2023年2月の記事一覧
【柔道部】他校からの学び
23日(木)は習志野高校へ、26日(日)は安田学園高校へ出稽古にお邪魔しました。どちらも伝統ある強豪校です。
この2日間の目的は「練習量をこなす」こと。強い相手でも柔道でやることは変わらない。投げられて辛い顔をしない、失敗して気持ちを落とさない。淡々と、やるべきことをしなさい、と鯉渕監督からお話がありました。
習志野高校の稽古は寝技にじっくり時間を割いていました。また、打ち込みになると選手たちの動きの力強さが違いました。毎日同じことを繰り返すのは、実はとても忍耐のいること。慣れの中に気の緩みが生じるからです。習志野高校にはその雰囲気がありませんでした。この部分も真似をしたいところです。
監督の田中先生は、終始、実践的に!と声をかけてくださいました。鯉渕監督からも、しんどいことをやり切る!と、檄が飛びます。武道の目的は精神修養。とは言え、競技としては格闘技です。痛いのは当たり前。怪我をするリスクもある。なにより、競技である以上は勝敗がつく。気持ちを折らない・相手をよく見る・自分で苦しい展開をつくらない……稽古の中でのそうした集中力が本番に活きるのです。
安田学園高校では3年生の部員も稽古に参加していました。人数が多いと試せることが増えるのも、校外練習のメリットです。3年生の皆さんは、チーム対抗のGSにも手を挙げる積極さ!宮工には技ありを取るのも難しい場面がありましたが、簡単に崩れない本校の部員たちを見ていた監督の川合先生が、粘り強い子たちですね、と褒めてくださいました。
2日間の出稽古を終え、来季を見据えて鯉渕監督からの総括は
☆駆け引きを覚える
☆同じ指摘を何度もされない、同じ展開になった時にどうするか考える
のふたつ。
漫然とした取り組みをせず、日々の稽古(=点)を自分の力として定着(=線に)させていきたいと思います。
≪おまけ≫
両校に共通していたのは股関節のストレッチです。股関節は、重心を支え大きな動きをするのに大切な部位。怪我の予防にも役立ちます。
【柔道部】七転八起!
学校は来週から入試に係る臨時休業期間に入ります。この前後は外での練習が多くなります。
19日(日)は4年ぶりの開催となった朱雀杯(平成国際大学主催の団体戦)に参加しました。普段、大会で対戦する県内のチームとも会うことができました。
試合感覚をつけチームの形をつくるのが狙いです。得意なことをやりきる、展開を変えて得意な形に持っていく、といった対応力を身につけるには試合数をこなすことが一番です。
試合後には練習試合もさせていただきました。団体戦での校外練習は初めてとなる部員にとっても良い機会になりました。
新チームになって以降、鯉渕監督からさまざまな表現で何度も諭されている『チームの尖りと凹み』。メンバー同士が声を掛け合って底上げをしなければなりません。
【柔道部】こころと向き合う
先週末、出稽古にお邪魔した千葉経済大学付属高校には「克己」と大きく書かれた旗が飾られていました。「おのれにかつ」と読むこの言葉、見たり聞いたりしたことがある人もいるのではないでしょうか。
ちなみに、宮工の柔道場には「克己心」という文字が入り口脇の壁に貼られています。
実は、これらの語の出典も『論語』。部日誌では『論語』の話題も何度か取り上げています。『論語』の中で
「己に克ちて礼に復するを仁と為す(自らの強い意志で私情や欲望に打ち克ち、礼儀にかなった行いをすることが仁(人としての思いやり)である)」と説かれている教えの一部が「克己」の由来。本来は『克己復礼』の四字で示されるものです。
スポーツの世界で「克己心」と言うと、弱さから逃げない心ととらえられがち。原文の「思いやり」と関わりがなさそうな解釈ですが、集団の中に、楽をしたい・やりたくない、という“私情”を優先させる人がいると誰かが不愉快な思いをしたりチームの士気が下がったりすることを考えれば、あながち間違いとは言えないかもしれません。
