2024年11月の記事一覧
【柔道部】課題
「肉を切らせて骨を断つ」という言葉があります。
もともとは、剣道で真剣勝負する時の極意とでも言いましょうか、「自分も痛手を受ける代わりに相手にそれ以上の打撃を与える」「捨て身で敵に勝つ」心構えを表した語。前校長の清水先生が関東大会に向かう選手たちに送ってくださった「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」と同じ意味です。
日頃から部員たちが指摘されているのが、自分の形にするためにリスクを負うということ。やりやすいように組ませてくれる相手はいませんし、こちらと同じように他チームも宮工の研究をして対策をしています。イメージ通りになる状態を待つのではなくやりづらいところから不充分でも技に入る思いきりが、部員たちに必要な意識です。
さて、そんな言葉にちなんで(?)本日の食トレは“肉”です!
毎年、一年生が調理実習で作る一品、2種類のトレーニングの合間にしっかりエネルギー補給ができました!
【柔道部】追われる立場で
11月22日は新人大会でした。
通常、柔道部の大会は月曜日と火曜日を中心に行われますが、会場の関係もあって今回は金曜日。学校生活を送りながらの調整となりました。
新チーム初めての県大会団体戦は、選手権予選のシードもかかっています。対戦相手を想定した研究や個々の役割を監督と一緒に何度も確認して臨みました。いつもなら引退した3年生の声援が観客席から響きますが、今回はありません。チームを引っ張る2年生に、より責任がかかります。
関東選抜大会を経験し、強い相手と試合ができる嬉しさとあと一つの悔しさを味わった埜口。
キャプテンとして、中堅として…人一倍じっくり考えイメージを持って畳に上がった坂本。
求められることを察して、試合の最中だけでなく合間にも選手たちに声をかけ雰囲気をつくっていた福嶋。
練習で繰り返し確認してきたことが、ようやくハマるようになった梅津。
試合を観てくれた卒業生からは、地区大会と比べていい動きをしていた、チームの結束感が少し強くなった気がする、やっぱり母校が勝ち上がってくれると嬉しいと感想がありました。
県1位の高校が堂々としているのは積み上げてきたものに自信があるから。大正14年から続く宮工柔道部は歴史が長い分だけそれが重く、様々な年代の方からかけられている期待も生半可なものではないのではと思います。
昨年度はとにかくついていくことに必死だった2年生は、稽古を投げ出さず続けてきたことで強くなるためにどうすべきかを考える余裕が生まれました。荒削りの1年生がチームの目標や自分の状況を受け入れ、足りない体力や技術を補う努力をしています。余力十分とは言えませんが、チームとしての気は高まっているように感じます。
2ヶ月後、誇りを持って良い報告ができるように、いっそう精進していきます。応援、よろしくお願いいたします。
《試合結果》
桶川 0ー5 大宮工業
久喜工業 0ー5 大宮工業
大宮工業 5ー0 春日部共栄
大宮工業 2ー1 上尾鷹の台
埼玉栄 5ー0 大宮工業 第2位
【柔道部】心強い味方
本日の稽古には、同級生と共に粕谷が参加してくれました。
監督と談笑しながら稽古を眺める様子はすっかりOB。大学生になってからも監督が自分を気にかけてくれることが、粕谷には大きな励みになっているようです。
稽古をつけてくれるだけでなくアドバイスの時間も惜しみません。伝えたいことがある、と、練習後にも後輩たちを集めて指導をしてくれていました。
先輩方の想いに応え、良い報告をしなければいけませんね。
【柔道部】襟を正して
8日からの関東選抜大会、11日からは大会審判をする監督の出張と2学年のインターンシップ期間が重なり、久しぶりに全員そろっての稽古です。
気づけば新人大会1週間前。
できるようになっていることは確実に増えている、という監督の言葉を各々の自信に変えて、流れの中での生かし方を考えながら調整期間に向かいます。
【柔道部】99は0に等しい
仕方がないとはいえ、改修工事中は様々な不便を強いられます。
トレーニングもそのひとつ。教室に移動させた器具の利用はできますが、なにぶん場所が狭いため使い勝手に苦心します。そんな中、柔道部の部員たちがこぞって挑戦するのはベンチプレス。MAX測定から離れていることもあってかお互いの数字に敏感になり、ちょっとした競争心も見え隠れしています。数字が上がっていくのは、できることが増えた証。子どもたちには、やはり嬉しいことのようです。
毎年、寒くなるこの時期が本格的に体を鍛える期間の始まり。階段ダッシュや道着懸垂、重りを持ってのスクワットなど体に負荷のかかるメニューが加わった時、如実に現れるのが精神的な強さです。たとえば“道着懸垂10回→10秒ぶら下がり”という時、懸垂の仕方はもちろんのこと、カウント10で地面に足をつける子と10まで我慢し切る子では稽古の時のしぶとさも違います。欲しい結果に近づけるのはどちらか、言うまでもありません。“今、しんどいな”“ちょっと間を空けたいな”と思った時に休まず続ける意識を持てるよう、活動の様々な場面で声掛けしています。
オリンピック熱も落ち着き、選手たちをテレビで観る機会も増えました。そんな中、ニュースで紹介されていたのは阿部詩選手。練習前に必ず読むと話していたのが、この詩です。
もう一息という処でくたばっては
何事もものにならない
もう一息
それにうちかってもう一息
それにも打ち克って
もう一息
もう一息
もうだめだ
それをもう一息
勝利は大変だ
だがもう一息
(武者小路実篤「もう一息」)
99までやっても最後の1をやらなかったら、99まで全力でやっても最後の1で手を抜いたら、それは何もやっていないのと同じ。
「いいよ」の言葉に甘えられる昨今、ややもすると自分に対して安易に手加減をしがちです。けれど、早々に限界を決め、できない理由を正当化してできたかもしれないことに到達する機会を逃すのは非常にもったいないことではないでしょうか。
稽古にもトレーニングにも真摯に向き合い「あとひとつ」「もう一回」を厭わない人間性を育てて欲しいと思います。
【柔道部】恩返し
「恩返し」。
この言葉を口にする卒業生は多いです。
好きな柔道をさせてもらったこと。
指導していただいたこと。
先輩や後輩がいるから稽古ができたこと。
稽古ができたから結果を出せたこと。
伸び悩んでも続けられたこと。
同じ目的を持った仲間がいたから独りにならなかったこと。
そういった目に見えないことを感じればこそ、卒業後も道場に顔を出してくれたり歳の離れた後輩たちにアドバイスをくれたりするのだと思います。
昨日から続けて稽古に参加してくれた島村も、少なからずそうした思いを持っていてくれていたでしょうか。毎年、大学進学を決めた部員は継続して稽古をするよう監督から指導を受けています。昨年度のこの時期は、新井と粕谷の2名が連日参加してくれました。友達と遊びたいとかアルバイトをしたいとか、それなりに思いはあったことと思います。それでも放課後の時間を稽古に費やしたのは「進学先で困らない様に」という自分たちのためだけではないはずです。
あなたの時間は、あなただけの時間ではない。周りに人がいてくれたから成り立った時間です。そのことをよく理解し、頼まれたから“やってあげた”、“言われたから”やった、ではなく“自分もしてもらったことだから”と気持ちよく引き受けられる、『精力善用 自他共栄』を体現できる人であってほしいです。