画を鑑賞した現役生たちは言葉が出ないほど圧倒されていました。

どんな相手でも、たとえ自分の状況が不利でも、絶対に隙を見せず対峙してきた先輩たち。その理由はただ一つ、「本気だから」 。そして、本気で柔道に懸ける思いこそが宮工柔道部の『強さ』です。

普段の稽古でも、常に土台にあるのは本気かどうか。絶対に言い訳をしなかった先輩たちの姿を見て、「できないんじゃない、やらないだけ」と内面の指摘が繰り返される理由をこの研究で理解できたはずです。次は自分たちの番。腹をくくって稽古です。

【柔道部】悔しさの実感

大会翌日、職員会議が終わった頃を見計らって村田先生がいらっしゃいました。本年度は定時制で勤務されている村田先生、試合のある日は毎回、活躍を気にかけてくださいます。2名の本戦出場を伝えると「そうか、良かった」と一言。

 

さて、埜口が入賞した裏で、同級生たちはそれぞれの思いを抱えていると思います。

 

怪我のため3ヶ月間柔道から離れ、柔道をやりたい一心で復帰後の調整を続けてきた坂本。言われたことを正面から受け止めて理解しようとする真面目さから、昨年度は余裕がなくなり苦しくなった時もありました。今大会に向けた稽古の中で、監督から「イイね」と言われた時とそうでない時を比較し「何でネガティブって言われるか分かった気がする」と、冷静に分析することができるようになりました。内面の成長が一番見えるのが坂本です。ベスト4をかけての一戦、焦りもあったのか呆気ない幕切れにショックを隠しきれませんでした。

 

ベスト8に終わった梅津。入学時から徹底してきた技がはまるようになり、地区大会での初めての入賞が自信になったようでした。稽古でも後ろ向きになりがちな様子も少しずつ減りつつある中で上位を狙った今回、普段の悪い癖が出てあえなく敗退となりました。負けた自分ときちんと向き合い、繰り返し指摘されるのは課題が残ったままだから、ということが腹に落ちれば話の受け止め方も変わるはず。それによって稽古の姿勢も変わるはず。自分の伸び代に気づくチャンスは、今です。

 

飄々とした雰囲気を見せながら、最も悔しい思いをしているのは福島ではないでしょうか。9月の地区大会で初戦敗退に終わり、この大会に名を連ねることができませんでした。自分の感情を後回しにしてチームの雰囲気を考える、察する力の高い選手ですが、この時ばかりは涙が止まりませんでした。ここから先は団体戦のメンバーとして自分の生かし方を考え、稽古に励むのが福島の役割です。裏方に回ることを良しとせず、もっと欲張ってほしいです。

 

4人とも2年生。

引退の時に「やりきった!」と言えるよう、ここからもう一段、レベルの高い環境に身を置いてくれることを期待します。

【柔道部】実りの時

8日・9日、関東選抜大会県予選を兼ねた新人大会(個人戦)が行われました。県立武道館が改修工事のため、今回は熊谷市民体育館での開催です。

宮工の選手たちは全員がベスト8へ進みました。こうなると忙しいのは鯉渕監督。試合場を慌ただしく回り、声をかけ続けます。

ここから先は一段と壁が厚くなります。気迫が光ったのは2年の埜口。

「いいぞ、攻めてるぞ!」「思い切りいこう!」「ここ、やりきるぞ!」待て、がかかる短い時間にシンプルな一言を全力で伝える監督と一緒に戦い、GS含め13分に及ぶ試合を勝ちきりました。

自分のことより人のこと。

他人の痛みを自分のことのように感じる、とても優しい部員です。稽古中のアドバイスも試合の合間の受けも、相手の想いに沿って動ける気立ての良さで、チームの潤滑油になってくれています。

動画で振り返ると試合中に見せた覇気に気づけるはず。殻を破れた自分に自信を持ってほしいです。

今回の同門対決は3位決定戦。今度は優勝決定戦で!

