建築科だより

2026年1月の記事一覧

産学連携授業「建設×サステイナブル社会」㈱松永建設

令和8年1月22日(木)に産学連携授業の一環として㈱松永建設(本社:さいたま市岩槻区)様にご協力いただき、建築科3年生2クラス(建築コース)を対象に『建設×サステイナブル社会』と題したワークショップ形式にて授業を実施しました。

工業教育は現在『新しくモノを作っていく』ことを重きを置いた授業形態や指導・取組みになっていますが、地球環境問題を念頭に時代に合わせ「廃棄物処理・リサイクル産業」など限りある資源を有効的に利用する「環境配慮型・循環型環境社会」構築を目指した工業教育の考え方を同時に学んでいく必要があります。 
 そこで地元総合建設会社で早くから建設骨材リサイクル業も手掛ける㈱松永建設と一緒に『建設×サステイナブル社会』の教育プログラムを創作し更に、ものつくり大学建設学科澤本研究室監修の下で、昨年11月に同大学同研究室学部生を対象に同様の試行授業を実施して来ました。今回は、その結果を踏まえた工業高校用にアレンジした高大共通の教育プログラムです。 
  
【建設業におけるSDGs】 
 グループワークでは、個人におけるSDGsではなく『建設業のSDGs』を討論しました。建設業は国内外でも大規模な産業分野であり産業の性質上、地形の変状・森林破壊・土壌/水質・騒音振動など環境影響は他の産業に比べて非常に大きく、生徒からは、天然資源が枯渇する・開発による森林破壊が心配などの意見が多数見受けられ、建設業の置かれている現状を学びました。 
  
【構造物の解体】 
 構造物は、老朽化に伴い最後は『解体』されます。その『解体作業』では 
・どんなことが起こりうるのか 
・どんなことに気を付けなければならないか 
・その問題等にどう対応すれば良いのか 
など、構造物の周辺環境や状況を把握し、実際の業務を想定した意見や対応策をグループワークで学びそれぞれ意見を発表しました。 
 
【解体作業の模擬演習】 
 模擬演習では、各グループで与えられた敷地に積み木を使って2階建て以上の構造物を作り、他グループの構造物で『解体作業』をします。前節の注意事項や対応策を踏まえ、一つ一つゆっくりと積み木が崩れないように取り外して行ったものの、多くのグループでが途中から崩れ落ちてしまいました。これが実際の解体現場だった場合、重大な事故になりかねないことを知ることで、模擬演習を通じ安全管理の重要性を改め学びました。 


 
【建設廃棄物のリサイクル】 
 最後は実際に、解体作業で発生したコンクリート廃材や廃棄物を手に取って 
・どの部分から発生した廃材なのか? 
・その廃材の材質や種類は何なのか? 
・その廃材は何に生まれ変わるのか? 
など、グループワークで一緒に話し合い、多くの生徒が正解に辿り着きました。現在『建設リサイクル法』の下で、コンクリート・木材・金属類・紙繊維類・廃プラスチック類などのリサイクルが義務化されており、建築科で3年間学んだ生徒にとって新たな知識を知ると共に、限りある資源を有効活用する循環型社会に向け、若手技術者としての意識が芽生える授業になったと感じています。 

 今回の授業を通して、生徒一人ひとりが新たな環境問題に取り組むきっかけとなって、社会に貢献できることを期待しています。 
 産学連携授業にご協力くださいました㈱松永建設様、並びに同教育プログラムの監修にご教授いただきました、ものつくり大学建設学科澤本研究室の皆様に心より感謝申し上げます。 

ものつくり大学による高大連携《未来のまちづくりを考えるために》特別講義

  令和8年1月19日(月)・20日(火)、ものつくり大学建設学科田尻研究室(田尻要教授・院生3名・学部4年生2名)の方々をお招きし、建築科3年生(建築コース37名対象)に『未来のまちづくりを考えるために』と題した特別授業を行いました。

ものつくり大学建設学科田尻教授・同研究室学生による《まちづくり事例紹介》とワークショップ

 同研究室では、地域リノベーションの一環として地域連携を通した活性化プランやイベントの企画などまちづくりや町おこしに関する研究・調査を行っており、今回、地域の社会的課題を知り未来のまちづくりを考えるために、フィールドワークとブランディングについて大学生と一緒に学ぼう!と同研究室からお声を掛けていただき、1限目には学部4年生が卒業研究内容として取り上げた、①:まちづくりの方向性を考えるための社会調査(さいたま市岩槻区の事例)、②:商店街の活性化に向けた地域ブランディング(鴻巣市の事例)の事例紹介を中心に発表していただきました。

 地域イベントの来場者に地域活性化に係る問題点や課題等・活性化に向けたアイデアや意見などをアンケート形式で調査を実施、その結果を分析、問題点や課題点を洗い出し、解決できそう項目を探し出してそれをクリアし、更には産学官が一体化して活性化するような具体的なプランや企画立案していく活動の様子など、2つ別々の事例紹介からそのプロセスを学びました。

 2限目は、「未来に向けたまちづくりは分散型になる?それとも集約型になる?立地適正化計画」と題したワークショップ(まちづくりゲーム)を4班に分かれ同研究室の学生ファシリテータが1名ずつ補助で入り一緒に進行や議論をサポートしながらグループワークを行いました。

