2024年8月の記事一覧
【柔道部】始まりの場所
23日から千葉県に乗り込んだ宮工柔道部は順柔杯に参加しました。ここを巣立った卒業生たちが指導者となり部員を連れて参加する、順天堂大学主催の大会です。
卒業生の木札に目をやりながら恩師を交えて談笑する様子は、なんとも誇らしげ。ここでやってきたという自負ですね。
24日の試合は、せっかくなので合同チームを組みました。蕨高校、所沢中央高校の皆さんと顧問の岡田先生、岡安先生。ありがとうございました。
遠征最終日の25日。坂本の隣で打込をするのは宮工卒業生の新井です。懐かしい道着で、坂本の反復練習に付き合ってくれました。
練習後の挨拶の際、監督の廣瀬先生は「高校生の君たちは、うまくいかないこと、ひとつひとつが積み上げです」とお話ししてくださいました。個々のコンディションやチーム事情、不安が先行する私たちにとって救いになる言葉でした。3日間、大変お世話になりました。ありがとうございました。
【柔道部】後半戦開始!
今日から夏休み後半戦。
ここまでの期間は小中学生と一緒に練習する日が続きました。「相手の立場に立って考えることを学びつつ、柔らかい雰囲気でも自分で緊張する場面をつくる」という精神力が試される日々の連続。子供たちを見ていると、体力とは違った疲労感もあったのではないかと思います。
本日から3日間は通常のテンポに戻り、関東近県の高校が集まる錬成会に参加します。たくさんの強豪校と練習ができる錬成会は、自分の力を試すと同時に怪我をしないで終わることも重要な目標です。
県内の高校生たち、初日は畳敷きを含め会場準備から行いました。こちらは開始式。上からの景色は壮観です。
午前中は元立ち乱取り。400名以上が参加していることもあり、お願いしに行くのも瞬時に目的と合う相手を見つけるのも一苦労です。当たれずに畳を下りた部員たちは一番前に陣取り、次のチャンスを待ちます。
午後は練習試合です。
お互いに声を掛けあう。自分の課題を明確にする。普段練習していることを出す。
基本は毎回同じ。分かってはいるけれど、余裕がなくなるとどこかに甘えが生じます。常に本番の試合を想定して気持ちをつくるのも、こうした場で学べる大切なことです。
【柔道部】温故知新
賑やかな合同練習が1週間続き、本日は久しぶりに宮工だけでの稽古です。打ち込みと研究を中心に、監督から細かい部分の技術を教わりました。
早めの昼食をとり、午後の大会準備に取り掛かります。本日、役員参加をする関東高段者大会は『講道館柔道試合審判規定』に則って行われます。≪参考:https://www.judo-ch.jp/rule/koudoukan_judge/≫「有効」「教育的指導」など普段の大会では聞き慣れない言葉もあり、タイマーの操作方法も若干異なります。説明を聞きながら、いつになく真剣な生徒たち。
オリンピック後の、このタイミングで、精神修養を第一義とした柔道の規範とも言えるルールで行われる試合を間近に観る貴重な機会。子どもたちが感じるもの、生かすものが必ずあると思います。
【柔道部】経験値を深く!
県立武道館をお借りしての稽古が本格的に始まりました。
環境の良い施設を本校だけで使用するのはもったいないと幅広く声をかけ、連日、県内の中学校・高校、近県の高校と合同で活動しています。
本校柔道部OBの岡安先生が指導を任される場面もあれば、
監督と乱取りを楽しむ卒業生の姿も有り。
同期と参加する先輩方の姿も有り。
帰省中、「監督に顔を見せるなら母校」と思う卒業生は多いようです。それでも、こうして近況報告に来てくれたり成長したところを見せてくれたりする教え子の姿は頼もしく映るのではないでしょうか。
準備や片付け、乱取りの指示など、監督の声に合わせて宮工生がリードします。合同練習では、年齢も技術レベルも違う子がたくさんいます。「お互いを思いやって練習しよう」を合言葉に、稽古は続きます。
【柔道部】まもるもの
オリンピックの柔道競技が終わりました。
期間中、テレビでは歴代のメダリストたちが解説をされていました。その中の一人、大野将平さんが繰り返し伝えていた「しっかりとふたつ持って組み合う柔道を見せて欲しい」という言葉に賛同した人もいたのではないでしょうか。
審判の質を問うニュースが連日報道される中、選手たちの戦い方や様々な振る舞いも話題になりました。柔道が海外の人を惹きつける武道であることは間違いありません。おそらくは、力強い技やダイナミックな動きが華やかに映ったのでしょう。ただ、柔道の目的は力自慢をすることではないのです。
柔道着の白は、修行にあたり心にやましいところがなく、すべてを捨て去り無になって打ち込む信念を表します。また、大野さんは「日本の柔道家にとって白は、死を覚悟して試合に臨むという死に装束の意味がある」と話します。内面を体現するのが柔道の教えであり、見えない内を鍛えることが大切にされてきた「良さ」ではないかと思います。
柔道、剣道、書道、茶道……。「道」にはテストのような100点(=ゴール)がありません。だから、それを追い求める「稽古」は時として苦しい。そして、稽古とは「古(いにしえ)を稽(かんが)える」ことです。「柔道」が「JUDO」と表記されるようになった今、勝敗を決する競技性が先に立って「お互いの道徳性を高める」という本来の理念が置き去りにされているのは寂しいことではないでしょうか。
嘉納治五郎は「最善を尽くした上の勝敗は男子の本懐也」と説いています。勝者の振る舞いもさることながら、とりわけ試合内容に視線が注がれるのはそのためでしょう。
正統派は不器用かもしれませんが、堂々としていてやはりかっこいいです。私たちの文化に魅力を感じてもらえるのはとても光栄なこと。けれど、大きなものに押されて本流から外れていくのは残念なこと。そういう違和感に対して、発祥の日本で柔道をする者だからこそ“護れるもの”があると思います。
普段の稽古でも響く「ふたつもつ!」の声。大野さんの言う「正しく組んで、正しく持って、正しく投げる」を徹底する意義と重なって聞こえます。
【柔道部】時は巡る
8月になりました。
代替わりを迎え、3年生の整列は一番後ろに。前で指示を出すのは新キャプテンの坂本です。
最上級生が後ろから見守る形になるこの並びは少し寂しくもありますが、伸び伸びと柔道をしている様子は肩の荷を降ろしてホッとしている風にも感じられます。
柔道場の掃除も大詰め。改修工事に伴い、4日の稽古を最後に5日以降はしばらく校外での練習になります。精神的なしんどさが増しますが、より良い環境を得るための我慢。9月からの大会で成果を残そうと思えば、大変などとは言っていられません。不利な時期をみんなで乗り越えます。