千葉経済大学付属高校の部員たちは全員が全体を見る習慣がついていて、稽古の間も常に声を掛け合い、終始、ほどよい緊張感を保っていました。乱取りの最中、技が嵌らずイライラしたり監督からの叱咤に落ち込んだりした部員もいたかもしれません。そこでマイナスな感情を気迫に変え徹底して勝ちにいこうとする一人一人の姿勢が、結果として強いチームをつくっているのだと感じました。
今の宮工柔道部でいえば、怪我を始めとした個人の事情を理由に自分の限界をつくり甘やかしてしまう考え方が打ち克つべき“心”ではないかと思います。
鯉渕監督の「もっとできる!」の叱咤に応えられるよう、意識改革をしていきたいです。
【柔道部】気分一新
5日ぶりに、2年生がそろっての稽古です。お土産を受け取った鯉渕監督から「ありがとうございます」と丁寧に言葉を返していただき、7人は嬉しそうでした。
本日は武蔵野高校が出稽古にいらしたこともあり、久しぶりににぎやかな部活動になりました。
怪我人も稽古に復帰しつつあります。腰を痛めていた高橋は通常練習、リハビリを続けている山﨑も打ち込みの時間を長くして内容を増やし始めました。
66㎏級のふたりは相変わらず盤石。目立つ練習をしています。三班稽古から一本取りの稽古まで、しっかり集中していました。
高校入試に絡み、2月後半の休日は校外での練習が多くなります。その第一弾は明日の千葉経済大学付属高校。23日には習志野高校へお邪魔します。「挑戦者の気持ちで前に出る、自分から仕掛ける」を実践する貴重な機会になると思います。
3学期に入り、鯉渕監督からは「新年度の立場を見据えた稽古をしよう」と言葉をいただいています。2ケ月後は春季地区大会。3年生は結果を残すことを第一条件に、2年生は1年間の成長が表れるように、自分を甘やかすことなく稽古を積んで欲しいと思います。
【柔道部】それぞれの時間
7日の放課後、職員室に須川が顔を出してくれました。進路決まった報告しようと思って、と一言。こういう節目を大切にできるのが須川の良いところです。鯉渕先生に会いたかったんだけどな……と、監督が席を外されていたことを残念そうにしていました。
沖縄へ修学旅行中の2年生たちは、暖かな気候の中、満喫しているようです。柔道から離れざるを得ない4日間は、前向きにとらえればしっかり体を休める時間。民泊先では、パイナップル園の手入れをしたり綺麗な海を眺めたり、風土を味わっていることと思います。良い思い出をたくさんつくって欲しいです。
一方、1年生は自主トレ期間。各々メニューを決めて取り組んでいます。とくに高橋と島村は、風が体感温度を下げる今日の放課後も、懸垂、ダッシュ、体幹などを織り交ぜ工夫していました。「強い宮工」を知っている二人です。団体戦に名を連ねながら“らしさ”を出せずに終わった昨季の自分を変えなければいけないと感じているのかもしれません。
土曜日からは全員そろった稽古が再開します。
自分のために使えるこの時間を、大切に過ごせると良いと思います。
【柔道部】気力
先週末と今週末、飯島と粕谷は帝京科学大学の練習に参加しました。先週の練習で腰を痛めたキャプテンの新井は大事を取って今回は見送り。もどかしそうにしています。稽古からトレーニングまで高いレベルにしっかりと食らいつく二人ですが、3日の内容は予想外にハードだった様子。それでも疲れを見せず、昨日は他の部員と共に川口市立高校へ、本日は鯉渕監督に連れられて修徳高校へお邪魔しています。
本日学校に残った部員たちは、その多くが負傷中。とはいえ、連日出稽古に向かう二人とは明らかな差があります。「俺も経験あるけど」と鯉渕監督もおっしゃる通り、激しい競技ですからどこか痛くて当たり前。その中で自分ができる範囲を考え、どうしたらできるかを考え、やり切る気概が見えるのを期待したいところですが、昨日の合同練習では自身に手加減をして指導をいただいた部員がいました。良い時も悪い時も自分が望んでしたことでその状況になったのですから、そこからどう変わるかの答えも自分で見つけなくてはいけません。差がついているのは、その過程を自分のこととして受け止め前向きになれるかどうかの姿勢です。
「無理かもしれないと思ってたけど、やってみたらできた」ということは往々にしてあるものです。できることが限られているのに、そこでさらに制限をかけるのは単なる妥協。制限が増えたコロナ禍の生活だけでなく、過剰な危険予測をして必要な痛みを体験させない昨今の風潮が子どもたちの心を鍛える機会を奪っていることは否めません。