 

《試合結果》

-81Kg級  野口 青柳(ベスト8)

-90Kg級  坂本(ベスト8)

-100Kg級  梅津(ベスト8)

100Kg超級  埜口 武内(第3位)

【柔道部】お陰様

改修工事に伴う変則的な稽古日程も大詰め。

先週末は上尾鷹の台高校と立教新座高校、今週は平日の2日間、栄東中学・高等学校で稽古をさせていただきました。

トレーニングに基礎の反復、週末限定の乱取り…と、我々が日替わりメニューに取り組んでいる裏では、柔道場の畳を剣道場に移す作業が行われていました。授業で使用することを鑑み柔道場の工事を先に完了させるための臨時措置ですが、部の活動にも負担がなくなる大変ありがたい判断です。

明日からは、校内での稽古を再開できます。
練習をさせていただいた各校の皆さん及び顧問の先生方。畳の移設にお骨折りいただいた業者の方々と間を取り持ってくださった事務の方々。本当にありがとうございました。

 

表で活動する人の陰には、見えないところで仕事をしてくれている人たちが必ずいます。窮屈な思いをするのを厭わない人たちがいます。それをしっかり感じて、日々の稽古時間を大切にしたいです。

【柔道部】共鳴

「負けたことがあるというのがいつか大きな財産になる」

オリンピック選手がインタビューで引用したアニメのセリフが話題になりました。

これは、言わずと知れたバスケットボール漫画『スラムダンク』で、常勝軍団と言われたチームが負けた時、監督が選手たちにかけた言葉。フィクションであっても琴線に触れ胸を熱くさせる名言は、確かにそうだよな、と思わせてくれるものがたくさんあります。

 

ところで、『スラムダンク』と言えば「あきらめたらそこで試合終了ですよ」が有名ですが……

 

全国大会(インターハイ)出場をかけた一戦で立ち上がれないほどに負傷した3年生のキャプテン。試合に出るなど無茶だと諌めるマネージャーに叫んだのが、

「足が折れてもいい、動けなくなってもいい、やっとつかんだチャンスなんだ…!」

全国への切符を掴みたい信念と覚悟が見える場面。本気が伝わる一言です。きちんと行間を読めれば文字通りの意味でないことは理解できますね。

 

たどり着いたインターハイ。高校バスケット界の王者に挑む2回戦、萎縮して視野が狭くなり動きの固いチームメイトたちに、一人の選手が檄を飛ばします。

「ながれは自分たちでもってくるもんだろぅがよぉ!」

初めての場所や会場の空気感に飲まれてはいけない、常に落ち着いて自分の柔道をする。大会前に必ず言われることと重なります。自分の中の不安に勝たなければ相手には勝てません。

 

「倒れたらそこで許してもらえるとでも思ってんのか?!」「ゆっくりでもいい!!自分の力でやり遂げろ!!」

練習についていけず、指導に心が折れかける選手に向けた監督の一言。自分は足手まといだと悔し涙を流す選手に、お前が3年になった時、初の全国大会出場を夢見ていると語る監督の優しさも見える場面です。

厳しくするのは、忍耐が伴う辛いこと。笑って楽しく、だけで済むならこれほど楽なことはありません。けれど、自信がないからこそ、自分の力で最後までやった経験を積み重ねる。悔しい思いをしたら這い上がる。指導者の思いは、人間の中身を育てることにあるのだと感じます。

 

進路活動に向けた面接練習で、座右の銘やモットーを尋ねられることがあります。自身の経験がこうした言葉とシンクロした時、自分に向けられた言葉の真意に気づけるのかもしれません。

【柔道部】ハングリー精神

トレーニングもバランスが大切。

昨日は上半身強化の目的で道着懸垂を行いました。腕力だけでなく、しっかり握る力もまだまだ強くできる余地があります。

本日は呉竹医療専門学校にお邪魔して、久しぶりに本格的な稽古をさせていただきました。

ここ数日利用している合宿所に敷かれているのは和室用の畳。床面のスプリングもありませんから、激しい乱取りは避けざるを得ません。「普通」は当たり前ではないことを改めて実感します。畳の上で練習できることに感謝しようと、監督からもお話がありました。

生徒たちに稽古をつける先生方にもサポーターやテーピングが見えます。だからと言って、自分のための手加減はしません。生徒の力量に合わせて真剣に組み合います。

これまで在籍していた部員たちもあっけらかんと言っていました。「どこかしら痛くて当たり前」と。

 

