日誌

2024年1月の記事一覧

【柔道部】アンテナ

本日は、狭山台中学校柔道部のみなさんが出稽古に見えました。

ウォーミングアップから寝技、打ち込み、稽古の後のトレーニングまで、説明したり組んだりして先導します。年下の子たちと稽古する折に監督から諭される「人に教えることも勉強」。今日は、一人一人が意識してできていたように思います。

普段の稽古では自分のことに一生懸命になりすぎ余裕がなくなることもある部員たちに、本日のような、物事を同時に進めることを意識する機会は貴重です。

中学生のみなさん、ありがとうございました!

【柔道部】ゴールがない面白さ

年が明けてからも、相変わらず後輩たちの稽古に付き合ってくれる3年生の新井と粕谷。大学で柔道を続ける2人に、鯉渕監督は先につながる指導をされています。

100点のゴールが決まっているテストと違い、もっと巧く、もっと強く、を追い求める柔道には終わりがありません。

それは決して辛いことではなく、限界を決めずに取り組める面白さであることを、2人は感じているのではないでしょうか。

【柔道部】全力の中で形をつくる

新年度こそは、と、稽古の日々。道場では監督の「ブレーキをかけない!」の一言が毎日のように飛んでいます。

 

これと似た体験を話していたのが、読売ジャイアンツに所属するプロ2年目の浅野選手。イチローさんに指導を受けた高校生で、初のドラフト指名選手です。

イチローさんにたくさんのことを教えてもらったと語る彼が一番大切にしている言葉が『全力の中で形をつくる』。指導を受ける前は疲れたら手を抜いていたけどそれがなくなった。しんどい練習も全力でやった。チャンスでプレッシャーを感じることなく『打てる』という自信がついた、と、インタビューに答えています。

イチローさん本人がこう考えるようになったのは、プロ1年目の経験がきっかけだったと言います。

「外角の球はごまかせるけど、内角はそうじゃない。正しく引っ張るのが難しい。近いところをしっかり振れる確認をするために大事だしバロメーターにもなるから、正確に打つ練習をやり続けた」経験をもとに、指導を引き受けた高校生たちにも「練習がしんどいから、そういう動きをしちゃう。手を抜く場所をつくる。大事なのは、ばててきたときにどういう形を保てるか。」と伝えている、その心構えが『全力の中で形をつくる』なのです。

 

イチローさんは「楽をして打つとその形で覚えてしまう。だから、しんどくても形を保って。疲れてきたらうまくなるチャンスだからと続けます。監督の、余裕をつくらない!全力でやる!と指導する思いに重なると感じます。

【柔道部】朗報

全ての試合を終え、新年度の地区大会までに足りない部分を埋めなければなりません。宮工柔道部は、日替わりのトレーニングと稽古を組み合わせて練習をしています。

本日は5種目のサーキットトレ。監督の指示に合わせてキャプテンの髙橋が手本を見せます。引退後も欠かさず練習に来てくれる前キャプテンの新井と粕谷も一緒に参加し、誰よりも声を出して後輩たちを盛り上げくれました(…このあたりも現役生の“弱さ”ですね)。

ところで、「朗報」の中身は何かというと…

かねてから要望していた畳の入れ替えが、床面の修繕と合わせて決まりました!

これには、部員たちが怪我をする危険を機会あるごとに訴えてきた監督、この相談を受け県に対して要望を強く伝えてくれた管理職など、様々な方の尽力があります。

「周囲から応援される人になろう」という鯉渕監督の指導を裏切ることのないように、感謝を忘れず稽古に励みたいと思います。 

【柔道部】年中行事

暦では、鏡開き。

年神様にお供えしたお餅をいただいて健康や長寿、無病息災を願う行事です。年神様の依代となったお餅には神様の力が宿ると考えられています。

 

柔道場にも、年末に卒業生がついてくださった鏡餅が飾られていました。

監督が、いざ、木槌で開こうとしますが思いのほか固く……そして無添加のお餅には天敵が……。とはいえ、大切な行事。急遽、お餅を買い出して、お汁粉を作ってくださいました!!

トレーニングの後のカロリー補給。熱い!うまい!といいながらペロッと平らげていました。

英気を養い、新たな気持ちで稽古です。

【柔道部】受け入れる覚悟

本年度の試合が終わりました。

3連休の2日間、選手たちは柔道部に所属していた先輩方の視線を受けながら試合に挑みました。

応援に来てくれた先輩は試合の後も後輩たちを叱咤してくれ、審判として大会に関わった先輩は試合が終わるたびにチームに駆け寄り、鯉渕監督の指導の後で一人一人に細かくアドバイスをしてくれました。

 

今年度の宮工柔道部は「もっている力をうまく出せない年だった」、これに尽きると感じます。

個人競技の柔道でひとつの“チーム”をつくるには、「個」が確立していることが必要です。課題を理解し目標を定めている人は見るものがハッキリしています。そこに向って稽古する「気」は周りの人間に伝わります。同じように目指すところを決めている人は、それを感じ取ることができます。互いに意識する環境が、個々がもつ力を引き出し合うのだと思います。

