2022年10月の記事一覧
【柔道部】雑力
今月6日から13日まで行われた世界柔道。「普段はまったくテレビ観ないのに、丸山選手の試合を何度も観てるんです」とお話してくださった保護者の方もいらっしゃるほど、部員たちは各々、日本人選手の活躍に熱い視線を送っていたようです。
そんな先週末、鯉渕監督からのお話にあったのは決勝で反則負けを喫した斎藤立選手の戦評。その中にあった「雑力」という表現が印象的だったと、部員たちに諭していらっしゃいました。
お手本のようなきれいな柔道は理想。試合の中でセオリーを体現するのは難しいことですから、それができる選手は素晴らしいです。ただし、試合は動きがありますしお互いに手の内を知り尽くしている部分もあります。そんな時、不十分でも技に入る状況をつくる、崩れたところから仕掛ける、手数を見せる。勝ちを引き込む展開に持ち込むためにどうするか、流れの中で考えて動く稽古をしようと指導された部員たちは、場面を設定しての30秒乱取りに取り組んでいました。
《関東大会県予選、武南戦の長瀬。綺麗な形じゃないけど、と言っていましたが、この一勝がチームを救いました》
プロ野球のクライマックスシリーズでも、体勢を崩しながらのヒットや送球が試合の流れに影響する場面がありました。自分がこだわっている何か、理想とする形を捨てても勝ちにいく執念もまた、雑力なのではないでしょうか。
斎藤選手は試合後のインタビューで「あんな負け方をするなら全部出していけば良かった」と話していました。指導3つの反則負けはもっとも悔しい負け方ではないかと思います。がむしゃらに泥臭く、落ち着いて丁寧に、試合展開にはいろいろな要素が混ざります。部員達には、選手としての自身の良さと譲れない部分の取捨選択をする意識を日々の練習で見せて欲しいと思います。