柔道部日誌
【柔道部】“掴む”夏
宮工柔道部の夏は、遠征から始まります。
21日、金鷲旗柔道大会に出場する先発組は福岡へ。この間、受けやトレーニングなど、佐川が練習のサポートをしてくれました。
23日に合流した後発組と共に、24日は熊本へ移動。25日、26日は山鹿灯籠旗大会・柔道フェスタに参加しました。これは全国で最も早い、新チームで挑む大会です。北は北海道から南は九州まで、の言葉どおり、40校近くもの高校が集まりました。
≪対戦結果≫
社 (兵庫)0-1 大宮工業
新鉄原(韓国)3-1 大宮工業
五島(長崎)1-3 大宮工業
沖学園(福岡)5-0 大宮工業
(パンフレットにはこんな写真が。光栄です!)
26日の会場は、柔道フェスタに合わせて畳が敷き直されていました。相当な労力だったと思います。また、開会式では会場の使用方法に問題があったことが全体に伝えられましたが、この時の会長さんの言葉が印象的でした。「この場所は、いろいろな競技の団体が利用しています。昨日、“他競技の方々と比べて使用方法がよろしくない”という話がありました。ここで見ている私たちはみんなが一生懸命に頑張っているのは分かるけれど、見ていない人たちには伝わりません。そのことで柔道という競技がマイナスに見られるのは悔しいし残念なことです。これだけ真剣にできるのだから行動も意識して、ひとりひとりが柔道の価値を上げていきましょう。」
「人としての善さ」が柔道の基本理念にあることを再認識させられるお話でした。
この日は5つの学校と練習試合を行いました。
県外の高校と練習する機会が増える夏休みは経験値を増やす大切な時期。ただ、それには自分の気持ちよいことだけをするのではなく苦手なことと向き合わなければいけません。その中で感覚を得て良いものをつかむのです。
出発前には保護者や学校関係者の皆様。訪れた先では柔道整復師の方や旅館の方々。たくさんの方のお力添えで、今年度も無事に大掛かりな遠征を終えることができました。
この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。
【柔道部】最高到達点
パリオリンピックが近づいています。
柔道競技でオリンピック3連覇を達成した野村忠宏さんは「中学生の時は女の子に投げ飛ばされるほど弱かったのが大学で出会った恩師の言葉で覚醒した」と語っています。
そのきっかけになったのが「残りの時間を気にしてペース配分するのは、与えられた本数をこなす練習をしているだけだよ」という言葉。目の前の一本を1試合と思え、限界と感じたら休んでいいよと言われて一本の乱取りに全力を出すと、今まではこなせていた本数の半分で息が上がったのだとか。
もう無理と思い「休みます」と伝えると、先生から返ってきた言葉は「お前そんなもんか」。休ませてよ…と思いながらもう一本続けた時、力みが抜けて限界を超えた感覚が生まれたそうです。
試合は負けたら終わり。痛みや疲労感で集中を切らしている余裕はありません。そして、その空気感に飲み込まれず前に出られる選手が強い選手だと、おっしゃっていました。
歌手のadoさんは、自信がなくコンプレックスの塊だった過去を振り返り「自分が無理と思うことほどやった方がいい。無理、と自分で自分の可能性を決めているのに“できない自分が嫌い”というのはワガママ。」と話しています。無理、と言うのは簡単ですが、本当に無理かどうかはやってみないと分かりません。殻を破れるのは、案外そういう時。もちろん我慢には限度もありますが、「もうひとつ」に挑戦しようとする精神力は、誰しもが持っていて良いものではないでしょうか。
【柔道部】一周回って…
柔道部といえば坊主頭がトレードマーク。宮工柔道部でもずっと続いてきた習慣の一つです。引退して、いざ髪を伸ばすとなった時「どういうのだったらダメって言われないですか?」と若干戸惑う3年生たちの輪は風物詩でした。自分たちでどうするか決めていいよと監督が部員たちの意思に委ねたのは2年前のこと。
そんな経緯で宮工の選手たちには短髪のヘアスタイルが定着しつつありましたが、最近、変化が見えます。
「やっぱりカッコいい」
「気合いを入れるため」
「暑くて邪魔だから」
理由はそれぞれですが、子どもたちの気づきから、一周回って復活しつつある坊主頭。この方が柔道に集中できるかな、と考えられれば、強制しなくとも自然にこうなるのですね。
【柔道部】引っ越し作業
夏休みから体育館の改修工事が始まります。柔道部も数日をかけて道場内や部室内を片付け、搬出作業を行いました。
たくさんの賞状は、埃を払って段ボールへ。年季の入った額は慎重の上にも慎重に!丁寧に扱います。
大掛かりな掃除の度に出てくる、先輩たちが残していった荷物。日頃から礼や節目を諭されている柔道部にあって、自分の物を自分で整理できない人がいるのは残念なことです。現役生たちは「立つ鳥跡を濁さず」が当たり前にできる人でいて欲しいと感じます。
トレーニング用具や差し入れでいただいた飲み物も運び出し、部室を占領していた物がなくなりました。
搬出先の記念館と道場を往復する間の一コマ。こういうことをしたいのが高校生ですね。3年生が重りになって1年生を鍛えます!
