2024年9月の記事一覧
【柔道部】共鳴
「負けたことがあるというのがいつか大きな財産になる」
オリンピック選手がインタビューで引用したアニメのセリフが話題になりました。
これは、言わずと知れたバスケットボール漫画『スラムダンク』で、常勝軍団と言われたチームが負けた時、監督が選手たちにかけた言葉。フィクションであっても琴線に触れ胸を熱くさせる名言は、確かにそうだよな、と思わせてくれるものがたくさんあります。
ところで、『スラムダンク』と言えば「あきらめたらそこで試合終了ですよ」が有名ですが……
全国大会(インターハイ)出場をかけた一戦で立ち上がれないほどに負傷した3年生のキャプテン。試合に出るなど無茶だと諌めるマネージャーに叫んだのが、
「足が折れてもいい、動けなくなってもいい、やっとつかんだチャンスなんだ…!」
全国への切符を掴みたい信念と覚悟が見える場面。本気が伝わる一言です。きちんと行間を読めれば文字通りの意味でないことは理解できますね。
たどり着いたインターハイ。高校バスケット界の王者に挑む2回戦、萎縮して視野が狭くなり動きの固いチームメイトたちに、一人の選手が檄を飛ばします。
「ながれは自分たちでもってくるもんだろぅがよぉ!」
初めての場所や会場の空気感に飲まれてはいけない、常に落ち着いて自分の柔道をする。大会前に必ず言われることと重なります。自分の中の不安に勝たなければ相手には勝てません。
「倒れたらそこで許してもらえるとでも思ってんのか?!」「ゆっくりでもいい!!自分の力でやり遂げろ!!」
練習についていけず、指導に心が折れかける選手に向けた監督の一言。自分は足手まといだと悔し涙を流す選手に、お前が3年になった時、初の全国大会出場を夢見ていると語る監督の優しさも見える場面です。
厳しくするのは、忍耐が伴う辛いこと。笑って楽しく、だけで済むならこれほど楽なことはありません。けれど、自信がないからこそ、自分の力で最後までやった経験を積み重ねる。悔しい思いをしたら這い上がる。指導者の思いは、人間の中身を育てることにあるのだと感じます。
進路活動に向けた面接練習で、座右の銘やモットーを尋ねられることがあります。自身の経験がこうした言葉とシンクロした時、自分に向けられた言葉の真意に気づけるのかもしれません。
【柔道部】ハングリー精神
トレーニングもバランスが大切。
昨日は上半身強化の目的で道着懸垂を行いました。腕力だけでなく、しっかり握る力もまだまだ強くできる余地があります。
本日は呉竹医療専門学校にお邪魔して、久しぶりに本格的な稽古をさせていただきました。
ここ数日利用している合宿所に敷かれているのは和室用の畳。床面のスプリングもありませんから、激しい乱取りは避けざるを得ません。「普通」は当たり前ではないことを改めて実感します。畳の上で練習できることに感謝しようと、監督からもお話がありました。
生徒たちに稽古をつける先生方にもサポーターやテーピングが見えます。だからと言って、自分のための手加減はしません。生徒の力量に合わせて真剣に組み合います。
これまで在籍していた部員たちもあっけらかんと言っていました。「どこかしら痛くて当たり前」と。
さまざまなことが「いいよ」と赦される社会の流れで、子どもたちは物足りなさを感じる機会が少なくなっているように思います。
『わがままに練習しよう』
『自分を過小評価して甘い練習をしない』
昨年度、監督から何度も諭された一言です。
目的に合う相手を選ぶのは悪いことではありません。一本休んで全力の乱取りができるなら、その判断も必要だと思います。(もちろん、見ている側に「どんな意図で稽古をしているか」が伝わることが前提です)
先輩には勝てない、怪我だから力を出せない、と理由付けするままでは、いつまで経っても殻は破れません。スキルがある相手だからがむしゃらに!負傷していてもできることはある!守りに入るのではなく、欲を出して発奮してほしいです。
呉竹医療専門学校の赤岡先生、関口先生には、部員たちのケアから稽古まで丁寧に手をかけていただきました。
ありがとうございました。
【柔道部】不便の中の可能性
今週は毎日、トレーニングからスタートです。
今日は、階段昇降の往復(軽量40・重量30)と突き上げ300回をこなします。雨天のため同様のトレーニングをしていた野球部の一人は、回数を聞いて「スゴイですね…」と一言。
息を上げながらもペースを崩さずに取り組んでいたのは意外にも重量級のメンバー。軽量級はと言うと、声を出すのもしんどかったようでした。
稽古は厳しく、トレーニングは楽しく!の宮工柔道部。鯉渕監督にいじられ笑いも起こりながらの体幹トレ。とはいえ、もちろん遊びではないので、多少、負荷のかかるメニューの前には負傷箇所の状態を確認!その後に行った打ち込みはウイークポイントをなくすためです。ここで部員たちの表情も一変しました。こういうメリハリが大切です。