毎年度、3年生が進路活動を始める時期に合わせて柔道部では活動成績をまとめています。担任の先生方の資料にしていただくためです。
以前の合同練習で、宮工の卒業生は大学に入ってからも続く子が多いんだよ、というお話を伺ったことがあります。宮工の子たちは最初から華やかな場所に居たわけではない、結果を出すための努力・出し続けるための努力を継続する力が3年間で育っているから、卒業した後も多少のことじゃ折れないんだ、と、その方は誇らしげに語ってくれました。
もちろん、これは宮工で柔道を続けたこと以上に個々の素地が大きいです。思い返せば今回の3年生も、力で先輩に歯が立たなかったところから始まり、怪我を庇いながら稽古したり回復も考え大会に合わせてギリギリのところまで稽古を避けたりと、決して順風満帆ではありませんでした。彼らがしっかりと成績を残せたのは、“このくらいでいいか”と自分を甘やかさなかったからだと思います。
新入生を迎える前に、「できる範囲の一生懸命」を実践するチームの雰囲気をしっかりとつくるのが最大の課題です。来週、2年生は修学旅行。この期間、1年生がどれだけ真剣に自分を鍛えるか、見ていきたいと思います。
【柔道部】自立心
2月になりました。
本校の3年生は本日から家庭研修に入りました。二学年だけになった校内は、やはり少し静かです。1階の教室は私物が整理され清掃も済んだ様子。ここからは、企業の研修や自動車免許の取得など各々が自分のために時間を活用し、節目の日を迎えます。
さて、3年間の学校生活で部活動が多くの割合を占める人は本校に限らず多いのではないでしょうか。花園、高校総体、甲子園、コンクール…大舞台で自らの力を試すことを目標に練習を積み重ねる中で、子どもたちの実になるものは技術だけではありません。
春のセンバツに出場を決めた東北高校。“高校野球らしくない野球部”と 時折メディアに取り上げられるこのチームの監督は、元読売ジャイアンツの佐藤洋さんです。この方がテレビのインタビューで話していた言葉が印象的でした。「自分は日本一教えない監督。日本一自立した選手を育てたい。」と、考えさせることを第一優先にした指導を実践されている佐藤監督は「教えないというのは子どもたちにとって厳しいこと」と語っています。それはきっと、どんな結果も自分で引き受けなければいけない、つまり、責任を負わせることになるからではないでしょうか。普段の練習では当たり前のことだけ伝えて、他は生徒の自主性に任せるそう。実際にバッティング練習場には、テニス部を見ていたらラケットの振り方を自分のスイングに活かせるかもしれないと思って…、と練習に取り入れている部員がいました。自分で考えるから「もっと、こうなりたい」という欲が出て、それが成長につながるのだと思います。
憧れの場所に到達してもなお、「もっと」を追い求める人もいます。
制球力と球種の多さを武器に「省エネ」と称される日本ハムファイターズの加藤貴之投手は7,8割の力でも全力で投げているのと変わらない投球方法を模索し続けたそうです。社会人野球で過度な投込みから肘を故障してしまった経験が影響しているのかもしれませんが「力を抜くのは難しい。メジャーリーグを経験した選手の話を聞いて、それが良いのはわかるけど方法がわからなかった。だから自分なりのイメージを試した。」と試行錯誤を繰り返し、これかも!という感覚を忘れずに自分の型にして、理想的な“力を抜くテクニック”をものにしたそうです。
「普段の稽古で指導される内容が常に全員に当てはまるとは限らない。自分で考えて試す、工夫する。」と鯉渕監督も頻繁に諭しているとおり、勉強でも資格試験でも一人一人に得意不得意や好き嫌いがあり、設定するゴールも力量で差があります。目標を同じくした部活動であっても、戦術が違えば稽古の課題は変わりますし、苦手なことも人それぞれです。
監督はこの2週間、平日を自主練習期間と設定しました。放っておかれることはチャンスととらえ、自分を鍛えて欲しいです。