監督室と部室を仕切っていたロッカーの移動も完了し、あとは工事を待つばかり。昨年度末に新しい畳になった道場に加え、改修された壁や床がどのようになるのか、今から楽しみです。
【柔道部】人の輪・2
先週、練習に来てくれたのは福島と篠宮の後輩たちです。
本日、一緒に練習したのは川口西中学校のみなさん。仲間と共に参加した弟のお願いを引き受け、何度も組んでいたのは佐川です。
同じく弟に慕われていたのは島村。小柄な体格でがむしゃらに向かってくる弟をしっかり受けていました。
きっかけを与えたり影響を受けたり。
柔道に限らず、人と人とのこうした結びつきが習慣を繋ぎ、文化の裾野を広げていくのだと思います。
【柔道部】いつもと違う場所
三連休の中日は、さいたま市青少年柔道選手権 北部地区大会に参加しました。
部員たちは高校・一般の部に出場しました。この大会は、試合で決着がつかない場合は旗判定で勝敗を決します。自分の試合展開が第三者にどう映るかを知る良い機会。各々の結果を団体戦に置き換えて考えることができると、経験がさらに深まるのではないでしょうか。
この部門では、2回の宮工対決を制して決勝に勝ち上がった野口が優勝。表彰式の前には後輩たちと談笑していました。
そして、大会終了後のワンシーン。ついこの間、観る者を惹きつける試合をした2人が制服姿で役員をしているのを見ると、いよいよ代替りが近づいているのだと感じます。
【柔道部】人の輪・1
期末考査も終わり、1週間後には終業式。夏休みの練習計画も伝えられ“鍛える夏”を控える中、柔道場には生徒や子供を連れて卒業生が訪れています。
大宮工業高校の柔道部で汗を流した仲間が卒業後も様々な立場で柔道と関わり、こうして時折学び舎を訪れるのは、それだけ、ここで過ごした時間が大切なものだという証ではないでしょうか。
【柔道部】次の主人公
期末考査期間中は、勉強とのバランスを鑑みて短めの稽古。
3年生の引退を間近に控え、柔道場の中心は少しずつ下級生に移りつつあります。
軽量級の福島(2年)と手塚(1年)に、
団体の要となる埜口(2年)。
荒削りな部分を磨いていく最中の野口(1年)。
“目立つ練習”ができるのは誰か?
チーム内の競争がお互いを強くします。
【柔道部】相乗効果
本日は中学生を招いての練習。タイミングの良いことに、卒業生も多く来てくれました。
先の総体予選や3年生の進路、新チームの展望など、先輩方は様々なことを気にかけてくれています。
元立ち乱取りでは後輩たちに細かく目配りをしてくれました。同時に、先輩同士の生き生きとした乱取りで道場内の士気を高めてくれます。
苦手な状態をつくって考えさせてくれるのは、先輩だからできること。打ち込みから乱取りまで、丁寧なアドバイスをたくさんもらった埜口はとても満足そうでした。
期末考査も目前。やりたいことの前にやるべきことをきっちりと!文武両道で取り組みたいと思います。
先輩方、ありがとうございました。
【柔道部】続ける力
我々がインハイ予選を控えた週末、武道館では全日本学生優勝大会が行われていました。
宮工柔道部の卒業生たちも毎年団体戦に名を連ねています。
高校在学当時、部内戦を抜けてレギュラーメンバーに入った経験のある生徒も、たくさん悔しい思いをしながらただひたすらに目標だけを見て努力を怠らなかった生徒もいます。進学し、1段階も2段階もレベルの高い仲間たちとの稽古で自分の強みにより磨きをかけた反面、うまくいかないこともあったでしょう。そんな彼らからの「先生、団体メンバー入れそうです!」の知らせは後輩たちの励みにもなります。
自信をもって送り出した子どもたちが、所属するチームでも大切な一人の選手として応援され、正しく評価され、チャンスをもらえていることを願います。