合宿所でもある記念館2階は柔道場と比べるとかなりこじんまりとしていますが、監督と部員のほど良い距離感を目にすることができ、これはこれで良いもの。道場の稽古ではないからこそ、見えてくる部分だと思います。
人も場所も、通常通りではないから全部がうまくいかない、何もできない、ということはないのですね。できることを探す楽しさを感じる期間にしたいです。
【柔道部】マインドチェンジ
施設改修で平日の学校練習ができなくなったため、今月は、外に出られる休日に稽古、オフ・自主練・トレーニングを平日に組み込んで練習しています。年度当初の計画と大きく変わってしまいましたが、練習日程も場所も、状況に合わせてその都度修正せざるを得ない不便さは顧問としても頭の痛いところです。
14日から16日の3日間は川口市立高校にお邪魔して、大垣日大高校・千葉商業高校・習志野高校などと合同練習を行いました。昨日は練習試合もさせていただき、場数を踏む貴重な時間をもつことができました。
最終日の本日は、寝技から立ち技まで、複数の先生方が宮工の部員たちに稽古をつけてくださいました。
大阪産業大学付属高校の内野先生、大垣日本大学高校の二村先生、ありがとうございました。また、宮工柔道部OBでもある粟飯原先生は後輩たちと組んだり観察したりして、良いもの持ってるのにもったいないよ、と声をかけてくださいました。「元気ないよ!!覇気を感じない!明るくやろう!」という鼓舞は、普段、鯉渕監督から指摘されていることとまったく同じ。複数の人間から指摘されるということは、それだけ足りない、それだけ重要だということです。
自分たちがどう見られているかを理解すれば、意識すべきことも見えてきます。
先日の大会後、部員たちは各々「何ができれば自信を持てるか」「そのために必要なことは何か」を考えました。自信をもつには成功体験を得ることです。ただし、たくさん失敗しなければ成功体験は得られません。たくさん失敗するには何度も挑戦するしかありません。挑戦の過程で、嫌なことやしんどいことにぶつかる場面は当たり前にあります。それを受け入れて初めて、自信をもてるきっかけが生まれるのではないでしょうか。
今、部員たちはそこに向かおうとしています。自信をもつために、ひとりひとりが「今の精いっぱい」をやり続ける気概を表現できると良いと思います。
【柔道部】できることを全力で
新チームで挑む秋季南部地区大会。
2年・坂本の表情は引き締まっていました。
6月の関東大会後、痛みがあった腰の症状が悪化して稽古から離れざるを得ず、夏休みも終わる頃、ようやく道着を着られるようになった時には心の底から嬉しそうな表情を見せていました。ここまでの間、治療とトレーニングを地道にこなし「キャプテンなのに練習できてないけどいいのかな…」と不安も口にしながら、稽古中、熱心に仲間に声をかけていました。
シード権もかかる今大会の団体戦、チームは決勝リーグの第一試合でつまずき苦しい展開に。
明暗を分ける最後の試合、中堅の坂本は必死に一勝を取りにいきます。前日の個人戦を一試合に止めたのも、今日と今後の大会のため。上を目指す足がかりを作るには絶対に取らなければいけない勝利に貢献しました。
常に万全な状態で試合ができることはありません。怪我をかばいながら、復帰直後で思うような調整ができない、ということは往々にしてあります。そういう状況でも、できることを明確にしてやり抜く。それができるように、日々、盤石の備えをする。絶対に合格しなければいけない試験でも、体調が悪ければ適当に解答する?力を抜いて面接をする?そんなことはないはずです。今、求められていることは柔道だけに必要なことではありません。
自信がないなら、自信がつくまで努力するしかないのです。泣いていいのは、本気の時間を積みあげた人だけ。気迫の勝負に勝つことができるのは、そういう人です。
そして、部活動は共通した思いを持った人の集まりです。その中で目標を定めている仲間の思いに気付き、受け止め、雰囲気を作り上げることは同じ場にいる者の義務でもあります。
3年生の引退が近づいてきてからの坂本は明らかに変化がありました。人を引っ張ったり中心になって声を出したりすることがそれほど得意な選手ではありません。それがこの一年で、自分のために、チームのために、変わっています。そういう仲間についていこうとする思いが、チームを押し上げるのです。
順風満帆な新チームのスタートとはならなかった今大会、「このままじゃ嫌だ」と奮起してくれることを願います。
【柔道部】大舞台への道
1、2年生が主役となる初めての地区大会まで1週間を切りました。
本日の会議でトーナメントが決まり、監督からは、ここから先の大会を見据えた短期目標のお話がありました。
大なり小なり、個々に怪我を抱えている今回、チームとしてのコンディションは不安が拭えません。ただ、激しい競技ですからそれは当たり前。一人ひとりの状態を見た監督の細やかな裁量に合わせて、練習量を加減しながら調整に入ります。