さまざまなことが「いいよ」と赦される社会の流れで、子どもたちは物足りなさを感じる機会が少なくなっているように思います。

『わがままに練習しよう』

『自分を過小評価して甘い練習をしない』

昨年度、監督から何度も諭された一言です。

目的に合う相手を選ぶのは悪いことではありません。一本休んで全力の乱取りができるなら、その判断も必要だと思います。(もちろん、見ている側に「どんな意図で稽古をしているか」が伝わることが前提です)

先輩には勝てない、怪我だから力を出せない、と理由付けするままでは、いつまで経っても殻は破れません。スキルがある相手だからがむしゃらに!負傷していてもできることはある!守りに入るのではなく、欲を出して発奮してほしいです。

 

呉竹医療専門学校の赤岡先生、関口先生には、部員たちのケアから稽古まで丁寧に手をかけていただきました。

ありがとうございました。

【柔道部】不便の中の可能性

今週は毎日、トレーニングからスタートです。

今日は、階段昇降の往復(軽量40・重量30)と突き上げ300回をこなします。雨天のため同様のトレーニングをしていた野球部の一人は、回数を聞いて「スゴイですね…」と一言。

息を上げながらもペースを崩さずに取り組んでいたのは意外にも重量級のメンバー。軽量級はと言うと、声を出すのもしんどかったようでした。

稽古は厳しく、トレーニングは楽しく!の宮工柔道部。鯉渕監督にいじられ笑いも起こりながらの体幹トレ。とはいえ、もちろん遊びではないので、多少、負荷のかかるメニューの前には負傷箇所の状態を確認!その後に行った打ち込みはウイークポイントをなくすためです。ここで部員たちの表情も一変しました。こういうメリハリが大切です。

合宿所でもある記念館2階は柔道場と比べるとかなりこじんまりとしていますが、監督と部員のほど良い距離感を目にすることができ、これはこれで良いもの。道場の稽古ではないからこそ、見えてくる部分だと思います。

人も場所も、通常通りではないから全部がうまくいかない、何もできない、ということはないのですね。できることを探す楽しさを感じる期間にしたいです。

【柔道部】マインドチェンジ

施設改修で平日の学校練習ができなくなったため、今月は、外に出られる休日に稽古、オフ・自主練・トレーニングを平日に組み込んで練習しています。年度当初の計画と大きく変わってしまいましたが、練習日程も場所も、状況に合わせてその都度修正せざるを得ない不便さは顧問としても頭の痛いところです。

 

14日から16日の3日間は川口市立高校にお邪魔して、大垣日大高校・千葉商業高校・習志野高校などと合同練習を行いました。昨日は練習試合もさせていただき、場数を踏む貴重な時間をもつことができました。

最終日の本日は、寝技から立ち技まで、複数の先生方が宮工の部員たちに稽古をつけてくださいました。

大阪産業大学付属高校の内野先生、大垣日本大学高校の二村先生、ありがとうございました。また、宮工柔道部OBでもある粟飯原先生は後輩たちと組んだり観察したりして、良いもの持ってるのにもったいないよ、と声をかけてくださいました。「元気ないよ!!覇気を感じない!明るくやろう!」という鼓舞は、普段、鯉渕監督から指摘されていることとまったく同じ。複数の人間から指摘されるということは、それだけ足りない、それだけ重要だということです。

自分たちがどう見られているかを理解すれば、意識すべきことも見えてきます。

先日の大会後、部員たちは各々「何ができれば自信を持てるか」「そのために必要なことは何か」を考えました。自信をもつには成功体験を得ることです。ただし、たくさん失敗しなければ成功体験は得られません。たくさん失敗するには何度も挑戦するしかありません。挑戦の過程で、嫌なことやしんどいことにぶつかる場面は当たり前にあります。それを受け入れて初めて、自信をもてるきっかけが生まれるのではないでしょうか。

今、部員たちはそこに向かおうとしています。自信をもつために、ひとりひとりが「今の精いっぱい」をやり続ける気概を表現できると良いと思います。