《まちづくりゲーム》のワークショップと各班の発表

 現在、少子高齢化が加速し後継者不足や労働環境の変化、更に地球環境問題も顕著になる社会的背景の中で、近未来のまちづくりは、各施設が地域内に点々と存在する郊外型のまちづくりが良いのか?それとも一部の地域内に多くの施設が存在する集約型のまちづくりが良いのか?を考えます。それぞれのまちづくりの長所短所を個人の考えで捉え、班ごとに寄せ集めた結果に基にディスカッションを行い、各班の発表を実施したところ、未来においても現在のような分散型のまちづくりを望む意見が多く出ました。分散型・集約型のどちらにおいても災害時における長所短所の特徴をしっかりと捉えて述べるなど、建築科生徒らしい的を得た意見も出ていました。

 この特別授業で得られた意見を基にして新校における新たな授業づくりに役立てていくと同時に、4月から新社会人となる生徒には『まちづくり』のために3年間学んだことをしっかりと発揮してくれることを期待しています。

 特別授業を実施していただきました、ものつくり大学建設学科田尻研究室の皆さまには改めて感謝申し上げます。

【建築科】課題研究「盆栽美術館との連携事業」明日から公開

本日、建築科3年生の課題研究「大宮盆栽村×大宮工業高校 100周年連携プロジェクト」チームは、明日から始まる作品展示のため、さいたま市大宮盆栽美術館にて設営・準備を行ってきました。

この取り組みは、「大宮盆栽村」と「大宮工業高校」が共に創立100周年を迎えることを記念した特別連携プロジェクトです。建築科の生徒たちが、盆栽の魅力をより引き出すための「空間」を創造しようと、春から試行錯誤を重ねて制作してきました。

 

伝統の「組子細工」が彩る盆栽の世界
今回展示するのは、釘を使わずに木を組み上げる伝統技法「組子(くみこ)細工」を駆使した行燈(あんどん)や屏風(びょうぶ)などの作品です。

美術館の厳かな和室空間(床の間)に、自分たちが作った行燈を設置し、明かりを灯しました。繊細な幾何学模様から漏れる柔らかな光が盆栽を照らし出し、普段とはまた違った幻想的な空間が広がっています。

 

展示会のお知らせ
いよいよ明日より、一般公開が始まります。生徒たちの努力の結晶を、ぜひ現地でご覧ください。

展示期間: 2026年1月16日(金)~ 1月21日(水)
場所: さいたま市大宮盆栽美術館
内容: 建築科生徒による課題研究作品(行燈・屏風等)と盆栽のコラボレーション展示


ご来館の皆さまへのお願い

本展示エリア(盆栽および生徒作品の展示場所)は、通常撮影禁止エリアに展示しているものもあります。
記事内の写真は特別な許可をいただいて撮影したものです。
ご来館の際は、美術館のルールを守ってご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。

さいたま市大宮盆栽美術館 公式サイト https://www.bonsai-art-museum.jp/ja/

 

【建築科】産学連携授業「工程管理・ネットワーク図表を描いてみよう!」

★一人暮らしの家庭内作業を「工程表」にしてみよう★

実施概要

1月13日(火)、建築科3年生(建築コース)を対象に、産学連携でお世話になっている企業の皆さまにご協力いいただき「一人暮らしの家庭内作業を『工程表』にしてみよう」をテーマとしたワークショップ形式の授業を行いました。

今回のグループワーク作業はOB・OGの方々にも参加と助言をしていただき、グループ及び生徒一人ひとりが“オリジナルの作業工程表”をネットワーク図表を使って【自己のスケジュール管理】を可視化するものです。

まもなく一人暮らしを始める新社会人を想定し家庭内の作業8項目を、①与えられた条件内で、②決められた時間内に、③矛盾のない作業手順で、効率よく全ての作業を終わらせる工程表を描けるかが最大のポイントです。

 

グループワーク基礎編:“与えられた条件”は“マルチタスク8項目”を時間内に

基礎編では、8項目のマルチタスクをどの順番から作業を進めても構わないため「何からスタートするか」を考える際、機械で自動的に作業ができる項目、必ず本人がやらなければならない項目もあり、まさにパズルゲームの展開です。単に「なんとなく先にこの作業をやろう」といった思考ではなく、 

・どの順番で作業を進めたら一番効率的か

・一つの作業をやっている間に同時に出来る作業はないか

・作業の手順に矛盾はないか

といったポイントを一つ一つクリアしながら、自分自身がどのようにスケジュール管理をすれば良いか、そしてより効率的な最適解を見つけ出そうとする真剣な姿が見て取れました。 

 グループワーク応用編:“マルチタスク12項目”そして時間指定の作業も

応用編では、マルチタスクが12項目になり、更に指定された時間に作業するなど格段に難易度が上がります。時間経過の計算や図表の描き方に苦労している生徒は、OB・OGに助言を求めたり、想像以上にスケジュール管理の難しさを実感しつつも 
・指定された時間までにどの作業を進めたら一番良いか

・空いている間にどの作業を入れられるのか 

それぞれ普段の生活を想像し一つ一つ条件を当てはめながら工程表を描いていました。

今回は【工程管理ネットワーク図表】を普段の何気ない生活・リズムと結び付けて表現(可視化)する時間となり、生徒にとって【自己のスケジュール管理】の大切さを改めて感じる機会となりました。 
 
この度は、生徒の学びや理解を深める貴重な機会にご協力いただいた旭化成ホームズコンストラクション㈱・吾妻工業㈱・伊田テクノス㈱・サイカン工業㈱・㈱新和測機・積水ハウス建設関東㈱・千代本興業㈱・古郡建設㈱の皆さまに改めて感謝申し上げます。