見るものを明確にするためには『弱さ』を受け入れること。

しんどくなったら手を抜くこと、慣れから油断すること、細かい部分を徹底しないこと、体力が足りていないこと……すべてが『弱さ』です。

「いい加減だったな」と恥ずかしくなる部分も「どうして自分は…」と惨めになる部分もあるかもしれないけれど、その感情から逃げないことが強くなる第一歩です。

 

《試合結果》

個人戦(3名出場)

−73㎏級 髙橋(ベスト8)

団体戦

大宮工業 5ー0 八潮

久喜工業 0ー5 大宮工業

武蔵越生 2ー0 大宮工業  第3位

【柔道部】いこうか、

今年度の大会は、年明け1週目の週末。

例年と異なる調整。

照準の合わせ方も少し変わる。

けれど、大丈夫。そのために、たくさん自分を試してきたのだから。

「いいとこ!」は出せる。

堂々と、挑もう。

明日は全国選手権埼玉県予選。

【柔道部】2024年 稽古始め

明けましておめでとうございます。

2024年の稽古始めに当たり、本年は「稽古」という言葉を考えることから始めたいと思います。

 

ご存知のように、「稽古」とは「古(いにしえ)を稽( かんがえ)る」ということです。出典は『古事記』。古事記は現存する日本最古の書物で、国の興りから日本の神話を含む各天皇の時代の出来事がいわゆる紀伝体で編纂された歴史書です。その序文に記された

『莫不稽古以縄風猷於既頽 照今以補典教於欲絶』

(古を稽へて風猷(ふうゆう)を既に頽(すた)れたるに縄( ただ)し、 今に照らして典教を絶えむとするに補はずということ莫し)

という一節の『稽古照今』が元になっていますが、この言葉もまた、「道」と関係の深い言葉です。

茶の湯を大成した千利休は、「その道に入らんと思う心こそ我が身ながらの師匠なりけれ」という歌で、自身の教えを著しています。何事もその道に入ろうとするには、まず志を立てなければならない、心に秘めた思いこそが己にとって一番の師匠である、という意味です。

過日の日誌でも触れましたが「道」とは生き方のこと。「入ろう」と決めた道を究めるための修行といってもよいでしょう。利休の言葉を解釈すると、自分の「道」をつくりあげていくには大本を学びそれを深めようとする心が最も大切だ、と言えるのではないかと思います。これは『守破離』にも通じる部分で、利休も「規矩(きく)作法守りつくして破るとも離るるとても本を忘るな」と詠んでいます。「規矩」はコンパスや定規のこと。転じて行動の基準となるものを表します。毎日の反復を「練習」ではなく「稽古」というのは、何度も原点に戻り今の自分に照らして課題と向き合うことの繰り返しだからではないでしょうか。某バスケットボール漫画に『基本が大事』というセリフがありますが、言い得て妙です。

 

ところで、昔のことを今に活かす心がけを示したこの言葉、これは決して「古くから続く慣例を踏襲しましょう」ということではありません。

2年後に100周年を迎える本校にあって、柔道部は歴史ある部活動の一つです。 多くの卒業生が積み上げてきた評価や誇りは本校だから感じられるものだと思います。ただ、時間の積み重ねは時として「今までこうだったから」「ずっとこうしてきたから」というこだわりを生み、それが足枷になることもあります。その上で「稽古照今」の教訓に柔道部を重ねて言えるのは、単に「強いチーム」「伝統あるチーム」を語るだけでは足りないということです。

柔道場の入り口の壁には数年前に取材を受けた時の記事が貼られています。柔道部を立ち上げた当時の情勢や関わった人たちの思い、今日までの過程を知ることができる、大変に興味深い内容です。100年の節目を越えて「宮工柔道部」というチームがさらに発展していくよう、変遷の中で生まれた習慣や考え方を省みて原点に立ち返り、今後の在り方を見通して繋いでいくべきものを見極める。折に触れて「どうあるべきか」を考え続けることができるのが、歴史あるチームの一つの魅力ではないかと思います。

 そして、文化的な「道」と違い、競技性のある「道」には勝ち負けがあります。その時、“心”を置き去りにして強くなることだけを求めるのは本来の「稽古」の意味から外れます。「強さを誇る」ことと「強さに驕る」ことは違います。綺麗事では勝てないのも事実かもしれませんが、どんな時も「こうありたい」が体現できる人間性を鍛える。それが「心技体」で「心」が先にある理由、「道」の根底が「心」である理由ではないでしょうか。

柔道を選んだ者としての「稽古」と宮工柔道部に所属している者としての「稽古」。どちらの「古(いにしえ)」も大切にしながら、励んでいきたいと思います。

 

本年もよろしくお願いいたします。